映画『ガリレオ 沈黙のパレード』ネタバレ解説考察|真犯人は誰?容疑者Xとの関連、事件の真相まとめなど | 映画の解説考察ブログ

映画『ガリレオ 沈黙のパレード』ネタバレ解説考察|真犯人は誰?容疑者Xとの関連、事件の真相まとめなど

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ミステリー

映画『ガリレオ 沈黙のパレード』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!

鑑賞済みの方向けの解説考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

ガリレオ 沈黙のパレード

制作年:2022年
本編時間:130分
制作国:日本
監督:西谷弘
脚本:福田靖
原作小説:『沈黙のパレ-ド』東野圭吾 著
主題歌:『ヒトツボシ』KOH+

 

主要キャスト

湯川 学(ゆかわ まなぶ)…福山雅治
帝都大学教授の天才物理学者。
研究のため菊野市にある施設に滞在中。
内海刑事からの依頼を受けて菊野市で起きた一連の事件の真相を推理する。

内海 薫(うつみ かおる)…柴咲コウ
捜査一課の刑事。殺人事件の捜査に行き詰り、湯川に協力を仰ぐ。

草薙 俊平(くさなぎ しゅんぺい)…北村一輝
内海の先輩刑事。内海と共に事件を担当する。
菊野の殺人事件の容疑者 蓮沼と過去に関わりがある。

蓮沼 寛一(はすぬま かんいち)…村上淳
菊野で起きた女子高生殺人事件の容疑者。
19年前に発覚した殺人事件の容疑者でもあったが、当時は完全黙秘を貫いて無罪となった過去がある。
父親が警察官。

増村栄治(蓮沼の友人)…酒向芳
並木佐織(殺された女子高生)…川床明日香
並木祐太郎(佐織の父)…飯尾和樹
並木真智子(佐織の母)…戸田菜穂
並木夏美(佐織の妹)…出口夏希
戸島秀作(祐太郎の親友・戸島フーズ社長)…田口浩正
高垣智也(佐織の恋人)…岡山天音
新倉直樹(佐織のボイストレーナー)…椎名桔平
新倉留美(直樹の妻)…檀れい
宮沢麻耶(宮沢書店店主)…吉田羊 ほか

 

あらすじ紹介

あらすじ①:女子高生の死体遺棄事件

埼玉県にあるゴミ屋敷と化した一戸建てが火事になり、焼け跡から2人の死体が発見されました。
1人はこの家に長年住んでいた独居老人の女性で、遺体の状態から火事が起こるよりもかなり前からすでに死亡していたことが分かりました。

もう1人の遺体は、3年前から行方不明になっていた菊野市に住む女子高生 並木佐織です。
彼女の死因もまた火事ではなく、鈍器で頭を殴られたことによる頭蓋骨陥没が原因でした。

この独居老人と並木佐織は親戚縁者でもなんでもない赤の他人なので、警察は何者かが並木佐織を殺害し、この老婆の家に隠していたとみて捜査を進めるうち、家に住んでいた老婆は蓮沼寛一(村上淳)という男の母親であることがわかると、警察は蓮沼が事件に関与しているに違いないと判断して逮捕しました。

この蓮沼寛一という男はかなり厄介な人物です。
蓮沼は約19年前に発覚した12歳の女の子 本橋優奈ちゃんの死体遺棄事件で容疑者として逮捕されたものの、完全黙秘を貫いて無罪で釈放された過去を持つ男でした。
当時、蓮沼が犯人である状況証拠は多々ありましたが、決定的な証拠は無く蓮沼からの証言も得られず、証拠不十分で釈放されてしまったのです。
しかも蓮沼は拘置所に入れられていた期間に相当する刑事補償金も申請して手に入れいました。

刑事補償金…警察に逮捕・起訴されたものの無罪で釈放された場合、逮捕された人物は警察に補償金を請求することができます。

蓮沼は並木佐織の件でも同じく黙秘を続けていて、このままでは本橋優奈ちゃんの時と同じようになってしまう可能性が高く、困ってしまった担当刑事の内海(柴咲コウ)は湯川(福山)に助けを求めました。

しかし、黙秘を続ける男を喋らせる方法について、物理学者の湯川がアドバイスできることはありませんでした。

 

あらすじ②:蓮沼寛一の死

その後、蓮沼は予想通り証拠不十分で釈放されてしまい、蓮沼の有罪を信じて疑わなかった並木佐織の関係者たちは絶望します。
決定的証拠をあげられず、蓮沼を2度も釈放させてしまった担当刑事の草薙(北村一輝)もまた、被害者遺族に負けない位の精神的苦痛を味わいました。

事件はこのまま未解決になるかと思いきや、再び事件が起こります。
蓮沼が釈放された数か月後。
菊野市内の商店街で毎年開かれている『キクノ・ストーリー・パレード』の当日、蓮沼寛一が自宅の倉庫で死亡しているのが発見されました。

湯川、草薙、内海は、並木佐織の関係者が蓮沼を殺してしまったに違いないと直感します。
しかし、最も有力な容疑者候補である並木佐織の両親の祐太郎(飯尾和樹)と真智子(戸田菜穂)には完全なアリバイがありました。
その他、佐織の恋人だった高垣智也(岡山天音)や祐太郎の親友の戸島秀作(田口浩正)なども、アリバイや目撃証言などから蓮沼を殺すのは不可能だろうと推測され、捜査は行き詰ります。

蓮沼の死因は窒息死ですが、絞殺された痕跡や犯人と乱闘になった痕跡もなく、どのように窒息したのかは全くの謎でした。
湯川は草薙と内海からの要望で、蓮沼が殺されたトリックを考えることにします。




解説・考察・感想など

前作『容疑者Xの献身』では真犯人の花岡靖子が自首したことで石神の献身が無駄になってしまう何とも切ない幕引きでしたが、今作は湯川が『沈黙』を暴いたことで善良な容疑者たちが少なからず救われていて、『容疑者Xの献身』と繋がりを感じる内容になっていました。

今作は容疑者が多く、人間関係も絡み合っていて複雑だったので整理をしたり、前作との繋がりを考察しています。

並木佐織さん殺害事件の真相は?真犯人は誰?

並木佐織さんを殺したのは蓮沼寛一(村上淳)です。
蓮沼は公園で新倉留美(檀れい)が佐織を突き飛ばし、直後に逃げだすまでの一部始終を偶然目撃していて、留美が去った後で倒れていた佐織を拉致して軽トラに乗せました。

この時佐織は気を失っていただけで、本当はまだ生きていました。
静岡のゴミ屋敷に向かっている途中で佐織は意識を取り戻しますが、蓮沼にバレて殺されてしまいました。

新倉留美は公園で佐織が倒れて動かなくなったのを見て、殺してしまったと勘違いしていたのです。
蓮沼が佐織を拉致したのは後で瑠美を脅すためで、蓮沼も『佐織を殺したのは留美だ』と留美自身に勘違いしてもらわないといけないため真相を明かしませんでした。

蓮沼が佐織を殺したことを証明していたのが、当日に佐織が身に着けていた蝶々のバレッタです。
このバレッタは佐織が倒れた時に髪から外れ、蓮沼が佐織を拉致した時に地面に落ちて公園に残っていて、現場に戻ってきた留美が拾って保管していました。

佐織の死因は頭蓋骨陥没です。
もしも留美が突き飛ばした時に佐織が後頭部を強打して死んでいたとしたら、バレッタには血が付いているはずですが、鑑識の検査でバレッタには血が付いていないことがわかりました。

蓮沼は佐織を殺して母親の死体のあるゴミ屋敷に隠してから数年放置し、それから屋敷に放火して佐織の死体を警察に発見させました。

 

蓮沼はなぜ実家を焼いた?

蓮沼がゴミ屋敷に放火したのは、佐織が死んでいることを世間に知らせるためです。
3年放置したのは、恐らく町中に設置された防犯カメラの映り込み映像が消去されるのを待つためだったり、聞き込み調査で警察が得られる情報などを最小限にするため(証拠を少しでも減らすため)だったと思われます。

恐らく蓮沼は新倉瑠美を脅すだけでなく、1軒目の本橋優奈ちゃん事件の時と同じように警察に逮捕・起訴→無罪判決を経て刑事補償金もせしめようといましたが、不起訴で釈放になったので補償金を申請する権利が得られませんでした。

 

新倉留美(檀れい)は何をした?

留美は、佐織が歌手を目指すのをやめると言い出したり、「留美と直樹に夢を押し付けられているようで重い」と言われて逆上し、佐織を突き飛ばしてしまいました。

留美はこの時に佐織を殺してしまったと勘違いし、後に蓮沼に脅されることになります。

 

タイトル『沈黙のパレード』の意味

蓮沼の殺害には並木佐織の家族を始めとする多くの人が関わっていました。

彼らは沈黙(黙秘)を利用して殺人の刑事責任を逃れてきた蓮沼のスタイルを逆手に取るようにして、全員が何も語らないことで完全犯罪を成し遂げようとしていました。

タイトル『沈黙のパレード』には、容疑者達が沈黙することで真の目的や動機を隠そうとする姿勢と、蓮沼殺害の舞台となったキクノ・ストーリー・パレードがかけ合わさったタイトルだったように感じました。

 

『容疑者Xはひとりじゃない』とは?

原作小説の『容疑者Xはひとりじゃない』という宣伝文が印象的でした。

容疑者Xとは『容疑者Xの献身』に登場する湯川の友人の石神哲哉(堤真一)です。
石神は事件の真犯人だった花岡靖子と娘の美里を守るために自ら罪を被ろうとした人物です。

『沈黙のパレード』にも新倉直樹、増村栄治など、愛する人のために自ら罪人になった人々が登場します。

彼らも石神と同じく、愛のために罪を犯した『容疑者X』なのです。

以上です。読んで頂きありがとうございました。
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参考サイト様一覧:

映画『沈黙のパレード』公式サイト

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