映画「禁じられた遊び」ネタバレ解説考察|美雪の正体、ラスト考察、原作との違いなど | 映画の解説考察ブログ

映画「禁じられた遊び」ネタバレ解説考察|美雪の正体、ラスト考察、原作との違いなど

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禁じられた遊び ホラー

映画「禁じられた遊び」のあらすじ紹介、解説考察を書いてます!
考察内容は「蘇った美雪の正体」「ラスト考察」「雷の意味」「原作小説との違い」などについて書いています。

序盤に登場する美雪の生き霊が結構怖くて、これは後半は覚悟せねば…と思っていたんですが、肝心の最怖シーンは拍子抜けで面白みはあったんですが、全然怖くなくてちょっと残念でした。

主演にも慣れてきた(と思われる)比呂子役のハシカンは怖がってる表情がウケ狙いの変顔に見えてしまう瞬間もあり(笑)、タバコの似合わなさに驚愕しつつ、まあ全体的に可愛いから良っかで乗り切った感じです。
重岡大毅の演技力はさらに上がったようにも見えて文句なくさすがでした!
夫に逃げられた妻の清水ミチコも楽しませていただきました!

鑑賞済みの方のための考察記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。

禁じられた遊び

制作年:2023年
本編時間:110分
制作国:日本
監督:中田秀夫
脚本:杉原憲明
原作小説:「禁じられた遊び」清水カルマ著

この映画はPG12の年齢制限があります。
簡潔な殺傷流血、肉体損壊描写があるためです。(引用:映画倫理機構

キャスト紹介

倉沢 比呂子橋本環奈
熱血フリーカメラマン。
会社員時代は伊原直人の後輩で、直人に好意を抱いていた。
死んだ直人の妻 美雪の霊に襲われ、解決するため直人に接触する。
※橋本環奈の他出演作…実写版「銀魂」シリーズ、映画「かぐや様は告らせたい」ほか

伊原 直人重岡大毅
比呂子の元同僚の会社員。
亡き妻が起こす不気味な現象に心身ともに疲れ果てる。
※重岡大毅の他出演作…映画「溺れるナイフ」、ドラマ「宇宙を駆けるよだか」ほか

伊原 美雪ファーストサマーウイカ
事故死した伊原の妻。霊感が非常に強く、死後も直人を束縛する。
※ファーストサマーウイカの他出演作…ドラマ「私のエレガンス」ほか

伊原 春翔正垣湊都
直人と美雪の1人息子7歳。
死んだ美雪の指を土に埋めて美雪を生き返らせようとする。

柏原亮次(比呂子の仕事仲間)…倉悠貴
大門謙信(霊能力者)…長谷川忍
黒崎(大門の弟子)…猪塚健太
平丘摩耶(比呂子の友人)…堀田真由
野田修子(児童養護施設の職員)…MEGUMI
川崎(セクハラ上司)…新納慎也
村田サチ(夫に失踪された妻)…清水ミチコ
サチの夫…諏訪太郎 ほか

 

あらすじ紹介

あらすじ①:

フリーカメラマンとして大活躍中の倉沢比呂子(橋本環奈)は、前の職場の先輩だっ伊原直人(重岡大毅)の妻 美雪(ファーストサマーウイカ)が交通事故で亡くなったと知り葬儀に参加しました。

美雪と息子の春翔(正垣湊都)は一緒に出かけていてトラックにはねられてしまい、美雪は即死、春翔は意識不明の重体で一時は心肺停止したものの奇跡的に息を吹き返したそうです。

比呂子は会社員だった約7年前に既婚者の直人に密かに想いを寄せていて、直人と急接近する出来事があった直後から不気味な心霊現象に襲われるようになります。
比呂子は心霊現象の正体が直人の妻の生き霊だとわかって怖くなり、逃げるように退職した過去がありました。

比呂子が前の会社を辞めてから怪奇現象はピタっとやんでいましたが、美雪の葬儀に行った直後から再び不気味な現象に襲われるようになります。
比呂子は霊能力者が嫌いでしたが、仕事仲間の柏原亮次(倉悠貴)に激しく勧められて人気霊能力者の大門謙信(長谷川忍)にお祓いしてもらうことにしました。

禁じられた遊び

大門のお祓いを受ける比呂子 ©2023映画『禁じられた遊び』製作委員会

大門は「幽霊など存在しない 心霊現象と呼ばれるものの大半は、生きている人間の強い負の感情が具現化したものだ 君に憑いているのは死から蘇った、危険で邪悪な何かだ」と言うと、祭壇に火を焚きお経を唱えます。
美雪はもう死んでいるので比呂子が疑問に思っていると、大門は「俺じゃこいつを祓えない もうおしまいだ」と呻いたが最後、美雪の霊に取り憑かれて比呂子を襲いました。

逃げる比呂子の前に大門の1番弟子の黒崎(猪塚健太)が立ちはだかって日本刀で大門を殺しますが、今度は黒崎も美雪に憑依されます。
黒崎はわずかに残っていた自我で、美雪に完全に乗っ取られる前に自害しました。

 

あらすじ②:

大門の言う通りならこのままでは美雪の力はどんどん強くなり、次の被害者が出るのは時間の問題です。
比呂子は大門の「本体を抹殺するしかない」という言葉を思い出し、伊原直人の自宅に行ってみました。

直人の家は新築の綺麗な家でしたが、庭を取り囲む塀には何かを隠すように黒いビニールや板で覆われて異様な雰囲気が漂っていました。

比呂子が玄関前に立っていると、春翔が現れて「お母さんに会う?」と言いながら家に招きます。
家の中はひどい荒れようで、ためらった比呂子は大声で直人に呼びかけながら土足で家に上がりました。
春翔はリビングにある掃き出し窓から美雪を庭に連れ出そうとしましたが、異変に気付いた直人が出てきて素早く窓とカーテンを閉めました。

比呂子は直人に美雪の霊が人を殺したこと、大門に言われたことなどを話して協力を求めますが、直人は話を聞かず「帰れ」の一点張りです。
比呂子が諦めて家を出ると庭から春翔の声がしたので、比呂子はビデオカメラで板の隙間から春翔を撮影しながら聞き耳を立てます。
春翔は庭にある土の盛り上がった場所に向かって「エロイムエッサイム」と謎の呪文を唱え「お母さん、僕が生き返らせてあげる」と話しかけていました。

比呂子はテレビ局の映像編集室で春翔の映像をよく見てみると、春翔が話しかけていた土の小山の中に人間の目のようなものが映っていました。




あらすじ③:

数日後、比呂子は仕事仲間の柏原と一緒に美雪が育ったという児童養護施設に行きます。
そこで美雪を知る職員の野田修子(MEGUMI)から話を聞くと、美雪は両親を火事で亡くして施設に来たそうで、しばらくすると美雪は念力などの不思議な力があることがわかりました。
しかし美雪は力を不気味がった同級生からいじめられるようになり、ある日いじめっ子3人組が美雪を地下室に閉じ込めると、その直後に3人組の1人が階段から落ちて死んでしまったそうです。

その子の死は事故死と断定されましたが、残ったいじめっ子2人は「美雪が突き飛ばしたのを見た」と怯えながら証言したそうです。
美雪が閉じ込められていると知った野田が慌てて地下室に行くと、そのとき美雪は「死ね 死ね」と夢中で祈っていました。
それから美雪へのいじめはなくなりましたが、美雪に友達は1人もできなかったそうです。

その後、比呂子と柏原は野田に寄付金(賄賂)を渡してさらに調べてもらった所、美雪は幼少時は小規模カルト集団の教祖だったことがわかりました。
その団体は今は解散していますが、美雪の親はカルト集団の一員に殺されていたこともわかりました。

深夜に比呂子が帰宅すると、比呂子の友人の摩耶(堀田真由)が泣きながら比呂子を待っていました。
比呂子は摩耶を部屋に入れて話を聞こうとしますが、摩耶もまた美雪に取り憑かれていて包丁で比呂子を襲います。

比呂子が逃げ惑っていると、柏原が駆けつけて摩耶を取り押さえてくれました。
やはり美雪を止めるには直人に協力してもらうほかありません。
比呂子は柏原に摩耶を任せて、再び直人の自宅に向かいます。

 

あらすじ④:結末

禁じられた遊び

神社に隠れていた比呂子と直人 ©2023映画『禁じられた遊び』製作委員会

比呂子が直人の家に着くと、直人の両親が嫌がる春翔を車に乗せてどこかに連れて行きました。
直人の両親は春翔と直人の様子があまりにも変なため、春翔だけでも保護しようと家から連れ出したようです。

比呂子が再び直人に協力を求めると、直人は落ち着いた様子で比呂子に謝って事情を話してくれました。
直人はこの家に引っ越したばかりの頃、春翔がトカゲの尻尾を見つけた時にイタズラ心で「復活の儀式」を教えました。
それは「体の一部を土に埋めて『えろいむえっさいむ』と呪文を唱えたら、埋めた部分から本体が生えて生き返る」というものでした。
直人は冗談のつもりでしたが、次の日に土から本当にトカゲが出てきたので、春翔は儀式を本気で信じてしまいました。

そして事故の後、春翔は美雪の小指を庭に埋めて「復活の儀式」に夢中になり、やがて土が不自然に盛り上がって美雪の腕まで見えたので、怖くなった直人は土に杭を突き刺して「許してくれ 成仏してくれ」と祈りましたが、祈りは届かず現在に至ると言います。

すると、庭からバケモノのような美雪が出てきて「私の夫に近づくな!」と叫んで比呂子を襲いました。
比呂子と直人は家の裏手にある山に入り、山の中にある寂れた神社に逃げ込みました。
比呂子が「美雪さんの恨みがあんなに深い理由がわからない」と嘆くと、直人は「それは、俺も君が好きだったことが美雪にバレたからだ」と言います。

直人は結婚してから美雪に心を見透かされていると感じたり、嫉妬深さが怖くなることが多くなり、いつの間にか比呂子を好きになっていたと打ち明けました。
美雪が激怒したのは、直人が比呂子に好意を抱いたからでした。

直人の気持ちに比呂子が驚いた直後、美雪に居場所が見つかって襲われました。
比呂子と直人はその後も逃げ続け、気付いたら線路の上にて、美雪は貨物列車に轢かれてバラバラになりました。

これで肉体を破壊できたのか、美雪はもう復活しませんでした。
ひとまず安心した比呂子と直人が自宅前まで戻ると、祖父母に連れて行かれたはずの春翔が家にいました。
春翔は「お母さんにひどいことしたな」と怒り、再び庭の土に向かって呪文を唱えると美雪が復活してしまいます。

比呂子と直人は大門と養護施設の野田の発言を思い出し、この美雪は本当に美雪が蘇ったわけではなく、彼女の能力を受け継いだ春翔が産み出した美雪モドキだと気づきます。

春翔が「お母さんを苦しめたお父さんも、お姉さん(比呂子)も死ね!」と叫んだ瞬間、春翔に雷が落ちました。
春翔はみるみる燃えて死んでしまい、春翔が死ぬと化け物の美雪も灰になりました。

数週間後、直人が気になった比呂子が自宅を訪ねてみると、直人は庭にうずくまり、熱心に「えろいむえっさいむ」と唱えていました。
直人が祈る土の下には、恐らく春翔の肉片が埋まっています。
比呂子は直人に声をかけますが、直人にはもう比呂子の声が届いていません。

比呂子は諦めてそっと直人の家から離れます。




解説・考察・感想など

化け物の美雪の正体は?

大門謙信(長谷川忍)の話が全部正しい前提で判断すると、比呂子がOL時代に襲われたのは美雪の生き霊で、美雪が死んだ後で比呂子が襲われたのは春翔が作った美雪の霊だったことになります。

春翔は美雪から能力を受け継ぎ、事故で死にかけたことで美雪の力を上回る超パワーを手に入れていました。
その力で春翔が生み出したのが、小指から生まれたもう1人の美雪です。
指から生まれた美雪は春翔の妄想やイマジナリーフレンド的なものが具現化したようなものであり、本物の美雪ではありません。
恐らく春翔の悲しみや怒りがこもってあのような怪物になってしまったのでしょう。
身体中に根っこのような模様があったり椿の花のようなペイントがあったのも、春翔の妄想が反映されていたと考えれば納得できます。

春翔は美雪の葬式で比呂子と会った時に心を透視して直人との繋がりを知り、美雪への裏切りと判断して怒ったと思われます。

 

春翔が雷で生き返り、雷で死んだ理由

春翔は病院で心肺停止になり、医師が死亡確認を終えた直後に落ちた雷で奇跡的に回復しました。
しかし、暴走する春翔を止めて命を奪ったのもまた雷でした。

原作小説では、この雷は「春翔の行いに怒った神が裁きを下した」という意味合いのことが書かれているので、神から与えられたギフトで悪さする春翔を神が止めたというのが答えなのかもしれません。

ただ、小説では春翔は事故の時は無傷だったので、心肺停止したのも、雷で蘇生したのも映画オリジナルの演出です。

なのでまた別の解釈をすると、大門の「幽霊は存在しない説」とは矛盾してしまいますが、春翔が生き返ったのも死んだのも、本物の美雪が起こした奇跡だったように思えます。

美雪は死後も春翔を見守っていて、春翔が病院で死んだ時は我が子可愛さに春翔を生き返らせましたが、春翔は能力を使って悪さし、最後は直人も殺そうとしたので、見かねた美雪が春翔の命を奪って運命通りに戻したようにも思えます。

 

ラスト考察:春翔は蘇るのか?

ラスト、直人は春翔の一部を土に埋めて復活の儀式をしていました。
直人は美雪と春翔を立て続けに失い、精神が壊れてしまったのでしょう。

大門の発言が正しいとすると直人には霊感や超能力はないので春翔が蘇ることはないですが、最後の土アップのシーンは土が動いてたように見えたので、なんらかの力が働いて春翔のモンスターが出てくるのかもしれません。

雷で春翔の命を奪ったのが神ではなく美雪なら、死んだ春翔も現世に影響を及ぼせることになる(しかも美雪より強い)ですが、春翔は大好きな美雪と同じ世界にいるため蘇りは望んでないと思うので、可能性があるとしたら家族3人一緒になるために直人を連れて行こうとしている位でしょうか。

 

原作小説との違いはある?

この映画は小説が原作ですが、小説にかなり忠実に作られていて大きな違いはありません。
なので強いて言えばここが違った程度の差になりますが、興味のある方は引き続き目を通してみてください。

違い①:春翔は柴犬を飼っている

映画では存在を消されてしまいましたが、小説では春翔は直人から柴犬ポチをもらって飼っています。
ただ、ポチは春翔を雷から助けようとして死んでしまうという辛い運命なので、個人的には映画に登場せずで逆に安心しました。

違い②:土から出てくるトカゲは直人が捕まえた

映画ではトカゲの尻尾を埋めた翌日、春翔が呪文を唱えていると本当に土から生きたとかげが出てきて直人は驚きますが、小説では直人は春翔の期待を裏切らないようにわざわざ外で苦労してトカゲを捕まえて、春翔と庭の土を掘り返してみる直前にトカゲを埋めておく小細工をしています。

違い③:美雪の両親は死んでない

映画では美雪の両親は亡くなっていて美雪は施設で育ったとされていましたが、小説では美雪の両親は健在です。
そのため小説には美雪が育った施設は登場しません。

また、美雪がカルト教団の教祖だったという設定も映画オリジナルで、小説では美雪の過去はほとんど描かれません。

違い④:蘇った美雪の外見

春翔が蘇らせた美雪の外見は、映画ではモンスターチックですが、小説ではもっとグロテスクです。
蘇った美雪の全身の細胞は蘇ってすぐ死ぬを繰り返していて、美雪は一瞬美しい姿になりますが、すぐに全身腐って肉が落ちると、また新しい細胞が生まれて一瞬美しく、すぐに腐るを繰り返します。

これを再現するのは難しいと思われるので映画の美雪のモンスター時の外見変更は納得ですが、モンスター美雪の全身が映るシーンはそういう柄の全身タイツを着てるようにしか見えなくて笑ってしまったので、もうちょっと怖いパターンはなかったのかなぁと思ってしまいました。

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感想などお気軽に(^^)

  1. 名無しの子 より:

    原作と違うところは人物の見た目もでしたよねー。
    特に霊媒師2人。
    原作見てから映画だったので少し違和感がありました

    • mofumuchi より:

      補足すると原作小説の大門謙信は芸能人特有のオーラを放ち、ド派手な紫色の法衣を着て真っ黒に日焼けして首が見えないほど太った不摂生の塊のような男
      黒崎は元自衛隊員でがっしりしていて背が高く、頭は五分刈りで猟犬のように鋭い眼光の男
      ちなみに比呂子はショートカットでほぼノーメイクで服装もボーイッシュな色白美人でした。
      確かにかなり違ってましたね(笑)忖度無しで小説キャラ通りのキャスティングをしたりヘアスタイルを要望するのもなかなか難しいのでしょうね。

  2. TK より:

    ラストの考察ですが、ハルトは焼かれる直前に自分の小指を落として地面に埋めた。そしてすばやく新しい指に再生した。(だからアップで小指だけ新しく見える。)その後、庭でナオトが呪文を唱えているのはハルトが乗り移ったもの。ナオトがハルトを抱き抱えた時に全てを企てた。そこで自分の肉体を甦らせようとしている。・・・まぁ、当たってるかはわからないのですが、小指だけ新しくなった点がどう解釈していいのかわからないので。

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