映画『怪物の木こり』ネタバレ解説考察|原作のラストは?、絵本の意味、東間の子は杉谷九郎?など | 映画の解説考察ブログ

映画『怪物の木こり』ネタバレ解説考察|原作のラストは?、絵本の意味、東間の子は杉谷九郎?など

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怪物の木こり クライムドラマ

映画『怪物の木こり』のあらすじをわかりやすく紹介しています!
「映画と小説のラストは違う」「絵本『怪物の木こり』の意味は?」「東間夫妻の子どもは杉谷九郎(染谷将太)?」「お札を飲み込んだのはなぜ?」「二宮が泣いた理由は?」などについて書いてます!

ネタバレありきの記事なので、まだ見ていない方はご注意ください。

怪物の木こり

制作年:2023年
本編時間:108分
制作国:日本
監督:三池崇史 ※代表作:映画「着信アリ」「悪の教典」など
脚本:小岩井宏悦
原作小説「怪物の木こり」倉井眉介 著

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キャスト、キャラクター紹介

二宮 彰(にのみや あきら)…亀梨和也
都内に個人事務所を構えるの弁護士。
極度に自己中心的で合理主義的なサイコパスであり、過去に邪魔な人間を何人も殺している。
怪物のマスクを被った何者かに命を狙われ、復讐するため正体を探る。
※亀梨和也の他出演作…映画「事故物件 怖い間取り」、実写版「妖怪人間ベム」シリーズ など

戸城 嵐子(としろ らんこ)…菜々緒
科学警察研究所のプロファイリングチームの一人。
都内で発生した「脳泥棒事件」の捜査チームに加わる。
※菜々緒の他出演作…ドラマ「忍者に結婚は難しい」、「7人の秘書」シリーズ など

荷見 映美(はすみ えみ)…吉岡里帆
二宮彰の婚約者。舞台女優の卵。
数ヶ月前に自殺した父親の死を信じられずにいる。
※吉岡里帆の他出演作…映画「ハケンアニメ!」「見えない目撃者」など

杉谷 九郎(すぎたに くろう)…染谷将太
二宮彰の友人のサイコパス医師。
彰とは本性を隠さず話し合える唯一の人物。
※染谷将太の他出演作品…映画「空海 −KU-KAI− 美しき王妃の謎」実写版「寄生獣」シリーズ など

乾(所轄の刑事)…渋川清彦
剣持武士(生命保険金殺人の元容疑者)…中村獅童
東間翠(連続児童誘拐事件の犯人)…柚希礼音
東間和夫(翠の夫)…テイ龍進
係長(脳泥棒捜査本部の指揮官)…堀部圭亮 ほか

あらすじ紹介

あらすじ①:

都内で活躍する若手弁護士の二宮彰(亀梨和也)はサイコパスです。
サイコパスとは極端に自己中心的で、自分の思い通りにするためなら迷わず人殺しもしてしまうような性格を指します。

二宮も過去にいくつもの殺人を完全犯罪で成し遂げていて、現在の弁護士事務所の社長の座は婚約者の父親を殺すことで手に入れています。

ある日の夜、二宮は自宅マンションの駐車場で怪物のマスクをかぶり斧を持った男に命を狙われます。
二宮は怪物男と戦って頭を怪我して壁に強くぶつけました。
怪物男は第三者に見つかると逃げたので、二宮は咄嗟に強盗事件に見せかけて病院に搬送されました。

入院中、二宮は医師から頭に「脳チップ」が入っていることを知らされ驚きます。
脳チップとは過去に注目された治療法の一種で、脳に医療用チップを埋め込むことで麻痺症状やうつ病などの治療に効果的とされてきましたが、約30年前に倫理的な観点から使用禁止になっています。

二宮が脳チップを知らなかったのは幼少期に違法に脳チップ手術をさせられたことを意味します。
しかし二宮は児童養護施設で育った元孤児で、両親の記憶はおろか養護施設に来る前の記憶はほぼ無いに等しいです。
二宮は内心動揺しますが、病院に騒がれても困るので知っていた風を装いました。

数日後、退院した二宮はサイコパス仲間の医師 杉谷九郎(染谷将太)に会って脳チップの件を打ち明けました。
杉谷は「お前のチップは倫理観や共感力を司る場所に入ってる お前の邪悪な性格を恐れた両親が性格を矯正する目的で手術したが、効果がなかったからお前を捨てたに違いない」と憶測を語りました。

この時、二宮は怪物男が被っていた被り物が絵本「怪物の木こり」の主人公の怪物だったことを知りました。
二宮は怪物男に復讐するため正体を探ることにします。

 

あらすじ②:

二宮が怪物マスクに襲われる前後、斧のような凶器で頭をかち割られて殺される連続殺人事件が都内で起きていました。
被害者は全員脳が丸ごとなくなっていたことから「脳泥棒事件」と呼ばれ、連続殺人事件とみて品川署は脳泥棒の捜査本部を立てました。

科警研の犯罪者プロファイリングの専門家 戸城嵐子(菜々緒)も脳泥棒事件の捜査に加わります。
犯人は現場に証拠を残さず、殺す場所も人目につかない場所を事前に調べている点などから賢い人間の可能性が濃厚でした。

警察が把握している脳泥棒の被害者は現在 女1人、男2人です。
この3人は知り合いでもなく共通の知人もおらず、共通点は3人とも30代であること、全員が児童養護施設で育ったこと、生前は性格も素行も非常に悪かったことでした。
嵐子の予想では脳泥棒にはターゲットが複数人いると思われ、犯行はまだ続く可能性が高いです。
しかしこれだけでは次の犯行を予測できず犯人像も絞り込めず、捜査は難航します。

一方、二宮は怪物の木こりの被り物を所有していて、二宮に恨みがあると思われる医師 杉谷健吾(九郎の従兄弟)を拉致監禁拷問します。
尋問の結果、健吾は怪物男ではなさそうでしたが、警察に駆け込まれては困るので殺します。
このとき二宮は気分が悪くなり動けなくなったので、一緒にいた九朗が健吾を殺しました。

殺人に抵抗を感じるのは初めてだったので二宮が動揺していると、九郎は「もしかしたら君の脳チップは頭を打った時に壊れたかもしれない」と言います。
二宮は脳チップが壊れたから「まとも」になっているという意味で、そうだとすると二宮に脳チップを入れた人物の目的は性格を矯正するためではなくサイコパスにするためだったことになります。

実際に、二宮は頭を打ってから以前とは感じ方が変化している自覚がありました。
二宮は脳チップを破壊した怪物男への復讐心を強めます。

それから脳泥棒による新たな事件は起きず、嵐子は脳泥棒がターゲットの殺害に失敗したのではないかと推測して、ターゲットの条件に当てはまる最近暴行にあった人物から二宮彰の名前が上がり、同僚刑事の(渋川清彦)と共に二宮に話を聞きに行きます。

二宮は何を聞かれても「犯人は暗くてよく見えなかった 何も覚えてない」で押し通して嵐子と乾に情報を与えませんでした。
※警察に嘘をついたり知っている情報をあえて言わないことは犯罪です。
嵐子は二宮が脳泥棒に襲われたことをなぜか隠していると察して二宮が入院した病院で聞き込みします。
嵐子は病院で二宮のカルテを盗み見て脳チップが入っていることを知り、他の被害者も調べた結果、脳泥棒の狙いは「脳チップの入っている元孤児の30代の人間」を皆殺しにすることで、脳を丸ごと持ち去ったのは脳チップが狙いであることを隠すためだったと推理します。

脳チップは30年近く前に違法になっているため、30代で脳チップが入っている人間でさらに施設出身者となると日本に数えられる程しかいません。
さらなる調査で、二宮や被害者たちが脳チップ手術を施されたのは児童養護施設に入れられる前の2~4歳頃だったこともわかります。
嵐子が捜査本部の係長(堀部圭亮)に報告すると、係長は「被害者は全員『東間事件』の生き残りかもしれない」と言いました。




あらすじ③:

東間事件とは、約30年前に起きた15人の幼児が誘拐され、その多くが遺体で見つかった悲惨な事件です。
犯人は元医師の東間翠(柚木礼音)と夫の東間和夫(テイ龍進)で、夫婦は誘拐した子どもに脳チップ手術を施して性格を変える実験を行っていたようです。
多くの子どもたちは手術で死んでしまい、夫婦は自宅に14人の子供の死体を隠していました。
警察が東間夫妻の自宅を強制捜査した際、手術を終えて生き残っていた男の子 剣持武士だけが発見・保護され、東間翠はその場で自殺しています。

警察は事件の生き残りは剣持武士だけだと思っていましたが、実際には他にも生き残りがいて、その子たちは手術を終えた後に児童養護施設に置き去りにされていました。
二宮と殺された3人は東間事件の生き残りだったのです。

東間夫妻は彼ら自身の子どもがサイコパス気質で凶暴だったため、性格を変える医療法を模索していました。
そして脳チップにその可能性を見出し、脳チップで性格が変わるかどうかを子どもで実験していたと東間和夫は供述したそうです。
和夫はその後、獄中死しています。

また、成長した剣持武士(中村獅童)は約2年前に自分の妻を保険金目当てで殺害して逮捕されますが不起訴になっていて、当時捜査一課にいた乾刑事は不起訴になった剣持を殴ってしまい、降格で現在の所轄に飛ばされた過去がありました。

剣持武士は脳泥棒のターゲットの可能性が高いため警察は剣持を保護しようとしますが、警察嫌いの剣持は拒絶しました。
剣持が関わって来たことで乾は捜査チームを外れることになり、嵐子は二宮に対する違法捜査がバレてチームを外されてしまいました。

さらに関係者への捜査を続けるうちに、東間夫妻の「実験」に金銭的援助を行なっていた男が死体で見つかりました。
この男が殺されたのは数カ月前で、犯人は脳泥棒と思われます。

一方、二宮は怪物男(脳泥棒)が元孤児をターゲットにしていることを知り、婚約者の映美(吉岡里帆)と一緒に二宮が育った施設に行って職員から話を聞きますが、大した情報は得られませんでした。
その後、二宮は映美が童謡を歌う姿を見て強烈な懐かしさを感じて泣いてしまいます。
二宮はなぜ涙が出たのか自分でもわかりませんでした。

帰宅した二宮は映美の父親を殺したことに罪悪感を感じ、映美の父を突き落としたビルの屋上に行きます。
映美から「父を悼んでくれてありがとう」と言われた二宮は、生まれて初めて他人に好意を抱き、同時に罪悪感を抱きました。

 

あらすじ④:結末

二宮が人殺し用の別荘で考え事をしていると、戸城嵐子が現れます。
この時の会話で、嵐子は二宮が脳泥棒を警察より先に見つけて殺そうとしていることに気づき、二宮の車にGPS発信機を仕掛けて去りました。

その後、二宮は映美が脳泥棒に拉致されたことを知って、映美が監禁されている東間夫妻の家へ急ぎます。

同じ頃、嵐子は乾刑事を疑って自宅に突撃しますが、乾は間違いなく潔白でした。
嵐子は乾から「剣持咲(剣持武士が殺した妻)の墓参りに行ったら、身寄りのないはずの彼女のお墓に新しい花が供えられていた」と聞いて犯人がわかります。
嵐子は二宮も犯人が誰か知っていると予測してGPSを頼りに東間の家に急行します。

脳泥棒・怪物男の正体は剣持武士(中村獅童)でした。
剣持は東間に脳チップを入れられてからずっとサイコパスでしたが、2年前に乾刑事に殴られた時に頭を打ち、脳チップが壊れて本来の性格を取り戻していました。
剣持咲のお墓に花を供えたのも剣持武士です。

剣持は脳チップが壊れてから過去の悪行に対する罪悪感に苦しみ、これ以上被害を増やしてはいけないという思いから東間事件の生き残りのサイコパスたちを全員殺そうとしていて、二宮はその最後の1人でした。

廃墟と化した東間の家で二宮と剣持は殺し合い、二宮は映美を助けて剣持に致命傷を負わせます。
このとき二宮は剣持との会話の中で、映美の父親を殺したことを映美に知られてしまいました。

二宮はぐったりする剣持の顔をちゃんと見た時、剣持は誘拐された当時、二宮を東間の家から逃がそうとしてくれた男の子「タケシ君」だったことを思い出しました。

剣持は残った気力で火を放ち、東間の家と一緒に焼死しました。
二宮は映美を連れて警察が駆けつける前に逃走しました。

数日後、二宮は杉谷九郎に「脳チップを直してもらおうかと思っていたが、やっぱりやめる これからは本当の自分を生きてみる」と言います。
九郎は唯一のサイコパス友達を失うことにがっかりしました。

その後、二宮は自宅で映美に刺されてしまいました。
二宮はとっさに映美の首に「首を締めた痕」をつけると「これで正当防衛になるから今すぐ警察に行け」と命じます。
映美が出て行くと、二宮は止血するのをやめて穏やかな気持ちであの世に旅立ちました。




解説・考察・感想など

上映時間108分と短めで話の流れもテンポが良くて面白かったです!
亀梨和也のクールなイメージが主人公の二宮彰とのキャラにも合っていて良かったです。
映画を見て気になった点や原作小説との違いをあげていきます。

絵本「怪物の木こり」との関係は?

怪物の木こり

(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

作中に登場した「怪物の木こり」という怖い絵本は、木こりのふりをして人間の村に住む人食い怪物が、自分が怪物なのか木こりなのかわからなくなるという話でした。

絵本の「怪物の木こり」は映画だけに登場するオリジナルですが、オズの魔法使いのブリキの木こりが元ネタになっているようです。

二宮彰と剣持武士が普通の人間の感性を求める姿は、ブリキの木こりが人間の心を欲しがるというストーリーと共通しています。

 

二宮がお札を飲み込んだのはなぜ?

怪物男に襲われた直後、二宮は自分の財布からお札を取り出して飲み込み、財布を近くに放り投げました。
二宮がお札を飲み込んだのは、この事件を強盗に見せかけるためです。

二宮は怪物男を自分の手で殺すことに決めたので、警察に探されるのが嫌だったのです。

 

東間夫妻の子供は杉谷九郎(染谷将太)?

怪物の木こり

(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

東間夫妻が脳チップを子どもに埋め込む実験をしたのは彼らの実の子どもがサイコパスだったからだとされていたものの、東間夫妻の子どもは両親が死んだあとどうなったのかなど一切説明がありませんでした。

ここで気になってくるのが二宮の親友だった杉谷九郎です。
九郎は脳チップの影響ではないナチュラルサイコパスだった上に、東間翠が医師だった点などからも九郎が東間の子どもではないかと推測できるようなキャラクターです。

杉谷家は医師家系だったので、例えばですが杉谷家の誰かが東間翠と知り合いで、東間夫妻の逮捕後身寄りのなくなった九郎を哀れに思って養子にしたと仮定したらそうとしか思えなくなってしまいました。

九郎の年齢や養子かどうかなどがわかれば確定できましたが、九郎の情報は出てこなかったのであくまでも想像に過ぎません。

 

二宮が映美の歌を聞いて泣いた理由は?

二宮は映美と育った施設に行った時、映美が歌う姿を見て泣いてしまいました。

二宮が泣いた理由は原作小説で明かされていて、二宮はこの時に映美に生まれて初めて「愛情」を感じたから泣いたと書かれていました。

二宮が人間らしくなりつつある証拠の1つでもあります。

 

原作小説との違いは?

この映画は原作小説に忠実に作られていますが、結末は変えられています。
映画では二宮は婚約者の映美に刺されて死んでしまいますが、原作小説の二宮は映美に刺されることはなく、日常生活に戻ります。

小説の二宮は死ぬ直前の剣持武士に「お前は将来きっとお前の恋人を殺すだろう」と予言めいたことを言われます。
脳泥棒事件が終わった後、二宮は本来の自分に戻る(人間らしさを手に入れる)ことにわくわくしながら日常生活に戻ります。

二宮はふと武士の人生を振り返り「愛する人を失う悲しみとはどんなものだろう」と気になります。
二宮は今まで誰を愛したこともなく、喪失感を味わったこともなかったからです。

そして、二宮は「愛する人を失う気持ち」を味わってみるためだけに映美を殺してみようかと想像している所で物語は終わります。
ここら辺に、二宮はまともな人間にほんの少しだけ近づいたが、まだサイコパス(怪物)であることが暗示されていて、これから二宮はまともになって映美を殺さないのか、それともサイコパスのまま映美を殺してしまうのか、どっちに転ぶかはわかりません。

映画に続編の話は出ていませんが、小説は「怪物の町」という続編があるので興味のある方は読んでみてくださいね!
私もまだ読めていないので入手でき次第読みます。

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