映画『アラジン〜新たなる冒険〜』の結末までのあらすじと感想を紹介しています!
『アラジンと魔法のランプ』を元に実写化されたフランス版アラジン。
ディズニーの「アラジン」とは一味違うダークな笑いが楽しめます!
制作年:2015年
本編時間:106分
制作国:フランス、ベルギー
監督:アーサー・ベンゼクェン
脚本:デーブ・コーアン
原作:児童文学『千夜一夜物語』より『アラジンと魔法のランプ』
主題歌: 『Le prince Aladin ft.Kev Adams』Black M
挿入歌:『Yallah Yallah』 Kev Adams
キャスト&キャラクター紹介
2015 74 FILMS – PATHÉ PRODUCTION – M6 FILMS – ARTEMIS PRODUCTIONS
サム / アラジン…ケブ・アダムス
クリスマスイブのショッピングモールで売上金を盗もうと企むホームレスの青年。
恋人のソフィアには金融会社に勤めていて家は改装中だと嘘をついている。
(引用:https://www.parismatch.com)
カリド…ウィリアム・リブヒール
サムと同じくホームレスの悪友。
ショッピングモールの売上金額奪取計画を立てた。
アラジンのお話の中でも同名の友人として登場する。
2015 74 FILMS – PATHÉ PRODUCTION – M6 FILMS – ARTEMIS PRODUCTIONS
ソフィア / シャリア王女…ヴァネッサ・ガイド
サムの彼女。サムがイブの日に仕事に行くことに不満を持っている。
サムの話す『アラジン』の中ではバグダッドの王女シャリアとして登場する。
宮殿の生活が退屈で宮殿を抜け出し、偶然出会ったアラジンと恋に落ちる。
いたずら好きで楽しいことが大好き。
(引用:https://www.videodetective.com)
ジーニー…エリック・ジュドール
千年封印されていたランプの魔人。
お喋りと女の子が大好き。
アラジンの命令を無視して逃げようとしたが、ランプに封印されかけたため仕方なくアラジンの願いを聞くことにした。
(引用:https://www.imdb.com)
悪い大臣…ジャン=ポール・ルーヴ
『アラジン』の中ではバグダッドの王に仕える大臣で、現実ではソフィアの父親の部下。
現国王サルタンに気に入られてそれなりの地位と権力を持っているが、王が変われば地位を失うかもしれないと懸念して、アラジンを排除しようとする。
あまり頭が良くないのか、演説での言葉選びが下手くそ。
気に入らない目下の人間はすぐに処刑する冷酷な人物。
2015 74 FILMS – PATHÉ PRODUCTION – M6 FILMS – ARTEMIS PRODUCTIONS
バーバラ / ラババ…オドレイ・ラミー
シャリア王女お気に入りの召使い。現実ではソフィアの友人。
はしゃぎすぎてしまう王女を落ち着かせる姉のような存在。
(引用:https://japan.unifrance.org)
サルタン王…ミシェル・ブラン
食べることが大好きなバグダッドの王様でシャリアの父親。
現実でのソフィアの父親。
王女の夫になってくれる金持ちの若者を探している。
王女が宮殿の決まりを破ってしょっちゅう宮殿から抜け出すことが悩み。
・その他のキャスト
香水男 / 手品師…アーサー・ベンザケン
サムとカリドの雇い主…Nader Boussandel
空飛ぶ絨毯の持ち主…クリストフ・デ・アルメイダ
医師…ミシェル・コーエン
キャメル(召使いの黒人)…アリ・カラモコ
探偵…ヨセフ・ハディ
記者気どりの若者…アブダラー・チャキリ ほか
あらすじ起
現代のフランス パリで暮らすホームレスのサムは、クリスマスイブの日に悪友のカリドとショッピングモールの売り上げ金を盗む計画を立てました。
クリスマスイブ当日、サムはサンタのアルバイトとしてショッピングモールに侵入して逃げ道のチェックをしていると、子どもたちが「お話して!」と集まってきてしまいます。
サムは子どもたちを追い払おうとしますが、近くに居た上司に睨まれたので、仕方なく『アラジンのおとぎ話』を聞かせることにしました。
バグダッドに住むアラジンと悪友のカリドは、ただの水を『どんな人でも健康になれる魔法の万能薬』として町で叩き売りしていました。
そのときアラジンは、宮殿を抜け出していたシャリア王女と出会い運命的な恋に落ちます。
シャリアがいたずら心で『万能薬(ただの水)』を飲んで体調を崩す演技をすると、水を購入した客から大ブーイングが起こりました。
騒ぎを聞きつけて現れた悪い大臣はカリドを弓矢で撃ち殺し、アラジンは砂漠に置き去りにして罰を与えました。
砂漠で歩き疲れて疲労困憊したアラジンは、不思議な雰囲気の自称マジシャンに助けられます。
マジシャンが「秘密の場所にある魔法のランプを取って来てほしい」というので、アラジンはお礼に手伝うことにしました。
男はアラジンを砂でできた神殿に案内し、アラジンはいくつかの罠をクリアしてランプを手に入れました。
その後、アラジンは『絶対に触るな』と言われた財宝を持ち帰ろうとしてしまい、ランプと一緒に神殿の中に閉じ込められてしまいました。
消えてしまった神殿を見て、アラジンの帰りを待っていたマジシャンは諦めて立ち去りました。
あらすじ承
サムがアラジンの話を続けようとすると、子どもたちから「カリドを殺すな」というブーイングが起こります。
サムは仕方なくお話にお医者さんを登場させて、カリドが生きていたことにしました。
カリドは悪い大臣に復讐するために大臣のお金を盗もうとしますが、捕まってしまいました。
そしてカリドは、悪い大臣に「殺されたくなければ、私の甥を演じてシャリア王女と結婚しろ」と脅されます。
バグダッドの支配を企む大臣は、自分の手下を王女と結婚させようとしていました。
現在の国王サルタンが死ねば王女の夫が新しい国王になり、実質的な支配者になれるからです。
本当は大臣自身がシャリア王女と結婚出来ればよかったのですが、大臣はシャリア王女にこっぴどく振られ、サルタンからも反対されてしまったのです。
その後、カリドはサルタン王に認められてシャリア王女と婚約しました。
シャリア王女はアラジンが好きなのでカリドとの結婚を嫌がりましたが、王には逆らえませんでした。
そんな中、王女の親友の召使いラババがカリドに一目ぼれしました。
その頃、神殿に閉じ込められていたアラジンはランプをこすって魔人ジーニーと出会い、外に出してもらいました。
そのままジーニーがどこかに逃げようとしたので、アラジンは「ランプに戻すぞ!」と脅して願い事を3つから7つに増やしてもらう暴挙に出ました。
(ジーニーと交渉するアラジン 引用:https://twitter.com)
クルクルのくせ毛がコンプレックスだったアラジンは、髪をサラサラのストレートヘアに変えることに1つめの願いを使いました。
2つ目の願いに悪い大臣を殺したいと願いますが、ジーニーは「魔法は人殺しに使えない」と禁止されます。
代わりに、ホームレスだったアラジンを哀れに思ったジーニーは、バグダッドの郊外に宮殿を建ててくれました。
3つ目の願いでシャリア王女が今どうしているか見れる魔法を使ったアラジンは、この時にシャリアが王女だったことを知り驚きます。
さらにシャリアが大臣の甥と婚約させられたことを知ると、結婚を阻止しようと決意しました。
バグダッドでは結婚式をあげる前に初夜を行う習わしがありました。
その初夜が今夜だったので、アラジンはカリドとシャリアが良い雰囲気になるのを防ぐために4つ目の願いを使って『カリドだけにシャリア王女が臭く醜く見える』魔法をかけました。
その日の夜、寝室に入ったカリドはシャリアのあまりの醜さに驚いて、シャリアを怒らせてしまいました。
翌日から、カリドは宮殿中の人々に『性的不能者』のレッテルを貼られました。
あらすじ転
(パレードを引き連れて豪華に登場したアラジン 引用:https://twitter.com)
5つ目の願いで王子になったアラジンは、現金をバラまきながら練り歩くド派手なパレードで街の人々から歓声を浴びながら宮殿に入りました。
このパレードを見ていた自称マジシャンは、アラジンがランプを持っていることに気付きます。
アラジン王子が街で出会った男だと気付いたシャリアは喜んでプロポーズを受け入れました。
この時、アラジンは王に認められるために6つ目の魔法を使いました。
一方、カリドと大臣は突然現れた謎の王子のプロポーズをシャリアが受けたことに大慌てしていました。
大臣は考えた末、カリドに謎の王子を殺せと命令しました。
その日の夜。アラジンとカリドは再会して、謎の王子がアラジンで、シャリアの婚約者がカリドだったことを知りました。
その後、2人ははぐれてから現在に至るまでの経緯を語り合っていたら朝になりました。
アラジンとカリドが語り終わったちょうどその時、2人の前に大臣とマジシャンが現れます。
大臣とマジシャンは元々仲間で、ずっと魔法のランプを狙っていたのです。
カリドは大臣に逆らえずにランプを渡してしまい、アラジンは気絶させられて地下牢に入れられました。
その後、大臣と手品師はランプからジーニーを出そうとしますが、アラジンがランプにパスワードを設定していて、結局パスワード解除できませんでした。
アラジンはカリドとラババに助けられて地下牢から脱出しました。
シャリア王女は大臣の悪企みをサルタン王に報告し、行き場を失った大臣は逃げようとしますが、アラジンに倒されて捕まりました。
その後、ランプを取り戻したアラジンは最後の願いでジーニーをランプから解放して自由の身にしました。
ジーニーは感激する一方で、ジーニーの『本当の姿』が太ったハゲの小男だったので、アラジンは「魔人の方が良かった」と失笑してしまいました。
あらすじ結
アラジンのお話が結末に差し掛かると、サムは突然何かを思い出したように話しを中断してショッピングモールから飛び出します。
サムはサンタの格好のままソフィアに会いに行くと、彼女に「俺はただのこそ泥のホームレスだ」と打ち明けました。
ソフィアが「知ってたわよ」と笑って許した直後、カリドが「お話の結末が聞きたい」と言う子供たちを連れて現れました。
サムは笑って外に出ると、お話を再会します。
サムは「アラジンは正体を正直に打ち明けて、サルタン王に誠実さと気高さを認められ、2人は晴れて結婚できました!」とお話を終えてソフィアとキスをしました。
子どもたちが満足して帰った後、カリドとバーバラ(おとぎ話の中のラババ)もアラジンの話に便乗して付き合ってみることにしました。
解説、考察や感想など
がっつりコメディなので解説や考察はそんなにありませんが、気づいたことを挙げていきたいと思います。
登場したオマージュやパロディ
アラジンを宮殿に入れた後、手品師が「マイプレシャス」としゃがれ声で言っています。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズに登場するゴラムのモノマネです。
フランスでも流行っていたんですね!
ジーニーがネイティブ・アメリカンのコスプレをして「ポカホンタス!」と言ってふざけていました。
教訓やその他感想など
教訓はやはりディズニーのアラジンと似通ってしまう部分がありますが、
『正直に(誠実に)なれば相手に理解してもらえる』
サムとアラジンには共通点がありました。それは彼女にウソをついていたことです。
サムが子どもたちをほっぽり出して、ソフィアに自分がコソ泥のホームレスだと打ち明けます。
ソフィアは買い物中にサムがサンタの恰好で熱心に子どもたちにお話をしている姿を目撃していて、サムの職業の嘘を見抜き、密かに惚れ直していました。
それでもホームレスはさすがに驚きそうですが、フランスでは若者のホームレスはそんなに珍しいことではないのかな?
とにかくソフィアはあっさりサムを許しています。
2つ目の教訓は『人のために尽くせば、いつか自分に返って来る』
アラジンに脅される形でですがアラジンに尽くしたジーニーは、最後の願いで自由を手に入れています。
フランス人の笑いのツボが理解できたような、できないような、そんな作品でした笑
ハードルを上げ過ぎず、他国の笑いを勉強しよう!位の気持ちで見ればそれなりに楽しめます。
まったりした会話でのボケが多いので、雰囲気が福田雄一監督の作品に似ている気がします。
個人的には、Jルーヴ演じる悪い大臣の独特の間と雰囲気が良かったのと、パレードで突然歌いだしたアラジンがツボでした。
歌詞の日本語訳も秀逸で面白かったですw
ジャファー役に相当する悪い大臣があまり悪い人物として描かれていなくて、始終ボソボソと喋る陰気なイケメンおじさんで、最後のほうは愛着が湧きました。
「実は俺、お前の父親なんだ…」で全てを通そうとしていたのも個人的にはツボでした。
エンドロール中の、サルタン王の”実は父親”ボケも可愛いので必見です。
以上です。読んでいただきありがとうございました。
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