映画『ヒメアノ~ル』の解説・考察をしています!
「森田がユカに執着する理由」「生理だった被害者」「ラストの森田の言動の意味」「原作漫画との違い」「名台詞紹介」など書いてます。
鑑賞済みの方向けの解説考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。
※この記事は再掲載です。
キャスト&キャラクター紹介
(引用:https://www.tadamonkugaiitakute.com)
岡田 進…濱田岳
ビルの清掃会社で働く25歳。
彼女いない歴=年齢の控えめな青年。
平凡で単調な毎日に不満を抱え、恋人が出来ず孤独感に苛まれている。
(引用:https://xn--u9j1gsa8mmgt69o30ec97apm6bpb9b.com)
安藤 勇次…ムロツヨシ
岡田の先輩社員31歳。
情熱的で非常に惚れっぽい性格だが、イタいキャラが災いして岡田と同じく彼女いない歴=年齢。
カフェ店員の阿部ユカに一目惚れし、岡田に協力を求める。
(引用:http://miedon-3.cocolog-nifty.com)
阿部 ユカ…佐津川愛美
岡田、安藤の会社の近所にあるカフェの美人店員21歳。
普段は控えめだが、いざという時はしっかりと自己主張する。
森田正一からのストーカー被害を受ける。
(引用:http://cinemaisland.blog77.fc2.com)
森田 正一…森田剛
岡田の小・中・高校時代の同級生で、絞殺フェチの猟奇殺人犯。無職。
少年時代は岡田と仲が良かった。
高校生の頃にクラスメイトから酷いいじめを受けて性格が歪んでしまった。
カフェで偶然見かけた阿部ユカに一目ぼれし、ストーカー行為を繰り返す。
・その他のキャスト
和草 浩介…駒木根 隆介
久美子(和草の婚約者)…山田 真歩
清掃会社の社長…大竹まこと
飯田 アイ(阿部の親友)…信江 勇
河島…栄信
アパートの住人…山中 聡
警察官…鈴木 卓爾 ほか
あらすじ紹介
東京で清掃員として働く岡田 進(濱田岳)は、先輩社員の安藤 勇次(ムロツヨシ)が一目惚れしたカフェ店員の 阿部 ユカ(佐津川愛美)との恋のキューピッド役をやらされることになりました。
岡田はカフェに通う内に、ユカから「ある男にストーカーされている」と相談され、そのストーカーは岡田の幼馴染みの森田 正一(森田剛)だとわかって驚きます。
岡田と森田は幼い頃は仲良しでしたが、森田が学校でいじめられると、岡田はいじめっ子を恐れて森田と仲良くするのをやめたという気まずい過去がありました。
岡田はカフェで森田を見つけて話しかけると、森田はそれからカフェに来なくなりました。
その後、岡田とユカは両想いになってしまい安藤に内緒で付き合い始めます。
岡田は知る由もありませんが、森田は『人間の首を絞める行為』に性的興奮を覚える異常性欲者でした。
森田は思春期頃から人の首を絞めたい衝動に悩まされ続け、高校生の時にいじめの主犯格だった男子生徒を絞殺して山に埋めた殺人犯でもありました。
森田は上京してユカに一目惚れし、ストーキングする内に岡田とユカが付き合っていることを知り、嫉妬から岡田の殺害を決意します。
解説・考察や感想など
V6森田剛さんの殺人犯役がハマりすぎて良い意味で怖かったです!
前半の、安藤、岡田、ユカの微笑ましいラブコメディから森田が迫ってきて雰囲気がホラーに豹変する構成も面白かったです。
個人的に気になった点や漫画と映画の違いなどまとめました。
森田はなぜユカを狙ったのか
森田がユカに異常に執着する理由は映画ではあまり語られませんが、原作漫画には詳しく書かれていので紹介します。
森田は中学生の頃に佐伯先生という音楽教師に恋していました。
そしてユカは佐伯先生にそっくりだったので森田は興奮し執着していたようです。
森田は首を絞める行為に性的興奮を得る絞殺フェチで、特に『恋愛対象の人物』もしくは『憎い人物』の首を締めると興奮度が増すような性的感性をもっています。
森田が人を殺す場面と岡田とユカのセックスが交互に流れて、森田の性癖をよりリアルに描いているのが印象的でした。
生理だった女性被害者
森田は同級生の和草を殺した後、欲望のまま初めての『無差別強姦殺人』に挑戦しますが、森田は女性の下着を引っぺがして血の付いたナプキンを目の当たりにします。
これも森田の性格を知る材料となるシーンで、彼は人を殺した直後に平然と食事をしていたり、殺人が『日常の一部』のようにふるまう一方で、生理中の女性には驚いて性欲を失っています。
殺人によって出る血は気にも留めないのに、そっちは気になるんかい…と思いますよね(笑)
『強姦殺人』をする犯罪者は、極度の興奮状態にあるため女性が生理中かどうか気にしていない場合が恐らくですが多いんじゃないでしょうか。
そんな中、女性が生理だったから強姦をやめてしまい、他者に気付かれそうになると結局犯しも殺しもせず逃げた森田はかなり神経質であることを表していたと思われます。
「生理の女性も殺したのではないか」とコメントを頂いてますが、森田は女性の友人が到着したことにビビっていたので個人的にはそのまま逃げたのではないかと思っています。
まだ再鑑賞できていませんが、もう一度見て考えが変わった時は内容変更します。
ラスト解釈
ラストシーン、警察に追われる森田は岡田を人質にして車を走らせ、飛び出してきた犬を避けようとして電柱に激突、森田は気絶します。
その後、意識を取り戻した森田は先程までの凶悪な雰囲気とはガラッと変わって子どものようになり、警察に連れて行かれる直前は岡田に「また遊ぼうね!」と笑顔で声を掛けました。
このシーンは森田が二重人格(解離性同一性障害者)だったことがほのめかされています。
森田は高校時代の過酷ないじめがきっかけで二重人格を発症していたようです。
岡田が少年時代に仲良くしていた頃の森田(森田A)はずっと心のどこかに隠れていて、いじめがきっかけで生まれた凶悪な人格(森田B)が主人格として長年生きていたのです。
また、森田は高校時代のいじめの主犯だった河島の声の幻聴が聞こえている描写もありました。
何となく統失っぽくもありますが、河島の幻聴に翻弄される程では無かったのでフラッシュバックの一種だったのかもしれません。
そもそも森田は人を殺したがっていたので、森田の衝動(欲望)が、初めて殺して強烈な快感を得た河島の声を借りて現れていた、とも考えられます。
森田は人間はためらいなく殺し、まるで道端の石ころのように車で轢いたりしていたのに、白い犬だけは轢かないようにとっさに避けたシーンが印象的でした。
森田が犬を気にかけたのは、少年時代に飼っていたペットが白い犬で、飛び出してきた犬がよく似ていたからです。
『白い犬』がきっかけで何年も眠っていた森田Aが目を覚まし、近くに岡田もいたので『実家で岡田と遊んでいる』と思い込んでしまっていたようです。
車の中にあるはずのないゲームソフトを探したり、近くにいるはずのない母親に大声でお茶を頼んだりする姿は何だか切なくなってしまいました。
ちなみに森田が二重人格というのは原作にはない映画オリジナルの設定です。
次のページに続きます!
次は『原作との違い』『名言抜粋』です。
感想などお気軽に(^^)
最近見ました。二重人格ではなく、白い犬を見たことで昔のことがフラッシュバックした、のほうが近い気がしました。
映画では。生理中の女性も結果殺された描写な気がしました。