映画『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』解説・考察|魔法省の勘違い、ダンブルドアの狙いなど | 映画の解説考察ブログ - Part 2

映画『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』解説・考察|魔法省の勘違い、ダンブルドアの狙いなど

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ファッジ大臣の勘違いとは?


(引用:https://harrypotter.fandom.com

ファッジ大臣はなぜハリーやダンブルドアを中傷し、ホグワーツにアンブリッジを派遣したのか、複雑だったので時系列順に整理します。

まず、ファッジはヴォルデモート復活の噂は、ハリーやダンブルドアが流したウソだと思い込んでいました
理由はファッジはヴォルテモートが復活したかもしれないと考えることすら恐ろしく、現実逃避していたからです。

ファッジはマスコミに依頼して、ダンブルドアとハリーの中傷記事を書かせます。
ダンブルドアとハリーの『ウソ(ファッジにとって)』を世間が信じないようにするためです。

そして、ハリーとダドリーがディメンターに襲われる事件が起こると、ハリーは未成年が学校の外で魔法を使った法律違反で起訴されます。

ここでデス・イーターのルシウス・マルフォイが登場します。
ルシウスは表向きは貴族の当主ですが、裏の顔はデス・イーターでヴォルデモートのしもべです。
当主として魔法省にも多額の寄付を行っていて、大臣に影響力を持つ人物です。

懲戒尋問の直前に、ルシウスとファッジが2人きりで話しているシーンがあります。
話の内容はほとんど明かされませんが、恐らくルシウスはファッジの勘違いを利用して『ダンブルドアがファッジを退任に追い込み、魔法省を乗っ取ろうとしているという類のホラ話を吹き込んだのでしょう。

ルシウスはダンブルドアが魔法省を狙う悪者だとファッジが勘違いするように仕向けて、魔法省がヴォルテモート復活に気付くのを少しでも遅らせたかったのです。
ファッジは『ダンブルドアとハリーが闇の帝王が復活したとウソをついたのは、魔法省を乗っ取ろうとしていることと関係がある』と思い込んでしまいました。




ディメンターにハリーを襲わせたのは誰?


(引用:http://www.candacereads.com

まずディメンター(Dementer)について復習します。
またの名を『吸魂鬼(soul-sucking fiends)』と呼ばれるアンデッド系の闇の魔物で、普段はアズカバンの看守をしていて魔法省に管理されています。
人間から生気や幸福を吸い取って食べ、周囲には常に絶望が漂います。
彼らに生気を吸い尽くされてしまうと精神を患い植物状態のようになってしまいます。

このディメンターにハリーを襲わせたのはアンブリッジです。
アンブリッジは誰かに指示されたというわけではなく、単独犯だったようです。
映画の中でディメンター事件の真相は語られませんが、原作小説にはアンブリッジがケンタウロスから救出された後(映画では終盤のアンブリッジ逮捕が新聞に載ったあたり)で、ディメンターにハリーを襲わせたと白状しています。

簡単に言うと、アンブリッジの行動理由は『出世欲』です。
アンブリッジはファッジが嫌いなダンブルドアとハリーを潰せば、昇進もしくはファッジから厚い信頼を得られるだろうと考えたから独断でディメンターを放ったのでしょう。

15歳の少年に対してディメンターってあまりに非情な気がしますが、彼女は半純血でありながら純血主義者で、『奇跡の子』として有名な半純血のハリーを良く思っていなかったでしょうし、子供嫌いだったようですし、性格は残忍で、目的のために手段を選ばないタイプなので、恐らく「嘘つきなハリーが喋れなくなれば大臣は喜ぶに違いない」位の軽い気持ちでディメンターを放ったのではないでしょうか。

 

懲戒尋問が早まった理由とファッジ大臣の意図


(引用:https://www.flickr.com

『懲戒尋問』はハリーが魔法省に到着してから3時間後の予定でしたが、時間が急遽5分後に変更になります。

尋問開始の時間を変更したのはファッジ大臣です。
ファッジはダンブルドアだけに時間変更をわざと知らせていませんでした。
ダンブルドアが居ない方が簡単にハリーを『有罪に出来る』からです。
ファッジの思考は以下です。

ハリーはダンブルドアの手下なので有罪&退学にしたい

頭の良いダンブルドアは居ない方が簡単にハリーを有罪に出来る

ダンブルドアが来る前に尋問を終わらせてしまおう

こう考えて、尋問時間を早めました。
ダンブルドアが尋問に間に合ったのは、恐らくアーサーが時間変更を知らせたからです。

 

フィルチがアンブリッジに味方したのはなぜ?


(© 2007 Warner Bros. Japan LLC All rights reserved.)

ホグワーツの管理人フィルチは全面的にアンブリッジに賛成して、生徒を常に監視しては怪しい動きのある生徒を逐一アンブリッジにチクっていました。

恐らく根底にはフィルチはアンブリッジに好意を抱いていた点も大きいのでしょうが、アンブリッジとフィルチにはそれぞれ理由は違いますが、ホグワーツの生徒が嫌いという共通点がありました。

アンブリッジはホグワーツ時代、希望していた監督生や主席になれなかったことを、他の生徒に立場を奪われたと思い込んでいます。(本当は能力や人格の問題なのに)
そのため彼女にとって学生時代は不満でしかなく、ホグワーツの生徒を見ていると自分自身の辛かった学生時代を思い出してしまうことが「子供が嫌い」という発言に繋がっています。

フィルチは両親が魔法使いなのに子どもの自分はマグルに生まれてしまった珍しいタイプで、魔法使いが羨まし過ぎて妬みに支配されています。
フィルチは幼少時代からホグワーツに入りたかったのに、魔法使いではなかったため入学資格がありませんでした。

なので、フィルチの憧れであるホグワーツの生徒が全員憎らしいのです。
楽しそうにしている生徒には特に腹が立つので、彼らの楽しみを奪うことが生きがいになってしまったのでしょう。




シビル・トレローニーが解雇された理由


(引用:https://www.flickr.com

トレローニー先生が解雇されたのは、アンブリッジがホグワーツの全教員、生徒達に対して魔法省の権力を誇示するためです。

恐らくクビにするのは誰でも良くて、トレローニーが選ばれたのは『大きな危険が迫っている』とアンブリッジに予言したからでしょう。
アンブリッジはトレローニーの予言を嘘だと判断し、使えない教師と思ったんでしょうね。

 

チョウ・チャンの裏切りの真相

チョウ・チャンがアンブリッジに必要の部屋を暴露してしまったのは、アンブリッジが真実薬をチョウに使用したからです。

これは、アンブリッジがスネイプを呼び出して「真実薬を頂戴」と言った時、スネイプが「チョウ・チャンに使ったので最後でした」という発言で発覚します。

今まで生徒に真実薬を使うことは校則で禁じられていましたが、この校則はダンブルドアかそれ以前の校長が作ったルールです。
校長になったアンブリッジは校則を自由に変えることが出来るので、真実薬の校則は排除してしまったのでしょう。

 

アズカバン襲撃がシリウスのせいになった理由


(脱獄した魔女ベラトリックス 引用:https://www.spotern.com

アズカバン襲撃の容疑者がシリウスになってしまったのは彼の立場と関係しています。

シリウスは社会的には脱獄した殺人鬼ですし、この襲撃で脱獄した魔女ベラトリックスはシリウスの親戚(従姉)だったので、疑われてしまいました。
シリウスが家族を助けるために暴動を起こしたと思われても仕方ないのかもしれません。

ファッジ大臣はなんの証拠も無いのにマスコミに対して『犯人はシリウス・ブラックだろう』と発言してしまうのはあまりに軽率です。
なぜ大臣になれたんでしょう(笑)

 

ダンブルドア軍団はアンブリッジの昇進材料

アンブリッジが必要の部屋を壊してハリー達を捕まえた時、アンブリッジはファッジに『ダンブルドアがハリー達に軍団を作らせています』と報告していました。

アンブリッジはハリー達が必要の部屋で訓練していた理由を『いずれダンブルドアが魔法省に攻撃を仕掛ける時の戦力になるため』と思い込んでいたからです。

アンブリッジはハリー達を摘発すれば昇進材料になると確信していたため、チョウ・チャンに真実薬を飲ませるという違法行為をしてまでハリー達を捕まえたかったのです。

ハリーがシリウスが捕まる白昼夢を見た時、アンブリッジはハリーを取っ捕まえて尋問し、最終的にハリーに許されざる呪文【クルーシオ(苦しめ)】を使おうとします。

アンブリッジがここまで必死でハリーに何かを言わせようとしたのは、ハリーが煙突飛行ネットワークを使って何をしようとしていたのか、引いてはダンブルドアが次はどういう動きをするのか知りたかったからです。

ハリーが何か重要な情報を吐いて、それがファッジに報告出来ればアンブリッジの出世の材料になります。




アンブリッジが逮捕された理由


(グロウピーに捕まったアンブリッジ 引用:https://alohomorapodcast.com

アンブリッジはケンタウロスに捕えられた後、逮捕されてしまいます。
アンブリッジは叩けばホコリが沢山出てくるタイプだったので当然と言えば当然ですが、彼女が行った違法行為を思い出してみます。

一番大きな逮捕理由は、アンブリッジがディメンターをハリーに仕向けたことが判明したからでしょう。
ケンタウロスから保護された後の事情聴取的なやり取りの中で自爆してしまったのではないでしょうか。

次に思い当たるのはケンタウロスの活動範囲の制限です。
これは恐らく魔法省の判断ではなく彼女の独断で、魔法省の権力を利用して勝手に制限したのでしょう。
理由はアンブリッジが魔法動物を嫌いというか差別意識があったから、ただそれだけです。

あとはハリーに許されざる魔法である【磔の呪い】を使おうとしていたことも思い当たりますが、あれば直前でやめているのでギリギリセーフですね。
罪が軽くなったことをハーマイオニーに感謝するところです。

 

ハリーがロンとハーマイオニーと距離を置いた理由

ハリーがロンとハーマイオニーと何となく距離を取ってしまったのは、2人がハリーに不死鳥の騎士団のことを隠していたからです。
もちろん2人はダンブルドアから頼まれて仕方なく言うことを聞いていただけで本当はハリーにずっと教えたかったのです。
ハリーは事情を頭では理解できても、「親友だと思っていたのに、ひどい」という感情の方が大きくなってしまい、なんとなく引きずってしまっていたのでしょう。

 

アーサー・ウィーズリーが襲われた理由

神秘部でアーサーが襲われてしまったのがなぜなのか、映画では詳しく明かされていませんでしたね。
アーサーは不死鳥の騎士団なので、ヴォルデモートが予言の玉を狙っていることを知っていました。
そのため、メンバーが交代で魔法省を見張り、闇の勢力が簡単には近づけないようにしていました。
原作小説では、この時アーサーを襲ったのはヴォルデモートの蛇で元魔女のナギニでした。

ナギニは永久的に動物になってしまう呪いをかけられた魔女です。

 

グロウピーとハグリッドの関係

ハグリッドとグロウプは実の兄弟ですが、父親が違います。
ハグリッドは人間の父と巨人の母のハーフ、グロウピーは両親とも巨人の純粋な巨人です。

グロウピーは人間程には知能が高くないようで、暴れないように森の中に鎖でつながれています。
ハーマイオニーが好きで自転車のハンドルをプレゼントしたり、アンブリッジをつまみ上げて捕まえたりしてくれました。

次のページに続きます。

次は「絆」とは、ハリーの白昼夢、予言についてなどです。




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