映画『タイタニック』のあらすじを紹介しています!
碧洋のハートはなぜ捨てられた?ダイヤの噂の元は?ローズとジャックは実在したのかなどについて書いています。
鑑賞済みの方のための記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。
本編時間:189分
制作国:アメリカ
監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
キャスト紹介
ローズ・カルバート…ケイト・ウィンスレット
101歳のローズ…グロリア・スチュアート
1912年に沈没した豪華客船タイタニック号から助かった数少ない生存者。
トレジャーハンターのラベットに当時の体験談を語る。
ジャック・ドーソン…レオナルド・ディカプリオ
アメリカン・ドリームを夢見てタイタニック号に乗った青年。
船で出会ったローズに一目ぼれする。
ボーディーン(ラベットの仕事仲間)…ルイス・アバナシー
リジー・カルバート(ローズの孫娘)…スージー・エイミス
キャルドン・ホックリー(ローズの婚約者)…ビリー・ゼイン
スパイサー・ラブジョイ(ホックリーの用心棒)…デヴィッド・ワーナー
ルース・デヴィッド・ブーケター(ローズの母)…フランシス・フィッシャー
モリー・ブラウン(富裕層の乗客)…キャシー・ベイツ
スミス船長…バーナード・ヒル
トーマス・アンドリュー(船の設計士)…ヴィクター・ガーヴァー
ブルース・イズメイ(タイタニック号の発案者)…ジョナサン・ハイド
ファブリツィオ(ジャックの友人)…ダニー・ヌッチ
トミー・ライアン(一般乗客)…ジェイソン・バリー
一般乗客…ジャニット・ゴールドスタイン
マードック(一等航海士)…ユアン・スチュアート
二等航海士…ジョナサン・フィリップス
五等航海士…ヨアン・グリフィズ ほか
あらすじ紹介
あらすじ①:
1996年、沈没船専門トレジャーハンターのブロック・ラベット(ビル・パクストン)が1912年に大西洋で沈没した豪華客船タイタニック号を見つけ出し、貴族ホックリーが使っていた客室から金庫といくつかの装飾品を発掘しました。
ラベットはタイタニック号に眠るとされる幻のブルーダイヤモンド『碧洋(へきよう)のハート』を探していますが、金庫から宝石は見つからず一同はがっかりします。
しかし、その金庫から出て来た裸婦のスケッチに描かれていたネックレスは、ラベットが聞いていたブルー・ダイヤモンドと形状が酷似していました。
数日後、ラベットは裸婦の絵のモデルだと言う老婆ローズ・カルバートから連絡を受け、ラベットは探索船にローズを招待して直接会うことにします。
ローズは沈没したタイタニック号の生存者であり残り少ない生き証人で、ラベットたちはローズとの会話で彼女が本物だと確信して当時の話を聞きます。
1912年4月12日、当時17歳だったローズ(ケイト・ウィンスレット)は両親と婚約者のキャルドン・ホックリー(ビリー・ゼイン)と一緒にイギリスのサウサンプトン港からニューヨーク行きのタイタニック号に乗りました。
ローズは母親に結婚を強引に決められ、タイタニック号に乗ったのは嫁ぎ先に行くためだったので奴隷船に乗せられたような気分でした。
一方、アメリカでの成功を夢見る絵描きの青年ジャック・ドーソン(レオナルド・ディカプリオ)はサウサンプトン港でタイタニック号のチケットを賭けでゲットし、友人のファブリツィオと一緒に大喜びでタイタニック号に乗り込みました。
その日の夜、ローズは将来に絶望して船から投身自殺しようとしますが、異変に気付いたジャックに助けられて2人は出会います。
ジャックはお礼として明日の貴族の夕食会に招待されました。
騒動の後、ホックリーはローズの機嫌を取るために、ニューヨークの婚約パーティーで渡すつもりだった56カラットのブルーダイヤモンドを前倒しでローズにプレゼントしました。
これがラベットの探している『碧洋のハート』です。
ローズはブルーダイヤモンドの美しさに見とれますが、やはりホックリーを好きにはなれませんでした。
あらすじ②:
翌日、ローズはジャックに昨夜の騒動のお礼を言います。
ローズとジャックは身分の差や価値観の違いに戸惑いますが、数時間後にはすっかり打ち解けて仲良くなりました。
今夜、ジャックはローズの家族や恋人と一緒に食事します。
タキシードなど持っていなかったジャックは、いわゆる成金貴族の夫人モリー・ブラウン(キャシー・ベイツ)の息子のタキシードを貸してもらいました。
ジャックはお上品なマナーや作法を知りませんでしたが、見よう見まねとモリーとローズの助けでどうにか乗り切り、ジャックを警戒するローズの母の嫌味な質問にも立派に答えて周囲を感心させました。
夕食が終わると、ジャックはローズを下の階で開かれている一般庶民のパーティーに誘い、2人は心行くまでダンスとお酒と悪ふざけを楽しみました。
翌朝、ローズは庶民パーティーに参加したことをホックリーに怒鳴られ、母ルースからも「ジャックとは二度と会うな 結婚を破談にする気か」とくぎを刺されます。
この時ルースの夫は大きな借金だけを残して亡くなっていて、ローズはお金のために嫁に出されようとしていることがわかります。
その頃、船長のスミス(バーナード・ヒル)は今夜通ることになるルートに氷山が多数あると仲間の船から報告を受けますが、タイタニック号発案者のイズメイ(ジョナサン・ハイド)の希望とスミスの航海技術の自信から船の速度を上げることにしますが、この選択が後の大惨事に繋がります。
その日の昼間、ローズはジャックから愛の告白を受けて1度は断りますが、夕方頃には考え直してローズからジャックに愛を告白しました。
ジャックはローズを船の先端で柵の上に立たせ、両腕を広げて2人で鳥のように空を飛んでいる気分を味わいました。
その後ローズはジャックを自分の一等客室に連れ込むと、裸にブルーダイヤモンドだけを身に着けてジャックに絵を描いてもらいました。
ローズはブルーダイヤモンドと完成した絵をホックリーの金庫に入れた直後、用心棒のラブジョイがローズを探しに来たため、2人は逃亡して一等客用の荷物置き場に隠れます。
この時ジャックとローズは馬車の中で心も体も結ばれました。
デッキに戻ったジャックとローズが駆け落ちを決意した時、前方を見張っていた船員が大きな氷山を発見します。
航海士総動員で船を旋回させますが、避けきれず船の底に近い側面に氷山が接触していくつも穴が空きました。
ボイラー室に海水が流れ込み、タイタニック号は大西洋のど真ん中で緊急停止します。
あらすじ③:
タイタニック号を設計したアンドリューが状況確認した結果、今から1~2時間以内にタイタニック号は沈没することがわかりました。
しかし、タイタニック号は『絶対に沈まない船』と言われる程安全設計に注力されていため、船員たちは見栄えを重要視して救命ボートを乗船人数の半分しか積んでいませんでした。
(乗船者は約2200人、救命ボートは60人乗りが20隻程)
そのころ、ローズは母ルースとホックリーに別れを告げに行きますが、隙を見たラブジョイはジャックを泥棒に仕立て上げ、ジャックは危険人物を収容する部屋に手錠で柱に繋がれ監禁されてしまいました。
やがて船員が救命胴衣を配って回り始め、ローズは船が沈没することを知ります。
船員は上流階級の女子どもからボートに乗せて避難を始め、ローズはルースと一緒にボートに乗るよう促されますが、逃走してジャックを探します。
ローズがジャックを見付けた頃には部屋に海水が流れ込み始めていました。
ローズは助けてくれる人を探しますが見つからず、斧でジャックの手錠を壊して上に避難します。
デッキの上は避難を待つ人々で大混乱になり、乗客や船員の中には自ら船に残って死を選ぶ者も現れました。
ローズはジャックとホックリーに促されて女子供用の救命ボートに乗りますが、ジャックと離れたくないあまりに結局ボートから飛び降りて船に戻ってしまいます。
2人の相思相愛ぶりを見たホックリーはついに切れて銃でジャックを襲いますが、弾は全て外れました。
冷静さを取り戻したホックリーは残り少ない救命ボートに優先的に乗ろうと航海士に金を渡しますが、「今は金など役に立たない」と断られてしまいます。
ホックリーは親とはぐれて船内で泣いていた子供を見つけると、保護者を装って救命ボートに乗りました。
船の4分の1ほどが沈むころには救命ボートは無くなりますが、まだタイタニック号にはボートに乗れなかった1500人以上の乗客が残っていました。
先にボートに乗ったどこかの貴族が狭いのを嫌がって、定員の半数も乗せずに逃げたせいです。
スミス船長と設計士アンドリューは船と一緒に死ぬ道を選び、考案者のイズメイは女子ども用のボートに乗せてもらって生き延びました。
ジャックとローズはボートに乗るのを諦め、船に出来るだけ長く残ることにします。
タイタニック号は頭から沈んでいき、やがて完全に沈没しました。
ジャックは海に浮いてきた船の一部を見つけてローズを乗せますが、2人とも乗ると沈んでしまうため、ジャックは海に浸かってひたすら救助を待ちました。
あらすじ④:結末
その頃、安全な場所でタイタニック号の沈没を見届けた上流階級のボートでは、モリー・ブラウンが「この船にまだ乗れるから生存者を助けに行こう」と言いますが、航海士も他の乗客も「助けに行けばボートに人が群がって俺たちも死ぬ」と拒絶します。
約20隻あった救命ボートのうち、生存者を助けに行ったのは1隻だけでした。
海が静まってから乗客を他のボートに乗せて救助に向かいますが、海水は0度近い極寒状態で、救命胴衣で海に浮いて助けを待っていた人々はほとんど凍死していました。
ローズは助けのボートに気付いてジャックに声をかけますが、ジャックも凍死していました。
ローズは一緒に死のうかとも考えますが、ジャックと交わした「何があっても生き抜いて、人生を精一杯楽しんで老衰で死ぬ」という約束を実行することにします。
ローズがジャックの手を離すと、ジャックはゆっくり海に沈んでいきました。
ローズは近くにいた男が持っていた笛を鳴らして気付いてもらい、無事に救助されました。
ボートに乗れなかった1500人のうち、生き残ったのはローズを含めてたったの6人でした。
その後、大きな救助船が現れたのは明け方になってからでした。
救助船はローズたちを乗せてニューヨークに向かいます。
ローズは救助船でローズを探すホックリーを見かけますが、そっと隠れてやり過ごします。
ローズがホックリーを見たのはそれが最後でしたが、その後ホックリーは別の女性と結婚し、1929年の世界恐慌で財産を失って自殺したと新聞に載りました。
ローズは生存者確認に来た船員に『ローズ・ドーソン』(ドーソンはジャックの姓)と名乗り、その後は別の男性と結婚しますが、ジャックと約束したことをひとつずつ実現することがローズの密かな楽しみでした。
ローズの話を聞き終えたトレジャーハンターのラベットはブルーダイヤモンド探しを諦めて撤収します。
当時、ホックリーは船から逃げるときにブルーダイヤモンドを金庫から出してコートのポケットに入れ、そのあとコートをうっかりローズにあげてしまいました。
ローズはニューヨークに着いてからコートのポケットにブルーダイヤモンドが入っていることに気付き、それからずっと持ち続けていましたが、そのことはラベットには教えませんでした。
その日、ローズはタイタニック号が沈んだ辺りの海にブルーダイヤモンドをこっそり投げ入れました。
その日の深夜、ローズはベッドで眠るように老衰で亡くなります。
ローズの魂は豪華なタイタニック号の中で、ローズを待っていたジャックと再会して結婚式を挙げました。
解説・考察
タイタニック号の実話、ローズとジャックは実在するのか
本作は処女航海で沈没した豪華客船タイタニック号の事件が元になっています。
乗船人数の半分しかなかった救命ボートの数や、船長が氷山の多い地域でスピードを出したこと、救命ボートが後で一隻しか助けに来なかったくだりなどは、後の取材や捜査で分かった事実のようです。
ローズとジャックに実在のモデルはおらず、ジェームズ・キャメロン監督が作り出したカップルです。
実在する事件関係者でモデルになったのは、スミス船長、船の設計士アンドリュー、タイタニック号を考案した実業家イズメイと、航海士たちの行動などです。
イズメイは救命ボートに乗って生き残りましたが、その後は「乗客を見捨てた臆病者」と死ぬまで揶揄され社会的に殺されてしまったようです。
碧洋のハートは実在する?
ホープダイヤモンド (引用:https://karatz.jp)
ホックリーはブルーダイヤモンドをローズにプレゼントした時に「かつてはルイ16世が持っていた」と言います。
ちなみにルイ16世はマリー・アントワネットの夫です。
上の画像はホープダイヤモンドなんですが、ダイヤの形以外は碧洋のハートとそっくりです。
このダイヤモンドのモデルは、現在スミソニアン博物館に保管されている『ホープダイヤモンド』という青いダイヤモンドです。
ホープダイヤモンドは名前とは正反対に、歴代の持ち主が次々と不幸に見舞われたため『呪いのダイヤモンド』とも呼ばれます。
呪いのダイヤモンドが『ホープ(希望)』なんて皮肉な…と思ってしまいますが、名前の由来はルイ王朝の後にこのダイヤを所有していた銀行家の名前だそうです。
ホープダイヤモンドは17世紀半ばにフランス人宝石商がダイヤモンドの産地インドで100カラット以上あるブルーダイヤモンドの原石を購入して持ち帰り、フランス国王のルイ14世に売りました。
その後ルイ14世の希望で60カラット程度にカットされ、王家の宝物として代々受け継がれます。
本当に呪いせいかは誰にもわかりませんが、ルイ14世の代では戦争と散財で国が深刻な財政難に陥り、子孫の16世はフランス革命で王位を追われて処刑され、200年続いたブルボン朝が終わりました。
ダイヤモンドはフランス革命中に盗まれてしまい、1830年以降にイギリス人の宝石コレクターのホープ氏が宝石商から入手し、この時にダイヤモンドは『ホープダイヤモンド』と名付けられました。
その後ホープ家は破産し、ダイヤモンドはイギリス、フランス、アメリカなどを転々として最終的にスミソニアン博物館に寄贈されました。
タイタニック号が沈んで大勢の犠牲者が出たのも、ローズに碧洋のハートをプレゼントしたホックリーが後に破産したのも、もしかしたら呪いのせいだったのかもしれません。
碧洋のハートがタイタニックに号にあると思われていた理由は?
ラベットが知っていた碧洋のハートの話は、恐らくホックリーが家族や友人にした話がそのまま伝説的に語り継がれたものです。
ホックリーは船から逃げるときにダイヤをコートのポケットに入れて、そのままコートごと当時の婚約者(ローズ)に渡してしまいました。
その後ホックリーはローズと再会できなかったので、ローズはタイタニック号と一緒に死んでしまったと思い込み、従ってダイヤも海に沈んだと思っていたのです。
ローズはなぜ碧洋のハートを捨てた?
ローズは碧洋のハートをずっと持ち続けていましたが、ラベットの探索船から海に捨ててしまいました。
ローズは「女は海のように秘密を秘めている」と言っていたので、恐らく碧洋のハートの秘密を秘密のままにするために海に沈めたのです。
そもそもローズがラベットに連絡したのは碧洋のハートを海に捨てたかったからです。
ローズは長年ダイヤを葬る決意と、ダイヤを葬る場所はタイタニックが沈んだ海にすると決めていて、チャンスを待ち続けていてラベットのことを知り、本作の話に繋がります。
また、ローズの孫リジーとラベットの会話に出てきた『過去と折り合いをつける』ためでもありました。
この会話のシーンは通常版ではカットされていて、DVDなどの未公開シーン集やノーカット版で見られます。
ブルーダイヤは上流階級だったころのローズ自身を象徴します。
ローズはタイタニック号から助かった時に家柄を捨てて生まれ変わったので、貴族だった自分が死んだ場所にブルーダイヤも一緒に葬りたかったのでしょう。
孫リジーはジャックの孫でもある?
映画「タイタニック」好きには有名な仮説ですが、ローズの付き添いをしていた孫のリジーはジャックの孫でもあるのでは?という説があります。
リジーがジャックの孫であることを示す確かな発言はありませんが、第一印象で目元の雰囲気がジャックに良く似ていますし、リジーがラベットをダンスに誘うシーンはジャックがローズをダンスに誘った時を彷彿とさせていた気がします。
そのためファンの間では、キャメロン監督はあえてディカプリオに似ている人を孫役に起用して、作中で詳細は明かさずに観客の想像を掻き立てる演出をしたのではないかと言われています。
別エンディングとは?
本作にはもう一つのエンディングが存在し、未公開シーン集に収録されています。
大きな違いはないですが紹介すると、老いたローズが海にブルーダイヤを捨てようとしたとき、自殺と勘違いした孫リジーとラベットが駆けつけて、ローズがブルーダイヤモンドを持っていることに気付きます。
ラベットは説得してダイヤモンドを捨てるのをやめさせようとしますが、頑固者のローズは聞かず、やはり海に捨ててしまいます。
ダイヤモンドが海に捨てられるとラベットは不思議とさっぱり諦めがつき、リジーとダンスを踊ります。
ローズはスッキリした表情で空を見上げると、空に当時ジャックと一緒に見たのとよく似た尾の長い流れ星が流れます。
その後はローズがベッドで眠るように亡くなるシーンに繋がり、通常のエンディングと一緒です。
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