アニメ映画『マイマイ新子と千年の魔法』のあらすじと感想を紹介しています!
昭和30年の山口県防府市を舞台に、おでこにマイマイ(つむじ)を持つ妄想遊びが得意なお転婆娘 新子の日常を描く。
声の出演・キャスト
©2009 高樹のぶ子・マガジンハウス/「マイマイ新子」製作委員会
青木新子(あおきしんこ)…福田麻由子
昭和30年の山口県防府町で暮らす、空想好きでお転婆な小学3年生。
両親と祖父母と妹と一緒に暮らしている。
幼い頃から祖父に教わってきた、ここ防府町の千年前の街並みや人々の暮らしを想像したり、現在に残っている昔の事がわかるような跡を探すのが大好き。
©2009 高樹のぶ子・マガジンハウス/「マイマイ新子」製作委員会
島津貴伊子(しまづきいこ)…水沢奈子
東京から防府町に引っ越してきた女の子。
母親を病気で亡くし、医者の父親の転勤で新子の通う中学校に転校してきた。
服装・髪型などから都会育ちの雰囲気を漂わせている。
(引用:http://0309ks.blog98.fc2.com)
諾子(なぎこ)…森迫永依
千年前の平安時代、歌人の父親・清原元輔と一緒に京都から周防(現在の防府町)に移住した少女。
清少納言なのではないかと言われていて、清少納言に関する本には彼女の名前が登場する。
(引用:https://twitter.com)
鈴木タツヨシ…(江上晶真)
新子の家の近所に住む小学5年生の男の子。
父親は警察官で、父親の木刀をいつも持ち歩いている。
普段は寡黙だが、大事な所ではビシッと行動するリーダータイプ。
新子の同級生の男子たちに特に慕われている。
©2009 高樹のぶ子・マガジンハウス/「マイマイ新子」製作委員会
青木小太郎…野田圭一
新子の母方の祖父で元教師。
千年前の防府町の人々の暮らしを新子が幼い頃から教えている。
多々良権周防介(千年前の住人、地方豪族)…小山剛志
清原元輔(諾子の父)…塚田正昭
青木光子(新子の妹)…松元環季
シゲル(新子の同級生)…中嶋和也
ヒトシ(同級生、小柄)…川上聡生
ミツル(5年生、大柄)…西原信裕
青木長子(新子と光子の母)…本上まなみ
青木東介(新子と光子の父)…竹本英史
青木初江(新子と光子の祖母、長子の母)…世弥きくよ
鈴木巡査(タツヨシの父、警察官)…瀬戸口郁
バー・カリフォルニアの女…喜多村静枝
やくざの親分…関貴昭
考古学者…久賀健治
一平(同級生、映画館の息子)…冨澤風斗 ほか
あらすじ紹介
あらすじ①:新子と貴伊子の出会い
昭和30年の山口県防府市。おでこにマイマイ(つむじ)をもつ小学3年生の青木新子は、両親の東介、長子、祖父母の小太郎、初江、妹の光子と一緒に暮らす、いたずらっ子で空想好きの少女です。
新子は元教師の祖父小太郎が作ってくれたツタのハンモックの上で『千年前の街の風景(平安時代当時の風景や人々の暮らし)』を思い描きながら毎日を過ごしていました。
(ハンモックに揺られる新子 引用:http://soko-tama.cocolog-nifty.com)
ある日。新子の中学校に、東京から島津貴伊子という女の子が転校してきました。
喜伊子は制服の準備が間に合わず私服ワンピースに香水をつけて来たので、クラスメイト達は雰囲気の違う喜伊子に誰も話しかけようとしませんでした。
その日の放課後。喜伊子と喋ってみたくなった新子は帰宅する喜伊子の後をついていき、彼女の住む社宅にたどり着きました。
社宅と言っても豪華な庭付きの洋風のおしゃれな一戸建てです。
新子はお金持ちの家の豪華さに感動しながら喜伊子の家を一通り見学しました。
見学が終わると、喜伊子は「香水なんかつけるんじゃなかった」と呟きます。
その香水は亡くなった貴伊子の母の形見で、喜伊子はお守り代わりに香水を付けていたようです。
その後、今度は新子の自宅に喜伊子を招待しました。
喜伊子は手土産代わりに父親の部屋にあった高級チョコレートを持って行って新子と新子の妹の光子と一緒に食べますが、それがウィスキーボンボン(お酒入りのチョコ)だと気づいた時には3人ともすっかり酔っ払っていました。
喜伊子は酔った勢いで「私のお母さん、肺に水が溜まって死んじゃった!」と笑いながら告白します。
新子たちの異変に気付いた親たちは、苦笑いしながら残っていたウィスキーボンボンをかじりました。
※当時ウィスキーボンボンは一般家庭には手が届かない高級品でした。
(酔っぱらった新子、喜伊子、光子 引用:https://ameblo.jp)
酔いが覚めると、新子はおじいちゃんから教わった『千年前から変わらない道や川』を貴伊子に教えながら周防国衙跡に行き、千年前の妄想遊びを楽しみました。
その日の夜。喜伊子は千年前の女の子がどんな子だったのか想像しながら眠りました。
あらすじ②:千年前の少女
舞台は千年前に移ります。
平安時代に暮らすお姫様、諾子(なぎこ)は歌人の父親 清原元輔と一緒に周防に移住してきました。
諾子は「近所に同じ年頃の女の子がいる」と聞き、一緒に遊ぶ人形を作って女の子が遊びに来てくれるのを待っていましたが、その子は何日待っても訪ねてきてくれません。
諾子は退屈しのぎに、折り紙の端切れを川に流して眺めました。
(外をぼんやり眺める諾子 引用:http://soko-tama.cocolog-nifty.com)
数日後、諾子は地方豪族の多々良権周防介から、諾子が待っていた女の子は亡くなってしまったと知らされました。
それから諾子はひとり遊びしながら退屈に過ごす日々が続いていました。
ある日、諾子は地方豪族の男の子達を連れて山へ行き、きれいな白い花の枝を牛車の屋根いっぱいに飾り付けて町を練り歩きました。
町民達は牛車と花を笑顔で見つめます。
この時、諾子は町中で、諾子の屋敷で働いている少女千古を見かけました。
千古は年齢の割に大人びていて、ただ毎日淡々と仕事をこなす少女です。
諾子は無性に千古と遊んでみたくなりました。
あらすじ③:赤い金魚
場面は新子達の生きる1930年代に戻ります。
新子と喜伊子は仲良くなり、毎日一緒に遊ぶようになりました。
ある日、2人はクラスメイトのシゲル、ヒトシ、5年生のミツル、タツヨシと意気投合し、一緒に川にダムを作って遊びました。
やがて、子どもが作ったにしては立派なダムが出来上がりました。
その時、赤い折り紙のような金魚がどこからか泳いできたので、新子たちは驚きます。
ダムの一部に囲いを作り、金魚をその中で飼うことにしました。
翌日。新子と貴伊子が保健室のひづる先生に千年前の少女のことを話すと、先生は『清少納言』の文献を見て、千年前に少女だった人物を教えてくれました。
その文献では千年前に、まだ幼かった清少納言が京都から周坊に移住してきたと記されています。
清少納言の幼い頃の名前は諾子でした。
このとき、新子と貴伊子はひづる先生の机に置いてあった書きかけのラブレターらしき手紙を発見しました。
放課後、新子と喜伊子は金魚を見に手作りダムに行きました。
金魚は元気に泳いでいて、ダムにはクラスメイト達が給食のパンを持って集まっています。
この時、金魚の名前を『ひづる』にしようと皆で決めました。
(金魚を見る新子と喜伊子 引用:https://ameblo.jp)
同じ日の放課後、ひづる先生は机の引き出しから1人の男性に宛てた大量の手紙を取り出すと、全て焼却炉に捨てて燃やしてしまいました。
やがてダムには、ダムを作ったメンバーだけでなく光子と友達などが集まるようになり、喜伊子にも友達がたくさん出来ました。
喜伊子はひづる金魚を眺めながら、学校に馴染めたことを新子に感謝しました。
すると新子は「私、諾子とも友達になりたい!」と言うので、喜伊子も笑ってうなずきました。
あらすじ④:新子たちの冒険
ある日、新子たち6人と光子は『山にある洞窟に山賊がいる』という噂を確かめるために洞窟に行きました。
洞窟をのぞき込むと暗闇に光る目が見えたので新子たちは驚きますが、光子だけは光る目の正体が猫だったことに気付いて呆れました。
その後、新子たちは走って山を降りてから光子が居ないことに気付きます。
新子たちは来た道を戻って光子を探しますが見つからず、一旦家に戻ると警察官であるタツヨシの父が光子を見つけて送り届けてくれたところでした。
タツヨシの父はゴルフ場に入り込んでいた光子を偶然見つけたそうです。
皆は安心してお礼を言いました。
そこに、ひづる先生が心配して新子の家に来てくれました。
この時、新子と光子はひづる先生がもうすぐ結婚することを知りました。
先生は新子に「来週の月曜日で学校を辞めて、結婚したら東京に引っ越す」と打ち明けました。
先生の結婚相手は大学時代の同級生で、東京に住むラグビー選手だそうです。
後日、新子が喜伊子にこっそりひづる先生の結婚の話をすると、喜伊子はとても喜びました。
2人は原っぱで花をたくさん摘むと、ひづる金魚がいるダムの囲いに花を飾り付けました。
シゲルとヒトシがビー玉を囲いの中に入れると、赤や青のビー玉で囲いの中はとても華やかになりました。
その日の夜、新子は平安時代の教育係の女性たちに「もう遊んではいけない」と叱られる夢を見ました。
新子は悲しくて泣きながら目覚めましたが、目覚めた瞬間に夢を忘れてしまい、なぜ泣いているのかわかりませんでした。
あらすじ⑤:事件の連続とひづる先生の噂
その日、新子と光子がダムに行ってみると、ひづる金魚が死んでいました。
喜伊子が金魚の囲いを飾ろうと母親の香水瓶を入れたら、瓶から香水が漏れてしまったのが原因でした。
新子たちは周防国衙跡の裏にひづる金魚のお墓を作って弔いました。
シゲルが「金魚は天国に行って8月15日(お盆)に返って来る」と光子に説明していると、喜伊子は「帰ってくるわけない!私のお母さんは帰ってきたことない!」と怒って帰ってしまいました。
解散した後、新子はおじいちゃんに「国衙跡は【千年の魔法の土地】だから、金魚生き返るよね?」と聞きますが、おじいちゃんは困ったように黙ってしまいました。
翌日。シゲルの家の近くの川で、ひづる金魚にそっくりの金魚を見たと噂が流れました。
ひづる金魚が生き返ったと確信した新子は、放課後に6人で川に行き金魚探しをします。
しかし喜伊子は始終うつむいて黙ったままで、結局金魚も見つかりませんでした。
6人が土手で休憩した時、ミツルがひづる先生の噂話を始めました。
それは、ひづる先生は実は既婚男性と長年付き合っていたけれど、その人が奥さんと別れてくれず、半ばヤケクソで今の男性と結婚を決めたらしいという噂でした。
皆が黙っていると、タツヨシが「金魚は明日必ず見つかる。だから明日また集まろう!喜伊子も笑え!」と叫び、木刀を天にかざしました。
新子たちはタツヨシの言葉に励まされました。
(タツヨシに元気づけられた新子たち 引用:https://shufu-blog.com)
その日の夜、新子の家に突然タツヨシが訪ねて来ました。
タツヨシは「残念なことになった。明日になったらわかると思う。俺だって悔しいんや」と意味深な発言だけして帰ってしまいました。
そのすぐ後、新子はおばあちゃんと母の長子が台所で話していた内容を聞いて衝撃を受けます。
タツヨシの父が警察署で自殺してしまったらしいのです。
噂によると、タツヨシの父は『バーカリフォルニア』という飲み屋の女性に惚れていて、彼女に貢ぐためにヤクザから何十万円もの借金をしていたらしく、警察署には『責任を取る』という遺書も残されていたことから、自殺理由は借金苦と判断されているそうです。
※昭和30年頃の会社員の平均月収は約3万円
じっとしていられなかった新子はタツヨシの家に行き、タツヨシの母親が今夜は帰ってこないと知ると、タツヨシの父が入れ込んでいたというバーの女に会いに行くことにました。
あらすじ⑥:貴伊子と諾子の関係
新子は喜伊子への謝罪の手紙を貴伊子宅の玄関ポストに入れてから、タツヨシとバーカリフォルニアに行きました。
喜伊子は新子からの手紙を読んで部屋のベッドにうずくまります。
そして次に目を開けると、喜伊子は見たこともない広いお屋敷の中に居ました。
傍にあった鏡を見てみると、喜伊子は千年前の姫、諾子になっていました。
その直後、喜伊子は男の子たちに呼ばれて外に出てみると、上げ土門にピンク色の綺麗な花がたくさん咲いていました。
喜伊子は感動すると同時に、景色の中に喜伊子が新子たちと行った洞窟のある山が見えたので、ここは千年前の街だと気が付きました。
喜伊子がこっそり男の子たちと町に繰り出すと、職人たちが鉄を打つ音がいたるところから聞こえ、町は生き生きしています。
千年前の周坊の街並みに貴伊子は感動しました。
それから喜伊子は男の子たちに連れられてボロボロの家に来ました。
そこには千古と家族が住んでいて、千古以外の家族は体調が悪そうに寝込んでいます。
喜伊子は千古に笑って欲しいと思い、屋敷の門で摘んだピンクの花を千古にプレゼントしました。
さらに喜伊子は千古の幼い兄妹2人に人形劇をして見せて、千古にも手伝ってもらうと子どもたちはすぐに笑顔になりました。
やがて子どもたちは人形を抱えて眠り、喜伊子は千古に「明日も遊ぼうよ」とささやくと、千古は微笑んでうなずきました。
結末と感想は次のページです!
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