「真珠の耳飾りの少女」ネタバレ解説・考察|贈られた耳飾りの意味など4の考察! | 映画の解説考察ブログ

「真珠の耳飾りの少女」ネタバレ解説・考察|贈られた耳飾りの意味など4の考察!

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ヒューマンドラマ

映画『真珠の耳飾りの少女』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!
「ラスト考察」「ヨハンの母マリアがグリートに耳飾りを渡した理由」「耳飾りの件がキャサリンにバレたのはなぜ?」「グリートとピーター」について書いてます。

ネタバレありきの解説考察のため、まだ見ていない方はご注意ください。

真珠の耳飾りの少女

原題:Girl With A Pearl Earring
制作年:2003年
本編時間:100分
制作国:イギリス
監督:ピーター・ウェーバー
脚本:オリヴィア・ヘトリード
原作:トレイシー・シュヴァリエ『真珠の耳飾りの少女 』(1997)

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キャスト&キャラクター紹介

真珠の耳飾りの少女
© Archer Street (Girl) Limited 2003
グリートスカーレット・ヨハンソン
フェルメール家に奉公に出された十代の女の子。
芸術的センスに優れ、ヨハネスの絵に興味を持つ。

 

真珠の耳飾りの少女
© Archer Street (Girl) Limited 2003
ヨハネス・フェルメールコリン・ファース
フェルメール家の主で天才画家、通称ヤン。
妻との間に6人子どもがいる。
グリートの芸術的才能を見抜き、絵の仕事を手伝わせるようになる。

 

真珠の耳飾りの少女
© Archer Street (Girl) Limited 2003
ピーターキリアン・マーフィー
精肉店の青年。
グリートに想いを寄せている。

 

真珠の耳飾りの少女
© Archer Street (Girl) Limited 2003
キャサリンエッシー・デイヴィス
ヨハネスの妻。ヨハネスがグリートに興味があることを知り、嫉妬心からグリートに嫌がらせする。

・その他のキャスト

マリア(キャサリンの母)…ジュディ・パーフィット
ライフェン(絵のパトロン、ヤンの上客)…トム・ウィルキンソン
タンネケ(先輩召使)…ジョアンナ・スカンラン
コルネーリア(ヨハネスの娘)…アラキナ・マン
グリートの母…ガブリエル・レイディ
グリートの父…クリストファー・マックハレム
フランス(教会にいた男の子)…ロロ・ウィークス ほか

 

あらすじ紹介

舞台は1660年代のオランダです。
家計を支えるため奉公に出ることになった一人娘のグリート(スカーレット・ヨハンソン)は、画家のフェルメール家で召使いとして働くことになりました。

仕事に慣れてくると、グリートはフェルメール家の主であり画家のヨハネス(コリン・ファース)のアトリエの掃除を言いつけられました。

グリートはアトリエの掃除をする内に、ヨハネスと彼の絵に興味を持つようになります。
ヨハネスはグリートの芸術的センスを見抜き、やがて絵の手伝いも任せるようになりました。

グリートとヨハネスの間に淡い恋心が芽生えますが、ヨハネスの気持ちに気付いた妻キャサリンはグリートに嫌がらせするようになります。

 

解説・考察や感想など

マリアが耳飾りをグリートに渡した理由

真珠の耳飾りの少女

© Archer Street (Girl) Limited 2003

ヨハンはグリートが真珠の耳飾りを着けている絵を描きたいと言いますが、グリートもヨハンの母マリアも大反対します。
その真珠の耳飾りがヨハンの妻キャサリンの物だったからです。

キャサリンはグリートに嫉妬して嫌っていたので、彼女のアクセサリーをグリートが身に着けるなど許すはずもありません。

それでもマリアがキャサリンの目を盗んでグリートに耳飾りを渡したのは、大ざっぱには「お金のため」ですが、ヨハンがインスピレーションが湧いた時にしか筆が捗らないタイプであることを理解していたからでしょう。

キャサリンの気持ちを優先してヨハンに今回の絵を諦めさせてしまったら、次はいつ描けるのか予想も出来ません。

フェルメール家は金銭的にあまり余裕がなさそうでもあったので、マリアにとっても苦肉の策だったのです。

キャサリンはヨハンの仕事のやり方や芸術を理解していない(する気もなさげ)なので、そこもヨハンがグリートに惹かれたポイントとも言えます。
キャサリンが絵画に興味がないことがよくわかるシーンは、グリートがヨハンの作業部屋の窓を拭いて良いかキャサリンに尋ねた時です。




耳飾りの件がキャサリンにバレたのは

グリートが耳飾りを着けたことがキャサリンにバレたのは、キャサリンとヨハンの娘コルネーリアが告げ口した可能性が高いです。

マリアがグリートに耳飾りを渡したのを目撃したのはコルネーリアでしたし、彼女がグリートを下に見ていたのは明らかで、洗濯物にいたずらしたり、叱られた仕返しにグリートの大切な陶器の飾りを壊したりとかなり性悪でした。

キャサリンのネックレスを隠してグリートのせいにしようとしたのもコルネーリアでしたが、恐らくキャサリンとコルネーリアは協力してヨハンがグリートを嫌い、最終的には家から追い出そうと仕向けていたと思われます。 

コルネーリアは姉妹の中でも周囲の大人たちの雰囲気、空気の変化に特に敏感だったようで、ヨハンがグリートを意識していたことも幼心にわかっていました。
最近キャサリンの機嫌が悪いのがヨハンとグリートの関係のせいだとも勘付いていたので、マリアまでもグリートの味方についたことに危険を感じて告げ口したのではないでしょうか。
もしくは単純に母親の気を引きたかった、褒められたかっただけなのかもしれませんが。

 

グリートとピーターの関係

グリートはヨハンに恋をしていましたが、一方でピーターとも恋仲になっていました。
当然ですがヨハンは既婚者でしかも雇い主なので、叶わぬ恋だと言い聞かせながら、満たされぬ想いをピーターで満たしていました。
つまりグリートにとってピーターはヨハンの代わりです。

真珠の耳飾りを着けて絵のモデルになった後、グリートは高ぶった気持ちをピーターに抱いてもらうことで落ち着かせます。
個人的には牛舎で、なんて絶対に嫌ですが、場所を選んでいない点や、フェルメール家を追い出された後にピーターを頼らないし結婚もしていない点なども、グリートにとってピーターはセフレでしかなかった(興味がなかった)ことを表しています。

 

スカーフと耳飾りを渡された意味

真珠の耳飾りの少女
(引用:https://www.reviewanrose.tokyo/

グリートがフェルメール家を追い出された後、モデルになった時に使った青いスカーフと真珠の耳飾りがヨハンから送られてきます。
これは表向きには餞別のような意味合いがあったのでしょうが、私にはどうしてもポジティブな意味には捉えられませんでした。

キャサリンはこのスカーフと耳飾りを見たくもないでしょうし、家のどこかに置いといてキャサリンに見つかったら喧嘩の種にもなりなねないので、グリートに押し付けたのが正直なところだったのではないでしょうか。

グリートも受け取った時にクシャッと握りつぶすような仕草をしていたので、押し付けられたと感じていたように見えました。

追い出されることになった時、グリートは心のどこかでヨハンが引き止めてくれるのではと最後まで期待していましたが、ヨハンは去っていくグリートと目を合わそうともしませんでした。
この時のヨハンの対応でグリートは大人の残酷さを知ります。

ヨハンも実際にはグリートに惹かれていましたが、家庭を壊してまでどうこうなる気は無かったということです。
ここからは邪推ですが、ヨハンはキャサリンが怒った時「グリートに手を出さなくて良かった」とすら思っていたかもしれません。
グリートが耳飾りをどうするのかはわかりませんが、年月が経てば耳飾りは「初恋の甘酸っぱい思い出」になるでしょうが、思い出したくない思い出として売ったり捨てたりしてしまうのかもしれません。

以上です。読んで頂きありがとうございました。
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