映画『ラッキーナンバー7』の解説考察をしています!
『スレヴンの正体』『カンザスシティ・シャッフル計画の全貌』『グッドキャットはなぜ復讐に加担した?』『刑事ブリコウスキーは何をした?』などについて書いています。
『ラッキーナンバー7』概要紹介
制作年:2006年
本編時間:111分
制作国:アメリカ
監督:ポール・マクギガン
脚本:ジェイソン・スマイロヴィック
主要キャスト紹介
スレヴン…ジョシュ・ハートネット
度重なる不幸に見舞われて一文無しになり、旧友ニック・フィッシャーを頼ってきた青年。
ニックと勘違いされてボスとラビの両方から金を返せと脅される。
ミスター・グッドキャット…ブルース・ウィリス
謎の殺し屋。敵対する2つの裏社会組織の両方とつながりがある。
リンジー…ルーシー・リュー
ニックの部屋の向かいに住む死体検視官。
ニックに砂糖を借りに来てスレヴンと出会う。
ボス…モーガン・フリーマン
ギャングのボス。ニック・フィッシャーに金を貸している。
ラビ…ベン・キングスレー
ギャングのボス。『ボス』の組織と敵対している。
ニック・フィッシャーに金を貸している。
イツホク…マイケル・ルーベンフェルド
ラビの息子。ラビの職業柄命を狙われやすいため、常にボディガードが付いている。
同性愛者であることを父に隠している。
ブリコウスキー…スタンリー・トゥッチ
刑事。ボスとラビの組織の動向を常に探り、スレヴンの存在に気付く。
マーティー(刑事)…ケヴィン・チャンバーリン
エルヴィス(ボスの部下)…ドリアン・ミシック
スロー(ボスの部下)…ミケルティ・ウィリアムソン
マックス(競馬に負けた父)…スコット・ギブソン
ニック・フィッシャー…サム・ジェーガー
ラビの部下…コリー・ストール ほか
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あらすじ紹介
ニューヨークの空港で、謎の殺し屋グッドキャット(ブルース・ウィリス)が1人の若い男を殺害します。
グッドキャットは「お前は死んだ方が役に立つ」とささやき、男の死体をどこかに運びます。
さらに、ギャングと関わりのあるノミ屋の男2人が立て続けに殺されました。
その後、スレヴン(ジョシュ・ハートネット)という青年がニューヨークに住むニック・フィッシャーの自宅マンションに現れ、ニックの部屋の向かいに住む美女リンジー(ルーシー・リュー)と出会いました。
スレヴンは「仕事と彼女を同時に失って行き場を失くし、旧友ニックを頼って遠くから来たものの、NYに着いた直後に強盗に遭って財布を奪われた。やっとここにに着いたけど、肝心のニックが居ない」とリンジーに説明しました。
リンジーが目的の砂糖をゲットして部屋を出た直後、スレヴンは黒人ギャング2人組に捕まってとあるビルの高層階に連れて行かれ、ボス(モーガン・フリーマン)と話をさせられます。
スレヴンは「俺はニックじゃない」と言いますが信じてもらえず、ニックの借金9万ドルの返済を求められました。
スレヴンが一文無しだとわかると、ボスは「金が返せないなら、お前に仕事を頼みたい。私と敵対する組織のラビという男の息子を殺してほしい」と言いました。
その後スレヴンは、今度は白人ギャング2人組に捕まってボスの向いのビルに拠点を構えるギャングのラビ(ベン・キングスレー)と話をさせられます。
ラビもまた、スレヴンにニックの借金3万ドルの返済を求めました。
スレヴンはとりあえず返済を約束して解放されました。
ボスとラビそれぞれと繋がっているらしいグッドキャットは不敵に笑い、動向を見守ります。
解説・考察、感想など
スレヴンの正体は?
スレヴンの正体と行動をおさらいします。
スレヴンはたまたまギャングの抗争に巻き込まれた風を装っていましたが、目的を持ってギャングに近づき、グッドキャットと組んで全てを計画していた犯人でした。
スレヴンの正体は、冒頭でグッドキャットがニックに語った『競馬の八百長とギャングに殺された一家』の話の中で生き残った男の子ヘンリーでした。
話の中では一家全員殺されたことになっていましたが、子殺しを任されたグッドキャットは当時ヘンリーを殺せず、一緒に生きることを選びました。
ヘンリーはグッドキャットに育てられ、ボスとラビへの復讐のために生きてきました。
ヘンリーが刑事に語った『スレヴン・ケレブラ』という名前は、『スレヴン』は当時の競馬八百長で絶対に当たると言われた馬の名前で、『ケレブラ』はヘブライ語で『バッド・ドッグ』を意味すると種明かしされていました。
バッドドッグはグッドキャットの対義語になり、2人が仲間であることを意味します。
競馬の八百長事件の全貌
競馬の八百長はボスとラビの知らないところで行われようとしていました。
元々はごく一部の人物だけで行うつもりだったようですが、ドクが愛人(?)にドーピングする馬を喋ってしまったせいで、八百長話が事前に漏れて、マイクやブリコウスキーが同じ馬に借金して高額をかけるという現象が起こります。
貸しつける金を提供していたボスとラビはマイクやブリコウスキーが借りた金額から競馬八百長に気付き、馬スレヴンが死ぬように細工して(恐らくドクを脅して馬に致死量のドーピングをした)、見せしめのために借金を返す当てがなかったマイクの家族を皆殺しにしました。
この八百長事件で疑問なのは、ボスとラビは八百長を放置していれば彼らも儲かっていたはずなのに、なぜ八百長をぶち壊してマイク一家を殺したのかです。
マイクの金の動きだけで考えると、マイクはノミ屋から2万ドル借りた上で馬に賭けようとしていました。
ノミ屋が「正規の倍率は9倍だが、俺を通して賭けるなら2倍」「金利は10パーセント」と発言しています。
もし八百長が成功していれば、マイクが借りた2万ドルは18万ドルになりますが、マイクがもらえるのは2倍の4万ドルから借金と金利(2万2千ドル)を差し引いた1万8千ドルです。
つまり競馬の当選金18万ドルのうちの9割はボスとラビの物になります。
それなのに、ボスとラビは八百長をあえて壊して2万ドルを捨て、マイク一家を殺したことになります。
いくら当時新興だったとはいえ、ここまでした理由が私にはよくわかりませんでした。
八百長を壊すことでブリコウスキーなどの刑事やその他政治家など権力者の弱みを握るのが目的だったなら納得できる気もしますが、その辺は描かれていなかったのでモヤモヤしています。
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