映画『溺れるナイフ』ネタバレ考察|ラストの意味、カナの心理など考えました。 | 映画の解説考察ブログ - Part 2

映画『溺れるナイフ』ネタバレ考察|ラストの意味、カナの心理など考えました。

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ヒューマンドラマ

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カナが夏芽を嫌いになった理由、なぜ証拠隠滅した?


(引用:https://www.club-typhoon.com

蓮目の自殺を証拠隠滅したのはカナでしたが、夏芽に優しかったカナの態度が豹変した理由を考えます。
まず、カナはずっとコウが好きだったこと、モデルとしての夏芽のファンだったことから、カナは夏芽とコウを芸能人感覚で見ていたと思われます。

なので「普通の女の子」であるカナ自身はコウと釣り合わないと思っていました。
そしてコウと夏芽がお似合いだと感じたカナは、コウへの気持ちを殺して2人の恋を応援します。

コウと夏芽が蓮目の事件で別れた後も、カナは夏芽にコウと会うように促します。
この時もまだカナにとってコウと夏芽は「芸能人」であり、ヨリを戻してもらって理想のカップルになってほしいと思っています。
カナの心境は、一般人が芸能人の恋愛を見守る感覚や、「推しカップル」を応援する感覚に近かったのではないでしょうか。

しかし2度目の火祭りの日、見慣れない天狗のお面を目撃したカナはコウに「夏芽ちゃんは災いの元だから、もう近づかない方が良い」と発言します。
この時のカナは、もう夏芽はコウにふさわしくないと思っていたのです。
カナの中で夏芽が『推し』でなくなったのは恐らく、夏芽が大友と付き合ったからです。

夏芽が『普通の男の子(大友)』を選んだと知った時、カナの中で夏芽が『憧れの人』から『顔が良いだけの男たらし』に変わってしまったのでしょう。

蓮目の自殺の後、カナが率先して全ての証拠を海に沈めています。
それがカナがコウを守るためにできた唯一のことだったのではないでしょうか。
コウに蓮目がいることを知らせたのもカナでしたし、責任を感じたのもあったかもしれません。

ここまでカナの態度を一変させるなら、はっきりと理由がわかるような描写が欲しかったですが、この映画を観る人は原作漫画も読破済み前提で作られているのでしょうか?
原作漫画にはちゃんと答えがあるかもしれないので機会があれば読んでみます!




夏芽が映画に出れたのはなぜ?

夏芽に主演映画のオファーが来た時、夏芽に会いに来た広能は「会ったら撮る気失くした」と東京に帰ってしまいますが、その後上京した夏芽は広能の映画に主演で出ています。

広能の「撮る気失くした」発言は、恐らく広能が夏芽を見て感じた率直な感想です。
広能が撮りたいのは『普通の女の子の夏芽』ではなく『芸能人としての輝きを放つ夏芽』なので、オーラが消えたままの夏芽では広能が作りたい映画にはならなかったでしょう。

広能の辛辣な発言は、晒し者が嫌で『普通の女の子』になりかけていた夏芽への『本当に「普通」で良いの?』というメッセージでもあります。

脚本の内容は、実際にレイプ事件で注目を集めた夏芽が主演前提で作られた、いわゆる宛書きでした。
見方を変えると夏芽が出演してくれなければ脚本が無駄になってしまうので、広能にとっても彼女を酷評したのはある意味賭けだったのかもしれません。

ただ下手に出てお願いすると、たとえ夏芽がOKしても『レイプシーンは無くしてほしい』など条件を出してくる可能性が高いです。
広能は交渉する気が無かった(脚本を変えたくなかった)ので、あえて夏芽のプライドを傷つける発言をして断ることで、夏芽の方からやる気を出して「出演させてください」と頼んでくるように仕向けたのです。
夏芽はまんまと広能の罠にかかり、芸能界に復帰しました。

 

タイトル『溺れるナイフ』


(引用:https://eightxjohnnist.hatenablog.com

タイトルの意味について。
蓮目が自殺に使い、その後カナが海に捨てて沈んでいった『溺れたナイフ』そのものと、ナイフのように尖って独特の輝きを放っていたコウが、蓮目の事件から自信を失くして悪に身を染め、精神的に溺れていく様子の両方が表れているタイトルだと感じました。
個人的にはかっこ良いタイトルだと思います。

主演の菅田将暉さんと小松菜奈さんのインタビュー記事、面白かったので最後にリンク貼ります。

FRaU:『豪華共演! 菅田将暉×小松菜奈『溺れるナイフ』撮影秘話 近づいては離れ、見つめあう…“恋心”を表現

以上です。読んで頂きありがとうございました。
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感想などお気軽に(^^)

  1. より:

    映画を見て、よく分からず..モヤモヤしたので、考察している方を探していました。

    この方の考察ページが1番上に出てきて読んでみたら、もう分かりやすすぎて納得しました。頭のいい方なのだろうなぁと。

    この考察・解説のおかげで、映画の評価が自分の中で上がったので、イイネボタンがないかと探していたところコメント欄があったので書かせていただきました。

    すごく分かりやすくて感謝です。
    他のも読ませていただきます!!

    • mofumuchi より:

      雫さん
      こんにちは、管理人です。
      わかりやすいと感じて頂けて嬉しいです!
      雫さんのコメントを拝見していいねボタンを設置しました。
      必要性を感じず設置していませんでしたが、私も頂けたコメントにイイネ出来るようになったので今では重宝しています。
      ありがとうございました(^^)

  2. ぱずる より:

    とっても読みやすく、わかりやすく、丁寧な考察ですね。
    きょう映画を観たばかりで、わからない部分もあったのですが、
    こちらのブログを読んでとてもすっきりしました。

    • mofumuchi より:

      ぱずるさん
      読みやすいと言っていただけて感動しました(T_T)
      励みになります。コメントありがとうございました(^^)

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