『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』ネタバレ解説|復讐の意味、姉妹が会わなかった理由など | 映画の解説考察ブログ - Part 2

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』ネタバレ解説|復讐の意味、姉妹が会わなかった理由など

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ヒューマンドラマ

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あらすじ④:結末

その日の夜、ヴァイオレットはテイラーに「エイミーに手紙を書いてみよう」と提案し、一緒にタイプライターを打ちました。

翌朝。テイラーはエイミー宛ての手紙をベネディクトに渡しますが、住所がわからず空白でした。
エイミー(イザベラ)の女学校卒業後の嫁ぎ先は不明で、ヴァイオレットも知りません。
ベネディクトはクラウディアに頼まれて、配達用の新しいバイクと引き換えにエイミーの居場所調査を引き受けました。

数日後。ベネディクトはエイミーの嫁ぎ先を突き止め、テイラーと一緒に泊りがけで彼女の嫁ぎ先であるネヴィル伯爵の屋敷に配達に行きました。
ベネディクトの調べによると、エイミーは一切外出せず夫と使用人以外とは滅多に会わない生活をしていて、時々お屋敷の庭に出てくるのを業者が見かける程度だそうです。
業者が妻を見かけたという時間帯を見計らって行ってみると、ちょうどエイミーが1人で裏口から出てきたところでした。
テイラーは木陰に隠れて見守る中、ベネディクトがイザベラに手紙を渡します。


(テイラーからの手紙を涙で濡らすイザベラ ©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会)

手紙には『私はテイラー・バートレット エイミー・バートレットの妹です』と書かれていました。
ベネディクトが「ヴァイオレットも手伝って手紙を書いた」と伝えると、エイミーは涙を流して喜びました。
テイラーも泣きながらエミリーに会いたい気持ちを我慢して遠くから見つめていました。
そんな2人の様子を見て、ベネディクトももらい泣きをこらえました。


(木陰からイザベラを見つめるテイラー ©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会)

テイラーは結局エイミーとは直接会わずに帰ります。
ベネディクトが「本当に会わなくて良かったのか?」と聞くと、テイラーは「一人前の郵便配達員になってから、ちゃんと自分で手紙を渡す!」と笑いました。

テイラーはその後、エヴァーガーデン家の養子になりました。
働ける年齢になったら、またC.H郵便社で働きたいと言っています。




解説、考察や感想など


(©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会)

美しい風景描写や登場人物達の心の美しさに触れて心が現れた気分になりました。
コロナで人に会いづらい今、電子媒体ではなくあえて手紙を書くのも良いものだな、と思いました。
私自身の子どもの頃に引っ越して転校したことがあり、引っ越した後も前の学校の友人数人と手紙のやり取りをして、やりとりそのものもとても嬉しかったし、不随してペンや便せん選びも楽しんだ記憶があります。
当時はまだ携帯電話が身近ではなかったので。

本作の内容について、個人的にはヴァイオレットにとっての初めての友達がイザベラだったことに驚きました。
ドール育成学校時代に出会ったルクリアさんは友人だと勝手に思っていたんですが、ヴァイオレットにとっては友人ではなく広い意味での同僚的な位置づけなんでしょうか。

その他、ストーリーについて気になった点を考えていきます。

 

テイラーの幸せが『復讐』とは?


(©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会)

復讐だから こんな生き方しかさせてくれない
本当はこの子も不幸になるはずなんだ
でも 僕が幸せにする

新しい選択肢を 何もない僕がこの子に与える

テイラーを育てることを復讐だと語った意味について考えます。
捨てられていたテイラーは、エイミーが放っておけば店主に人身売買に出されてしまうという不幸な未来が待ち受けていました。

誰もが戦争で家族を失いお金も無く不幸な状況に逆らって、エイミーがテイラーに幸せを与える、ある意味『不幸の連鎖』に逆らおうとする行いが、言い換えれば復讐になる、という意味だと解釈しています。




代筆料を受け取らないヴァイオレット


(©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会)

テイラーに送る手紙を代筆したヴァイオレットは、料金のことを気にするイザベラに「料金は要らない。受け取りたくない」と答えました。

料金を受け取りたくなかった理由は、ヴァイオレットにとってイザベラの手紙の代筆は友人としての厚意(好意)だったからで、決して仕事の延長で行った事ではなかったからなのでしょう。

 

姉妹が会わなかった理由


(©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会)

テイラーはわざわざイザベラが暮らすお屋敷まで来たものの、結局イザベラと直接会いませんでした。
もどかしくなるシーンですが、なぜ2人が会わなかったのかを考えます。

まず、エイミーはネヴィル家で生きていく上で、ヨークの愛人の子であることや戦争孤児として生きていた過去を隠す(ヨーク家のメンツを保つ)必要があります。
エイミーが親族以外の人間との接触を極力避けているのは、自分の過去が明るみになる可能性を少しでも下げるためです。
そこまでするのは、もし過去がバレたらテイラーを孤児院から追い出すなどと脅されていた可能性も考えられます。
どちらにせよ、エイミーの過去がバレることが彼女自身とテイラーの生活を脅かす可能性が高いことは間違いないです。

そして、テイラーはエイミーと離れて暮らすしか選択肢がなかったことだけはよく理解しています。
孤児院の人に「エイミーはあなたのために名前を変えた」と言われたと語るシーンもあったので、「お姉さんとはもう会えないし、会ってはいけない」とも言われていたでしょう。
テイラーは孤児院を抜け出してひとりで船に乗ってヴァイオレットに会いに来てしまうような行動力溢れる性格なので、単純に孤児院の人に「会ってはいけない」と言われたから会わなかったというのは考えにくいです。
なので、ただ会いたいからと欲望のままに再会してしまうと、エイミーが守ろうとしているものを壊してしまうかもしれないことを、テイラーは幼心に理解していたのです。

『姉妹』として再会してしまうのは危険なので、エイミーは保身を考えるとテイラーからの手紙も見られないように隠すか処分するかしなければなりません。

テイラーが成長して郵便配達員として働けるようになれば、2人は『配達員』と『受取人』として、姉妹だと言うことは隠して再会できます。
ただ、テイラーが成長して孤児院から出てしまえば、エイミーがテイラーのために保身する必要はなくなる気がするので、後はエイミーがネヴィル家の人間として生きていきたいかどうかにかかってくることになります。 

 

以上です!ありがとうございました。
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