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ウェルテル(岡田将生)と森口の関係は?
ウェルテルは森口の夫 桜ノ宮先生(世直しやんちゃ先生)の崇拝者でした。
森口は学校を辞めてから定期的にウェルテルに会い、彼の教師としての悩み相談に乗りながら修哉と直樹の動向を探りつつ、ウェルテルを上手く操って修哉と直樹にさらに追い打ちをかけていました。
ウェルテルは桜ノ宮先生を盲信している所があり、森口が『桜ノ宮先生ならこうするだろう』とアドバイスすればウェルテルはその通りに動くので、森口にとっては非常に使いやすい駒になってくれました。
森口はウェルテルを使って何をしていた?
新学期になると直樹は不登校になり、修哉はクラスメイトからいじめを受け始めました。
森口は直樹の自宅への定期的な家庭訪問をウェルテルに提案し、ウェルテルは実行しました。
森口は直樹に『見張られている』というプレッシャーを与えるためにウェルテルに家庭訪問に行かせ、実際に直樹にとって大きなプレッシャーになり、精神が乱れる要因になりました。
また、修哉のイジメについてはあえてクラス内で内部告発があったかのように演出させてイジメ加害者の生徒の怒りを煽り、イジメが過激化するように仕向けました。
冷静に考えれば森口の提案するやり方が悪い対応の見本のようなものだったことはわかるはずですが、ウェルテルは「桜ノ宮先生の妻である森口」のアドバイスが間違っているはずがないと思い込んでいたのです。
森口は大学を爆破させたのか
森口は修哉が体育館に仕掛けていた爆弾を持ち去り、修哉の母の勤務先の大学に設置し直したので、修哉が起動ボタンを押した時に大学が爆発したと語ります。
これは恐らく、牛乳の時と同じように森口が修哉を追い詰めるためについた嘘だったのではないかと推測しています。
修哉の中学と修哉の母の大学は電車で片道2~3時間かかる距離だったので、森口が全校集会の後の修哉の前に現れた時間からすると、森口の「大学が爆発する音が聞こえた」というのは嘘になります。
それに、修哉が母親の気を引くためだけに他人を殺したり傷付けたりすることを森口は責めるので、大切な人を失う絶望感を味合わせるために嘘をつくことはあっても、無関係の人を巻き込む可能性の高い大学で爆破させることはしないのではないでしょうか。
ラスト考察:「なーんてね」の意味とは?
森口の最後の「なーんてね」にはどんな意味が込められているのか考えます。
「なーんてね」は、修哉が作文を全校集会で読み上げた時に最後につぶやいたセリフでもあります。
修哉が作文に書いて発表していた命の大切さ、尊さを訴える内容は教師から選ばれるためだけに書いたものであって修哉自身の価値観ではありません。
作文を読み終えた後「なーんてね」と言うのは、修哉が狙いを持って書いた作文を選んでしまう教師(大人)たちや、『命はかけがえのないもの』という倫理観を修哉が内心バカにしていることを意味します。
森口の「なーんてね」も同様で、森口は修哉が更生するかどうかなど どうでも良いと思っていることを意味する発言です。
森口が語っていたのは、全て亡き夫である桜ノ宮先生(世直しやんちゃ先生)が信じて実践していた教育理念や倫理観に基づく発言であり、彼女はいかにも教師らしく「更生」を促すかのように語っていましたが、本当は森口にとっては修哉と直樹が更生するかどうかはどうでもよくて、ただただ不幸になって欲しいというのが本音なのでしょう。
恐らく森口は修哉と直樹に更生を促すのが正しい姿勢であることは頭ではわかっていて、桜ノ宮のようになれたらどんなに良いかと思ってはいても、こみ上げる復讐心や憎しみを抑えられなかったのではないでしょうか。
森口の「なーんてね」には、彼女の本音をよりわかりやすくするために添えられた一言だったように感じました。
ちなみに原作小説には「なーんてね」は登場しませんが、森口が修哉に更生を促す発言は彼女の本音ではないことがにじみ出ている文章で、復讐内容と教師らしい発言のギャップが何とも気持ち悪くて面白かったです。
以上です!読んでくださりありがとうございました。
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