あらすじ:結
その頃、和葉は勝ち進んで紅葉の対戦相手に決まり、
決勝戦が行われる『皐月堂』に紅葉と阿知波会長と一緒に移動していました。
綾小路警部は決勝戦を中止させようとしますが、
皐月堂のすぐそばで爆発が起きて和葉、紅葉、阿知波は皐月堂に閉じ込められ、誰も連絡が取れなくなりました。
(会場にスマホは持ち込み禁止、唯一の連絡手段の電話は犯人に壊されました)
お堂では、爆発が起きたことも閉じ込められたことにも気づいていない和葉と紅葉が決勝戦を始めていました。
(和葉と紅葉の決勝戦 引用:https://www.animatetimes.com)
一方そのころ、コナンと平次はバイクで山道を走りながら
お互いの推理の答え合わせをします。
この事件の真犯人は阿知波会長です。
被害者の矢嶋は名頃の失踪の真相に気付いたため殺されました。
阿知波は海江田藤伍の死体を名頃鹿男の死体に見せかけようとしたものの失敗したので、
名頃の死体を隠している皐月堂を爆破することで名頃の死体を警察に見つけさせ、阿知波自身も紅葉と和葉を道連れに死ぬつもりのようです。
コナンと平次はバイクで崖から飛んで皐月堂に突撃しました。
突然のコナンと平次の登場に、和葉と紅葉は混乱します。
コナンと平次が阿知波に真相を問いただすと、
名頃鹿男を殺したのは阿知波会長ではなく妻の皐月だったことが判明します。
阿知波は「名頃と皐月の練習試合の時、名頃が負けた」と話していましたが、真相は逆でした。
その練習試合で皐月は圧倒的に有利だったにも関わらず名頃に負けていました。
皐月は「明日、大勢の前で辱められて皐月会も乗っ取られる」と思うと耐えられなくなり、気付いたら名頃を殺していました。
阿知波は皐月の名誉を守るために罪を背負い、真相に気付いたものまで殺して犯行を重ねていたのです。
阿知波は『皐月の罪も私の罪も墓まで持っていく』と告げて皐月堂に仕掛けた爆弾の起爆スイッチを取り出しました。
その時、紅葉が「名頃師匠はただ皐月さんに認めて欲しかっただけだ」と言い、
紅葉だけが知っていた名頃の心情を語ります。
名頃は当時、目の病気を患ってかるたを続けられなくなっていました。
名頃が皐月に勝負を挑んで前日に前哨戦を持ちかけたのは、
初恋の相手だった皐月に勝って「すごい」と褒めてもらいたかっただけだそうです。
名頃は試合本番では皆の前で負けて、名頃会の会員たちを皐月に引き取ってもらうつもりだったようです。
会長がショックを受けている隙に平次が爆弾のスイッチを奪い、
全員無事にお堂から逃げました。
阿知波会長は逮捕されて事件は解決しました。
コナン一行も東京に帰ります。
ちなみに和葉と紅葉の試合はコナンと平次が来る直前に決着が付き、勝ったのは紅葉だったようです。
平次と紅葉の婚約の件は、そもそもプロポーズ自体が紅葉の聞き間違いだったことが明らかになりました。
蘭は新一に『めぐりあひて』の句を送ってみたところ、『せをはやみ』の句が返ってきましたが、意味が解らなかったので電話で園子に聞きます。
園子は意味を知っていましたが、にやにやするだけで教えませんでした。
登場した句の一覧・解説
本作には沢山の百人一首の句が登場しました。
あまり百人一首に詳しくない方には意味が分からない句があったかもしれないので、一つずつ解説していきます。
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき
日売テレビ局爆破の予告状に印刷されていた句です。
訳は『山奥で雄鹿が女鹿を求めて鳴く鳴き声を聞くと、秋が悲しいものに感じられる』
これは『紅葉』が入っていることが重要で、句の意味自体はあまり関係ないと思いますが、これから事件が起こるよという不穏を表している句だと思います。
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
和葉の平次に対する恋心を紅葉が例えて言った句で、和葉が得意札に選んだ句です。
訳『周りに悟られてしまうほどに、恋をしていることが顔に出ている』
このたびは ぬさも取りあへず たむけ山 紅葉の錦 神のまにまに
(引用:http://77117c.blog118.fc2.com)
関根のスマホに差出人不明で送られてきていたかるた札です。
訳『お供え物が用意できないので、代わりに紅葉をお供えします。これをどう受け取るかは神様にお任せします』
これも『紅葉』が入っていて名頃の得意札であることが重要な句ですが、「紅葉を神様にお供えする」という意味から、平次が紅葉が危険なのではと焦った句です。
嵐吹く みむろの山の もみぢ葉は たつたの川の 錦なりけり
(引用:twitter.com)
紅葉のスマホに送られてきたかるた札です。
直訳すると『風で舞った三室の山の紅葉が龍田川に散らばってとても美しい』ですが、『川が紅葉で真っ赤に染まっているように、私の心もあなたで埋め尽くされています』という意味を込めて贈られた恋の句ともされています。
これも『紅葉』と名頃の得意札であることが重要な句です。
山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
最初の被害者である矢島選手の手に握られていたかるた札。
訳『山の川の中に、風が集めた綺麗な紅葉がたまっているのを見付けた』
これも『紅葉』と名頃の得意札であることが重要な句です。
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜はの月かな
蘭が選んだ得意札で、事件の後、蘭が新一にメールで送った句です。
訳『久しぶりに会えたと思ったら、その人はあわただしく居なくなってしまった。』
蘭が、たまに会えてもすぐにいなくなってしまう新一のことを思って選んだ札ですね。
瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
訳『今は離れていても、いつか必ずあなたに会いに行く。』
新一が蘭にメールで返信した句です。
以上です!ありがとうございました。
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