『アス』ネタバレ解説|ラスト考察、エレミヤ書11章11節、ソツクナングとクモ女とは? | 映画の解説考察ブログ

『アス』ネタバレ解説|ラスト考察、エレミヤ書11章11節、ソツクナングとクモ女とは?

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アス スリラー

映画『アス』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!

前作『ゲットアウト』で日本でも一気に知名度を上げたジョーダン・ピール監督作品。
見れば見るほど『自分の最大の敵は自分自身だ』『誰もが善と悪の心を持つ』というようなメッセージが込められていたように感じました。
遅ればせながら鑑賞したので気になった点など調べたり考えたりしました。

鑑賞済みの方向けの解説考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください(__)

アス

制作年:2019年
本編時間:116分
制作国:アメリカ
監督・脚本:ジョーダン・ピール
この映画はR-15+の年齢制限があります。
理由は刺激の強い殺傷描写が見られるためです。(映倫より一部抜粋)

 

主要キャスト紹介

アス
© 2019 Universal Studios and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.
アデレード・ウィルソン/レッド…ルピタ・ニョンゴ
幼い頃…マディソン・カリー
10代…アシュリー・マッコイ
愛する夫と2人の子どもを持つ女性。
家族旅行中に自分たちにそっくりな家族に襲われ、もう一人の自分であるレッドと対峙する。
幼い頃にも『もう一人の自分』に一度会ったことがあり、彼らについて何か知っていると思われる。

 

アス
© 2019 Universal Studios and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.
ゲイブ・ウィルソン/アビゲイル…ウィンストン・デューク
アデレードの夫。いつも陽気な楽天家。
時に悪ふざけが過ぎてアデレードに叱られる。
もう一人の自分アビゲイルと対決する。

 

アス
© 2019 Universal Studios and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.
ゾーイ/アンブレア…シャハディ・ライト・ジョセフ
アデレードとガブリエルの娘。
思春期真っただ中のため家族行事よりもスマホに夢中。
もう一人の自分アンブレアと対決する。

 

アス
© 2019 Universal Studios and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.
ジェイソン/プルート…エヴァン・アレックス
ゾーイの弟。いたずら好きだが、人見知りで怖がり。
もう一人の自分プルートと対峙する。

 

キティ・タイラー…エリザベス・モス
ジョシュ・タイラー(ゲイブの友人、キティの夫)…ティム・ハイデッカー
タイラー家の双子…カリ・シェルドン、ノエル・シェルドン
フェルディ(エレミヤ書のプレートを持つ男)…アラン・フレージャー
ラッセル・トーマス(アデレードの父)…ヤヒヤ・アブドゥル・マティーン2世
レイン・トーマス(アデレードの母)…アンナ・ディオプ
医師…ナピエラ・グローブス
ドン(車の持ち主)…ロン・ゴー
ダニー…デューク・ニコルソン
トロイ…ダスティン・イバラ ほか

あらすじ紹介

主人公のアデレードは、幼い頃に両親に連れて行ってもらったカリフォルニア州サンタクルーズの海沿いにある遊園地の肝試し小屋『ビジョン・クエスト』に1人で入った時、自分そっくりのドッペルゲンガーのような女の子に会いました。

アデレードは恐怖とショックで失語症を患いますが、しばらくすると自然に話せるようになりました。

それから30年以上が経ち、アデレードは夫ゲイブ、長女ゾーイ、長男プルートの4人家族で夏休みを利用して、別荘のあるサンタクルーズに遊びに来ました。
夜も更けてそろそろベッドに入ろうかという頃、アデレードたちにそっくりな4人家族が現れて別荘を占拠されてしまいます。

アデレードそっくりな女はレッドと名乗り、自分たちの身の上を語り始めます。

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※このページの情報は2022年8月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

 

解説・考察・感想など

影(クローン)たちの正体は?

アス

© 2019 Universal Studios and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.

レッド達が生まれる何年も前、政府は人間のクローンを作ることに成功しました。

クローンの説明はとてもコンパクトにまとめられていたので詳しくはわかりませんが、クローンがオリジナルと動きがシンクロしていた(シンクロするように作られた)点を踏まえると、政府は必要に応じて市民を操れるようにしておきたかったためにクローンを生み出したのではないかと解釈しています。

例えば市民に影響力のある社会的地位の高い人や権力者を必要に応じて操ったり、政府にとって邪魔な人間が現れた時は、その人物にクローンが居るなら操って自殺させたり、国外の人間ならターゲットの周辺人物のクローンを操って事件や事故を起こしたり、つまりは暗殺に利用したい時などです。

しかし、クローンとオリジナルの動きは完全にシンクロしていたわけではなかったですし、クローンとオリジナルでは知能差もあったせいか政府の思惑通りにはならなかったのです。
なので、政府はクローンに関する研究・維持を廃止し、地下に閉じ込めたまま放り出してしまいました。
いつか自然消滅するだろうという安易な考えからそうしたのかもしれませんが、クローン達は消滅どころか自然繁殖して世代が入れ替わっても生き残っていました。

 

アデレードとレッドの正体と伏線

アス

© 2019 Universal Studios and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.

アデレード(オリジナル)とレッド(クローン)は幼少時に『ビジョン・クエスト』で出会った時、レッドはアデレードを地下に閉じ込めてアデレードに成りすまして両親の所に戻ったため、2人は出会った日を境に入れ替わりの人生を送っていました。

遊園地から帰った後にアデレードが喋れなかったのはPTSDによる失語症ではなく、彼女は地下で言葉に触れる機会がないまま育ち、全く喋れなかったからです。

その他の伏線として、アデレードがサンタクルーズ遊園地に行くのを嫌がるのは、真相を知る前は『怖い思い出の場所だから』と思いますが、入れ替わっていたことを踏まえると『本物のアデレードからの復讐を恐れ、地上に出る通路があるあの場所に近づきたくなかったから』です。

アデレードがビーチで「会話が苦手」と言うのも、真相を知る前は『トラウマからだろうな』と解釈してしまいますが、実際にはクローンだった彼女が言葉を覚えたのが遅かったために生じる苦手意識だったり、常に彼女の意識にある『正体を隠したい』という思いからです。

また、偽アデレードが本物のアデレードを殺す時に楽しそうに笑うのは、偽アデレードが地上で生きるにあたって隠し続けてきた狂気の感情が表に出たためです。




ジェイソンの謎と正体

アス

© 2019 Universal Studios and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.

ジェイソンは『去年覚えたライターのマジック』をなぜかやろうとしなかったことから『ジェイソンもどこかのタイミングで入れ替わっていたのではないか』という予想が話題になりました。

筆者個人としては入れ替わり説は考えにくいと思っています。
ただ、ジェイソンはまだ幼かった分、他の家族よりもプルート(クローン)とのシンクロ率が高かったように見えました。

ジェイソンがお面をかぶりだしたのはプルートが顔に怪我をして覆面をかぶるようになったからだと思われますし、プルートが怖いもの知らずな分ジェイソンが怖がりになっていて、ライターのマジックをしたがらなかったのも、火傷を負ったにも関わらず火を恐れないプルートの代わりに、ジェイソンが火への恐怖を感じていたからのように見えました。

もしかしたらプルートが顔を火傷したのは去年ジェイソンがライターのマジックを覚えたことが原因で、ジェイソンはプルートが怪我に苦しむのを魂を通して感じたのかもしれません。

 

ウサギについて

アス

© 2019 Universal Studios and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.

クローン達は生きたウサギしか食料が与えられず、うさぎだけを食べて生きながらえていたようです。

演出の面から考えると『ウサギ、アメリカ』でまず連想するのはイースター(復活祭)です。
イースターはイエス・キリストの復活を祝うお祭りで、ウサギは『生命力、繁栄』を象徴する動物のためイースターのモチーフになったとされています。

これらから、作中に登場する沢山のウサギは、地下に閉じ込められた本物のアデレードが地上に復活することを暗示していたようにも見えます。

現実的な面から考えると、うさぎは動物実験に利用される代表的な動物でもあるため、クローンとしての複製と繁殖が容易だったウサギを与えられていた(もしくは実験に使われず余っていたクローンうさぎたち)だったのかもしれません。

次のページに続きます!




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