映画「十二人の死にたい子どもたち」解説考察|12人の自殺理由と中止に賛成した理由おさらい | 映画の解説考察ブログ

映画「十二人の死にたい子どもたち」解説考察|12人の自殺理由と中止に賛成した理由おさらい

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十二人の死にたい子どもたち ミステリー
© 2019 Warner Bros. Japan LLC All rights reserved.

映画『十二人の死にたい子どもたち』の12人の死にたい理由について振り返ります。

ネタバレありきの考察記事です。まだ見ていない方はご注意ください。

十二人の死にたい子どもたち

制作年:2019年
本編時間:117分
制作国:日本
監督:堤幸彦
脚本:倉持裕
原作小説:『十二人の死にたい子どもたち』沖方丁 著
主題歌:『On Our Way』The Royal Concept

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それぞれの死ぬ理由、自殺中止に賛成した理由を整理

12人の少年少女が死にたいと思った理由を順番に整理していきます。

1番・サトシ

十二人の死にたい子どもたち

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サトシには明確な自殺理由はなく、ただ「家族の死や自殺未遂をきっかけに、自分も死にとりつかれた」と語っています。
死にたい理由が弱すぎて怪しいなと思っていたら、最後の『何度もこの会を開いている』という発言で納得しました。

サトシはあくまで傍観者的な目線だったことが結末で明らかになるので、純粋に絶望から立ち直る人間の姿が見たいだけなのかもしれません。

 

2番・ケンイチ

十二人の死にたい子どもたち

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ケンイチは空気が読めないキャラクターがあだとなって、同級生から強烈ないじめを受けていました。
最初に彼をいじめはじめたのが担任教師なところがかなり闇深そうです。
ケンイチはいじめに対抗する勇気も出ず、もう耐えられなくなりこの会に参加しました。

ケンイチが実行中止に賛成できたのは、マイとセイゴの励ましの言葉が大きいのでしょう。

 

3番・ミツエ

十二人の死にたい子どもたち

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 ミツエは崇拝していたヴィジュアル系バンドの1人が自殺したため、後追い自殺をしようとしてこの会に参加しました。
彼女が実行中止に賛成したのは、自分のことよりも芸能人であるリョウコを生かしたかったからと思われます。

 

4番・リョウコ

十二人の死にたい子どもたち

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リョウコの正体は『秋川莉胡(あきかわりこ)』という人気若手女優でした。
彼女は人気が出てから『秋川莉胡』の存在が勝手に独り歩きし、プライベートも無くなり、本当の自分がわからなくなったため、本名の『リョウコ』として死にためにこの会に参加しました。

彼女が生きることに決めたのは、シンジロウの言葉に心を打たれて「もうちょっと生きて見よう」と思い直したからだと思われます。

 

5番・シンジロウ

十二人の死にたい子どもたち

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本作は特に主演っぽい人物が居ませんでしたが、彼が登場もセリフも一番多かったので、主人公に一番近いキャラかもしれません。
シンジロウは幼い頃から難病におかされていて、もうすぐ自分の意思では動けなくなると医者に告げられていました。

シンジロウは、それなら死ぬタイミング位は自分で決めたいと思い、この会への参加を決意しました。

彼が実行中止にしたのは0番が生きていて嬉しかったからで、同時に12人全員にも生き続けてほしくなったからです。
シンジロウ自身も植物状態でも生きている0番に心打たれて、自分もいつか死ぬまでは精いっぱい生きようと考え直しました。

 

6番・メイコ

十二人の死にたい子どもたち

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メイコの家庭事情は複雑だったようで、父親がモテるのか母親がコロコロ変わっています。
その原因は、父親のサイコパス的な性格からだったようです。

メイコ自身も父親が大好きで尊敬していて、娘という立場なので「父親は自分だけは絶対に捨てない」と安心していたんだと思います。
ですがメイコの理想通りにはならず、父親はメイコを捨てようとしました。

父親への愛情が憎しみに変わったメイコは、父親に自分の存在を一生覚えてもらうにはどうしたら良いか考えた結果、自分自身に生命保険を掛けて、保険金の受取人を父親にして受け取ってもらおうと思いつきました。

経営難にある父親の会社がメイコの保険金で立ち直れば、周囲からも『娘の保険金で立ち直った会社』と言われ、一生娘を忘れないはずだと思ったのです。
メイコは捨てられた腹いせ・復讐として、父親が周囲に良く思われないような形で死んでやろうと考えたのでしょう。

メイコは恐らくあまり納得出来ていないながらも、他人を思いやる心が少し芽生えたからこそ会の中止に手を挙げたのではないでしょうか。

 

7番・アンリ

十二人の死にたい子どもたち

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アンリは母親からネグレクトの虐待を受けながら育ち、4歳の頃に母親が起こした火事で当時0歳だった弟を失いました。
それから彼女は『自分や弟が生まれてきた意味』について考えるようになり『本当は生まれてきたくなかった』と思い至ります。

自殺を考えた時に、自分の意思で死ぬことが許されない日本社会に怒りを感じた彼女は、集団自殺の一員になって『生死を自分で選ぶ権利』を主張しようと考えました。

彼女が実行の中止に賛成した理由は、シンジロウ同様自分以外のメンバーに生きていて欲しくなったからだと思います。
また集いに参加したがっていたので、彼女の死にたいという気持ちは一時的に和らいだものの、まだ自殺願望は根深いようです。

 

8番・タカヒロ

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タカヒロは母子家庭で育ち、母親からかなり間違った方法でコントロールされながら育っています。
彼自身は吃音症を含めた精神病が一生治りそうにないから自殺を決意したと語っていますが、本心は恐らく母親から解放されたかっただけで、母親から解放されるには死ぬしかないと思い込んでいたのです。
幼いころに駄々をこねたからと言う理由で十代後半になっても薬漬けにされていたあたりも闇を感じます。

タカヒロは精神病ではなく、おかしいのは母親だと気が付いたので未来に希望が持てました。

 

9番・ノブオ

十二人の死にたい子どもたち

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ノブオは中学生の頃、いじめっ子を階段から突き飛ばして殺してしまったことで良心の呵責に悩まされて自殺を決意しました。

彼が棄権した理由は作中でも語られていますが、警察に自首して罪を償ってスッキリしようと決めたからです。

 

10番・セイゴ

十二人の死にたい子どもたち

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セイゴは母親と再婚相手の男に生命保険に加入させられたので、母親に保険金を渡さない方法で死ぬことを考えて、この会にたどり着きました。
彼が生きることを諦めたのは、母親の知り合いに簡単に人を殺す連中(恐らくヤクザ)がいるからです。
実行中止に賛成した理由は、彼もまたシンジロウの言葉に励まされたこと、他の皆に生きていて欲しいと感じたからです。
メンバーの中で一番生きるのが難しいのはセイゴですよね。
気になるので、彼のその後を描いてほしかったです。

セイゴ演じる坂東龍汰だけが実際に喫煙している姿が映っていたのですが、気になって年齢を調べたら1997年生まれで成人済みでした。
登場人物が全員未成年の設定なので、たばことか出てくるとソワソワしちゃいます(笑)

 

11番・マイ

十二人の死にたい子どもたち

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マイは出会い系サイトで出会った男性に無理やりキスされて、不治の病を染されたことが自殺理由だと語っていました。
病名が明らかになっていない段階ではエイズかと思い込んでいまいたが、ふたを開けるとヘルペスでした。

ヘルペスは確かに完治することがないと言われている不治の病の一種ですが、彼女は不治の病イコール死に至る病と思い込み、思い詰めてしまったのでしょう。
実行中止に賛成したのはシンジロウの言葉に心を打たれたからでしょう。
その後ヘルペスについてちゃんと調べているマイの様子が思い浮かびます。

 

12番・ユキ

十二人の死にたい子どもたち

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ユキは中学時代の塾からの帰り、兄と自転車を2人乗りしていて自動車事故にあいました。
事故のせいでユキは左腕が不自由になり、兄は植物状態になりました。
ユキは兄に対する罪悪感と、兄を楽にしてあげたいという思いからこの会に参加しました。

実行中止に賛成したのは、他のメンバーが「0番が生きていて安心した。救いたくなった」と、兄が生きることに心から賛成してくれたからです。

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