映画『ヒメアノ〜ル』ネタバレ解説|ラストの考察、原作との違いなど | 映画鑑賞中。

映画『ヒメアノ〜ル』ネタバレ解説|ラストの考察、原作との違いなど

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スリラー

映画『ヒメアノ~ル』についての解説・考察をしています!

平凡過ぎる毎日に焦りを感じる清掃員の岡田は、同僚の安藤から恋のキューピッド役を頼まれて、安藤が思いを寄せるカフェ店員の阿部ユカとの仲を取り持つことになる。
同時に、岡田の元同級生の森田がユカをストーカーしていることが発覚する。

 

制作年:2016年
本編時間:99分
制作国:日本
監督・脚本:吉田 恵輔
原作漫画:古屋 実 著『ヒメアノ~ル
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キャスト&キャラクター紹介


(引用:https://www.tadamonkugaiitakute.com

岡田 進濱田岳

ビルの清掃会社で働く25歳。
彼女いない歴=年齢の、控えめな青年。
平凡で単調な毎日に不満を抱え、恋人が出来ず孤独感に苛まれている。

 


(引用:https://xn--u9j1gsa8mmgt69o30ec97apm6bpb9b.com

安藤 勇次ムロツヨシ

岡田の先輩社員31歳。
情熱的で非常に惚れっぽい性格だが、岡田と同じく彼女いない歴=年齢。
阿部ユカに一目惚れし、彼女の情報を得るために何かと岡田を頼るようになる。

 


(引用:http://miedon-3.cocolog-nifty.com

阿部 ユカ佐津川愛美

岡田、安藤の会社の近所にあるカフェの店員21歳。かなりの美人。
普段は控えめだが、いざという時はしっかりと自己主張する。
森田正一からのストーカー被害を受ける。

 


(引用:http://cinemaisland.blog77.fc2.com

森田 正一森田剛

岡田の小・中・高校時代の同級生で、絞殺フェチの猟奇殺人犯。無職。
少年時代は岡田とお互いの自宅を行き来するほど仲が良かったが、現在は疎遠。
高校生の頃にクラスメイトから酷いいじめを受けて性格が変わった。
カフェで偶然見かけた阿部ユカに一目ぼれし、ストーカー行為を繰り返す。

・その他のキャスト

和草 浩介…駒木根 隆介
久美子(和草の婚約者)…山田 真歩
清掃会社の社長…大竹まこと
飯田 アイ(阿部の親友)…信江 勇
河島…栄信
アパートの住人…山中 聡
警察官…鈴木 卓爾 ほか

 

あらすじ紹介

平凡な日々に不安を抱えながら東京で清掃員として働く岡田 進(濱田岳)は、ある日 先輩社員の安藤 勇次(ムロツヨシ)から恋愛相談を持ち掛けられました。
安藤は会社近くにあるカフェ店員の阿部 ユカ(佐津川愛美)に一目惚れしたので、お近づきになるのを手伝ってほしいと言います。
岡田は内心面倒臭かったものの安藤を見放せず、仕方なく協力することにしました。

安藤に付き添ってユカと親睦を深めていく内、岡田はユカから告白と猛アプローチを受けて岡田もユカが好きになってしまい、安藤に内緒で付き合い始めました。

岡田がユカと付き合い始める少し前、ユカの働くカフェの客に、岡田の元同級生の森田 正一(森田剛)がいました。
しかも、森田はユカにストーカー行為を行っているとユカから聞かされて驚きました。

岡田と森田は少年時代、お互いの自宅を行き来する程仲良しで少・中・高と同じ学校でしたが、高校生になってから森田はいじめられるようになり、それから疎遠になっていた存在でした。
当時、森田はかなりハードないじめを受けていて可哀想でしたが、岡田はタゲられるのが怖くて見て見ぬふりをしていました。
その後 森田は不登校になり、完全に交友関係は切れています。
そんな過去があり、岡田は森田に対して後ろめたさのような複雑な感情を抱いていました。

一方で森田は岡田の存在はほぼ眼中になく、一日の大半は『ユカをどこでどうやって絞殺するか』しか考えていませんでした。

森田は高校卒業の直前、いじめの主犯だった河島(栄信)を山に呼び出して絞殺し、当時河島にいじめられていた生徒の和草浩介わぐさこうすけ(駒木根 隆介)を呼び出して一緒に穴を掘って死体を埋めた過去がありました。
つまり森田は殺人犯です。

森田は河島を絞殺した時、自分自身に『人間の首を絞める行為』に性的興奮を覚える性癖があることに気付きました。
高校卒業後、森田は働くこともなく、和草を脅して定期的に金を巻き上げながらギャンブル漬けの生活を送っています。
和草は現在、両親が経営しているホテルで次期支配人として働いていて、ホテルの売り上げをちょろまかして森田に貢ぎ続けていました。

ある日、森田は偶然見かけたユカに一目惚れしてから、毎日カフェに通い、あっという間にストーカーになっていました。
心の中では『ユカの首を絞めたい』という欲望が膨らむばかりです。

森田はユカのストーカーを続ける内に、岡田がユカと付き合っていることを知り、嫉妬から岡田の殺害を決意します。

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解説・考察や感想など

本作の原作は古屋実さんの同タイトル青年漫画で、ざっくりとした人間関係などは一緒ですが、漫画と映画ではストーリーや作者の主旨が違ってきます。
以下、個人的に気になる点や漫画と映画の違いなどまとめました。
※解説に伴いネタバレしているので未鑑賞の方はご注意ください。

森田はなぜユカを狙ったのか

森田剛だから救えた青春 『学校へ行こう!』の功罪と『ヒメアノ~ル』が照らしたもの
(引用:https://social-trend.jp

森田はユカと特別接点があるわけでもなかったのに、異常に執着していました。
その理由は映画ではあまり語られていませんが、原作の漫画では明かされています。
以下、森田の発言の抜粋です。

「東京にさ…佐伯先生に似た女がいるんだ
声まで似てる…
今はあの女をどうしてもやりたい…」(引用:漫画『ヒメアノ~ル』第22話より)

森田が和草に殺人衝動を理解してもらおうと打ち明けた時の会話の一部です。

この『佐伯先生に似た女』というのがユカのことです。
『佐伯先生』は、森田の中学時代の音楽の先生です。
森田いわく、中学生(思春期)になり、周りの男子がそれぞれ好きな女性を想像しながら自慰行為にふける中、森田自身は佐伯先生(好きな人)や、その他憎い人物(男含む)の首を絞めて殺すシーンを想像しながら自慰行為をしていたそうです。

森田は首を絞めるという行為そのものに性的興奮を得る絞殺フェチですが、特に『恋愛対象の人物』もしくは『殺したい程憎い人物』の首を締めると、興奮度が増すような性的感性をもっているようです。
映画では、森田が人を殺している場面と岡田とユカのセックスが交互に流れて、森田の性癖をよりリアルに描いている描写が印象的でした。

一般的には『恋愛対象の人物→(極端に言うと)肉体関係を持ちたい』ですが、森田の感覚だと『恋愛対象の人物→(性的興奮を得るために)首を絞めたい』になるわけです。
なので、そんな感覚を持つ森田が佐伯先生にそっくりなユカを見付けてしまい、当時の夢を実現しようと執着していたのです。

 

生理だった女性被害者

和草を殺した後、森田は欲望のまま初めての『無差別強姦殺人』に挑戦しますが、襲った女性の下着を引っぺがすと、そこには血の付いたナプキンが。
固まる(萎える)森田…恥辱に耐える女性…というシーン。

これも森田という人物の理解を深める材料となる場面で、彼は人を殺した直後に平然と食事をしていたりと、殺人が『日常の一部』のようにふるまう一方で、生理中の女性には驚いて、同時に性欲を失っています。
殺人によって出る血は気に留めないのに、それは気になるんかい…と思いますよね(笑)

『強姦殺人』という極度の緊張感が付いて回る行為を好んで行う犯罪者の中には、女性が生理中かどうかなんて気にしない(気にしていられない)ケースが恐らくですが多いんじゃないでしょうか。
そんな中、女性が生理だったから強姦をやめて、他者に気付かれそうになり、結局犯しも殺しもせず逃げ出した森田は、中々神経質な面があります。

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ラストの解釈


(引用:http://pinoko-diary.hatenablog.jp

物語のラスト、警察に追われる森田は岡田を人質に取って車を走らせ、飛び出してきた犬を避けようとして車は電柱に激突、森田は数秒気絶します。
その後、意識を取り戻した森田は先程までの凶悪な雰囲気とは打って変わって子どものようになり、警察に連れて行かれる直前には岡田に「また遊ぼうね!」と笑顔で声を掛けています。

このシーンでは森田が二重人格(解離性同一性障害者)であることがほのめかされています。
最後の最後で突然森田のキャラが変わるので驚きですが、森田は高校時代のいじめがきっかけで二重人格になったようです。
岡田が少年時代に仲良くしていた頃の森田(森田A)はずっと心のどこかに隠れていて、いじめがきっかけで生まれた凶悪な人格(森田B)が主人格として今まで生きていた ということです。

また、森田の頭に河島の声が度々響いている描写もありました。
何となく統失っぽくもありますが、河島の幻聴に翻弄される程重症では無かったので、強めのフラッシュバックのようなものなのでしょう。
そもそも森田は人を殺したがっていたので、森田の衝動(欲望)が、初めて殺して強烈な快感を得た河島の声を借りて現れていた、とも考えられます。

森田は、人間はためらいなく殺すし、まるで道端の石ころのように車で轢いたりしていたのに、白い犬だけは轢かないようにとっさに避けたシーンが印象的でした。
森田が犬を気にかけたのは、少年時代に飼っていたペットが白い犬で、よく似ていたから。
犬を避けたために事故を起こし、気絶して人格がBからAに入れ替わります。
森田Aは『実家で岡田と遊んでいる』と思い込んでいるようで、そのまま車の中で岡田から借りていたというゲームソフトを探したり、近くにいるはずのない母親に大声でお茶を頼んだりした後、そのまま大人しく警察に連行されます。
恐らく『犬』がきっかけで何年も隠れていた森田Aが目を覚まし、近くに岡田もいたために強烈なフラッシュバックが起こり、このような状態に至った と解釈できます。

森田が二重人格というのは原作にはない設定で、和草が長年森田を見ていて抱いた印象を深堀りした映画オリジナルの脚本です。

 

次のページに続きます!

次は『原作との違い』『名言抜粋』です。

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