映画『真珠の耳飾りの少女』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!
「ラスト考察」「ヨハンの母マリアがグリートに耳飾りを渡した理由」「耳飾りの件がキャサリンにバレたのはなぜ?」「グリートとピーター」について書いてます。
ネタバレありきの解説考察のため、まだ見ていない方はご注意ください。
制作年:2003年
本編時間:100分
制作国:イギリス
監督:ピーター・ウェーバー
脚本:オリヴィア・ヘトリード
原作:トレイシー・シュヴァリエ『真珠の耳飾りの少女
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キャスト&キャラクター紹介

© Archer Street (Girl) Limited 2003
グリート…スカーレット・ヨハンソン
フェルメール家に奉公に出された十代の女の子。
芸術的センスに優れ、ヨハネスの絵に興味を持つ。

© Archer Street (Girl) Limited 2003
ヨハネス・フェルメール…コリン・ファース
フェルメール家の主で天才画家、通称ヤン。
妻との間に6人子どもがいる。
グリートの芸術的才能を見抜き、絵の仕事を手伝わせるようになる。

© Archer Street (Girl) Limited 2003
ピーター…キリアン・マーフィー
精肉店の青年。
グリートに想いを寄せている。

© Archer Street (Girl) Limited 2003
キャサリン…エッシー・デイヴィス
ヨハネスの妻。ヨハネスがグリートに興味があることを察し、嫉妬からグリートに嫌がらせする。
・その他のキャスト
マリア(キャサリンの母)…ジュディ・パーフィット
ライフェン(絵のパトロン、ヤンの上客)…トム・ウィルキンソン
タンネケ(先輩召使)…ジョアンナ・スカンラン
コルネーリア(ヨハネスの娘)…アラキナ・マン
グリートの母…ガブリエル・レイディ
グリートの父…クリストファー・マックハレム
フランス(教会にいた男の子)…ロロ・ウィークス ほか
あらすじ紹介
舞台は1660年代のオランダです。
家計を支えるため奉公に出ることになった一人娘のグリート(スカーレット・ヨハンソン)は、画家のフェルメール家で召使いとして働くことになりました。
仕事に慣れてくると、グリートはフェルメール家の主であり画家のヨハネス(コリン・ファース)のアトリエの掃除を言いつけられました。
グリートはアトリエの掃除をする内に、ヨハネスと彼の絵に興味を持つようになります。
ヨハネスはグリートの芸術的センスを見抜き、やがて絵の手伝いも任せるようになりました。
やがてグリートとヨハネスの間に淡い恋心が芽生えはじめると、ヨハネスの妻キャサリンはグリートに嫌がらせするようになります。
解説・考察や感想など
マリアが耳飾りをグリートに渡した理由

© Archer Street (Girl) Limited 2003
ヨハンはグリートが真珠の耳飾りを着けている絵を描きたいと言いますが、
グリートもヨハンの母マリアも大反対します。
その真珠の耳飾りがヨハンの妻キャサリンの物だからです。
キャサリンはグリートを嫌っていたので、彼女のアクセサリーをグリートが身に着けるなど許すはずもありません。
それでもマリアがキャサリンの目を盗んでグリートに耳飾りを渡したのは、
ヨハンが書きたい絵を描く時にしか筆が捗らないタイプであり、
絵を描いてもらわないと収入がなく困ることを誰よりも理解していたからです。
キャサリンの気持ちを優先して今回の絵を諦めさせてしまったら、次はいつ描けるのかわかりません。
フェルメール家は金銭的にあまり余裕がなさそうでもあったので、マリアにとっても苦肉の策だったのです。
キャサリンはヨハンの仕事のやり方や芸術を理解していない(する気もなさげ)なので、そこもヨハンがグリートに惹かれたポイントとも言えます。
耳飾りの件がキャサリンにバレた理由は
グリートが耳飾りを着けたことがキャサリンにバレたのは、キャサリンとヨハンの娘コルネーリアが告げ口した可能性が高いです。
マリアがグリートに耳飾りを渡したのを目撃したのはコルネーリアでしたし、
コルネーリアはグリートの干した洗濯物にいたずらしたり、叱られた仕返しにグリートの大切な陶器の飾りを壊したりとかなり性悪でした。
キャサリンのネックレスを隠してグリートのせいにしようとしたのもコルネーリアでしたが、恐らくキャサリンとコルネーリアは協力してグリートがヨハンからの信頼を失い、家から追い出されるように仕向けていたと思われます。
コルネーリアは姉妹の中でも周囲の大人たちの雰囲気、空気の変化に特に敏感だったようで、ヨハンがグリートを意識していたことも幼心にわかっていました。
母の機嫌が悪いのがヨハンとグリートのせいだとも勘付いていたので、危険を感じて告げ口したのではないでしょうか。
もしくは単純に母親の気を引きたかった、褒められたかっただけなのかもしれませんが。
グリートとピーターの関係
グリートはヨハンに恋をしていましたが、一方でピーターとも恋仲になっていました。
当然ですがヨハンは既婚者でしかも雇い主なので、叶わぬ恋だと言い聞かせながら、満たされぬ想いをピーターで満たしていました。
真珠の耳飾りを着けて絵のモデルになった後、グリートは高ぶった気持ちをピーターに抱いてもらうことで落ち着かせます。
個人的には牛舎で、なんて絶対に嫌ですが、場所を選ばない点や、フェルメール家を追い出された後にピーターを頼らないし結婚もしていない点なども、グリートにとってピーターはセフレでしかなかったことを表しています。
スカーフと耳飾りを渡された意味は?
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(引用:https://www.reviewanrose.tokyo/)
グリートがフェルメール家を追い出された後、モデルになった時に使った青いスカーフと真珠の耳飾りがヨハンから送られてきます。
これは表向きには餞別のような意味合いがあったのでしょうが、私にはどうしてもポジティブな意味には捉えられませんでした。
キャサリンはこのスカーフと耳飾りを見たくもないでしょうし、家のどこかに置いといてキャサリンに見つかったら喧嘩の種にもなりなねないので、グリートに押し付けたのが正直なところだったのではないでしょうか。
グリートも受け取った時にクシャッと握りつぶすような仕草をしていたので、押し付けられたと感じていたように見えました。
追い出されることになった時、グリートは心のどこかでヨハンが引き止めてくれるのではと最後まで期待していましたが、ヨハンは去っていくグリートと目を合わそうともしませんでした。
この時のヨハンの対応でグリートは大人の残酷さを知ります。
ヨハンも実際にはグリートに惹かれていましたが、家庭を壊してまでどうこうなる気は無かったということです。
ヨハンの絵の収入だけでは家族を養えないので、お金持ちの義母マリアとは縁を切れないというのが大きかったのでしょう。
ここからは邪推ですが、ヨハンはキャサリンが怒った時「グリートに手を出さなくて良かった」とすら思っていたかもしれません。
グリートが耳飾りをどうするのかはわかりませんが、年月が経てば耳飾りは「初恋の甘酸っぱい思い出」になるでしょうが、思い出したくない思い出として売ったり捨てたりしてしまうのかもしれません。
以上です。読んで頂きありがとうございました。
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