映画『ドクター・ストレンジ』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!
MCU14作品目、『フェーズ3』の2作品目です。
魔術がマンダラみたいで綺麗だったり、機械仕掛けのシーンはすごく凝っていて、他のMCU作品と比べても一風変わった作風(ストレンジ)だなと思いました。
制作年:2016年
本編時間:115分
制作国:アメリカ
監督:スコット・デリクソン
脚本:スコット・デリクソン、ジョン・スペイツ、C・ロバート・カージル
原作コミック:『ドクター・ストレンジ』スタン・リー、スティーヴ・ディッコ著
主要キャスト紹介
(引用:https://www.looper.com)
ドクター・スティーブン・ストレンジ…ベネディクト・カンバーバッチ
豊富な知識と天才的な医療技術を持つ神経外科医師。
一度見た物を写真のように記憶できる映像記憶の能力を持つ。
事故で両手の感覚を失い、治療方法を求めて魔術の世界に足を踏み入れる。
魔術界の師匠と呼ばれるエンシェント・ワンに弟子入りする。
(引用:https://ew.com)
カエシリウス…マッツ・ミケルセン
エンシェント・ワンの弟子だった男。
詳しい過去は明かされないが「愛するものを失い魔術に生きる意味を求めた」とモルドが語る。
永遠の命を求めて暗黒の存在ドゥルマムゥの崇拝者になり、ワンの敵になった。
カマー・タージに保管されていた禁断の書物『カリオストロの書』から禁断の儀式のページを盗み出す。
(引用:https://www.hollywoodreporter.com)
モルド…キウェテル・イジョフォー
エンシェント・ワンの1番弟子でストレンジの兄弟子。
真面目で頑固な一面があり、規律を何よりも重んじる。
(引用:https://flipboard.com)
ドルマムゥ…CV.ベネディクト・カンバーバッチ
地球を欲しがっている暗黒次元の支配者で宇宙の破壊者。
時間を超越する能力を持ち、永遠の命を持つ。
カエシリウスが地球に招き入れようとしている。
ドクター・ニコデモス・ウェスト(ニック)…マイケル・スタールバーグ
ジョナサン・パングボーン(下半身不随だった男)…ベンジャミン・ブラット
ゼロットの一員…スコット・アドキンス、ザラ・フィシアン、アラー・サフィ、カトリーナ・ダーデン
ハミヤ(ワンの弟子)…トポ・ウェルネスニーロ
ソル・ラマ(ロンドン支部の守護者)…ウミット・ウルゲン
ティナ・ミノル(香港支部の守護者)…リンダ・デュアン
ダニエル・ドラム(NY支部の守護者)…マーク・アンソニー・ブライトン
バスの老人…スタン・リー
マイティ・ソー…クリス・ヘムズワース ほか
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※このページの情報は2022年4月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。
あらすじ前半
天才医師のドクター・スティーブン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は持ち前の外科技術で医療界からの称賛を浴び、華やかな独身生活を謳歌していました。
ある夜、ストレンジはパーティー会場に向かう途中に自動車事故を起こしてしまい、大切な商売道具でもある両手に重篤な怪我を負って両手の感覚をほとんど失ってしまいます。
ストレンジは諦めずに治療とリハビリを続けますが一向に回復せず、全財産を治療費で失ってしまいました。
西洋医学に限界を感じたストレンジは、下半身不随から奇跡の回復を遂げた男パンクボーンを訪ねて、彼が『カマー・タージ』という場所で回復したと知りました。
ストレンジは金をかき集めて片道切符を買い、ネパールでカマー・タージを探し求めて関係者のモルド(キウィテル・イジョホー)に出会い、不思議な力で時空を自在に操る魔術師の師匠エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)に弟子入りします。
それからストレンジは魔術に没頭し、持ち前の驚異的な吸収力で知識をどんどん蓄えます。
ある程度魔術の能力と知識が身に着くと、ストレンジは現在 魔術界で起きている危機について知らされました。
かつてワンの弟子だったカエシリウス(マッツ・ミケルセン)という男が暗黒次元の支配者ドルマムゥに魅了され、永遠の命と引き換えに地球を差し出そうとしているというのです。
カエシリウスと数人の弟子で『ゼロット』という組織を作り、NY、ロンドン、香港の3か所にある『サンクタム(聖域)』の結界を破壊してドルマムゥを招こうとしているようです。
その直後、ストレンジはゼロットからの襲撃に遭ってニューヨークのサンクタムに飛ばされます。
この時ストレンジはカエシリウスとの会話から、ワンもドルマムゥと繋がる儀式をして長寿を手にしていたことを知りました。
あらすじ後半※ネタバレ注意
ストレンジがワンを問い詰めると彼女は何も答えず、モルドはショックを受けました。
そうこうしている内にカエシリウスが再びNYサンクタムを攻撃し、ワンが刺されて瀕死状態に陥ってしまいます。
ストレンジはワンを病院に運び込んで蘇生を試みますが、ワンのアストラル体(魂)は体から出てしまいます。
ストレンジはワンのアストラル体を追いかけると、ワンは「私の死は変えられない。時間を撒き戻して何度も試したが、結局死んでしまう。
私が死んでから先の未来は見えないが、あなたが恐怖心を捨て、モルドと力を合わせればドルマムゥを倒せる」と告げて旅立ちました。
ストレンジは涙を拭いてモルドと共にドルマムゥに立ち向かう決意をしました。
その後、カエシリウスは香港サンクタムも襲撃し、ドルマムゥを地球に招いてしまいます。
ストレンジは『アガモットの目』の力を使ってドルマムゥと対面する数秒前から無限ループを起こし、ドルマムゥに取引を迫ります。
ドルマムゥは最初は聞く耳を持たずストレンジを殺しますが、ストレンジは無限ループの力で何度でもドルマムゥの前に現れます。
根負けしたドルマムゥに、ストレンジは「無限ループをやめてほしかったらゼロットを連れて地球から出て二度と来るな」と告げました。
ドルマムゥは取引に応じ、カエシリウス達を連れて暗黒次元に消えます。
ストレンジは再びアガモットの目を使ってめちゃくちゃになった香港の街を元に戻して一件落着しました。
カマー・タージに戻ろうとした時、モルドは「平気で自然の摂理を侵す君が許せない」と言い、別の道に進みました。
NYサンクタムの守護者はカエシリウスに殺されてしまったので、ストレンジが新しく守護者になりました。
アガモットの目を使えばストレンジの手は治りますが、そうはしませんでした。
ストレンジが守護者に慣れてきた頃、NYサンクタムにマイティ・ソー(クリス・ヘムズワース)が現れました。
ソーは神様ですが、人間界に迷い込んでいる父オーディンを探して弟のロキと共にニューヨークにたどり着いたとストレンジに告げました。
ロキが地球を脅かす存在になり得ると思ったストレンジは、早く神の国に帰ってもらおうと思いオーディン探しに協力することにします。
解説・考察、感想など
前情報皆無の状態で見て、冒頭から突然のマッツと斬首でびっくりした思い出があります。
魔術に関する情報をまとめたり、登場人物について考察しました!
カマー・タージとは
ストレンジがたどり着き、魔術師として修業を積んだカマー・タージはいわば魔術師の養成施設でした。
魔術師として最高峰の技術を持つエンシェント・ワンが自ら先生となり弟子を育て、将来的には3か所あるサンクタムの守護者を任せたり、カマー・タージの新しい指導者を育てるための施設です。
魔術用語の整理
アベンジャーズが『現実世界に存在する悪』と戦うのに対し、ストレンジたち魔術師は『異次元世界に存在し、地球を狙う悪』から地球を守る役目を担っています。
本作に登場した魔術に関する用語と意味を整理します。
アストラル体
(引用:https://www.diarioconcepcion.cl)
アストラル(Astral)は『星、星形』、『幽界』などの意味があります。
アストラル体は感情を司る部分のことで、簡単に言うと『魂』です。
身体とアストラル体が離れることは幽体離脱とも呼ばれます。
ミラー次元
(引用:https://lessonsfromheroes.com)
現実世界とそっくりだけど違う場所です。
ミラー次元で起きたことは現実からは感知出来ず、影響も一切ありません。
エンシェント・ワンがストレンジに修業の場として提供したり、カエシリウスが現実世界で起こそうとした破壊行為をミラー次元で起こして無かったことにして活用していました。
ミラー次元と現実世界の行き来はスリング・リング(指輪)がないとできません。
カリオストロの書
(引用:https://cinefilosfrustrados.com)
カマー・タージに保管してある読むことも持ちだすことも禁じられている書物。
カエシリウスが奪い去った数ページには異次元と繋がる扉とタイムループを発生させる禁断の儀式について書かれています。
ストレンジが時間巻き戻しの術を使って本の欠損は元に戻りました。
『カリオストロ』は1700年代後半を生きたシチリア島出身の有名な詐欺師の名前です。
カリオストロは自叙伝で錬金術師に弟子入りして
サンクタム
魔術師の始祖でありエンシェント・ワンの師匠だったアガモットという男がNY、ロンドン、香港の3か所にサンクタム(聖域)と呼ばれる場所を作り、それぞれに強力な結界を張りました。
結界は『地球を狙う異次元の存在』から地球を守るために張られています。
サンクタムには必ず画像のようなシンボルが掲げられています。(場所によってちょっとずつ模様が違う)
レリック
レリックは魔術が封じ込めてある道具の総称です。
かなり沢山登場したので覚えている限りまとめます。
本作に登場した道具の名前はほとんど『○○(神様など発明者の名前)の○○(道具名)』になっています。
これらの道具や武器は、大昔に8人の神々が集まって魔力の競い合いをした時に誕生した道具たちなのだとか。
全部で8つあるということでもあります。
リビング・トライビュナルの棒
(引用:https://twitter.com)
ムチのようにもなる棒状の武器です。
戦闘の時には必ずと言って良いほど登場します。
原作コミックに登場する神『リビング・トライビュナル』が生んだ武器です。
ヴァルトーのブーツ
モルドやゼロットのメンバーたちが履いていた空中ジャンプできるブーツです。
後半ではストレンジも履いていました。
原作コミックの神『ヴァルトー』が生んだブーツです。
ワトゥームの杖
(引用:https://twitter.com)
ウォンが香港のサンクタムから持ちだしていた武器です。
原作コミックの神『ヴァルトー』の武器です。
スリング・リング
ミラー次元を出現させたり瞬間移動するわっかを出す時に必要な指輪です。
弟子たちは全員持っていたので、カマー・タージに入所したら1人にひとつ支給される物のようです。
アガモットの目
(引用:https://www.scifimoviezone.com)
本作で最も重要な役目を持つ道具『アガモットの目』は魔術師の始祖アガモットが発明した魔法道具です。
時間を操るパワーがあり、アガモットの目を使った魔術は魔法陣も緑色になります。
本作ではドルマムゥと取引するために無限ループを発生させたり、壊滅状態になった香港の修復のために使われました。
浮遊マント
(引用:https://www.animatedtimes.com)
ストレンジが今後常に行動を共にすることになる赤いマント『浮遊マント(The Cloak of Levitation)』は、元々はニューヨークのサンクタム内に展示(保管)されていたものです。
エンシェント・ワンが「気まぐれ」と言っていたように、マントには自我があり、ディズニーのキャラで例えるのは微妙かもですが『アラジン』に登場する空飛ぶ魔法の絨毯に似た存在です。
マントはなぜかストレンジを一目で気に入って、ケースから出た後は常にストレンジの背中をカバーしてくれる存在になりました。
勝手な想像ですが、マントはストレンジの持つ善良な心だったり寂しさを抱えているのを見抜いて寄り添ってあげたくなったのかもしれません。
戦闘ではストレンジの敵の頭を覆って視界を奪ったり、ストレンジに使うべきレリックを教えたりして活躍します。
泣いているストレンジの涙を拭いてあげようとする所から、感情を察知する能力のあるマントちゃんのようです。
ボムガリアスの火桶
NYのサンクタムでの戦いで、ストレンジが光るカップを持った時、カエシリウスが「それの使い方が分かるのか?」と聞いていました。
ストレンジには使い方がわからないので鈍器にしていましたが、この武器には魔力を増幅するパワーがあったようです。
マントはもしかしたら知っていたかも?
サイトラックのクリムゾン・バンド
ストレンジがマントに誘導されて使用した拘束具です。
原作コミック未読なので詳しいことはわかりませんが、『サイトラック』はコミック版ドクター・ストレンジとX-Menに登場する悪魔の名前のようです。
『クリムゾン』は血を連想するような深紅色を意味する言葉なので、古代に作られた(サイトラックが作った?)処刑や拷問用の拘束具ではないでしょうか。
ドクター・ストレンジの信念
ドクター・ストレンジは両手の怪我で医師をやめて魔術師になってからも医師であることにこだわり続けていました。
モルドは「あいつは悪人だったから気にするな」、「殺さなきゃお前が死んでいた」と言いますが、ストレンジにとって死んだ人間の善悪も、正当防衛かどうかも関係ありませんでした。
それは医師であることがストレンジのアイデンティティであり、人命救助に強い使命感を持っていることを示しています。
今回の戦いで初めてゼロットのメンバー1人を殺してしまい、ストレンジは酷い罪悪感に駆られます。
医師は人の命を救うはずなのに、命を奪ってしまったからです。
それからストレンジは『殺さず』の誓いを立ててこれからの戦いに挑みます。
また、ストレンジはエンシェント・ワンから「恐れを捨てるのが打開のカギ」と教わっていました。
ストレンジの今までの成功は、成功を掴もうとしてではなく失敗を避けてきた結果手に入った物だったのです。
ストレンジはエンシェント・ワンのおかげで人間として成長することができました。
ブリーカー通りってどこ?
ストレンジはカエシリウスが放った攻撃魔術に吹き飛ばされて、サンクタムに通じている扉の向こう側に行ってしまいます。
ストレンジが外に出ると、道路に『ブリーカー通り』と標識がありました。
ブリーカー通りはニューヨークのマンハッタンを通っている知名度の高い道路で、アメリカ人やニューヨークを良く知る人なら通りの名前だけで「ここはニューヨークか」と思えるシーンですが、日本人には馴染みがないのでわかりませんよね(笑)
次のページに続きます!
2ページ目は『ゼロットの目が黒い理由』、『エンシェント・ワンとドルマムゥの関係』、『モルドとストレンジが決別した理由』です。
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