映画「億男」解説考察|モデルになった落語「芝浜」と「死神」の紹介 | 映画の解説考察ブログ

映画「億男」解説考察|モデルになった落語「芝浜」と「死神」の紹介

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億男 ヒューマンドラマ

映画『億男』のあらすじ紹介、解説・考察をしています!
映画のモデルになった落語の「芝浜」と「死神」の話を紹介しています。

鑑賞済みの方のための記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。

億男

制作年:2018年
本編時間:116分
制作国:日本、モンゴル
監督:大友啓史
脚本:渡部辰城、大友啓史
原作小説:『億男』川村元気 著
主題歌:『話がしたいよ』BUMP OF CHECKEN
出演者:佐藤健(大倉一男)、高橋一生(古河九十九)、黒木華(大倉万左子)、北村一輝(百瀬栄一)、藤原竜也(千住清人)、沢尻エリカ(安田十和子)、池田エライザ(あきら)、木村了 ほか

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解説・考察・感想など!

『芝浜』の簡単なあらすじ


(引用:いらすと屋

一男に起きた出来事は、九十九が仕組んだことでした。
九十九は落語の『芝浜』に基づいた体験を一男にさせることで、お金について考えてもらおうとしていましたが、そもそも『芝浜』ってどんな話なんでしょうか?
内容をざっくり紹介します。

『芝浜』のあらすじ

魚屋の旦那は大の酒好きです。
最近の旦那は仕事もせず酒浸りになり、1ヶ月が経とうとしていました。
見かねた女房が旦那を説教すると、旦那は「明日から仕事に行く」と約束しました。

翌朝。旦那は女房にたたき起こされて朝方に魚市場に出ました。
しかし、時間が早すぎて市場はまだ開いていませんでした。
旦那が目覚ましに海で顔を洗っていると、革の財布が砂に埋もれているのを見付けます。
拾って中を見てみると、42両も入っていました。
(現代の価値に換算すると1両=13万円位なので、旦那は42両=約546万円です)
旦那は大喜びで魚市場に行かず帰宅し、女房に拾った財布を見せました。
そして「これでしばらく働かなくていい!お祝いだ!」と友人を集めて宴会を開きました。

翌朝。旦那はまた女房に無理やり起こされました。
旦那は「大金があるからしばらく働かない」と言いますが、女房は「そんなお金どこにもありませんよ。夢でも見たのかい?」と言います。
ショックを受けた旦那は酒をきっぱりとやめて真面目に働き始めました。

それから3年。
旦那は元々仕事は出来たので、やがて巷でも評判の魚屋になりました。

そんなある日。旦那の機嫌がいいのを見計らい、女房は旦那に『拾った財布の真相』を告白します。
旦那が大金が入った財布を持って帰ってきたのは事実でしたが、女房は『まともに働いていない男が突然羽振りが良くなれば、窃盗を疑われて最悪逮捕されるかもしれない』と考え、旦那が寝ている隙に大家さんに相談しました。

相談の結果、女房は旦那に「財布など拾ってきてない」と嘘を貫いて、財布は落し物として役所に届けました。
その後月日が経っても落とし主は現れず、財布が拾った人の物になったタイミングで女房が役所から受け取りました。

今、財布は旦那と女房の目の前にあります。
女房は騙していたことを旦那に謝りました。
旦那は女房を責めることなく、「騙してくれてありがとう」と女房に感謝しました。

相談の結果、拾ったお金は旦那の新しいお店の開店資金に使うことにしました。

女房は3年間頑張ってきた旦那をねぎらおうと「今日ぐらいは飲んでください」と良い酒を用意しました。
旦那はお酒を口元まで持ってきますが、「よそう。また夢になるといけねぇ」と言って酒を飲みませんでした。

少々長くなってしまいましたが、こんな感じの話でした。
一男=魚屋の旦那、九十九=女房として、九十九は一男の金を持ち去りました。

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ちなみに作中で一男が演じていたのは『死神』という演目でしたね。
落語をあまり知らない私でもあらすじを知っているので、もしかしたら一番有名な話かもしれません。

次は『死神』についてもざっくりあらすじ載せておきます。

 

『死神』の簡単なあらすじ


(引用:いらすと屋)

金に困って自殺しようとしている男がいました。
死に場所に迷っていた男の前に、死神と名乗る老人が現れて言いました。
「お前さんの寿命はまだたっぷりあるから死ねないよ。
お前さんとは先祖からの縁があるから、ここはわしが、お前さんに金儲けさせてやる。」

老人は男に『死神が見える”まじない”をかけたから、医者になれ』と言います。
もし人の足元に死神が居ればその人は危険な状態だが、※呪文を唱えれば死神は消えてその人物は元気になるそうです。
※呪文は演者が自由に決めて良いので、特に決まった呪文はありません。

「ただし、死神が枕元にいた時は、その人の寿命はもう尽きかけているから何もしてはいけない」と言うと、死神は男に呪文を教え、男が呪文を繰り返すと死神は消えました。

男は家に帰ってすぐに医者の看板をかかげました。
その後、男は老人に教えてもらった通りに呪文を唱えると患者はたちまち元気になるので、男は医者として大成功しました。

しばらくは順調な生活が出来ましたが、その後『枕元に死神が居る患者』に何人も当たってしまい、男の評判はガタ落ちします。
気が付けば、男はまた貧乏になっていました。

ある日、町で有名な富豪の使いが男に助けを求めてきました。
男が患者を見てみると、やはり今回も枕元に死神がいます。
男はもう諦めるように説得しますが、使いの男は「一か月だけでも寿命を延ばしてくれたら大金を支払う」と引きません。

使いの男のしつこさと報酬に負けた男は策を考え、手伝いを数人頼みます。
男はお手伝いさんに患者の布団を180度回転させてもらい、死神の居場所が「患者の足元」になった隙に呪文を唱えると、死神は消えました。
すると患者はすぐに元気になり、男は多額の報酬を手に入れました。

そのすぐ後、男の前に死神の老人が現れて、男をろうそくがいくつも並ぶ部屋に案内しました。
「このろうそくは人間の寿命だ。
例えば、この太くて長いのがお前の息子のろうそく。
お前のろうそくはこれだ。」

そのろうそくはとても短くて火も弱く、今にも消えてしまいそうでした。
男はびっくりして「はじめて会った時、俺の寿命はたっぷりあると言ったじゃないか!」と問い詰めると、
死神老人いわく、男が富豪を救うためにズルをしたため、富豪のろうそくと男のろうそくが入れ替わってしまったそうです。

死神は「こっちに火を移せたら、お前の寿命は延びる」といい、消えて転がっていた燃え残りのろうそくを差し出しました。
男は震える手で渡されたろうそくに火を移そうとしましたが、火は移す前に消えてしまい、男は死んでしまいました。

「死神」のラストは演者によって色々とアレンジされていて、様々なラストがあって楽しいです。
デフォルトのラストは『ろうそくの火を移すのに失敗して死ぬ』ですが、『火を移すのに成功したと思ったら、その後何かあって火が消えて死ぬ』バージョンなんかもあります。
気になった方は聞いてみてください(^o^)

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③に続きます。
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