映画「ナイトミュージアム」のあらすじと解説を紹介しています!
失業中の主人公ラリーは愛する1人息子ニックの信頼と尊敬を取り戻すため、博物館の夜間警備員として働くことにした。
勤務初日、ラリーを待ち受けていたのは館内を自由に動き回る展示の人形たちだった。
制作年:2006年
本編時間:108分
制作国:アメリカ
監督:ショーン・レヴィ
脚本:ロバート・ベン・ガラント、トーマス・レノン
原作小説:ミラン・トレンク著『夜の博物館』(英題『The Night at the Museum』)
エンドロール曲:keke palmer『tonight』、McFly『Friday Nite』
挿入曲:『Eye Of The Tiger』、『Weapon Of Choice』Fatboy Slim、『September』Earth, Wind & Fire
キャスト&キャラクター紹介
(引用:https://twitter.com)
ラリー・デイリー…ベン・スティラー
バツイチ独身の中年男。別れた妻エリカとの間に一人息子のニックがいる。
かつては会社の社長をしていたが、商品の販売に苦戦して倒産、以降は職と住み家を転々とする不安定な毎日を送っている。
© 2006 Twentieth Century Fox Film Corporation.
ニック・デイリー… ジェイク・チェリー
ラリーの一人息子。アイスホッケーが得意。
現在は母親エリカとエリカの再婚相手ドンと暮らしている。
物事を冷静に見ることができ、地に足がついているタイプ。
ドンの影響で「将来は株のトレーダーになりたい」と発言してラリーを落ち込ませた。
(引用:https://twitter.com)
セシル・フレデリックス…ディック・ヴァン・ダイク
3人いる博物館の警備員のリーダー。
ラリーを博物館の夜間警備員に迎えて管理を任せた。
続く経営不振の影響で退職させられそうになっている。
© 2006 Twentieth Century Fox Film Corporation.
テディ・ルーズベルト…ロビン・ウィリアムズ
アメリカ合衆国の第26代目の大統領セオドア・ルーズベルト等身大の蝋人形。
アメリカ原住民のサカジャウィアに恋心を抱いているが話しかけることができず、いつもこっそり双眼鏡で覗き見ている。
© 2006 Twentieth Century Fox Film Corporation.
アクメンラー…ラミ・マレック
古代エジプトの王で魔法の石板の持ち主。
棺の中に閉じ込められていて、出たくていつも暴れている。
世界各国の博物館を巡ってあらゆる言語を習得した秀才。
アクメンラーと石板は歴史上には存在しないオリジナルのキャラクター。
(引用:https://www.pinterest.jp)
サカジャウィア…ミズオ・ペック
ネイティブアメリカンの娘。
アメリカから来た探検家ルイスとクラークの案内人を務めた原住民として知られている。
展示スペースがガラス張りのため動けても自由に行き来できず、閉じ込められている。
© 2006 Twentieth Century Fox Film Corporation.
ジェデダイア・スミス…オーウェン・ウィルソン
アメリカの西部開拓時代(1860~1890年頃)を再現したジオラマミニチュア人形。
同じミニチュアのガイウス・オクタウィウスとは犬猿の仲。
ダイナマイトを作って展示スペースに穴をあけて開拓しようとする。
©2006 TWENTIETH CENTURY FOX
オクタヴィウス…スティーヴ・クーガン
ローマ時代のローマ帝国を再現したジオラマミニチュア人形の一体で、ローマ帝国の初代皇帝。
多くの部下を率いてジェデダイアに戦争を仕掛ける。
帝国内では絶対的な存在だが、権力に弱く長い物には巻かれる性格。
©2006 TWENTIETH CENTURY FOX
レベッカ・ハットマン…カーラ・グギノ
博物館の受付兼ガイド。
館内に展示してある原住民のサカジャウィアについての博士論文を執筆中。
(C)2006 TWENTIETH CENTURY FOX
デクスター
いたずら好きのオナガザル。
ラリーが管理している博物館のカギを盗んだり、思いつくままに様々な悪さをする。
エリカ(ラリーの元妻、ニックの母親)…キム・レイヴァー
ドン(エリカの再婚相手)…ポール・ラッド
デビー(ハローワーク職員)…アン・メアラ
マクフィー博士(博物館長)…リッキー・ジャーヴェイス
ガス(博物館の警備員、小柄な白人)…ミッキー・ルーニー
レジナルド(博物館の警備員、長身の黒人)…ビル・コッブス
モアイ像…声:ブラッド・ギャレット|吹き替え版:玄田哲章
アッティラ(フン族の男、マジック好き)…パトリック・ギャラガー
ネアンデルタール人…ケリー・グラインド、ダン・リズート、シュー・ハリソン、ジョディー・ラシコット
フン族…ランディ・リー、ダリル・クォン、ジェラルド・ウォン、ポール・チー・ピン・チェン
ルイス(探検家)…マーティン・クリストファー
クラーク(探検家)…マーティン・シムズ
コロンブス(銅像)…ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
タクシー運転手…チャーリー・マーフィー
ニュースキャスター…パット・キアーナン ほか
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あらすじ起
主人公のラリー(ベン・スティラー)は無職独身の中年男性です。
かつては自ら立ち上げたアイディア家具会社の社長でしたが、営業が上手くいかず倒産してしまい、自分に自信をなくして職を転々とした末に現在に至ります。
ラリーはかつて家庭もありましたが、会社の失敗と共に離婚していて、今は週に1回息子のニック(ジェイク・チェリー)が泊りがけで遊びに来ることだけが楽しみですが、ラリーの生活があまりにも不安定なので、元妻のエリカ(キム・レイヴァー)から「ちゃんと仕事するまでニックと会わないで」と告げられてしまいました。
さらに、ニックからも「将来はドン(エリカの現夫)みたいな株のトレーダーになりたい。安定してるから」と言われてしまい、ラリーはショックを受けました。
真面目に働く気になったラリーは職業案内所に駆け込み、職員に頼み込んでその日の内に博物館の夜間警備の面接を取り付けてもらいました。
さっそく面接に来たラリーは、警備員主任の老紳士セシル(ディック・ヴァン・ダイク)に気に入られて、驚くほどあっさり採用が決まりました。
(左からガス、セシル、ラリー、レジナルド 引用:https://plaza.rakuten.co.jp)
翌日の夕方、さっそくラリーは初出勤します。
昼間の警備係はセシル、ガス(ミッキー・ルーニー)、レジナルド(ビル・コッブス)の3人です。
ラリーと警備を交代する時、セシルは古そうな紙の束を渡して「何か起きたときの対処法はそこに全て書いてある。夜の博物館には誰も出入りさせるな」と忠告して帰っていきました。
その後、油断して居眠りしてしまったラリーが目を覚ますと、大広間の中央に展示してあったはずの巨大なティラノサウルス(以下レックス)の化石が消えています。
慌てて通路を見ると、レックスは勝手に動き回っていました。
驚いたラリーは急いでセシルに電話して助けを求めますが、セシルは驚く様子もなく「紙に全部書いてあると言ったろ!」と電話を切ってしまいました。
紙の束を見ると「骨を投げる」と書いてあります。
ラリーが落ちていた骨を投げると、レックスは楽しそうに骨を追いかけていきました。
周囲を見渡すと、動いていたのはレックスだけでなく、展示してあった全ての人形や剥製、銅像までもが思い思いに動き出し、館内はテーマパークのような活気にあふれていました。
あらすじ承
(レックスににおいをかがれるラリー 引用:https://www.youtube.com)
ラリーがライオンの剥製から逃げている途中、いたずら好きなオナガザルのデクスターに大事な紙束を奪われて、ビリビリに破かれてしまいました。
その後、ラリーはアメリカの西部開拓時代やローマ帝国地代のミニチュア人形たちに捕まっていたところを、ルーズベルト大統領(ロビン・ウィリアム)の銅像、通称テディに助けられました。
テディは、展示物達は『アクメンラー王の魔法の石板』が展示された日の夜から毎晩動いていることや、彼らは朝日が昇ると共に元の姿に戻るが、動いている時に朝日を浴びると灰になってしまうことを教えてくれました。
そうこうしている内に朝が来ると、博物館はすっかり元の状態に戻りました。
数時間後。ラリーは出勤してきた館長のマクフィー博士(リッキー・ジャーヴェイス)に、ミニチュア人形が移動していたことでねちっこく怒られました。
もうこりごりだと思ったラリーは出勤してきたセシルたちに退職すると告げて博物館を出ますが、偶然ニックに会うと「明日、博物館の中を案内する」と約束してしまいました。
ラリーはもう1日だけ仕事を続けてみることにします。
ラリーが紙束を破かれてしまったことを打ち明けると、セシルは「あれの予備は無い。対処法が知りたかったら歴史を勉強しろ」と言いました。
ニックに展示物の解説が出来れば尊敬してもらえるかもしれない、とも思い、ラリーは寝る間も惜しんでひたすら勉強します。
勤務時間が近づくと、ラリーはボストンバッグに色々と道具を詰めてから出勤しました。
その日はセシル、ガス、レジナルドの最後の勤務の日です。
彼らは不況のあおりを受けて退職することになり、館長からクビを告げられていたそうです。
ラリーは3人にお礼を言って見送りました。
あらすじ転
博物館が閉まり太陽が沈むと、昨日と同じように展示物たちが動き出しました。
レックスにはラジコンに繋いだ骨を追わせ、吹き矢を飛ばしてくるミニチュアのマヤ族たちには、ガラスで覆って攻撃を防いだ出りと、ラリーは素早く対処していきます。
仲が悪いミニチュアのジェデダイア(オーウェン・ウィルソン)と、オクタヴィウス(スティーヴ・クーガン)とには、仲直りするよう命じて強制的に2人きりにして放置しました。
問題児の猿デクスターにはおもちゃのカギを盗ませて、さんざんからかった後で檻に閉じ込めました。
完璧な対策かと思われましたが、ジェデダイアとオクタヴィウスはさらに仲が悪化して、ミニチュアたちは戦争を始めました。
さらにデクスターにいつの間にか本物のカギを盗まれていて、ラリーが檻に閉じ込めたはずの動物たちが館内で自由に走り回っています。
もうすぐ朝です。
うんざりしたラリーは「俺には無理だ!」と叫び、荷物をまとめて出ていこうとしました。
その時、ラリーは一体の銅像に教えてもらって館内の窓が1つ空いていることに気が付き、ネアンデルタール人が1人外に出てしまっていました。
ラリーは急いで連れ戻そうとしたものの、朝日を浴びたネアンデルタール人は灰になって消えてしまいました。
数時間後、ラリーはネアンデルタール人模型の紛失でマクフィー博士からクビを告げられました。
最悪なことに、ラリーが博士に怒鳴られるのを、友達を連れて博物館に来ていたニックに見られてしまいました。
ニックは友達にバカにされて落ち込み、帰ってしまいました。
ラリーは博士に頼み込んでもう1日だけ雇ってもらい、ニックに夜の博物館を見せることにしました。
あらすじ結
閉館後。ラリーはニックを博物館に入れて日が沈むのを待ち、展示物たちが動き出す瞬間を見せようとしますが、太陽が沈んでもなぜか今日は展示物が動きません。
不思議に思ったラリーがアクメンラーの石板を見に行くと、石板は消えていました。
ラリーが従業員室に行くと、セシル、ガス、レジナルドが石板を含めた展示品をいくつか盗もうとしていました。
セシルたちはクビにされた腹いせに高そうな展示品を盗み、その罪をラリーに着せようと企んでいたのです。
また、石板の力でセシルたちは体力も若返っています。(外見はそのまま)
ラリーは殴られて石板が展示されていたエジプト部屋に閉じ込められた直後、ようやく石の力働いて彼らが動き始めました。
エジプト王の守護神アヌビスに襲われたラリーは、とっさにアクメンラー王(ラミ・マレック)に頼んでアヌビスを鎮めてもらい、部屋から脱出しました。
その後、デクスターが今度は博物館の入り口を開けてしまったので、動物たちのほとんどが外に逃げ出し、館内ではあちこちで戦争も始まってメチャクチャになっていました。
ラリーは館内に残っていた展示物たちに、勉強で覚えた知識を披露しながら熱心に語り掛けて協力を仰ぎ、朝日が昇るまでにセシルから石板を取り戻して逃げた展示物たちを博物館に戻すことにしました。
ガスとレジナルドは簡単に捕まえることが出来ましたが、石板を持っているセシルは現金輸送用の馬車で博物館から逃走します。
ラリーはルーズベルトの馬を借り、ジェデダイアとガイウスはラジコンカーに乗り、ニックとアクメンラー王はレックスに乗ってセシルを追いかけました。
しかし、現金輸送用の馬は『特別な合言葉』をかけるまでは絶対に止まらないようにしつけられているため、簡単には捕まってくれません。
ラリーは歴史書に書いてあった内容を思い出して合言葉を叫ぶと、馬は立ち止まってセシルを捕まえることができました。
セシル、ガス、レジナルドはフン族の男たちから徹底的にお仕置きを受けました。
もうすぐ朝が来ます。
石板を手にしたアクメンラー王が呪文を唱えると、外に出ていた剥製の動物たちも人形たちも、まっすぐに博物館に戻ってきました。
この騒動でルーズベルトは、今まで遠くから眺めるだけだったサカジャウィアとお近づきになり、ライバルだったジェデダイアとガイウスはラジコンドライブを経て親友になりました。
博物館の騒動を聞きつけて博物館の様子を見に来た職員のレベッカ(カーラ・グギノ)は、研究対象だったサカジャウィアと直接会話することができました。
朝日が登る直前、ルーズベルトはニックに「君の父親は偉大だ」とほほ笑んで蝋人形に戻りました。
博物館の中はぐちゃぐちゃで、開館時間までにはとても元に戻せそうにありません。
ニュースでは昨夜、博物館から出ていた動物たちや歴史上の人物たちの話題で持ち切りでした。
ラリーは解雇になりかけましたが、ニュースを見た人々が大勢博物館に来て収益が大幅に増えたので、クビは免れました。
ラリーは人に誇れる仕事を手に入れて、ニックからの信頼も取り戻しました。
今まで争いばかりだった博物館の展示物たちは、一致団結して皆仲良くなりました。
今夜も館内では様々な時代、人種の人形や剥製、化石たちが楽しく遊びまわっています。
解説、考察や感想など
本作の教訓は?
1つ目教訓は「勉強はする気になればいつでも(何歳からでも)始めることが出来る」
ラリーはルーズベルト大統領を知らない位歴史に疎かったようですが、大好きな息子ニックからの尊敬を取り戻すため、また仕事をスムーズに遂行するために夢中で勉強していました。
ラリーが熱心に本やネットに向かう姿を見ると、彼は本来努力家であることが伺えます。
2つ目の教訓は「勉強をすればした分だけ、必ずどこかで役に立つ時が来る」
博物館の展示物たちのことを片っ端から勉強したラリーは、その知識を披露することで彼らから少しずつ信頼を得たり、言うことを聞いてもらうことに成功していました。
これは孫子の名言「彼を知り己を知れば百戦危うからず」に通じるところがありますね。
彼を知り己を知れば百戦殆からず
読み:かれをしり おのれをしれば ひゃくせんあやうからず
意味:敵についても味方についても情勢をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはない。(引用:故事ことわざ辞典)
それにしても、たった1~2日で館内全ての展示物のことを把握して現金輸送車用の馬車の合言葉まで覚えているなんて驚きです。
ラリーは賢い男だったんですね。。
3つ目の教訓は、ことわざを引用してしまいますが「昨日の敵は今日の友」です。
昨日の敵は今日の友
意味:昨日までは敵だった者たちでも、事情が変わって今日は味方同士になること。人の心や運命がうつろいやすく、あてにならないものであることのたとえ。(引用:goo辞書)
毎晩のようにいがみ合い、仲間を巻き込んで戦争まで起こしていたジェデダイアとガイウスでしたが、この2人はまさに似た者同士で、互いに同族嫌悪していました。
ところがラリーに同じ任務を与えられて遂行しているうちに、思考、言動が似ている2人は徐々に打ち解けて、ラジコンを乗り回す頃にはすっかり親友になっていました。
4つ目の教訓は「努力はした分だけ自分に返ってくる」です。
ラリーは格好悪いところばかりをニックに見せてしまい一時は見放されかけましたが、頑張って猛勉強してミュージアムの展示物たちをまとめ、最後にはニックにカッコいいところを見せることができ、見直されていましたね。
舞台になった博物館について
登場した博物館のモデルとなり、実際に撮影でも使われたのは、ニューヨークにある『アメリカ自然史博物館』のようです。
一度は行ってみたいなー。
(アメリカ自然史博物館の外観 引用:https://emo.travel)
(アメリカ自然史博物館に実際に展示されているティラノサウルスの化石 引用:https://tour.his-usa.com)
実際に足を運んだ方のブログを見つけたのでリンクさせていただきます。
・4travel.jp:映画「ナイトミュージアム」の舞台American Museum of Natural Historyとフリック・コレクションでフェルメール鑑賞
その他感想。
「見ていないとき、彼らは何をしてる?」という子どもの想像を映像化したような、大人が見てもワクワクできる作品です。
トイストーリーを実写化したような感じですね。
「夜」動き出すっていうのがまた魅力だと思います!
「メリー・ポピンズ」(1964)の煙突掃除屋さんで有名なD・V・ダイクが披露するエンディングの踊りには脱帽です!
一方でローマ時代と西部開拓時代の人形ちゃんが車の運転の仕方などを知っていたのはちょっと違和感でしたが、そんな細かいことは気にしてはいけません(笑)
以上です。読んでいただきありがとうございました。
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