「十二人の死にたい子どもたち」ネタバレ解説|左右の道に分かれる意味、その後を予測 | 映画鑑賞中。

「十二人の死にたい子どもたち」ネタバレ解説|左右の道に分かれる意味、その後を予測

サスペンス(密室系)

12人の高校生の安楽死志願者が、闇サイトを通じて安楽死するために集まった。
廃病院の地下会場に全員が揃うと、そこにはベッドに横たわる13人目の少年の遺体があった。
12人の少年少女は、死ぬ前に13人目の正体を明らかにすることにした。

監督は映画『TRIC』や『20世紀少年』などでお馴染みの堤幸彦。

制作年:2019年
本編時間:117分
制作国:日本
監督:堤幸彦
脚本:倉持裕
原作:ミステリー小説/沖方丁『十二人の死にたい子どもたち

キャスト&キャラクター紹介

サトシ高杉真宙


(引用:https://www.cinematoday.jp
番号札1番、15歳。闇サイトの管理人でありこの会の発案者。
いつも冷静に周囲を観察している。
家庭問題で悩んでいる。

 

ケンイチ渕野右登


(引用:https://twitter.com
2番 16歳。空気が読めないおっちょこちょい系男子。
イジメで悩んでいる。

 

ミツエ古河琴音


© 2019 Warner Bros. Japan LLC All rights reserved.
3番 16歳のゴスロリ女子。
大好きなバンドマンの後追い自殺をしようとしている。

 

リョウコ&秋川莉胡橋本環奈


(引用:https://www.cinematoday.jp
4番 子役を経て現在は有名な若手女優の17歳。
芸能界に絶望している。

 

シンジロウ新田真剣佑


(引用:https://www.wacoca.com
5番 17歳。探偵並みの推理力を持つインテリ系男子。
不治の病に苦しんでいる。

 

メイコ黒島結菜


(引用:https://www.cinematoday.jp
6番 18歳。重度のファザコン&超合理主義な女子。
父親のために死のうとしている。

 

アンリ杉咲花


(引用:https://www.cinematoday.jp
7番 17歳の意識高いインテリ系女子。
安楽死を社会に浸透させたいと考えている。

 

タカヒロ萩原利久


(引用:https://www.cinematoday.jp
8番 16歳。吃音があり、自分に自信が持てない男子。
母親との関係に葛藤を抱いている。

 

ノブオ北村匠海


(引用:https://www.cinematoday.jp
9番 18歳のインテリ系眼鏡男子。
過去に犯した犯罪を苦に死のうとしている。

 

セイゴ坂東龍汰


© 2019 Warner Bros. Japan LLC All rights reserved.
10番 15歳の金髪ヤンキー。
基本的にチャラチャラしているが、親分肌な一面がある。
母親への腹いせに死のうとしている。

 

マイ吉川愛


(引用:https://www.cinematoday.jp

11番 17歳のおバカ系ギャル。
不治の病に苦しんでいる。

 

ユキ竹内愛紗


(引用:https://www.cinematoday.jp
12番 15歳。目立つことが苦手な空気系女子。
事故の後遺症に苦しんでいる。

・その他のキャスト

0番…とまん ほか

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あらすじ:起

闇サイトを通じて集まった12人の自殺志願者の若者が、とある廃病院に集まった。
メンバーは裏口から院内に入り、受付横にある金庫の中の番号札を番号順にとり、昼12時までに地下にある会場に集合することになっている。
会場広間の中央には、12人が座れるイスと長机が用意されていて、机を囲んで12台のベッドが円を描くように置かれていた。


(地下会場 引用:https://ameblo.jp

12人が集まってそれぞれ自己紹介を終えると、闇サイトの管理人で、この会の発案者であるサトシ(1番)が言った。
「私たちは安楽死するためにここに集まりました。
さっそく、今すぐ実行していいかどうかを皆さんにお聞きします。
もしも反対の方が居れば、今すぐ実行はせず、全員の意見が一致するまで話し合いを行います。
話し合いの途中で棄権したくなった場合は、そのまま帰っていただいて構いません。」

ここで、一同は既にベッドに横たわって死んでいる謎の青年を含めて13人になることに気が付いた。
ベッド隣の台には睡眠薬の空きシートが2、3枚無造作に置かれていたので、先に来た12人のうちの誰かが他の人を待たずに先に自殺したのだろうと思い込んでいたのだ。


(謎の死体の周りに集まる一同 引用:https://www.cinemacafe.net
サトシは「自己紹介し合った時の12名の名前と、僕が持っているメンバー一覧表の名前は一致しているので、寝ている人物は部外者の可能性が高い」と言った。
皆、どうでもいいから早く実行したいと思っていたが、ケンイチ(2番)が「謎の青年の正体がわからないと気持ち悪いから、わかるまで実行はしたくない!」と言い出した。

青年が飲んだであろう睡眠薬を確認したシンジロウ(5番)
「この薬はたった2、3シート飲んだ位じゃ死ねないはずだ。
もしかすると、この会の存在を知った誰かが、この青年、仮にゼロ番が自殺したように見せかけるためにここに置いたのかもしれない。
つまり、0番は誰かに殺されたのかもしれない」と推理した。

すると、サトシが「こんな場所でこれだけの人数が死んでいたら、世間で少なからず騒がれるだろうね。
僕は遺書にこの会のことを書いてきたから、13人いると事件性が疑われるかもしれない」と答えた。
皆は死んだ後のことはどうでも良いとも思ったが、セイゴ(10番)は違った。

セイゴは母親と再婚相手の男に多額の生命保険に入らされたという。
セイゴの母親の周りには殺しを何とも思わないような人がたくさんいるらしく、セイゴは殺される前に死のうと思ってこの会に参加したわけだが、彼は母親には絶対に生命保険が渡らない形で死にたいと打ち明けた。
生命保険に入ってから1年以内の自殺だとお金はおりないが、万が一、警察の調べで自分たちが殺されたことになってしまえば、1年以内でも母親に生命保険がおりる。
「それは絶対に嫌だから、0番のことがわかるまでは実行したくない!」とセイゴが反対したので、一同は0番が殺されたのかどうかを確かめることにした。

0番のベッドの横には車いすが置かれていた。
車いすはこの病院のものではなく、0番の足の筋肉の状態からしても、彼は生前車いす生活をしていたことが窺えた。
掛け布団をまくってみると、彼は靴を履いてしなかった。
すると、何人かのメンバーが会場に来るまでの間に靴、帽子、マスクを見かけたという。

車いすで地下に行くとなると階段ではなくエレベーターが必要になるが、タカヒロ(8番)、ノブオ(9番)、セイゴ(10番)が来た時は、エレベーターは6階でドアに椅子が挟められていて動けなくなっていた。

シンジロウ(5番)は「来た時に正面玄関の自動ドアが機能していたのでおかしいと思った」と明かすと、サトシ(1番)は「そもそもブレーカーを落としていたはずなのに、今日僕が来た時には電気が通っていた」と言った。
さらにサトシは今日ここに来た時、昨日までは無かったメンソールの煙草の吸殻が病院の外と、喫煙室の灰皿の中にあったのを見たという。
この時、病院や薬のことにやけに詳しかったシンジロウは、実は重い病気を患っていて療養期間もかなり長いことがわかった。

ここで推理ばかりしていても埒が明かないと考えた一同は、数人ずつに分かれて靴などを見た場所や異変があった所に行ってみることにした。

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あらすじ:承

エレベーターが止められていた6階に向かったタカヒロ(8番)、アンリ(7番)、メイコ(6番)は、エレベーターの中にスニーカーが片っぽ落ちているのを発見、回収した。
しかし、タカヒロが到着した直後にエレベーターを利用した際は落ちていなかったらしい。

帽子とマスクが落ちていた病院外の花壇に行ったマイ(11番)、セイゴ(10番)、ケンイチ(2番)は、帽子とマスクと、花壇の近くに落ちていたメンソールの煙草の吸殻を回収した。
この時、ケンイチは死にたい理由が小学生時代から続くイジメだという事を明かした。

正面入り口の自動ドアに行ったシンジロウ(5番)、ノブオ(9番)、ユキ(12番)は、病院受付に続く狭い通路が車いすで通れるか試したが、どう工夫しても車いすがそこを通ることはできなかった。
裏口から入ると、必ずその通路を通らなければ院内に入れないのだ。
その通路の壁には、車いすを無理やり通そうとした痕もあった。

自動ドアのスイッチはドア上部の隅にあり、ドアの横には柄の長いモップが落ちていたので、モップの柄を使ってドアのスイッチを入れたのだろうと推測された。
シンジロウ(5番)は、0番が1人で来たことをシミュレーションして足の不自由な人がスイッチを入れられるか試してみたが、モップの柄はスイッチに到底届かなかった。
つまり、0番は1人で来たのではなく、誰か付き添いがいたのだ。

シンジロウの推理力に残りの2人が感心していると、シンジロウは両親が警察官なのだと打ち明け、元々推理することが好きで、日常のほとんどを病室で過ごしていた自分には推理することしか楽しみがなかったのだとも告白した。

片方の靴があったという1階女子トイレに行ったミツエ(3番)、リョウコ(4番)は、トイレに落ちていた靴を回収した。
その靴はエレベーターに落ちていたものと同じデザインだった。
この時、洗面台の上に口紅が付いたメンソールの煙草2本を発見した。
煙草に付いていた口紅の色は、ミツエがしている口紅の色と一緒だった。
ミツエはリョウコに何か聞かれる前に「この煙草、死んだ彼が好きだったの。会いに行く前に吸ってみようと思って」と伝えた。
彼女はどうやら想い人を追いかけるために死にたいらしい。

6階を見た後、屋上に上がっていたタカヒロ(8番)、アンリ(7番)、メイコ(6番)は屋上から下を見ろしていた。
ここからなら病院に出入りする人を一望できる。
この時、タカヒロは母子家庭で支配的な母親に育てられたことや、父子家庭同然で育ったメイコがかなり重度のファザコンであることがわかった。
メイコの母親は父親に捨てられ、その後現れた2、3番目の女も父親に捨てられ、それをメイコはいい気味だと思っていると笑いながら話した。
その後、シンジロウ(5番)、ノブオ(9番)、ユキ(12番)が屋上に来た際、タカヒロがノブオに「0番を殺したのは、ノブオ君なの?」と問い詰めた。
タカヒロは病院に来てからまず最初に屋上に行き、その後でノブオとタカヒロと出会ったのだが、その時にノブオは屋上に行ったことがあるかのような発言をしていたからだ。
つまり、ノブオは少なくとも皆が来る前に病院に来ていたことになる。
ノブオはうなずき「この話は全員そろっている場所でしたい」と言った。

その後、皆は会場に戻ったのだが、ノブオは階段を下りる際に誰かに突き飛ばされて頭を強打した。
ノブオが倒れたことに気付いた者は誰もいなかった。

全員が地下の会場に戻ると、やはりノブオは戻っていなかった。
しばらく待っても戻ってこないので、アンリ(7番)が「あと30分待ってもノブオが戻らなかったら棄権とみなして、11人だけで実行の決を採りましょう」と提案した。

この30分の間に、メンソールの煙草の吸い殻が実はリョウコ(4番)のものだったことが判明した。
リョウコは10時頃に病院に来てベンチで煙草を吸って時間を潰し、それから院内に入って番号札を取り、待合室に行くとケンイチ(2番)が居たのでとっさに隠れて2階女子トイレで時間を潰したそうだ。
その時、外で重たい何かが落ちたような鈍い音が聞こえたのでトイレのドアを開けると、廊下を誰かが走り去るのが一瞬見えたと語った。
リョウコには、その人物は黒っぽい服を着ていたことしか確認できなかった。
彼女がなぜ人目を避けているのかというと、リョウコの正体は人気若手女優の秋川莉胡だったからだ。
リョウコは皆の前でかぶっていた帽子とマスクを外し、正体を明かした。
リョウコは芸能界で人気が出たことで本当の自分がわからなくなり、一般人に戻りたくても戻れないため、死を選ぼうとしていることを明かした。

すると、ミツエ(3番)が「リョウコが棄権するまで実行に反対する!」と言い出した。
ミツエは崇拝していたV系バンドのゲリ閣下が自殺したため、後追いするつもりでこの会に参加していた。
ミツエは「あんたみたいな芸能人は一般人と命の重さが違う!私みたいな人間を増やさないために、絶対に自殺なんかしないで!」と声を荒げた。
リョウコは「私なんて、業界の大人が時間とお金をかけて作ったただの商品よ!そんなもののために命を捨てるなんて馬鹿じゃないの!」と対抗した。

この頃、とっくに30分以上経過していた。
待ちきれなくなったメイコ(6番)の発案で、決を採るのは後回しにして、先に実行に必要な道具を手分けして集めることになった。

ケンイチ(2番)、ミツエ(3番)、ユキ(12番)が2階透析室に目張り用テープを取りに行った時、ユキは左手がほとんど動かせないことが明らかになった。

アンリ(7番)、リョウコ(4番)は1階事務室で火災報知器の電源を落とした。
練炭を使っても火災報知器が発動しないようにするためだ。
この時、アンリはリョウコに「あなたのおかげで私の主張がより多くの人に伝わるはずだわ」とお礼を言った。
アンリは自殺という選択肢ができないこの世の中はおかしいと考えていて、自分できちんと考えて選ぶ『死』であれば認められるべきだと世の中に伝えたいと考えていた。
それがアンリがこの会に参加した目的だった。
リョウコは「私はずっと大人たちに利用されてきた。
死ぬ時まで誰かに利用されたくない!」と言ったが、アンリは「いくらあなたがそう思っても、結果的にそうなるのよ」と答えた。 

シンジロウ(5番)、タカヒロ(8番)、マイ(11番)は2階ナースステーションに練炭を取りに行った。
この時、マイはネットで知り合った男に病気を染されたことが参加理由であることを明かした。

残るセイゴ(10番)とメイコ(6番)は4階給湯室にある脚立を取りに行った。
メイコは嬉しそうに、自分で自分に生命保険をかけて死のうとしているのだと明かした。
その理由は、彼女自身のことを父親にいつまでも覚えておいてもらうためだという。
今、父親の経営する会社が倒産しかかっているため、父親に生命保険金を残す形で死ねば、周りからも「娘の保険金で立ち直った会社だ」と言われ続けるし、父親は一生忘れないだろう、というのが彼女の持論だった。
セイゴは「全然わかんねえ!」と答えてメイコの話を終わらせた。
セイゴが階段を使って地下に戻ろうとした時、階段の踊り場に血が落ちていて、それはぽたぽたと3階トイレに続いているのを発見した。
恐らくその血は階段で転んでいたノブオのものだが、近くにノブオの姿はなかった。

会場に戻った一行が実行の準備を終えた後。
サトシ(1番)が、ここは元々彼の父親が経営していた病院で、父親が自殺して現在に至っていることを明かした。
サトシの父親は、かつて母親がサトシの兄と無理心中を図ったことで悩み続けて鬱になっていたそうだ。
無理心中のきっかけは、サトシの兄が大学受験で医大に落ちたから。
母親と兄は生き延びて、現在別々の親戚の所で暮らしているそうだ。
その後しばらくサトシと父親で二人暮らしをしていたが、父親は死を選んだ。
それからサトシは「死にたい」とはどういうことなのかが知りたくてたまらなくなり、この会を思いついたと語った。

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あらすじ:承

その後、おでこ血まみれ状態のノブオ(9番)が会場に戻ってきた。
そして、彼を階段から突き飛ばしたのはメイコ(6番)だと明かした。
ノブオが0番について何か知っていて、それについて皆の前で説明したいと言った時、メイコはこれ以上実行の時間を遅らせたくないと思ってノブオを階段から突き飛ばしたのだった。

ノブオがこの会に参加した理由は、過去に人を殺したことがあるからだった。
ノブオは幼い頃から人並み以上に何でもできるタイプで、それが妬まれたのか、学校で執拗ないじめにあっていた。
ある日、ノブオは我慢できなくなって いじめの主犯の同級生を階段から突き飛ばして殺してしまった。
警察はこの件を事故とみなし、ノブオの犯行は誰にも気づかれることはなかった。
だが、それからノブオは良心の呵責に苦しみ、皆に自分が犯人だと打ち明けたかったが出来なかった。
そのためノブオは死にたくなったそうだ。

だが、ノブオはメイコに突き飛ばされたときに気持ちが吹っ切れたらしく、まずは自首して罪を償って、死ぬかどうかはそれから決めると語り、棄権の意思を表した。
ノブオはその後も会の一部始終を見守りたいと言い、しばらく残ることになった。

その後、シンジロウ(5番)は、0番を運び込んだのはアンリ(7番)とノブオ(9番)が協力してやったんだろうと推理し、それは当たっていた。

実は、アンリとノブオはリョウコが来るよりも前に病院に着いていた。
目的は、会の邪魔になりそうな人物が現れたら事前に排除するためだった。
2人は知り合いだったわけではなく、思考が似ていてたまたま遭遇してしまったのだ。
そして一緒に屋上から見張っていた時、0番が何者かに車いすで押されながら病院に現れた。
車いすを押していた人物も体が弱いのか、フラつきながら車いすを必死で押していた。
参加者だと思ったアンリとノブオは手助けしようと思い1階に降りると、0番はすでに息がなく、車いすを押してきた人は消えていたが、病院から立ち去ってはいないことは受付に置かれていたニット帽とマスクでわかった。

2人は0番と付き添いの人物を含めて12人なのだと思っていた。
だが、死体をこのまま放っておくと会の進行のさまたげになりかねないので、誰にも見つからないように会場のベッドに寝かせることにした。
アンリが屋上で他の参加者が来るのを見張り、ノブオが0番を隠しながら会場が開く11時になるのを待ち、ベッドに寝かせ、0番の車いすのポケットに入っていた睡眠薬を傍に置いた。
靴が片っぽずつ別々の場所に落ちていたのは、移動させた時にそれぞれ脱げてしまったからで、エレベーターを止めたのは、0番を隠していた6階に人が簡単に来られないようにするためにノブオがやったことだった。

11時を過ぎるとぽつぽつと参加者が集まってきて、最終的に13人になったので驚いたアンリは、一番最後に現れたメイコ(6番)が本当に参加者かどうかを確認するために一度外に出てから声をかけ、この時花壇にマスクとニット帽を捨てたのだった。

シンジロウ(5番)がノブオの協力者がアンリだと特定出来たのは、アンリが携帯をつついた数分後にノブオが会場に戻ってきたからだった。


(引用:https://ameblo.jp

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あらすじ:結

その直後、死んでいると思っていた0番がまだ生きていることがわかった。


(0番の生死を確かめるサトシとシンジロウ 引用:https://www.cinemacafe.net

0番をどうするか論争が始まる中、今まで大人しくしていたユキ(12番)が口を開いた。
ユキは、0番が彼女の実の兄であることを明かした。
ユキは数年前に兄と自転車で二人乗りしていて自動車事故にあい、ユキは左手に麻痺が残る怪我を負い、自転車を漕いでいた兄は植物状態になった。
ユキが兄に対する罪悪感に耐えられなくなっていた時に、闇サイトの会を知って兄と参加しようと思ったが、その時には既に枠1人分しか残っていなかった。
なので、皆には無断で兄を連れてきたのだと語った。

ユキが兄を連れて病院に来て受付前の狭い通路で困っていた時、人の気配を感じてとっさに隠れた。
すると、アンリとノブオは「彼にも参加する権利がある」と言い、0番を運び始めた。
兄は植物状態なので意見を聞くことが出来ず、ユキは連れて来て良かったのか不安だったが、アンリとノブオの会話を聞いて安心したのだった。
そして、リョウコ(4番)がトイレのドアを開けた時に見たという黒っぽい人物は、皆から隠れていたユキだったのだ。

こうして0番の謎が全て解決してホッとした時、マイ(11番)は、自分が染された病気がヘルペスだと明かし、全員呆然とした。
皆は「そんなことで死にたいの?」と言うが、マイは「一生治らないから」と真剣に答えた。

アンリ(6番)が「私は生まれてきたことに抗議するためにこの会に参加した。
皆、生まれてこなきゃ良かった、生まれてきた意味や価値がないと思ったからここにいるんでしょ?」と聞くと、それぞれが彼女の言葉を否定した。
するとアンリは、彼女自身が4歳の頃に自宅が火事になり、当時0歳だった弟を失くしたと語りだした。
火事の原因はアンリの母親のたばこで、アンリと弟は母親から日常的にネグレクトの虐待を受けていたのだった。
生き残ったアンリは、自分や弟が生まれてきた意味を考え続けて母親に対する憎しみに囚われ、母親や世間に対して『私は生まれてきたくなかった』と意思表示がしたいと力強く話した。

すると、シンジロウ(5番)が「そんなに伝えたい主張があるなら、生き続けて主張し続けるべきだ!
僕は、もうすぐ自分の力で動くことが出来なくなると医師から言われた。
だから自分が死ぬタイミングは自分の意思で決めたいと思ってここに来た。
だけど、ここで皆の話を聞いていたら気が変わったんだ。
皆にもっと生きていて欲しいと思うし、僕も死ぬまで生き続けようと思った!」と棄権の意思を示した。

会場が静まり返る中、シンジロウはサトシ(1番)に「この会を中止したいと思ったんだけど、皆に決を採ってもらえないか?」と提案した。
サトシが「賛成の方は手を上げてください」と言うと、シンジロウ、ノブオ(9番)、タカヒロ(8番)、ケンイチ(2番)、マイ(11番)、セイゴ(10番)、リョウコ(4番)、ユキ(12番)、ミツエ(3番)、メイコ(6番)、アンリ(7番)の順に手を挙げた。
サトシは「全員賛成なので、この会を中止します」と言った。

その後、暗い表情で現れた面々は満面の笑顔で病院から出て、それぞれの生活に戻っていった。

地下会場に残っていたアンリは、片付けをしているサトシに「あなた、何度もこういう事してるんでしょ?」と聞いた。
アンリはサトシの振る舞いや「死にたいという気持ちが何なのか知りたい」という発言から、この会が初めて行われたわけではないことに気が付いていた。

サトシは「今回で3度目ですが、なぜか毎回中止になるんですよね。
でもなぜか、中止になって誰もいなくなると気持ち良くなるんです」と笑った。
アンリは「次はいつ?私も必ず参加するわ。
中止にさせたい参加者がいるなら、実行させたい参加者が居てもいいでしょ?」と言い、ゆっくりと会場から立ち去った。
サトシは「歓迎しますよ!」と答えてアンリを見送った。

主題歌
「On Our Way」The Royal Concept

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解説・感想や考察など

それぞれの死ぬ理由を整理

あらすじにも一応書いていますが、12人の少年少女が死にたいと思った理由を順番に整理していきます。
ネタバレしているので未鑑賞の方は自己責任でお願いします。

1番・サトシ

サトシは『○○だから死にたい』というような、明確な自殺理由は語っておらず、ただ「家族の死や自殺未遂をきっかけに、自分も死にとりつかれた」と語っています。
死にたい理由が弱いなと思っていたら、最後の『何度もこの会を開いている』という伏線回収で納得しました。

サトシはあくまで傍観者的な目線だったことが結末で明らかになりますので、絶望から立ち直る若者が見たいだけなのかもしれません。

2番・ケンイチ

ケンイチは空気が読めないキャラクターがあだとなって、同級生から強烈ないじめを受けていました。
最初に彼をいじめたのが担任の先生というあたり、闇が深そうです。
ケンイチはいじめに耐えられなくなったけど対抗する勇気も出ず、自殺を決意しました。

ケンイチが実行中止に賛成できたのは、マイの「空気読めない人は人気者にもなれる」や、セイゴの「俺がいじめっ子に話付けてやってもいい」という激励の言葉が大きいでしょう。

3番・ミツエ

ミツエは崇拝していたヴィジュアル系バンドの1人が自殺したため、後追い自殺をしようと決めました。

彼女が実行中止に賛成したのは、自分のことよりも芸能人であるリョウコを生かしたかったからだと思われます。

4番・リョウコ

リョウコは『秋川莉胡(あきかわりこ)』という人気若手女優でした。
彼女は人気が出てから『秋川莉胡』の存在が勝手に独り歩きし、プライベートも無くなり、本当の自分自身が保てなくなってしまったため、本名の『リョウコ』として自ら死を選ぶ決意をしました。

彼女が生きることを決めたのは、シンジロウの言葉に心を打たれて「もうちょっと生きて見よう」と思い直したからだと思われます。

5番・シンジロウ

本作は特に主演っぽい人物が居ませんでしたが、彼が登場もセリフも一番多かったので、主人公に一番近いキャラと考えて良いかもしれません。
シンジロウは幼い頃から難病に侵されていて、もうすぐ自分の意思では動けなくなると医者から告げられていました。
シンジロウは、それなら死ぬタイミング位は自分で決めたいと思い、この会に参加することを決意しました。

彼が実行の中止を決めたのは、0番が生きていて嬉しかったからで、同時に、12人全員に行き続けてほしくなったからです。
彼自身も、植物状態でも生きている0番に心を打たれて、自分も死ぬまで精いっぱい生きようと考え直しました。

6番・メイコ

メイコの家庭事情は複雑だったようで、父親がモテるのか母親がコロコロ変わっています。
その原因は、父親の『邪魔者は排除する』というサイコパス的な性格からだったようです。
メイコ自身も父親が大好きで尊敬していて、娘という立場なので「父親は自分だけは絶対に捨てない」と安心していたんだと思います。
ですが、ずっとそういうことにはならず、父親はメイコをも捨てようとしました。

父親への愛情が憎しみに変わったメイコは、どうにかして父親に彼女の存在を一生覚えておいてもらうためにはどうしたら良いのか考えました。
その結果、自分自身に生命保険を掛けて、保険金の受取人を父親にしようと思いつきました。
父親が経営する会社の経営が傾いていたらしいので、彼女の保険金で会社が立ち直れば、周囲からも『娘の保険金で立ち直った会社だ』と言われ続けて、一生彼女のことを忘れないはずだと思ったのです。
捨てられたことの腹いせ・復讐として、父親が周囲に良く思われないような形で死んでやろうと考えたのでしょう。
メイコは恐らくあまり納得出来ていないながらも、他人を思いやる心が少し芽生えたから手を挙げたのではないでしょうか。

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7番・アンリ

アンリは母親からネグレクトの虐待を受けながら育ち、4歳の頃に母親が起こした火事で当時0歳だった弟を失いました。
それから彼女は『自分や弟が生まれてきた意味』について考えるようになり、『本当は生まれてきたくなかった』と思い至ります。
自殺を考えた時に、自分の意思で死ぬことが許されない日本社会に怒りを感じた彼女は、集団自殺の一員になって『生死を選ぶ権利』を主張しようと考えました。

彼女が実行の中止に賛成した理由は、自分以外のメンバーに生きていて欲しくなったからだと思います。
また集いに参加したがっていたので、彼女自身の死にたいという決意は和らいだものの、まだ残っているようです。

8番・タカヒロ

タカヒロは母子家庭で育ち、母親からかなり間違った方法でコントロールされながら育っています。
彼自身は吃音症を含めた精神病が一生治りそうにないから自殺を決意したと語っていますが、本心は母親から解放されたかったんだと思います。
幼いころに駄々をこねたからと言う理由で十代後半になっても薬漬けにされていたあたりも闇を感じます。

タカヒロは精神病にかかっているわけではなく、母親に飲ませられる薬のせいで自分がおかしくなっているんだということに気が付いたので、生きることに決めました。

9番・ノブオ
ノブオは中学生の頃、いじめっ子を階段から突き飛ばして殺してしまったことで良心の呵責に悩まされて自殺を決意しました。
 
彼が棄権した理由は作中でも語られていますが、警察に自首して罪を償ってスッキリしようと決めたからです。
 
10番・セイゴ
セイゴは母親と再婚相手の男に生命保険に加入させられたので、母親に保険金を渡さない方法で死ぬことを考えて、この会にたどり着きました。
彼が生きることを諦めたのは、母親の知り合いに人殺しを何とも思わない連中(恐らくヤクザ)がいるからです。
 
実行中止に賛成した理由は、彼もまたシンジロウの言葉に励まされたこと、他の皆に生きていて欲しいと感じたからです。
メンバーの中で一番生き続けるのが難しいのはセイゴですよね。
気になるので、彼のその後を描いてほしかったです。
 
セイゴ演じる坂東龍汰だけが実際に喫煙している姿が映っていたのですが、気になって年齢を調べたら1997年生まれの22歳(2019年1月16日現在)でした。
 
登場人物が全員未成年の設定なので、たばことか出てくるとソワソワしちゃいます(笑)
 
11番・マイ
マイは出会い系サイトで出会った男性に無理やりキスされて、不治の病を染されたことが自殺理由だと語っていました。
病名が明らかになっていない段階ではエイズかと思い込んでいまいたが、ふたを開けると彼女が感染したのはヘルペスでした。
 
ヘルペスは確かに完治することがないと言われている不治の病の一種ですが、彼女が何をそこまで悩んで自殺しようと思い至ったのかはわかりません。
 
実行中止に賛成したのはシンジロウの言葉に心を打たれたからでしょう。
その後ヘルペスについてちゃんと調べている彼女の様子が思い浮かびます。
 
12番・ユキ
ユキは中学時代の塾からの帰りに、兄と自転車の2人乗りをしていて自動車事故にあいました。
事故のせいでユキは左腕が不自由になり、兄は植物状態になりました。
ユキは兄に対する罪悪感と、兄を楽にしてあげたいという思いから、この集いに参加しました。
 
実行中止に賛成したのは、他のメンバーが「0番が生きていて安心した。救いたくなった」と、兄が生きることに賛成したからです。

本当の順番は?

謎解きの過程で時系列がぐちゃぐちゃになり、良くわからなくなった方が私も含めていたのではないでしょうか。
私が一番謎だったのは、メイコが一番最後に来たのがなんでそうなったのかわかりませんでした((;´・ω・`))
なので、整理してみます。

アンリ(7)  ※メイコを追いかけて一緒に札を取った

ノブオ(9)  正面玄関でセイゴに遭遇した時に札を取った

ユキ(12)&ユキの兄  ※ユキは他の参加者から隠れていて一番最後に札を取った。

リョウコ(4)  ※11時になるまで隠れてから札を取った

サトシ(1)

ケンイチ(2)

ミツエ(3)

タカヒロ(8)  ※真っ先に屋上に行っていた

シンジロウ(5)

セイゴ(10)  ※うろついていた

マイ(11)  ※うろついていた

メイコ(6)

タカヒロとシンジロウの順番が曖昧ですが、恐らくこの順になると思います。

メイコはなぜノブオを襲ったの?

ノブオはメイコに階段から突き飛ばされて殺されかけていました。
メイコは0番を運んだ共犯というわけでもないのに、なぜ突然ノブオを襲ったのでしょう。

原因はメイコの性格にあります。
メイコの父親は超合理主義者(サイコパス)であることが語られていて、メイコ自身も父親によく似た性格をしていました。
メイコの目的は『とにかくスムーズに安楽死を実行すること』で、0番がどこの誰でも、ここにいる理由もどうでも良かったのです。
それなのに、手分けして靴や帽子を拾うことになってしまって、メイコはかなりイライラしていました。
そんな時に屋上でノブオが0番に関わっていることが判明し、それを皆の前で話したいと打ち明けた時、単純に実行を遅らせる邪魔者だと判断したからです。

最後に左右に分かれた意味

ラストで、主催者のサトシとアンリ(杉崎花)以外のメンバーが病院から出て左右に分かれていくシーンがあります。
一見何でもない場面ですが、見ているとメンバーの数名が左に行こうとして右に行っていたり、左に行こうとして右に行ったりしていました。
なので、この描写には隠された意味があったはずです。

画面の右側に歩いて行っていたのはマイ(金髪ギャル)、タカヒロ(吃音)、シンジロウ(探偵)、リョウコ(橋本環奈)、ミツエ(ゴスロリ)
逆方向の左側に行ったのが、セイゴ(ヤンキー)、ユキ(12番)&兄、メイコ(ファザコン)、ノブオ(眼鏡)、ケンイチ(イジメ被害者)でした。

それぞれの道に行ったメンバーから推測するに、右側に曲がった人物が自殺を本当にやめて前向きに人生を全うしたメンバー。
逆に左に曲がったのは、この後にまた闇に飲まれて結局自殺してしまった人物ではないでしょうか。

真っ先に道を曲がったのは右に曲がったマイと左に曲がったセイゴでした。

マイの自殺理由には全く現実味がなく、命を捨てる理由にはなりませんでしたね。
なので、マイが行った右は『生の道』と捉えます。
同じ右に曲がったタカヒロは薬を飲まなければ悩みが解決しますし、リョウコは迷わず右を選んで、マスクも帽子も着けず清々しい表情をしていました。

シンジロウは最初は左に行きかけて、右を選んでいました。
「数日後か、何年後かわからないけど、自分の意思で動けなくなる時が来る」と言っていた通り、近いうちに彼は自力で動けなくなるのでしょう。
普段は屋内から出ない生活をしているであろうシンジロウは、この出来事が強く記憶に残ったはずです。
あんなに喋ったり大声を出したり、体を動かすことが今までほとんどなかったはずですから。
なので、死にたくなった時はこの会のメンバー達に向けて語った熱い気持ちを思い出し、生き続けるはずです。

ミツエは最初左に行こうとしていたけど、思い直したようにリョウコを追いかけていました。
これは、ミツエはまた熱狂できる芸能人に出会うことを示唆しているのでしょう。

一方で左に曲がったセイゴは、生命保険に加入してから1年たつと怖い人たちに命を狙われてしまうという、かなり絶望的な状態でした。
セイゴは後で冷静になった時に『誰かに痛めつけられて殺されて、しかも母親に金が渡る位ならその前にさっさと死んでしまおう』と思い直す可能性がかなり高いです。
なのでセイゴの方向は『死の道』と置き換えます。
他の左を選んだメンバーのユキ、メイコ、ノブオ、ケンイチも、後で冷静に現実に戻って考えて、結局死を選んだというのがほとんどなのではないでしょうか。
ユキについては、兄は会場では生きているだけ喜ばれましたが、いつまでも植物状態であるのも、ユキが罪悪感に苦しめられ続けることも変わりません。

メイコは父親に見捨てられた悲しみと憎しみに勝てず、父親に生命保険金を残す形で当初の予定通りの死を選ぶでしょう。

自首すると言っていたノブオも左に曲がっていました。
彼の場合は、自首しても警察に取り合ってもらえない可能性が高いのではないでしょうか。
なぜならノブオの起こした事件は警察の中ではすでに解決済みで、今さら証拠もないはずだからです。
ノブオは道を見失い、これからも罪悪感を抱えて生きていかなければならないことに絶望するのではないでしょうか。

最後に迷いながらも左に曲がったケンイチは、勇気を出して自分をいじめている人たちと向き合おうとするのでしょうが、ケンイチの性格からしていじめっ子たちを逆なでしてしまうのではないでしょうか。
しかも、いじめのきっかけが先生で、その雰囲気がクラス全体に伝わっていじめが始まったと語っていたので、彼の抱える問題はかなり根深いはずです。
教育者であるはずの教師が、他の生徒たちにケンイチを見下す心のようなものを植え付けてしまったのですから。
ケンイチは結局イジメ克服どころかエスカレートさせてしまい…という結末なのかな~と推測します。

病院に残っていたサトシとアンリだけがどちらに曲がったのか映されていなかったので気になりますが、2人ともあの会に参加し続けて、やがて成長と共に会を開くこともなくなって生きていくんじゃないかなと感じました。

その他感想など!

この作品は『予告を見て面白そうだと思った人が見ると後悔する』と、いくつかの感想コメントに書かれていたのを拝見しましたが、まさにその通りだったと思います(笑)
高校生たちが生きるか死ぬかを決めることが主題ではなく、紛れ込んでいた謎の死体についての謎解きがメインだったので。
謎が沢山ちりばめられていましたが、答えが弱いというか、驚く内容の伏線回収や謎の答えが無かったで、個人的にはかなりがっかりでした。。
それぞれが死にたい理由ももう少し掘り下げて欲しかったですし、主催者の男の子、橋本環奈、吃音症の男の子、インテリ眼鏡、ギャルは理由の説明が浅すぎて共感できませんでした。
原作小説では詳しく描かれていたんでしょうね。

それに、謎の1つになっていたたばこの吸い殻に全然吸った跡が無かったことや、ゼロ番が乗せられていた椅子から落下した時に受け身を取っていたこと、吃音の男の子の吃音具合の演技っぽさが目立つ所など、細かいとこが気になっちゃって、全体的にはあまり楽しめませんでした( ˘ω˘ ; )

唯一ラストシーンの、メンバーが左右に分かれる所だけは憶測がはかどって楽しかったです.‹‹\(´ω` )/››.

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