「マシニスト」アイバンの謎や伏線の数々などネタバレありきで解説! | 映画鑑賞中。

「マシニスト」アイバンの謎や伏線の数々などネタバレありきで解説!

サスペンス

映画『マシニスト』の解説をしています。
1年前から不眠症に悩むトレバーの周囲で起こる不可解な出来事から、彼が不眠症になった原因と正体が徐々に明らかになっていく。

撮影のために体重を30kg落とした主演のクリスチャン・ベイルの不気味さも必見。

原題:The Machinist
制作年:2004年
本編時間:102分
制作国:スペイン、アメリカ
監督:ブラッド・アンダーソン
脚本:スコット・ソーサー

キャスト&キャラクター紹介

トレバー・レズニッククリスチャン・ベール

(引用:https://www.youtube.com

不眠症の機械工(マシニスト)。1年前から重度の不眠症状に悩まされている。
仲間思いでジョーク好きだが、よく周囲から「それ以上痩せたら死ぬ」と心配されるほどガリガリに痩せている。
やることリストを付箋に書いて、忘れないように冷蔵庫に貼る癖がある。

 

アイバンジョン・シャリアン


(引用:https://ameblo.jp

ある日トレバーの前に現れた謎の男。
トレバーと同じ工場の溶接工だとかたっていたが、後に確認するとアイバンという名前の従業員は存在しなかった。

スティービージェニファー・ジェイソン・リー


© 2004 Paramount Pictures Corporation All rights reserved.

最近離婚したトレバーの馴染みの風俗嬢。
友人のいないトレバーの数少ない理解者。

 

マリアアイタナ・サンチェス=ギヨン


© 2004 Paramount Pictures Corporation All rights reserved.

24時間営業の空港カフェの深夜番ウェイトレス。バツイチ子持ち。
毎晩のように現れるトレバーの体調を心配している。

その他のキャスト

ミラー(トレバーの同僚)…マイケル・アイアンサイド
レイノルズ(溶接工)…ジェームス・ディポール
タッカー(工場主任)…クレイグ・スティーブンソン
シュライク(大家)…アンナ・マッセイ
ニコラス(マリアの息子)…マシュー・ロメロ
ウェイトレス…ナンシー・クレイグ
ジャクソン(トレバーの同僚)…ラリー・ギリアード
ジョーンズ(トレバーの同僚)…レグ・E・キャシー
ファーマン監督官…ロバート・ロング
ロジャーズ検査官…コリン・スティントン ほか

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あらすじ:起

とある工場で働く機械工の男トレバーは、1年程前から続く不眠に悩んでいた。
そのため食欲は落ち、知人が心配のあまり食べ物を与えようとしてくる位痩せてしまった。

トレバーは昼夜を問わず隙あらば眠ろうとするものの、その度にわずかな音に反応してしまって眼が冴えてしまい眠れないのだ。
そのため、仕事を終えた後の夜は行きつけの風俗嬢スティービーの所へ行き、少し遠い空港まで車を飛ばして24時間空いているカフェでウェイトレスのマリアと雑談して過ごし、その後は自宅で読書、テレビ、掃除などをして過ごす生活を送っていた。

ある日の仕事中。
同僚が上司の主任タッカーから労働法に違反する業務を命じられたので、トレバーはタッカーに文句を言った。
するとタッカーは「お前をブラックリストに載せてやる!」と睨んで立ち去っていった。

その日の夜。トレバーは同僚からの遊びの誘いを断って、空港のカフェで過ごした後に帰宅した。
体重を計ると54.9kgだった。
※トレバーの身長は作中で明かされませんが、クリスチャン・ベールの身長は183cmです。
その後は読書をしつつ眠りそうになったが、本が床に落ちた音で眼が冴えてしまい、床の掃除をしながら過ごした。

翌朝。トレバーは工場長に呼び出され、痩せすぎていることからドラッグの使用を疑われて尿検査を命じられた。
タッカーが昨日の仕返しで工場長に何か吹き込んだせいだろう。
だがトレバーは薬とは全く無縁のため、怒りを覚えながらも尿検査キットを受け取った。

トレバーはイライラを落ち着けようと車内で煙草を吸っていた時、また眠気に襲われてウトウトしていた。
その時、隣に止めてある車の中に居た男がトレバーに話しかけてきた。
トレバーはアイバンと名乗るその男の顔に見覚えが全く無かったが、彼は同じ工場で働いていて、今日は同僚のレイノルズが何らかの理由で逮捕されたため代わりに出勤していると言う。
適当に自己紹介し合った後、アイバンは「サボりすぎるとタッカーにどやされる」と言いながら工場に戻っていった。

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その日の夜は娼婦のスティービーの所へ行き、痩せすぎを心配する彼女に「もう1年も眠れていない」と悩みを打ち明けた。
スティービーは「眠れそうならここで寝ていいよ。料金は要らないから」と同情のまなざしを向けた。

翌日。同僚のミラーにマシンの調整を手伝ってほしいと頼まれたトレバーがいつもの作業場所から移動すると、そこからはアイバンが溶接作業をしているのが見えた。
トレバーの視線に気付いたアイバンはこちらをじっと見ると、親指で首を切るジェスチャーをしてきた。
トレバーは意味が分からず動揺し、調節中のマシンのスイッチを誤って入れてしまった。
マシンは動き出し、中に手を入れていたミラーは服の裾が引っかかって抜けなくなり、マシンに巻き込まれて左腕を失った。
工場内は大騒ぎになり、ミラーは病院に運ばれていった。
とっさにトレバーがアイバンの方を見ると、彼は居たはずの場所から消えていた。

仕事の後、まっすぐ自宅に帰ったトレバーが体重を測ってみると54.0kgになっていた。
また減っている。
チキンをドカ食いしながら書類に目を通していると、公共料金を払い忘れていたために警告の通知が来ていた。
トレバーは付箋に『公共料金を払え』と書き、いつものように冷蔵庫に貼ろうとすると、そこに書いた覚えのない付箋が貼ってあった。
それは文字ではなく記号や絵のようなものが描かれていたが、それが何を表しているのかさっぱりわからなかった。
トレバーはすぐに大家のシュライクのところへ行って不審者を見なかったか訊ねたが、シュライクは「何も見てないわ」と答えた。


(冷蔵庫に貼られていた謎のメモ © 2004 Paramount Pictures Corporation All rights reserved.)
翌日。工場の上層部は昨日の事故の調査を行っており、トレバーは事情を詳しく訊ねられた。
トレバーが正直に「アイバンに気を取られていて、誤ってマシンのスイッチを押してしまった」と答えると、工場長もタッカーも「そんな奴はいない」と言う。
工場内を見渡すがアイバンの姿はなく、彼が「逮捕された」と言っていたレイノルズは普通に働いていた。
トレバーは正気を疑われ、その日はそのまま帰宅を命じられた。

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あらすじ:承

その足で空港のカフェに行ったトレバーは壁に貼ってあるポスターを見て、母の日が近いことを思い出した。
しかしトレバーの母親はもう亡くなっていて、することといえば墓参りくらいだ。
トレバーのことを気にかけてくれるカフェのウェイトレスのマリアが「母の日は息子と一緒に遊園地に行くから、あなたもどう?」と誘ってくれたので、墓参りの後に遊園地に行く約束をした。


(マリアとお喋りを楽しむトレバー 引用:http://horohhoo.hateblo.jp

翌日。仕事の後の更衣室でレイノルズは同僚たちにからかわれていた。
会話を聞いていると、レイノルズはどうやら本当に強盗の容疑で逮捕されていて、保釈ですぐに出てきたようだ。
トレバーがレイノルズをかばう発言をすると、今度は同僚たちから「皆お前と一緒に働きたくないと思ってる」と言われてしまった。
レイノルズはトレバーと目を合わすまいと下を向いて黙ったままだ。
トレバーは怖い顔をしている同僚たちに「明日もよろしく」とつぶやいて更衣室を出た。

工場から出て車に乗った直後、トレバーはアイバンの真っ赤な愛車が道路を走っていくのを見かけた。
トレバーは大急ぎでアイバンを追いかけて「話がしたい!」と怒鳴ると、アイバンはトレバーをバーに連れていった。
ミラーの事故のことや皆から頭がおかしいと思われていることを愚痴ると、アイバンは「事故は俺のせいじゃなく、お前のせいだ。それにお前は痩せすぎだ、薬を疑われてもおかしくないぜ」と答え、トイレに立った。
この隙にトレバーがテーブルに置きっぱなしにしていたアイバンの財布を盗み見ると、中にレイノルズとアイバンが釣りをしている写真が入っていた。
アイバンは工場に普通に雇われて働いていたのではなく、レイノルズが勤務できなくなった時に身代わりで出勤しているレイノルズの友人もしくは家族だったのだ。
身代わりで自分以外の誰かを働かせて勤務日数を偽ることは労働法に違反している。
そう思ったトレバーは、とっさにその写真を盗って自分のポケットにしまった。

自宅に帰った後、トレバーはレイノルズに「皆知ってるぞ」と挑発の電話をした。
レイノルズは少し黙った後「お前は皆に嫌われているんだから、気を付けろよ」と答えて電話を切った。
その後、何気なく冷蔵庫を見たトレバーは、不気味な付箋のメモがまた貼られていることに気が付いた。
前回の絵のようなものに追加で線が描かれ、その絵の下には『_ _ _ _ E R』と書かれている。


(2枚目のメモ 引用:http://emumemo.blog35.fc2.com
猛烈な不安に襲われたトレバーはスティービーの所に走った。
スティービーは「頼ってくれて嬉しい」とトレバーを招き入れ、話を聞いてくれた。
「誰かが俺を陥れようとしている」と語るトレバーを、スティービーは「考えすぎよ」と慰めた。

母の日の週末。トレバーは約束通り、マリアと小学生の彼女の息子ニコラスと一緒に遊園地に遊びに来た。
メリーゴーランドの前でマリアとニコラスの写真を撮った時、トレバーは妙な感覚に襲われた。 その後、トレバーがニコラスと2人きりでホラー系のアトラクションに乗った際、ニコラスが泡を吹いて倒れてしまった。
トレバーが大慌てで救急車を呼ぼうとすると、駆け付けたマリアはニコラスがてんかんを患っていることを説明し、慣れた手つきで応急手当をして救急車は不要だと答えた。
マリアとニコラスを自宅に送り届けた時、トレバーは言われるがままマリアの自宅で一緒にワインを飲み、次は一緒に映画を見に行く約束をした。
この時、トレバーはマリアの家の内装に違和感を抱くと共に、マリアと一緒にいるといつも時計がおかしくなる(1時29分~31分の間で進んだり戻ったりする)ことに気が付いた。

その後、自宅に戻って謎の付箋を見つめたトレバーは、『_ _ _ _ E R』に入る文字は『MOTHER(母)』なんじゃないか、つまりトレバーの亡き母親が彼を心配して起こした心霊現象なんじゃないかと予測して、しまいこんでいた母親の写真を引っ張り出して懐かしそうに眺めた。
アルバムの中には、トレバーと母親が遊園地のメリーゴーランドの前で撮影した1枚があったので、トレバーは遊園地で抱いた感覚はこれだったのかと納得した。

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あらすじ:転

週末開け。
工場にミラーが来ていて退職の挨拶をしていた。
トレバーはミラーの所に駆けつけて心から謝罪すると、ミラーは「おかげで脚を失わなきゃもらえない位の多額の補償金がもらえたよ。
あれは事故だ。お前のことは恨んでない」と答えてトレバーに笑顔を見せて、工場から去っていった。

その後、トレバーは主任のタッカーから、いつもしている作業とは違う業務を任された。
トレバーがそのマシンを動かそうとすると、故障しているらしく動かない。
恐らくタッカーの嫌がらせだ。
仕方なく修理しようとトレバーがマシンの奥に手を入れていた時、マシンが勝手に動き始めた。
急いで手を抜こうとしたが、ミラーの時のように服の裾がマシンに引っかかってしまった。
スイッチには手が届かない。
トレバーは大慌てで工具をマシンに噛ませてストップさせて事なきを得たが、興奮して「誰がやった?!仕返しか?!」と同僚たちを責め、タッカーに掴みかかってしまった。
タッカーは激怒して、トレバーは解雇された。
この騒ぎの時、トレバーはレイノルズとアイバンの不正を暴こうと写真を見せようとしたが、大事にしまっていたはずの写真は財布の中から消えていた。

家に帰ると電気が止められていた。
公共料金を払い忘れたままにしていたのだ。
トレバーは懐中電灯片手にレイノルズとアイバンの写真を探したが見つからず、外に出てアイバンが居そうな場所に行ってみたが見つからなかったので、諦めて娼婦のスティービーのところに行った。
スティービーは迎え入れてくれたが、彼女の顔には殴られたアザが出来ていた。
「他の客にやられた。でもこんな仕事だから仕方ない」と悔しそうに語るスティービーに、トレバーは「もうこんな仕事やめるんだ。他にも仕事はある」と優しく声をかけた。

トレバーはランタンをいくつか購入して自宅に戻った。
その直後、大家のシュライクが「水漏れのメモが置いてあったから見に来たわよ」と言いながら突然部屋に入ってきた。
トレバーはそんなメモ残していないし、シュライクは「ひどいにおいね」と勝手に部屋をジロジロと見まわすので、慌てて彼女を部屋から追い出した。
ふと見ると、廊下の先にある冷蔵庫から大量の血が漏れている。
だがトレバーはそれよりも、冷蔵庫に貼られていた新たなメモに目が釘付けになっていた。
メモには新しく線と丸が増えていて、下の文字は『_ I L _ E R』になっていた。
メモを見たトレバーは、この文字が全て埋まると『MILLER』、つまり犯人は同僚のミラーに違いないと確信した。

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翌日。トレバーはミラーの自宅に押し掛けた。
ミラーは彼の妻に「こいつが俺の腕を奪ったやつさ!」と紹介し、補償金で買った最新式の草刈り機と車を自慢げにトレバーに見せた。
トレバーが「全ての犯人はお前だろう!」と問い詰めると、ミラーは笑ってからトレバーの股間に強烈な一撃を食らわせて「とっとと出ていけ」と凄んだ。
ミラーは腕は片方無いが筋肉隆々でガタイが良いため、瘦せっぽちのトレバーに勝ち目は無い。
トレバーは大人しくミラーの家から出た。
その時、数十メートル向こうにアイバンと彼の真っ赤な愛車が見えた。
アイバンはニヤニヤ笑いながらこちらを見ている。
2人はグルだったのか?
アイバンが車に乗ったので、トレバーは急いでアイバンを追いかけた。

結局アイバンは見失ってしまったが、トレバーは追いかけている間にアイバンの車のナンバーを覚えた。

数日後。トレバーは陸運局に行き、車のナンバーで問い合わせて住所を教えてもらおうとしたが、担当者は「プライバシーなので事故絡みじゃないと教えられません」の一点張りだった。
トレバーは何としても真相を探るべく、陸運局の前でわざと車にはねられた。

アイバンは陸運局に戻り、別の担当者に「ひき逃げにあった」と言うと、事故に関する書類を書かされ、そこにアイバンの車のナンバー『743CRN』を記入した。
数十分後。トレバーが担当者の男から言われたことは衝撃的だった。
「記入したナンバーは間違いではないですか?これはあなたの前の車、赤のポンティアックのナンバーですよ。
1年前に事故で廃車にしています。」
訳がわからず考え込んでいると、続けて担当者は「虚偽の事故申請は犯罪ですよ」と付け加えた。
その言葉を聞いたトレバーは、気付いたら体が勝手に逃げ出していた。

警備員を撒いた後で自宅に戻ろうとすると、アパートの下にパトカーが止まっていて、大家のシュライクが警察官と話しているのが見えた。
通報されたんだと思ったトレバーは、スティービーに匿ってもらうことにした。

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あらすじ:結

傷だらけのトレバーにスティービーは驚いて、すぐにお風呂に入れて体を拭いてくれた。


(トレバーを介抱するスティービー 引用:http://horohhoo.hateblo.jp

トレバーが「今晩泊めてくれないか?」と頼むと、スティービーは「毎晩でも泊まっていいのよ。意味わかるでしょ?」と答えてキスをした。
お風呂から上がって着替えていると、スティービーのベッドの上に、トレバーが失くしたアイバンとレイノルズの写真が額縁に入れて飾られているのを発見した。
スティービーには元夫がいて、たまに元夫から彼女に電話がかかってきていたり、彼女の元を訪ねていることをトレバーは知っていた。
彼女の元夫はアイバンで、アイバンはトレバーがスティービーと懇意にしていることを知って復讐しているのだ。
そう確信したトレバーはアイバンとレイノルズの写真を持ってきて、スティービーに「アイバンはどこだ?!」と怒鳴った。
スティービーは「そんな男知らない」と首を横に振り、「この写真には眼鏡の男の人(レイノルズ)とあなたが映ってる」と言う。
スティービーは何とかごまかそうとして嘘をついていると思ったトレバーは、彼女を口汚く罵ってアパートから出た。

トレバーはマリアに会うために空港のカフェに来たが、そこにマリアはおらず、見知らぬウェイトレスが立っていた。
「マリアは?」と聞くと、ウェイトレスは「そんな名前のウェイトレスは居ないし、あなたが来た時はいつも私が接客してるじゃない。
あなた、いつも黙ってコーヒーをじっと見つめているから喋れないのかと思ってたわ」と答えた。
意味が分からなくなったトレバーは「皆グルなのか?!アイバンから金をもらって、皆で俺を笑いものにしてるんだろう!」と叫んでカフェを飛び出した。

その後、トレバーは空港の駐車場でアイバンを発見したので後をつけると、アイバンはトレバーのアパートの前で車を停めた。
『スティービーが住所を教えたんだ』と思い悪態をついていると、アイバンの車の助手席からマリアの息子のニコラスが降りてきて、2人はアパートに入っていった。
トレバーも彼らを追いかけて自室に入るとニコラスの姿はなく、アイバンはバスルームで髭をそっていた。
ニコラスをどうしたのか聞くと、アイバンは「どうしたかはわかるだろ?それと、お前のボロボロの記憶は専門医に見てもらった方が良いな」と、いつものニヤつき顔で答えた。
ニコラスを殺したんだと思ったトレバーはアイバンに襲い掛かり、乱闘の末にナイフでアイバンを殺した。
その後ニコラスを探し回ったが、どこにもいなかった。
血がしたたったままの冷蔵庫も恐る恐る開けてみたが、中からは腐った魚が出てきただけだった。
この魚は以前、レイノルズと釣りに行った時の魚だとトレバーは思い出した。
スティービーが言っていた通り、あの写真のレイノルズの隣に立っていたのは、アイバンではなくトレバー自身だったのだ。

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トレバーはアイバンの死体をカーペットに包み、車で運んで海に捨てようとしていると、後ろの方から人が近づいてきた。
トレバーは急いで捨ててしまおうと死体をカーペットごと蹴り飛ばすと、カーペットの中の死体は消えていた。
近づいてきた人物を見ると、殺したはずのアイバンが立っていた。

トレバーは自身の過去を思い出すと同時に、身の回りで起きていたことの正体がだんだんとわかってきた。
アイバンはトレバーが作り出した幻、マリアもニコラスも幻だったのだ。
その証拠に、アイバンは今も自分の後ろに立って不気味な笑いを浮かべている。
トレバーの自室のバスルームのドアに『WHO ARE YOU?』と書かれたメモが貼られている。
アイバンは「お前が何者なのか、もうわかっただろう?」と付け加えた。
トレバーは「わかってる」と答え、冷蔵庫に貼られた謎のメモを手に取った。
メモにはさらに記号が加えられてクビを吊る棒人間の絵がほぼ出来上がっていて、下の文字は『_ I L L E R』に更新されていた。
トレバーはサインペンを手にとり、空いている最後の文字に『K』を付け加えると『KILLER(人殺し)』になった。
トレバー自身が記憶から葬り去ろうとしていたのは、人を殺した記憶だったのだ。


(メモを完成させたトレバー 引用:https://ameblo.jp
約1年前、トレバーがまだ健康的で、赤いポンティアックを乗りまわしていた頃。
トレバーは午後1時30分頃、運転中によそ見をしていてうっかり信号無視をしてしまい、小学生の男の子を轢いた。
男の子はニコラス、男の子に駆け寄る母親はマリアだった。
トレバーは動揺と恐怖のあまり、そこから逃げ出し、男の子をひき逃げしてしまったのだ。
その後トレバーはショックのあまり事故の記憶を失っていたが、罪の意識が不眠症や幻覚などの形で現れていたのだった。

翌日。トレバーはアパートを引き払うことに決め、家具は全て寄付し、最小限の荷物を持って車に乗った。
助手席にはアイバンが座っている。
陸運局に到着したトレバーは入り口の前で振り返ると、アイバンがお別れの合図を送っていた。
受付で「ひき逃げをした」と申告すると、警備員と検査官が「調書を取らないと」と言いながら部屋に案内しようとした。
トレバーは「その前に眠らせてくれ」と頼んで収監部屋に入れてもらい、真っ白な部屋で1年ぶりの眠りにつくことができた。

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解説・考察・感想など


(引用:https://ameblo.jp

多くの伏線が張り巡らされていて、雰囲気も含めて個人的には好きな作品です。
何というか、トレバーの思い込みの激しさや、よく考えたら筋が通っていないのにそのことに気付こうとしない様子が、幻や妄想(幻覚症状)に苦しむ人の世界をとてもリアルに描いているように見えて、『幻覚症状で苦しんでいる人の世界ってこんな感じなんだろうな~』と圧倒されました。
さて、張り巡らされていた伏線についてをメインに解説していきます。

懐中電灯

冒頭、トレバーは死体をカーペットに包んで海に捨てに行った時、後ろから黄色い懐中電灯を持った誰かが近づいてきます。
この後にトレバーの部屋に場面が映りますが、そこにも黄色い懐中電灯が置かれているのが大きく映されています。
観客に違和感を持たせると同時に、自分で自分を追い詰める(罪を暴く)ことの伏線ということになるのかな?と思います。

アイバンの正体は?

アイバンは存在自体がトレバーの作り出した幻だったことが終盤で明かされます。
アイバンはトレバーにとって過去の自分自身を象徴する存在であり、分身のような存在です。
それは、アイバンの赤いポンティアックがトレバーが以前乗っていたものだったことや、アイバンの車のナンバーが『743CRN』だったのに対し、トレバーの車のナンバーが真逆の『NRC347』だったこと、アイバンが愛用していたサングラスが、実はトレバーが以前愛用していたもの(ひき逃げした日につけていた)だったことなどからわかります。

トレバーは自分が起こした事故の記憶を失くしていたものの、罪悪感だけはしっかり残っていて、それが形として現れたのがアイバン、マリア、ニコラスの幻や、謎のメモです。
記憶が消えていたのは、トレバーの強い逃避願望が成せた技です。
トレバーは事故を起こしたという現実から逃避して、罪を記憶ごとアイバンというもう一人の自分に押し付けていたということです。

マリアとニコラスはトレバーが轢いた男の子と母親でしたね。
2人の名前は恐らくトレバーが勝手に名付けたものです。
ひき逃げした被害者の名前を知りようがありませんし、マリアという名前にも救いを求めている感があります。
この2人をトレバーが作り出していたのは、この親子とトレバーが仲良く(親切に)することで、無意識のうちに罪悪感を少しでも和らげようとしていたのでしょう。

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手を洗うトレバー

作中に手を洗うトレバーのシーンが何回もありました。
これは、トレバーの罪を洗い流したいという気持ちを現わしている心理描写です。
漂白剤を使っているあたりに思いの強さを感じます。

アイバンの右手の人差し指と足の親指が入れ替わっていた件

アイバンは右手の人差し指に足の親指を移植していて、そのことをアイバンは「事故で指を失くしたから、足の親指を付けた」と言っていました。
これは恐らく、トレバーが不注意で起こした同僚ミラーの腕の事故のことがあったばかりだったからでしょう。
もしかしたらトレバーは、許してもらうために自分の腕をミラーに差し出そうかと考えるだけ考えたのかもしれません。
しかし、筋肉隆々のミラーにガリガリのトレバーの腕を移植しても不釣り合いになってしまいます。
そういったトレバーの思考がアイバンの指に反映されていたのではないでしょうか。

 

血が流れる冷凍庫

あの冷蔵庫は、トレバーが奥底に閉じ込めた『ひき逃げと以前の自分の記憶を閉じ込めた心の中の箱』のようなものを具現化させたものとして描かれていたと思っています。
トレバーの強い逃避願望が、以前の自分やひき逃げの記憶を凍らせて(忘れさせて)いたのです。
中に人間の死体でも入っているかのように冷凍庫から血が溢れたのは、トレバーがひき逃げの記憶を思い出しそうになっていることを表していたのだと思います。
冷凍庫の中には魚しか入っていませんでしたが、この魚もトレバーがひき逃げのことを思い出す手掛かりになっている他、トレバーの心の時間がひき逃げ直後から止まったまま(ショックから立ち直れずにいること)であることを表していたのではないでしょうか。

 

ドエトフスキーの『白痴』

トレバーがドエトフスキーの『白痴』を読んでいるシーンがあります。
『白痴』のあらすじをざっくり紹介すると、重度の精神疾患を持って生まれた主人公ムイシュキンが、症状が改善したため病院から出て生まれ故郷のロシアに戻り、そこで知り合った女性ナスターシャと恋に落ちます。
しかしナスターシャはムイシュキンを愛していながら、富豪の男ロゴージンとの結婚を決めてしまいます。
ロゴージンは最初はナスターシャを愛していませんでしたが、徐々に彼女を愛し、身も心も支配したいと思うようになります。
一方ムイシュキンは一度はナスターシャを忘れて別の女性と結婚しましたが、次第にナスターシャへの愛を再確認するようになります。
最終的にはロゴージンは嫉妬に狂ってナスターシャを殺してしまい、そのことを知ったムイシュキンはショックから精神疾患が悪化して元の『白痴』に戻って今までの記憶も知能も失ってしまう、というお話です。

ムイシュキンは善人の象徴として描かれ、対してロゴージンは悪人の象徴として描かれています。
トレバーはムイシュキンに自分を重ね合わせて、自分自身を『善良な人間』だと思い込もうとしていたのでしょう。
また、『嫌な出来事の記憶は全て忘れた、消し去った』ということを心のどこかで覚えていることも示唆した上でのこの本のチョイスなのではないでしょうか。

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マリアと会っている間、時計が止まっていたのは?

マリアと会っている間だけ、トレバーが時計を見ると1時29分~31分の間を行ったり来たりします。
トレバーはいつも不思議に思いながらも、特に気にしてはいませんが、これはトレバーがひき逃げした時刻を指しています。

トレバーは運転中に煙草を吸おうとしてシガーソケットに手を伸ばした時にたまたま時計を見て午後1時30分であることを確認し、その直後に事故を起こしたので、1時30分という時間がトレバーの記憶に焼き付いていたんですね。

ROUTE666のアトラクション


(引用:http://emumemo.blog35.fc2.com

ここはトレバーの妄想の世界だったこともあってか伏線だらけでしたね。

ROUTE666
まず、『ROUTE666』というアトラクションの名前自体が伏線になっていました。
トレバーがポンティアックに乗っていた時に車内に飾っていたキーホルダーが『ROUTE66』の看板のものでした。
『ROUTE666』と『ROUTE66』だと道が違っちゃう気がするんですが、なぜ統一されていないのか理由がわかりませんでした。

インディアンと切られた腕

インディアンが持っている腕は、トレバーが不注意で起こしてしまったミラーの事故を表しています。

首吊りの人形と『GUILTY』の札

謎のメモの正解を表す伏線と、トレバーの罪の意識(自分は犯罪者だということ)が表れています。

警備員の男

『SLOW!SCHOOL ZONE』(速度落とせ!通学路)という看板を持つ警備員の男の立て看板が表れます。
その直後に男の子が車の前に飛び出してきて、トレバーとニコラスが乗っているおもちゃの車は男の子の看板を轢いています。

事故現場

布をかけられた交通事故で亡くなったであろう子どもの遺体が登場します。
トレバーは自分が轢いた男の子が生きているのか死んでいるのかまでは知らないはずですが、トレバーは殺してしまったと思っているんですね。

サングラス、信号、速度メーターのフラッシュバック

地獄のゾーンに入った後、トレバーがサングラスと信号機と車の速度メーターのフラッシュバックを見ています。
これも事故に関する伏線です。

これだけ伏線が多いとほぼネタバレ感があります(笑)
どうでもいいんですが、遊園地にいるときのトレバーは撮影時期の関係なのか少しふっくらしているのでイケメンに見えます。

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マリアの部屋

マリアとニコラスと遊園地に行った後にマリアの自宅にお邪魔したトレバーは、マリアが飲み干したワインのおかわりをついできてあげようとキッチンに行く際、廊下の前でしばらく止まって首をかしげます。

他にも、ピエロの人形やガラスボウルがヒントになっていますが、マリアの部屋はトレバーの部屋の雰囲気が変わっただけの全く同じ部屋でした。
マリアはトレバーの妄想の産物なのでそうなってしまったのでしょう。
マリアの部屋にもあったピエロの人形とガラスボウルは恐らくトレバーの母親の形見の1つで、アパートを引き払う時の寄付する物の中に紛れています。
恐らくマリアの部屋にあった全ての物が、トレバーが過去に見たことのある家具などだったに違いありません。

 

『I’D RATHER BE FISHING(釣りがしたい)』

トレバーが車にわざとはねられた後、『I’D RATHER BE FISHING(釣りがしたい)』という文字が書かれたプレートがアップで映ります。
最初、トレバーはレイノルズと釣りに行った日の帰りにひき逃げをしたということを表していたのかと思いましたが、トレバーはひき逃げした時はパイソン柄の革靴を履いていたので多分関係ないですよね。。革靴で釣り行かないですよね。多分。。

この後から徐々にトレバーの過去が明らかになっていくので、罪から逃げ回るトレバーを吊り上げるということで、観客に向けた「そろそろネタバレ始めるよ!」という意味の演出なのかもしれません。

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