「愛のむきだし」ネタバレ解説|ユウ、ヨーコ、コイケに関する疑問を考察 | 映画鑑賞中。

「愛のむきだし」ネタバレ解説|ユウ、ヨーコ、コイケに関する疑問を考察

ヒューマンドラマ(ノンフィクション)

映画「愛のむきだし」の解説、考察を書いています!

一途な盗撮王子が愛する人を追いかけ続ける 約4時間にわたる長編ノンフィクション映画。
映画『冷たい熱帯魚』、『地獄でなぜ悪い』の園子温が監督、脚本、原案を手掛けた。

制作年:2009年
本編時間:237分
制作国:日本
監督:園子温
脚本:園子温
原案:園子温

キャスト&キャラクター紹介

本田ユウ西島隆弘(AAA)
幼いユウ…川村悠椰


(引用:http://sharetube.jp

クリスチャンの家庭に生まれた男子高校生。
母親を幼い頃に亡くしている。
中学時代から神父の父親に毎日無理やり罪を懺悔させられていたため、少しでも父の気を引く罪を作ることがライフワークとなる。
そのため「罪が作りたい」と話して周囲から変態認定される。

 

尾沢洋子(ヨーコ)…満島ひかり
幼いヨーコ…山内菜々


(引用:https://internet-frontline.com

カオリの元カレの連れ子で、カオリに引き取られた女子高生。
カオリの影響で聖書を読んだことがきっかけでクリスチャンになった。
父親から日常的に虐待を受けて育ったため『男』と『家族』を忌み嫌っているが、ニルヴァーナのカート・コバーンだけは大好き。
街で出会った謎の女・サソリに一目ぼれする。

 

コイケアヤ安藤サクラ
幼いコイケ…寺本月夜


(引用:http://sharetube.jp

新興宗教ゼロ教会の地区リーダーで、通称コイケ。
セキセイインコを飼っている。
クリスチャンの父親から暴力、性的虐待を受けて育った。
ユウを気に入り、ゼロ教会に引き込もうとする。

・その他のキャスト

ユウの母…中村麻美
本田テツ(ユウの父親)…渡部篤郎
カオリ(テツの恋人)…渡辺真紀子
スーパーの店員…須田邦裕
タカヒロ(ユウの悪友)…尾上寛之
ユウジ(ユウの悪友)…清水優
先輩(ユウの悪友)…永岡佑
暴走族のリーダー…ジェイ・ウェスト
暴走族の幹部…綾野剛
タカヒロの姉…岡田ひとみ
ロイドマスター…大口広司
ロイドマスターの弟子…山中アラタ、岩本淳也
クミ(コイケの部下)…広沢草
ケイコ(コイケの部下)…玄覺悠子
ゼロ教会の男、コイケの部下…田崎敏路
絵を買わされる客…倉本美津留
コイケの父…板尾創路
コイケの同級生…落合扶樹(現:落合モトキ)
洋品店のおばさん…山野海
立てこもり犯の女子高生…高橋あゆみ
ゼロ教会の先生… 宮台真司
クラブのバー店員… 深水元基
ヨーコの父親…堀部圭亮
ヨーコの父の女…友倉由美子
神父…大久保鷹
司教…岡田正
ユウの担任…山中敦史
教頭…越村公一
x(BUKKAKE社に面接に来た男)…なすび
BUKKAKE社社員…岩松了
BUKKAKE社イベントの司会者…Q-TARO
爆弾男…田中慎吾
懺悔に来た人…川屋せっちん、矢崎まなぶ
救済会の神父…吹越満、荒谷清水、鈴木良一
ミヤニシ(ゼロ教会の先生)…古屋兎丸
ゼロ教会本部の受付…川村歩惟
ヨーコの親戚…松岡茉優、高瀬アラタ、はやしだみき
AV女優…紅音ほたる 他
 

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あらすじ:起

本田ユウ(西島隆弘)はクリスチャンの家庭に生まれた男の子だ。
小学生の頃に大好きだった母親(中村麻美)を亡くしたが、母親と同じように優しい父親・テツ(渡部篤郎)の愛情を一心に受けて育った。
母親の死後、テツは神父になることを決意して聖書を読みふけるようになり、ユウはそんな父親の姿を見ながら成長していった。
ユウが中学生になった頃にテツは晴れて神父になり、2人は母親と住んでいた思い出深い一戸建てを手放して住居付きの教会に引っ越した。
神父となったテツの説教は面白く、やがて教会はテツの説教を聞きに来る信者であふれるようになり、ユウとテツはせわしなくも穏やかな毎日を楽しんでいた。

そんなある日。露出度の高い派手な格好の女・カオリ(渡辺真紀子)が教会に現れた。
彼女は初めてテツの説教を聞いたその時からテツに夢中になり、毎日のように教会に押しかけてテツにもうアタックを開始した。
テツはカオリを出来るだけ遠ざけようとしていたが、カオリが正式なクリスチャンになった頃、テツはカオリの情熱にほだされて付き合い始め、それからユウはテツから全く気にかけてもらえなくなった。

聖職者の結婚は禁じられている。
2人が付き合い始めてすぐ、テツは教会から少し離れた場所に家を借り、周囲に隠れてカオリと住むようになった。
それに伴ってユウも新居へ移動させられたが、ユウは彼から父親を奪ったカオリのことが嫌いだったため、3人で暮らすのは最悪の気分だった。


(食卓を囲むユウ、テツ、カオル 引用:https://tsutaya.tsite.jp

3か月後。テツがカオリと結婚しようとしないため、怒ったカオリは他に男(須田邦裕)を作ってさっさと出ていってしまった。
それからテツはショックで性格が一変し、教会では今までと変わって不気味で恐ろしい説教をしたり、自宅では何時間も神に祈ったりするようになった。
ユウはカオリが出ていって内心ホッとしていたが、テツが以前と全く変わってしまったことに戸惑っていた。

ある日、ユウはテツから懺悔室に呼び出され、それから毎日『罪』を告白させられるようになった。
何でも良いから罪を言わないとテツが解放してくれないため、ユウは毎日絞り出すように日常の小さな罪(バスで誰かに席を譲らなかったことなど)を懺悔し、やがて罪を探しながら生活するようになった。


(テツに懺悔させられるユウ 引用:http://miyabiyama.cocolog-nifty.com

そんな毎日が続き、ユウは高校生になった。
テツの態度は変わらないどころか悪化していて、ユウに「お前はどんなに頑張っても悪い子だ。」などと言うようになっていた。
学校は特に面白くもなく毎日憂鬱で、ユウはあわよくば死にたいとすら思っていた。
懺悔室で罪を告白させられることも相変わらず続いていたので、ユウは罪が何も思い出せなかった日に嘘の罪を懺悔してみたが、テツに見透かされていた。
本当の罪じゃなきゃダメなんだと悟ったユウは、テツのために小さな罪を犯すようになった。
学校で席が近い生徒が落とした消しゴムにいたずらしたり、今までよけながら歩いていた虫をわざと踏みつぶしたりした。
懺悔室でユウが数々の罪を報告すると、テツは「俺をバカにしてるのか?」と言うので、ユウは訳がわからなかった。

翌日。ユウが学校から帰るとテツが居なくなっていた。
テーブルの上に『私は教会の家に戻る。お前はこのままここで暮らしなさい。生活費は毎月振り込む』という置手紙と通帳だけが置かれていた。
ユウは教会に走ってテツに別々に暮らす理由を訊ねたが、テツは「司祭の家は1つです。もう帰りなさい。」とだけ答えてどこかへ行ってしまった。
教会からの帰り、暴走族の一員で同じ高校の同級生のタカヒロ(尾上寛之)、ユウジ(清水優)と知り合ったユウはすぐ彼らに気に入られ、流れでタカヒロとユウジが所属している暴走族に仲間入りした。
「僕には罪が必要なんです!罪がたくさん作りたいです!」と言うユウは他のメンバーからも面白がられ、先輩たちから喧嘩の仕方、万引きのやり方など様々な悪事を教わった。
それからユウはタカヒロ、ユウジ、先輩(永岡佑)とつるむようになり、初めて友人と呼べる存在ができた。

別居してからは、懺悔室での懺悔の時間だけが ユウがテツと触れ合える時間になった。
ユウはテツの気を引くために少しでも大きな罪を作り、毎日テツに懺悔しに行った。
喧嘩で顔にアザを作って懺悔に来た日もあるが、テツはユウを心配する様子もなく、ただ懺悔を聞いて罪を許した後は、虫でも追い払うかのようにユウを教会から出ていかせた。
そんなユウの日常を知った先輩たちは「父親を驚かせるような罪を作るなら、やっぱりエロだろ!」と言い、ユウをエロの伝道師・ロイドマスターという人物のところに連れていった。
ロイドマスター(大口広司)から「お前は何を求めている?」と聞かれ、ユウが「罪とマリア様です!」と答えると、ロイドマスターは「お前の望みは全て『女性の股間』に詰まっている!」と言った。
ユウは幼い頃、当時健在だった母親に「マリア様みたいなお嫁さんを見付けなさい」と言われてからマリア様を崇め、マリア様のような女性を探し求めるようになっていた。
その後、ユウはロイドマスターに変態の実力を見込まれ、街にいる若い女性たちの股間(パンチラ)を盗撮するよう命じられた。
ロイドマスターは「お前のマリア様はこの地球上のどこかに必ずいる!女性の股間を追い続ければ、いつか出会えるだろう!」と言いながら、ユウに数週間にわたる盗撮の訓練を行った。

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ユウが初めて盗撮した日。ユウは喜んでテツに罪を懺悔しに行くと、今まで何を懺悔しても無表情だったテツの表情が変わり、ユウは初めてテツに殴られた。
ユウは久しぶりに感情のある父親が見れたことが嬉しくて「もっと殴ってください!」と笑顔で訴え、気持ち悪がられた。
ユウはテツに殴られたことも、親子がすることのようで嬉しかったのだ。

ユウはロイドマスターに「心から勃起しろ!」と言われた。
だがユウは生まれてこのかた性欲を感じたことがなく、従って勃起したこともなく、何枚もあるパンチラ写真を見ても、実際にパンチラしている若い女性を見ても何も感じたことがなかった。
ユウはどこかにいるマリア様と出会うため、毎日盗撮に励んだ。


(盗撮に励むユウ 引用:https://tsutaya.tsite.jp

数か月後。ユウの盗撮の腕は上達し、周囲が「すごい!」と漏らすほどの腕前になった。
この頃になるとユウはタカヒロ、ユウジ、先輩の盗撮の師匠になり、日常はより楽しいものになったが、一方でテツからは教会に行っても「もう来るな!」と締め出されて懺悔すらさせてもらえなくなった。

数週間後。ユウを無視し続けていたテツが、突然ユウのいる家に戻ってきた。
しかも、テツはユウに冷たくなる前の優しい性格に戻っていたので、ユウはただただ嫌な予感がした。

ある日、ユウはユウジと『どちらが良いパンチラ写真が撮れたか』の勝負をして負けてしまった。
負けたユウは『女装して街を歩き、気に入った女の子に「好きよ」と女言葉で告白してキスをする』という罰ゲームをさせられることになった。

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あらすじ:承


(街を散策するユウ、ユウジ、タカヒロ、先輩 引用:https://eigazine.com

ユウはロングヘアのカツラをかぶり、全身ブラックコーデに身を包んで、ユウジたちと女の子を求めて街を散策した。
その時、ユウたちは同年代位の女子高生1人が大勢の男たちに囲まれている所を発見。
いつもなら見て見ぬフリをするところだが、ユウはなぜかこの時、この女の子を助けなければいけない気がして、気が付いたらその輪の中に飛び込んでいた。

男たちに襲われていた女子高生は尾沢洋子(満島ひかり)という。
ヨーコはカオルがテツの元から去った後にできた恋人(堀部圭亮)の子だった。
ヨーコに母親はおらず、彼女は幼い頃から父親に殴られたり虐げられたりと虐待を受けて育った。
さらに引っ越しも多く学校を転々としていたため、友人もいなかった。
虐待を受けながらもヨーコは活発で気が強い性格だったため、明るく元気で喧嘩っ早いタイプに成長した。
ヨーコは『男』と『家族』が大嫌いだったため、機嫌が悪い時は近くにいる男に喧嘩を吹っかけて殴り合いをして鬱憤を晴らす日々を送っていた。
そんなある日、父親が家にカオルを連れてきた。
今までも父親は何人もの女を家に連れてきたため、いつもならヨーコは女を無視するだけだったが、カオルは今までのつまらない女たちとは違って愛情がむき出しな所が気に入り、やがて2人は仲良くなった。
カオルがヨーコにとって初めての友人となり、カオルもヨーコを妹のように可愛がった。
ヨーコはカオルがクリスチャンだったことからキリスト教に興味を持ち、やがてキリストをカート・コバーンと同列のイケてる男に認定した。
2人が仲良くなって数か月が経った頃、カオルはヨーコの父親と別れてこの街を離れることにしたとヨーコに告げると、ヨーコもカオルについて行きたいと言った。
こうしてカオルはヨーコを父親から引き取って街を出た。
カオルはテツが忘れられずにいたため、テツに会うためにヨーコと一緒にユウの街に戻ってきたのだった。

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ヨーコが男たちに襲われている原因はユウにも関係があった。
ユウはテツと別居してすぐの頃に教会の前で小池アヤ(安藤サクラ)という人物と知り合いになっていた。
コイケは最近ニュースでも騒がれている新興宗教『ゼロ教会』の地区リーダーで、17種類もの詐欺まがいの仕事(コカイン販売の仲介人、インチキボランティア団体の団長など)で荒稼ぎしては、売り上げを全て教会に寄付している生粋の信者だった。
彼女は幼ない頃から父親(板尾創路)に暴力や性的虐待を受けて育ったため残虐な一面があり、中学時代に両想いになった男の子(落合扶樹)を、興奮のあまりにカッターで切って殺したという過去があった。
コイケは少年院送りになり、退院してすぐに父親が脳梗塞で倒れた。
自宅で父親が倒れているのに気付いた時、コイケは彼を見殺しにしようか迷ってしばらく放置した後、やっぱり生かしておくことに決め、父親の陰茎をハサミで切ってから110番通報した。
陰茎を切った件は適当なウソが警察に通じて罪に問われず、父親は一命をとりとめたものの、意識は戻らず植物状態になった。
父親から解放されたコイケが外で自由を満喫していた時、ゼロ教会の『先生』(宮台真司)に声を掛けられ、それからコイケはゼロ教会の熱心な会員になった。

コイケはユウと初めて会った時から彼が気になって仕方なく、翌日から部下と共にユウを尾行したり、ユウの交友関係や家族、日常生活を調べ上げ、うまいことゼロ教会に引き込もうと企んでいた。
そんな時にヨーコの存在を知ったコイケは、ヨーコを利用しようと思いついた。
教会の男たちを集め、ヨーコを襲うよう命じたのだった。


(男たちに囲まれたヨーコ 引用:https://tsutaya.tsite.jp

ユウは、ヨーコが男たちと戦う前にキリストに祈っているのを見て、その姿がマリア様と重なり一目ぼれし、ヨーコは男たちと戦っている間、一緒に戦ってくれている謎の女性が気になって仕方なかった。
やがて男たちが逃げていくと、ヨーコはユウにかけよりお礼を言った。
その時、風のイタズラでヨーコの制服のスカートがめくれ上がり、ユウはヨーコの真っ白なパンツを目の当たりにして生まれて初めて勃起した。
ユウはヨーコに名前を聞かれてとっさに『サソリ』と名乗り、ユウジたちとの約束通りヨーコに「好きよ」と言ってキスすると、すぐさまその場から走り去った。


(キスする直前のサソリとヨーコ 引用:twitter.com

その日の夜。ユウの勃起はまだ続いていた。
ユウは初めて勃起した感動を味わいながらヨーコとの出会いをマリア様に感謝し、ヨーコは頭からサソリのことが離れなくなり、サソリとの出会いをキリストに感謝した。

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あらすじ:転

数日後。ユウのクラスにヨーコが転校生として入ってきた。
ユウは驚いてヨーコから目が離せなくなったが、ヨーコはサソリの正体がユウだと知らないので、何かと話しかけようとしてくるユウを気持ち悪がるばかりだった。
その日の夜。ヨーコはサソリに恋をしているんだと自覚し、同時に自分がレズだったことを知り驚いた。
一方、ユウは男のままだとヨーコから全く相手にされないので、彼女と話すにはサソリに変身するしかなさそうだが、性別を偽って彼女に近づこうとすることに罪悪感を感じて思い悩んだ。

数日後。相変わらずユウは同級生としてはヨーコに相手にされないどころか、面と向かって「まとわりつくな!」と怒鳴られてしまった。
ユウは仕方なくもう一度サソリに変身し、放課後、偶然を装ってヨーコと再会した。
ヨーコはサソリに気付くと大はしゃぎし、サソリにまぶしい笑顔を見せた。


(再会を喜ぶヨーコとサソリに変装したユウ 引用:twitter.com

ヨーコはどう見てもサソリにメロメロだったので、ユウは複雑な気持ちだったが、予定通りヨーコに連絡先を手渡した。
すると、ヨーコはサソリに手紙を渡して走り去っていった。
ヨーコからの手紙はサソリへのラブレターだった。
ユウは時期を見てサソリの正体を明かすことに決め、しばらく様子を見ることにした。

その日の夜。テツが「お前に会ってほしい人がいて、明日はその人とその人の連れ子と一緒に晩御飯を食べに出よう」と言い出した。
ユウはカオリがテツのところに戻ってきた事は知っていたのでもう驚かなかったが、ユウはカオリのことが嫌いだ。
しかし、そんなことをテツには言えないため渋々承諾した。

翌日の夜。カオリと待ち合わせしているレストランに行ったユウは、カオリの連れ子がヨーコだとその時初めて知った。
ヨーコは カオリの恋人の子どもがユウだと気付くと、あからさまに嫌そうな顔をしている。
しかも、テツは神父をやめることが出来次第、カオリと結婚するつもりだと宣言した。
ユウもヨーコも最悪の気分だった。
その後すぐヨーコがトイレに立ち、その直後、ユウの携帯が鳴った。
ヨーコがサソリに電話しているのだ。
ユウもトイレに行って電話に出ると、ヨーコは「新しい家族が最悪!特に兄になる人がストーカーみたいな奴で気持ち悪すぎる!」と泣きそうになりながら愚痴っていた。
ユウはとっさに「お兄さんはきっと、あなたが新しい妹だって知ってたのよ!
すごく真面目な良い男じゃない!
お兄さんと仲良くしなきゃだめよ!」
とアドバイスして電話を切って席に戻った。
ヨーコもしばらく後に戻ってきて、それからヨーコはサソリとの約束を守ってユウにフレンドリーに接するようになった。

その後、すぐに4人の同居生活が始まった。
ヨーコはユウを『お兄ちゃん』と呼び、一緒に登下校したり、クラスメイトから「熱々カップル!」とからかわれたりしたのでユウは嬉しかったが、ヨーコを可愛いと思うとすぐに勃起してしまうので毎日大変だった。
ヨーコはユウに対して表向きは友達のように接していたが、ユウが勃起していることに気付く時もあったので、内心はどうしようもなく気持ち悪いと思っていた。


(一緒に登校するものの、話すことが無いユウとヨーコ 引用:https://www.xxxkazarea.com

同居生活が始まって数週間。
ユウはヨーコがお風呂に入っている間にヨーコの部屋に入ってベッドの匂いを嗅いだり、タンスを覗いて下着を眺めるのが日課になっていた。
夜はヨーコからサソリ宛てに電話がかかって来るので、ユウは隣の部屋で声を潜めて会話をし、ふすまの隙間からサソリと嬉しそうに話しているヨーコを眺めながら「愛してるわ」と言い合って電話を切る。
まだサソリの正体を明かす勇気はなく、ユウは悶々とするばかりだった。

そんなある日。突然コイケがユウとヨーコのクラスに転校生として現れた。
コイケはユウとヨーコの様子を盗聴器などを駆使してずっと監視していて、タイミングを見計らって動き始めたのだ。
コイケは転校してきたその日、ゼロ教会の男数名にヤンキーの恰好をさせ、授業中のユウたちのクラスを襲撃させた。
ヤンキーたちは「サソリはどこだ?!」と言いながら暴れているので、ユウはヨーコに正体を明かす絶好のタイミングだと思い、ヤンキーたちの前に出ようとした。
その時、コイケがユウを突き飛ばして「私がサソリよ!」と叫び、ヤンキーたちと喧嘩を始めた。
ユウはコイケの行動に唖然とし、コイケをサソリだと勘違いしたヨーコは、コイケに熱い視線を送っていた。

その日の放課後。ヨーコはコイケに声をかけ、本当にサソリなのかと聞いた。
コイケはユウと比べて背も低く、髪の長さも違うし、声も全然違うからだ。
コイケは「サソリの時は変装してるから別人に見えるだろうけど、私は本物のサソリよ!」と答えてヨーコにキスをして、2人は付き合い始めた。
ヨーコとコイケがキスしているのを見たユウは黙っていられなくなり、コイケが1人になった時に「どういうつもりだ!狙いはなんだ?」と問い詰めたが、コイケは曖昧な返事をするばかりな上、「本当のことをバラしたら、あなたが盗撮していることをヨーコにバラすよ」と脅してきた。
ヨーコに嫌われたくなかったユウは黙るしかなかった。

その内、コイケはヨーコと一緒に勉強するという名目で本田家(ユウとヨーコの自宅)に毎日来るようになり、やがてカオリ、テツともすぐに打ち解けて晩御飯まで食べていくようになった。
コイケは放課後はヨーコと勉強したりイチャイチャしたりして、夜になるとテツとカオリの今後に関する悩み相談までするようになっていた。
コイケがサソリだと思い込んでいるヨーコは完全にコイケを信用し、身も心も委ねているような状態だった。

我慢の限界に達したユウは、サソリの衣装を着て夜の公園にヨーコを呼び出し、ユウが本物のサソリでコイケはニセモノだとヨーコに説明したが、ヨーコは何も答えず、黙って首を横に振りながら逃げてしまった。

翌日。ユウが学校に行くと、教室中に大量のパンチラ写真と、ユウが盗撮しているところを盗撮したDVDがバラまかれていた。
コイケの仕業だ。
ユウは高校を退学処分になり、家ではテツに「お前はどうしようもない奴だ!出ていけ!」と怒鳴られ、何度も殴られた。
ユウはヨーコだけにはわかってもらいたくて話そうとしたが、ヨーコからも「気持ち悪い!さっさと出ていけ!」と言われてしまい、ユウは泣きながら家を飛び出した。
一部始終を内心ほくそ笑みながら見ていたコイケは「ユウがこんな子に育ったのは親に原因がある!ちゃんとしなきゃダメよ!」とテツとカオリを叱った。

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ユウは暴走族の隠れ家で数日やり過ごして気持ちを落ち着かせた後、ヨーコが気になって学校に行ってみた。
教室にはヨーコもコイケも居なかったので顔見知りのクラスメイトに聞いてみると、ヨーコもコイケも、ユウが退学した直後位から学校に来なくなったという。
思い切って自宅に行ってみると、中は誰もおらずもぬけの殻、教会にも行ってみたが、テツは失踪したことになっていて てんやわんやになっていた。

ユウが全ての経緯をユウジ、タカヒロ、先輩に相談すると、ユウジが「それ、最近話題になってるゼロ教会が一家全員さらって洗脳しちまう、って話に似てないか?」と言った。
この時点では、まだユウはコイケの正体を知らなかったが、ユウジの予想は当たっていて、ヨーコ、テツ、カオリはコイケに連れられて山奥で行われているゼロ教会の合宿に参加させられていた。

ある日。コイケはユウの携帯に電話をかけた。
突然の連絡に驚いて「ヨーコはどこだ!」と何度も叫ぶユウに、コイケは「ヨーコたちは皆こっちで仲良くやってるわよ。
それより、ある会社があなたに会いたがってるから、明日面接に行ってちょうだい。
そこでしばらく働いたらヨーコに会わせてあげる」と告げると電話を切った。

『ある会社』というのは、ユウが盗撮している映像を見た大手AV制作会社の『BUKKAKE社』だった。
ユウは面接で「僕は罪を作るために女性の股間を盗撮をしています!」と答え、ユウの変態ぶりに感動した周囲から拍手が起きた。
ユウは面接に受かり、ユウジ、タカヒロ、先輩と共にBUKKAKE社に入社した。
悠たちの仕事はいつもの盗撮に加え、盗撮のノウハウをレクチャーする盗撮王子として作品に出演することだった。
ユウは全てのパンチラをヨーコだと思い、必死で仕事を続けた。

半年後。ユウたちの熱心な仕事ぶりが認められてBUKKAKE社が主催するイベントに参加し、ユウは変態神父としてお客さんから様々な変態に関する懺悔を聞く立場になった。


(懺悔に来る人の話を聞き流すユウ 引用:https://www.pinterest.dk

しばらくすると、懺悔に来るお客さんに紛れてコイケの部下の女2人(広沢草、玄覺悠子)が小さなポータブルテレビを持って現れた。
女は「あんた、頑張ってるからヨーコに会わせてやる」と言い、テレビを机の上に置いた。
画面の中にはヨーコが映っていて、それはテレビ電話で繋がっていた。
ヨーコは無表情で機械的に悠に話しかけた後、女2人は「そろそろ仕事は良いから、お前もこっちにおいで」と言うと、テレビを持って行ってしまった。
ユウが呆然としていると、楽屋にいたユウジ、タカヒロ、先輩が慌てて出てきて「今テレビにヨーコが映ってる!」と言うので、ユウが急いで楽屋に行くと、ニュース番組で取り上げられていたゼロ教会についての映像にヨーコとコイケが映っていた。

ヨーコ、テツ、カオリの居場所がゼロ教会だと確信したユウは、ゼロ教会について一通り学んだ後、ユウジ、タカヒロ、先輩と共に新興宗教からの救済を支援している団体・救済会に相談に行った。
救済会の神父(吹越満)は、「ゼロ教会には『ケイブ』、『アクター』、『プロンプター』と呼ばれる個々のランクがあって、『ケイブ』なら洗脳の初期段階でまだ救いようがあるが、『アクター』、『プロンプター』になると、もう洗脳を解くのが無理な段階とされているんだ」と説明した。
神父たちはヨーコがアクターだと知ると「もう無理だ、諦めなさい」と言って話を終えようとするばかりか、「君たちみたいな人(性サービス業関係者)にここに来られると迷惑だ!」と怒鳴り、ユウたちを追い出そうとした。
ユウはキレて暴れているユウジを抑えながら、神父たちは頼りにならないと判断して救済会を後にした。

その後、ユウたちがゼロ教会について調べていくと、教会が信者たちを洗脳する過程が書かれてある本を見付けた。
そこには『ゼロ教会に入会したばかりの信者は皆ケイブというランクが付けられ、しばらく聖書を勉強させられる。
それが終わると特殊な合宿、いわゆる洗脳合宿に参加させられる。
合宿は教会の人間が「完全に洗脳された」と認めるまで何日でも続く』と書かれていた。
つまり、洗脳合宿を終えてしまった人間は洗脳が解ける可能性がゼロに近くなるということだ。

ヨーコに近づく良い作戦が何も思い浮かばないまま数日が経過した頃。
ユウが出かけていた時に、ユウジから「今ヨーコを外で見た」と電話があった。
言われた場所にユウが駆けつけると、真っ黒のマントを羽織ったヨーコが1人で街を歩いていた。
ユウはヨーコに声をかけたが、ヨーコは一切反応せず、ユウを見ようともしない。
遠くで見ていたユウジ、タカヒロ、先輩はユウの手助けをしようと、ワンボックスカーでヨーコを拉致して人けのない海岸に連れていった。
海岸には一台の廃バスがあったため、ユウはそこでヨーコと話をする(洗脳を解こうとする)ことにした。
「長期戦になるだろうから」と先輩たちがろうそくや水、食料などを差し入れてくれて、ユウはヨーコと半年以上ぶりに2人きりで向き合った。
だが、ヨーコはユウに向かって「解放しろ、変態!」としか言わない。
ユウはヨーコが他のことを話すまでとにかく待つことにした。
翌日。ヨーコは眠りもせず、何も食べないので、ユウもヨーコが何か食べるまで食べないことに決めた。
3日目。ヨーコは少し眠ったが何も食べず、何も話さなかった。


(無言で海を眺めるユウとヨーコ 引用:https://www.amazon.co.jp

4日目。ヨーコが「痛い」というので彼女を縛っていた縄をほどくと、ヨーコは隙をついてバスから逃げ出した。
ユウは何とかヨーコを捕まえて「君がどんな神様を信じようと君の勝手だ!でもゼロ教会だけには入って欲しくないんだ!奴らは神様じゃない!」と叫んだ。
ヨーコは聖書にある『コリントの使途への手紙 第13章』を暗唱した後「私は神に祈りたいからゼロ教会にいるんだ!」と答えた。
ユウは再び廃バスにヨーコを連れ戻した。
その後、浜辺に車が数台現れ、中からコイケと彼女の部下たち、ゼロ教会の先生(宮台真司)などが現れた。
彼らは行方不明になったヨーコを探すためにユウジ、タカヒロ、先輩を捕まえて拷問し、ユウジたちはこの場所を漏らしてしまったのだ。
ユウはゼロ教会の男たちからしばらく暴行を受けた。
その後、暴行でヘロヘロになったユウに、コイケはヨーコのパンチラ姿を見せた。
ユウは勃起してしまい、アヤ、先生、その他のゼロ会員は大笑いした。
アヤが「こんな状態でも勃起するなんて、この男は変態です!更生する必要があります!」と言うと、先生は「そうだね、君もうちで学びなさい」と答えた。

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あらすじ:結

ユウはゼロ教会に入会させられた。
ゼロ教会の新規会員は全員『0(ゼロ)』が印刷された白Tシャツに白のボトムスを着させられる。
朝は教会の掃除から始まり、掃除が終わると先生たちによる授業が行われる。
プロンプターのコイケは新しい会員たちに説教を行う立場の人間だった。
ユウは従順で真面目な信者のフリをして、ヨーコを助けるチャンスが来るのを待った。
ユウはコイケから定期的にヨーコで勃起しないかテストをさせられ、次第にユウはヨーコのパンチラ姿を見ても勃起を我慢することができるようになった。

さらにしばらく経つと、ユウはコイケから『アクター』になるための合宿(洗脳合宿)に誘われた。
合宿に参加したユウは、参加者が罪を告白する懺悔の時間に「俺は勃起することが恥ずかしいと思っていましたが、今は違います。勃起も恥じないし、愛も恥じません!」と言ってのけた。
合宿が終わり、アクターにランクアップしたユウは、ある程度自由に動けるようになった。
事務所のファイルからヨーコの予定を盗み見ると、彼女は次の木曜日に本部6階で研修に参加する予定のようだ。
ユウは変態イベントで出会った爆弾魔の男(田中慎吾)に頼んで爆弾を作ってもらい、ユウジ、タカヒロ、先輩に連絡を取って武器などを調達してもらった。

木曜日。ユウは本部にすんなり入り込むと、ビル内に爆弾を仕掛けてから6階に上がり、サソリの服装に着替え、日本刀を持ち、ヨーコを探し始めた。
部屋を全て見て周ると、ヨーコは一番奥まった場所にある広間の中でテツ、カオリ、コイケと2人の部下と一緒にこたつに入って鍋を囲んでいた。
ユウは爆弾の発火ボタンを押してビルを爆破し、駆けつけた警備員を何人も倒してヨーコを連れ出そうとしたが、ヨーコは拒否し、ユウに馬乗りになって思いきり首を絞めた。
首を絞められたユウの目から血の涙が流れた。
それを見たコイケは笑いながら「絞め殺しちゃえ!」と叫び、ユウが持っていた母親の形見である小さなマリア様の像を壁に投げつけて叩き壊した。
マリア様を壊されたユウは怒り、ヨーコを押しのけてコイケに襲い掛かったが、テツ、カオル、駆けつけた警察官に抑えられた。
ユウは暴れながら精神が崩壊したのか突然笑いだし、そのまま笑いが止まらなくなった。
コイケは血の涙を流しながら笑っているユウを見て、「やっぱりあんたは私と同じだ!もっと壊れちまいなよ!」と呟くと、ユウの日本刀を腹に突き刺して自ら命を絶った。

ユウが起こした爆破事件によってようやく警察がゼロ教会に介入し、教会が行っていた数々の犯罪行為が明るみになり、教祖は行方をくらませて、ゼロ教会は実質解散となった。

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その後、テツとカオリはゼロ教会被害者の会の施設に入所した。
2人の洗脳が解けたのかはわからないが、テツとカオリは相変わらずお互い愛し合っている。

ヨーコは親戚に預けられ、優しい3人家族のもとで静かな生活を送っていた。
どれくらいの月日が経ったのかはわからないが、そんな生活を続けるうちに自然とヨーコの洗脳は解けていた。
親戚の家には小学生の女の子(松岡茉優)がいて、その子はヨーコにいつも好きな男の子のことを嬉しそうに話した。
そんな女の子を見て、ヨーコは彼女自身がサソリに恋していた時のことを思い出した。
やがてヨーコはユウが出演している盗撮王子のDVDを見るようになり、自分が本当に好きなのは誰なのかを考えるようになった。

ある日の夜。女の子が泣いていたのでヨーコが声をかけると、女の子は「私の涙に血が混ざっている気がするの。涙は血管を通って出てくるから、本当に泣きたいときは血が混じった涙が出るんだって」と言った。
ヨーコはユウが血の涙を流していたことを思い出した。
ヨーコは「私、自分のことは何でも知ってるって思ってたけど、全然わかってなかった」と呟き、涙を流した。

ユウは爆破事件の後 精神を病み、精神病院に入院していた。
ユウはあの日から自分のことをサソリだと思い込んでいて、一日中サソリの衣装を身に着け、おもちゃの刀を持ち、いつも彼だけにしか見えない敵と戦っていた。
時には興奮して患者に手を上げたり、突然叫ぶこともあり、精神不安定な状態が続いていた。

ある日、ヨーコはユウがいる精神病院を訪れた。
ユウはサソリの恰好をしていたので、ヨーコはすぐにそれがユウだとわかった。
ヨーコは無言でソファに座っていたユウに話しかけたが、ユウはヨーコのことも、自分の本名がユウだということも覚えていなかった。

しばらくすると、ヨーコがユウを刺激することを心配した看護師がユウを個室に戻るよう促し、ヨーコを帰らせようとした。
ユウは立ち上がると「そういえば昔、あんたみたいな可愛い女の子を助けてやったことがあったの、思い出した」と笑いながら個室に入っていく。


(精神病院にいるユウに会いに来たヨーコ 引用:http://miyabiyama.cocolog-nifty.com

記憶が戻るかもしれないと思ったヨーコは隠し持っていたナイフを取り出して看護師を追い払い、ユウと個室に立てこもり「私はユウに2回も助けてもらった!次は私の番よ!ユウ、ここから出よう!」と叫んだ。
だが、ユウは「何言ってるの?あなた怖いわ、もう出てって!」と怯えるばかりだった。
やがて警察官が駆けつけて個室の扉をこじ開け、ヨーコは捕まった。
警察官に引きずられながら、ヨーコは「ユウ、愛してる!心の底から愛してる!」と叫び続けていた。
ユウはしばらく呆然とし、ベッドに座って落ち着いてみると、自分が勃起していることに気が付いた。
頭は忘れていても、ユウの体はヨーコのことを覚えていたのだ。
すると、今までの記憶が一気に蘇り、ユウは全てを思い出した。
ユウは走って病院から出ると、病院から出るところだったヨーコが乗っているパトカーを全力で追いかけた。
ユウの存在に気付いたヨーコは、運転していた警察官を襲って無理やり車を停めさせた。
追いついたユウはヒジテツでパトカーの窓ガラスをたたき割り、笑顔のヨーコと手を取り合った。

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・主題歌

空洞です 』ゆらゆら帝国

・挿入曲

美しい 』ゆらゆら帝国
つぎの夜へ 』ゆらゆら帝国
ボレロ 』ラヴェル
アヴェ・マリア 』シューベルト
アレグレット (交響曲第7番イ長調より)』ベートーヴェン
ポコ・アダージョ (交響曲第3番ハ短調より)』サン=サーンス

空洞です [ ゆらゆら帝国 ]

 

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解説、考察、感想など

寝れなかった夜中に何となく「見ながら寝落ちしようかな~」位の感覚で見始めて、4時間近くあるのにそのまま一気に見てしまい、気付いたら朝になっていた…という思い出のある作品です。
面白かったんですが、疑問に思う部分も結構多かったので、感想を交えながら考察していきます!
いつも通りネタバレありきなので、未鑑賞の方はご注意くださいませm(__)m

どの辺がノンフィクションなのか


(引用:https://nor-madame.at.webry.info

作品の冒頭に「実話を元にしたお話です」みたいな文章が出てきます。
でも内容がわりとハチャメチャなので、見終わった後に「どこか実話だったの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

この疑問の答えは園監督のインタビュー記事にありました。
その記事によると、園監督の友人に『盗撮にハマり、やがてその筋のカリスマになった男』がいて、その彼の妹が新興宗教にのめり込んでしまったそうです。
周囲からは脱会させるのは難しいだろうと言われていましたが、彼は妹を追いかけて強引に宗教から脱会させたそうです。
園監督は彼の体験を面白いと感じ、友人の体験をベースに監督がストーリーを膨らませて映画化したのが『愛のむきだし』なんだとか。

細かい設定についてはどこからどこまでが創作で実話なのかまではわかりませんでしたが、大まかな流れがノンフィクションだということで驚きです!

サソリの元ネタ


(引用:https://twitter.com

ご存知の方も多いかもしれませんが、ユウが変身した『サソリ』にはちゃんと元ネタがあります。
1970年にビッグコミックで連載された『さそり』です。


(引用:https://xn--nckg3oobb0816d2bri62bhg0c.com/
冤罪で刑務所に入れられた松嶋ナミという女性が『さそり』と名乗り、刑務所で様々な理不尽な仕打ちを受けた復讐をしていくという話です。
その人気ぶりから1972年には『女囚702号/さそり』というタイトルで映画化し、こちらも当時ヒットしてシリーズ化されています。


(梶芽衣子演じるさそり 引用:https://www.pinterest.com.mx

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ユウが壊れた理由

ヨーコを助けるためにゼロ教会の本部へ乗り込んだユウは、警察官やテツに捕まった直後に精神崩壊します。
ユウが壊れたのもかなり突然だったので、理由がよくわからなかった方も多いのではないでしょうか。

ユウが壊れた理由を知るヒントは、ユウがヨーコから首を絞められたときに流していた血の涙にあります。
ヨーコが親戚と一緒に暮らしていた時、松岡茉優演じるヨーコの親戚の小学生の女の子が「本当に悲しいことがあると血に涙が混ざる」と発言していました。
つまり、ユウはヨーコに首を絞められて心の底から傷ついたということです。
ユウはヨーコを救いたくて今まで必死でやってきたのに、彼女に拒絶され、そればかりか殺したくなるほど嫌われていたことを知り、絶望したんです。
ヨーコから愛されるためだけに行動してきたユウにとって、そのショックの大きさは計り知れません。
そして同時に、母親の形見だったユウの大切なマリア様の像をコイケに壊されて、精神を保っていた糸が切れた→精神崩壊したのだと思います。

コイケが自殺した理由


(引用:https://f.hatena.ne.jp

ユウが精神崩壊したのを見たコイケは、ユウの日本刀で切腹して死んでしまいます。
展開があまりにも急だったので「え、なんでそこで死ぬの?」と疑問でした。
私が最初に考えた自殺理由は、『爆発が起きて警察が来て、コイケは警察に介入されたらゼロ教会は終わりだと思い、ゼロ教会のない、警察のお世話になるであろう未来よりも、教会と一緒に死ぬことに決めた』のかな?と思ったんです。
これでも多分正解と言えるんじゃないかなーと思うんですが、他にも理由は考えられました。

父親に『いやらしい体をしているから』と言う理由でベルトむち打ちの刑を受けていたコイケは『恋(愛)=性欲=罪』だと考えていましたよね。
そう思っているであろうことが窺えるのが、彼女が確か中学時代に好きな男子生徒を見つめながらカッターで自分の手首を切っていることと、両想いになった落合モトキをカッターで殺してしまうことです。
コイケは恋している自分を手首を切ることで罰し、自分を好きになった人のことも罰したんだと思います。
男子生徒を殺したのは恐らく、抱きしめられたことで『性』を感じたからだと思っています。

コイケがユウに興味を持った理由は『自分と似ているから』という親近感ですが、同時に恋愛感情も抱いていたように感じました。
逆に言うと、恋愛感情が無ければあそこまでユウに執着しないのではないでしょうか。
なので、コイケは恋している自分を罰するために、中学時代に好きな人を見つめながらカッターを手首に刺した時のように日本刀で切腹し、その結果死亡した とも考えられる気がします。

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ヨーコの洗脳が解けた理由


(引用:https://www.xxxkazarea.com

ゼロ教会から解放された後、ヨーコの洗脳が解ける過程はあまり詳しく描かれていませんでしたね。
描写から見るに、ヨーコは親戚と暮らす穏やかな生活の中で自然に洗脳が解けたということなのでしょうが、救済会の神父の発言やユウの調べでは『合宿を終えてアクター、プロンプターになった人物の洗脳を解くのは絶望的』と言われていました。
ヨーコは合宿を終えたアクターだったのに自然に洗脳が解けたということは、ヨーコの洗脳の度合いは元々それほど高くなかったということになります。

ヨーコの洗脳具合は、廃バスに監禁されていたヨーコをコイケたちが助けに来た時にある程度わかります。
ユウはコイケの手下の男たちから暴行を受けた後、ヨーコのパンチラを見せられて勃起します。
その時、ヨーコはナイフを渡されてコイケからユウのアレを切るよう命じられますが、ヨーコは泣いて首を横に振るばかりで、コイケが「切れよ!」と怒鳴っても命令に従いませんでした。
また、以前のヨーコは何かあるとすぐにコイケに報告したり、悲しいことがあるとコイケに抱き着いて泣いたりしていましたが、バスの中に居る時は号泣していたものの、コイケに抱き着いたり精神的に頼っているようなそぶりは一切見せていませんでした。
これらの行動から、ヨーコはゼロ教会に入ったものの、以前(教会に入る直前)ほどコイケに絶大の信頼を置いているわけではなさそうだと判断できます。
ヨーコはゼロ教会に入った後、コイケの本当の性格を知る機会が増えて、コイケが本物のサソリではないことを心のどこかで気付いていたのでしょう。

ヨーコは教会から出ても父親の所に戻りたくないし他に行く当てもなく、唯一頼れる存在だったカオリも教会にいるし、今さら脱会することも難しかったため、そうしていたのだと思われます。

コリントの使者への手紙 第三章

本作で一番有名なシーンと言えば、ヨーコ演じる満島ひかりが新約聖書の『コリントの使者への手紙 第十三章』を一節をノーカットで暗唱している場面です。
そもそも、この手紙はキリストの使徒であり、新約聖書の著者の1人であるパウロがコリントの教会に宛てた手紙です。
この手紙は十六章まであるとても長いもので、コリントの教会でもめ事が起きていることを知ったパウロがコリントの教会の使者たちを一致団結させるために、人を慰める方法や罪人を赦すことを促している内容だそうで(未読のため伝聞形です、すみません。)、その中でも十三章は『愛』について教えている一節です。
せっかくなので、ヨーコが暗唱していた部分を抜粋します。

最高の道である愛
たとえ人間の不思議な言葉
天使の不思議な言葉を話しても
愛がなければ私は鳴る銅鑼(どら) 響くシンバル

たとえ予言の賜物があり
あらゆる神秘 あらゆる知識に通じていても
愛がなければ私は何者でもない

たとえ全財産を貧しい人に分け与え
たとえ賞賛を受けるために自分の身を引き渡しても
愛がなければ私には何の益にもならない

愛は寛容なもの
慈悲深いものは愛
愛は妬まず 昂ぶらず 誇らない
見苦しい振る舞いをせず 自分の利益を求めず
怒らず 人の悪事を数えたてない

愛は決して滅びさることはない
予言の賜物ならば廃りもしよう
不思議な言葉ならばやみもしよう
知識ならば無用となりもしよう

我々が知るのは一部分
また預言するのも一部分であるゆえに
完全なものが到来するとき
部分的なものは廃れさる

私は幼い子供であったとき
幼い子供のように語り
幼い子供のように考え
幼い子供のように思いをめぐらした
ただ 一人前のものになった時 幼い子供のことはやめにした

我々が今見ているのは ぼんやりと鏡に写っているもの
そのときにみるのは 顔と顔をあわせてのもの
私が今知っているのは一部分
その時には自分がすでに完全に知られているように
私は完全に知るようになる

だから 引き続き残るのは 信仰 希望 愛 この3つ
このうち もっとも優れているのは 愛 (『新約聖書 コリントの使徒への手紙 第十三章』より)

改めて読むと難しくて意味がよくわかりません(笑)
要約すると、愛は完全なものであり、決して滅びないんだよということでしょうか(雑)
解説サイトもざっと読んでみましたが、やっぱり良くわからない。。すみませんorz

ただ、この一節を力強く詠んでいるヨーコは迫力があって素敵でしたc(·ω·`c⌒っ

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