映画『マトリックス レザレクション』の解説・考察をしています!
前作『レボリューションズ』から18年ぶりの続編となる本作。
難解過ぎて理解できなかったらどうしようとビビりながら鑑賞しましたが、意味の分からない単語が多かったけれど何とか文脈判断&脳内変換しまくってあらすじは理解できたつもりになりました。
2回鑑賞して気になった点や難しかった点などを解説・考察します。
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※本ページの情報は2023年4月時点のものです。最新の配信情報は各配信サイトにてご確認ください。
映画『マトリックス レザレクションズ』の概要紹介
原題:THE MATRIX RESURRECTIONS
制作年:2021年
本編時間:148分
制作国:アメリカ
監督:ラナ・ウォシャウスキー
脚本:アレクサンダー・ヘモン、デイヴィッド・ミッチェル、ラナ・ウォシャウスキー
前作の振り返りと本作のあらすじ※ネタバレ無し
前作『レボリューションズ』のラストでは、ネオとトリニティとスミスが全員死亡または消滅することで和解が成立しました。
人類とマシンの戦争が終わり、ネオとトリニティが犠牲になったことで平和がもたらされました。
そして本作『レザレクションズ』では、トーマス・アンダーソンは生きていますが、仮想世界マトリックスで何年も生きています。
トーマス・アンダーソンは天才ゲームプログラマー『ネオ』として確固たる地位を築いていて、ネオの代表作がビデオゲーム『MATRIX』です。
トーマスは今までの記憶が全て精神病による妄想だとセラピストに言われ、定期カウンセリングを受けています。
そんな単調な毎日を繰り返していたある日、ネオの前にモーフィアスが現れて「現実世界に帰ろう」と言い、赤い薬を差し出しました。
ネオは「幻覚症状が悪化した」と思い込み拒絶しますが、若い女船長バッグス達の登場と説得を受けてマトリックスから脱出しました。
主なキャスト
ネオ(トーマス・アンダーソン)…キアヌ・リーヴス
仮想世界マトリックスに生きる天才ゲームプログラマー。
自作のゲーム『MATRIX』の世界観と現実との区別が曖昧であることに悩み続けている。
ティファニー(トリニティ)…フ・コンロイ
ネオの行きつけのカフェの常連客。夫と3人の子どもがいる。
ゲーム『MATRIX』に登場するトリニティと自分自身に並々ならぬ共通点を感じている。
バッグス…ジェシカ・ヘンウィック
マトリックスの外の世界アイオに生きる女船長。
ネオの存在に救われた過去があり、ネオを仮想世界から救い出す手助けをする。
モーフィアス…ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世
エージェントが変化した存在。バッグスが現実世界マトリックスに誘導する。
エージェント・スミス…ジョナサン・グロフ
ネオが働くゲーム会社の社長。後にネオと敵対していた頃の人格が覚醒する。
アナリスト…ニール・パトリック・ハリス
仮想世界マトリックスの現在の支配者。ネオを仮想世界に引き留めようとする。
解説・考察など
基本的にはストーリーの流れに沿いながら解説します。
モーダルって何?
モーダルは、私たちがよく見かけるとしたら『ログイン画面』だったり『ポップアップ広告や全画面広告』などの仕組みの総称です。
こういうやつ↓
(引用:https://rilaks.jp)
ネットの仕組みに多少の知識がある人しか聞きなじみのない単語だと思います。
バッグスがネオを探し、モーフィアスと出会った場所は、マトリックスの中の『モーダル』でした。
ネオとトリニティはマトリックスの中のさらに異世界のような場所『モーダル』の中に住まわされていて、バッグスのような『ネオを探す人たち』に見つからないように隔離されていたのです。
モーダルはネオが実験のために作った仮想空間ですが、アナリストはネオが作ったモーダルをネオとトリニティの隠し場所として利用していたようです。
なぜ隠されていたのかは本作の核心に触れるので後述します。
マトリックス世界はポッドに入れられた人間たちの意識が生きている世界ですが、モーダルにはネオとトリニティの2人しかおらず、ネオとトリニティを取り囲む人たちは全員アナリストが配置したプログラムであり『モブ』でした。
そのモブの中には記憶を奪われていたスミスも含まれていました。
青い髪の女船長バッグスは何者?
マトリックスに侵入してネオを探していたバッグスはいわば『ネオ信者』です。
彼女はマトリックス世界で生きていた時に偶然モーダルにいるネオが透けて見えただけでしたが、見た瞬間にマトリックスが仮想世界だと気づいてポッドから脱出しました。
彼女がマトリックスの世界に生きていた頃は、1作目『マトリックス』に登場したような、オフィスビルの窓清掃の仕事をしていました。
恐らく彼女は『レボリューションズ』で交わされていた『マトリックスから出たがる者は無条件で解放する』という約束に基づいて解放された人物です。
ネオはただ見られただけなので、バッグスと面識は無いし助けたつもりもありません。
冒頭で彼女が追体験していた『マトリックス1』の冒頭シーンは、トリニティがネオを発見した瞬間です。
バッグスはそのままトリニティを追いかけてネオに会うつもりでしたが、エージェントに気付かれて失敗します。
バッグスが見たネオがスキンヘッドだった理由
バッグスがネオを見かけた時の回想で、ネオが一瞬スキンヘッドになります。
バッグスは「ネオを見た瞬間にマトリックスが仮想世界だと気づいた」と言っていました。
彼女がネオを見た時、ネオは現実世界ではスキンヘッドでポッドに入れられていたので、バッグスには現実世界のネオの容姿が透けて見えていたということです。
ちなみに彼女が見たネオは、恐らくたまたまネオが立っていた場所がモーダルの『縁』だったのでバッグスにも見えたのだろうと思われます。
モーフィアスはなぜエージェントだった?役目は?
冒頭で、エージェントの1人に異変が生じてモーフィアスに生まれ変わります。
バッグスとモーフィアスはモーダルの中で出会ったのが初対面でした。
モーフィアスの目的も「ネオの救出」だと言うので、バッグスは赤い薬を渡して現実世界に連れて行きます。
このモーフィアスは前3作に登場していたモーフィアスの『再現』のような存在で、彼自身は『私はネオ(アンダーソン)から生まれた』というような発言をしていました。
簡単に言ってしまうと今作に登場するのはオリジナルのモーフィアスではなく『モーフィアス2』であり、人間ではなくプログラムです。
あとはうろ覚えで申し訳ないですが、「モーフィアスとエージェントのプログラムのコンボパック」とも言っていたので、モーフィアス2はネオが無意識の願望でモーダルの中に生み出した『モーフィアスの意識を持つプログラム』ということになります。
モーフィアス2の役割は、ネオをマトリックスから脱出させて、過去3作で発揮していたような能力をネオに再び目覚めさせることです。
モーフィアスとザイオンとアイオの関係
本作に登場するモーフィアスが『2』なら、モーフィアス1はどこに行ったのか気になりましたが、作中では明かされません。
モーフィアスは『レボリューションズ』の出来事の後にザイオンの新しい指導者になったものの、その後の『新しい力が生まれる』という預言が信じられず、ザイオンを破壊してしまった。
という謎の説明がありましたが、ザイオンを滅ぼした後に彼がどうなったかは説明が無かったように思います。(もしあったとしたら見落としてます。すみません。)
預言が信じられない→ザイオン破壊という流れになる理由がわかりませんが、モーフィアスはまた人類とマシンの戦争が起きると予想しての行動だったのかもしれません。
次作がある雰囲気は漂っているので後に明かしてくれることでしょう(期待)
アイオはザイオンがなくなった後にナイオビ(モーフィアスの元恋人)が作った新しい街です。
時代と共にマシンにも進化が起こり、人間の味方につくマシンも少数ながら現れました。
人間の味方に付いていたのが、『クジャク』と呼ばれるマンタみたいなマシンと、ネオをポッドから船まで運んでくれた『シベーベ』というマシンなどです。
他にももう何体かいましたが名前を忘れてしまいました汗
仮想世界マトリックスとゲーム『MATRIX』との関係は?
モーダルの世界でトーマス・A・アンダーソンは天才ゲームプログラマー『ネオ』であり、彼が過去に作ったビデオゲーム『MATRIX』が世界的大ヒットしていた一方で、トーマスはゲーム『MATRIX』のストーリーと現実の区別がつかないことに悩まされていました。
アナリストはネオの記憶を消さないままで本物の記憶をゲーム『MATRIX』に詰め込み、ネオを混同させて苦しめていました。
一方で、トリニティは自分の名前が変えられたことにも気付かず、過去の記憶は上書きされていて、過去3作分の記憶は断片的に夢で見ることがある程度だったようです。
ネオの持つ過去の記憶については、プログラム側があえて消さない選択をしていたことが後半で明かされています。
『レボリューションズ』と『レザレクションズ』の間に起きたこと
『レボリューションズ』での和解の後、アーキテクトは人類との約束を守ってマトリックスを出たいと望む人間を解放し続けた結果、マシン達はヒト不足による深刻な電力不足に陥りました。
そしてマシン間で派閥が別れたのか何なのか詳細は明かされませんでしたが、電力をめぐってマシン同士の戦争が始まりました。
やがて預言者が『新しい力が生まれる』と発表した後、本当に新しい力が生まれたらしく電力不足が解消されて、マシン同士の戦争も終わりました。
なお、本作にアーキテクトとオラクルは登場しません。
ネオがマトリックスから脱出した後、バッグスが「アーキテクトとオラクルはアップデート(または再起動)の時に消去された」と語っていました。
マシン界に大打撃を与えた2人はマトリックスに不要とみなされてしまったのでしょう。
『レボリューションズ』の後に一度マトリックスが崩壊し、現在はアーキテクトに代わって新しい管理者アナリストが採用されてプログラムを一新したようです。
エージェント・スミスに何が起きていたのか
モーダルの世界で、スミスはネオが務める会社の凄腕社長的な存在でした。
冒頭ではスミス自身もプログラムの1人としてネオを監視する役割をしていましたが、ネオの前にモーフィアス2が現れ、落ちている銃を目にした時に全てを思い出したような表情をしてました。
恐らくマトリックスが作り直された時、スミスは記憶を上書きされた上でネオの監視役を任されていたのでしょう。
恐らくスミスが特殊な独自のプログラムを持っているということも忘れさせられていたのです。
後で記憶を取り戻したのは、ネオがマトリックスから出てしまいそうになった時に、記憶を取り戻してネオを殺すようにプログラムされていたのではないでしょうか。
ネオの持つ救世主の力に対抗できるのはスミスの独自プログラムだけだったので、残されていたのでしょう。
スミスはなぜネオを助けた?
スミスは当初はネオを殺そうとしていましたが、最後はネオを助けて感謝の気持ちまで述べていました。
恐らくスミスは記憶が戻った後に「スミスはアナリスト(マトリックス支配者)の命令を拒否できること」、「ネオを殺す理由が無いこと」、「スミスが独自プログラムを持てたのは過去のネオとの戦いのおかげ」ということに気付いたのだと思われます。
スミスはネオとの過去の戦いで独自の進化を遂げたプログラムになり、マトリックスの意図や指示を拒否できるほどに進化していましたが、彼自身が独自プログラムであるという記憶を消されていたので、記憶を取り戻した直後は「盲目的に指示に従う性質」から、マトリックスの意図に従ってネオを殺そうとしました。
しかし、ネオがいったん消えて冷静になってから(具体的にはエグザイルのシーンの後)で、命令を拒絶できることを思い出したのではないかと解釈しています。
アイオに来たモーフィアスが粒子だった理由
この記事ではマティーン2世さんが演じたモーフィアスを『モーフィアス2』と表記します。
モーフィアス2はプログラムで、マトリックスから現実世界に来たプログラムは実態が無いため粒子の形になるようです。
研究施設に居た植物研究プログラムも同じ粒子状の存在でした。
①は以上です。②に続きます。
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