『ドクター・ストレンジ』ネタバレ解説考察|新作に向けておさらい、主要人物についてなど | 映画の解説考察ブログ - Part 2

『ドクター・ストレンジ』ネタバレ解説考察|新作に向けておさらい、主要人物についてなど

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解説・考察2ページ目

カエシリウスの目の周りが黒くなったのはなぜ?

ドクター・ストレンジ

© 2017 MARVEL

冒頭で登場した時はイケメン全開だったカエシリウスですが、後半になるにつれて目の周りが黒くなっていきました。
ゼロットのメンバー全員目の周辺が黒くなっていました。
これはカエシリウスが盗んだ本のページに書かれていた『ドルマムゥと繋がり暗黒の力を得る儀式』を成功させたからです。

黒い部分が徐々に広がって行っていたのは、じわじわ暗黒次元に取り込まれていたからだと推測しています。
ゼロットたちの使う透明な武器、重力を無視しての移動、カエシリウスとエンシェント・ワンが周囲の全てを機械仕掛けのように動かせるなどの魔術は暗黒の力を使っていたと思われます。

そう考えるとエンシェント・ワンの目が普通だったのが謎ですが、授かる力の度合いによるのかもしれません。

 

カエシリウスが永遠の命を求めた理由

終わりと始まり 全てはひとつになる
全ては老い 全ては死ぬ
いつか太陽は消滅し 我々の世界も滅びる
だが暗黒次元は時間を超越している
我々の世界も その一部になることで理想郷となり得る
美しい楽園に 永遠に生き続ける

誰もが等しく永遠の命を得る
人は善悪で判断するが 問題は時間だ 時間がすべてを殺す

世界は間違っている 人が求めるのは永遠
だが時間が我々を縛る 時間は屈辱 死は屈辱

世界を支配する気は無い ドルマムゥに委ねるのだ
彼こそ進化の究極 存在の意義
彼は破壊者ではない 世界の救済者だ

カエシリウスはドルマムゥを崇める理由について上のように発言していました。

情報が少ないので確かなことはわかりませんが、「カエシリウスは大切な人を失って魔術師を志した」とモルドが言っていたので、もしかしたら時間を超越する力と永遠の命を手に入れて、その大切な人と再会して一緒に生き続けることが目的だったのかもしれません。

しかし、永遠の命を持っていると思われたエンシェント・ワンが自らの死を回避できなかったことから、死に至るダメージを肉体が受ければ死んでしまい(傷が回復したりするわけではない)、死を回避して別ルートの未来を生きることは不可能なようです。

なので、カエシリウスは時間を超越して大切な人の死を回避して一緒に永遠に生き続けるつもりだったのかもしれませんが、いくらループしてもその人が死ぬ運命は変えられないのかもしれません。




エンシェント・ワンはなぜ禁忌を犯した?

ドクター・ストレンジ
(引用:https://comicbookmovie.com

エンシェント・ワンの額にもゼロットと同じマークが浮かび上がり、エンシェント・ワンもドルマムゥの力を利用していたことがわかりました。

エンシェント・ワンがドルマムゥの力を得たのは、カエシリウスに対抗するためです。
ドルマムゥの力を手に入れたカエシリウスに対して、こちらは禁忌を犯さず対抗するというのは不可能だったのでしょう。

また、エンシェント・ワンは死ぬまでの時間を何度もループして生き残る道を模索していましたが、死なないルートは無かったとも明かしていました。
彼女は自ら無限ループに入り、カエシリウスを倒して自分は生き残る道を探したけれど見つからず、運命を受け入れることにしたのです。

 

ストレンジはどうやってドルマムゥを倒した?

ストレンジはアガモットの目を使って無限ループを引き起こし、ドルマムゥがストレンジの要求「ゼロットを連れて地球から出ていけ」を受け入れるまでループを繰り返して撃退しました。

ストレンジはエンシェント・ワンとの出会いと別れで成功を掴む強い意志を持ち、そのためなら失敗を恐れなくなったからこそ、自ら無限ループに入って成功するまで死に続ける(何度でも失敗する)ことができました。
他の作品とは勝ち方が少し変わっているのもドクター・ストレンジの魅力です。

地味に気になったのは、エンシェント・ワンは「ストレンジとモルドが力を合わせればドルマムゥを倒せる」と言っていたのに、結局ドルマムゥを撃退したのはストレンジ1人だった点です。
今回のドルマムゥ撃退の件ではなく、もっと未来の話をしていたのでしょうか。。

 

モルドがストレンジと決別した理由

ドクター・ストレンジ

© 2017 MARVEL

エンシェント・ワンはモルドについて「若い頃に苦労したせいで魂が硬い(柔軟性に欠ける)」と表現していました。

モルドがストレンジと決別したのは、たとえドルマムゥを撃退するためだとしても自然の摂理を侵すことが許せなかったからです。
自然の摂理を侵すというのは、時間を操る魔術のことです。

エンシェント・ワンとストレンジは『目には目を』的な理論で世界を守るためなら禁忌も犯しますが、モルドは魔術を教わる時に『自然の摂理を侵すな』と教わったから、何が何でもダメなものはダメ(頑固で保守的)ということなのでしょう。

また、モルドはエンシェント・ワンが長寿を得ていたことを知ってから彼女に怒りを抱き「彼女の偽善がドルマムゥを招いた」、「カエシリウスの反逆は彼女のせい」とまで言っていました。
なので、ストレンジがエンシェント・ワンを擁護するのも理解出来なかったのでしょう。

原作コミックでモルドはヴィランなので、次回作では完全に闇落ちして帰ってきてしまうと思われます。

 

ストレンジが手を治さなかった理由

ドクター・ストレンジ
(引用:https://twitter.com

ストレンジは手の治療のためにカマー・タージを訪れ、手の治し方はわかったはずなのに、治さない道を選びました。

治し方はいくつか方法がありそうですが、パッと思いつくのはストレンジが本の破れたページを直した時のように『アガモットの目』を使って、手を事故が起きる前の状態に戻すことです。
ストレンジが手を治さないのは『自然の摂理に反する力』を私欲のために使わないと決めたからなのでしょう。

魔術界に残ると決めたストレンジが手の治療をすると、モルドがエンシェント・ワンに不信感を抱いたことと同じことが起きてしまいます。
NYサンクタムの守護者になったストレンジは、これから育てることになる弟子たちに対して『自然の摂理を侵すな』と教えるからです。
自分は手の治療のために自然の摂理を侵しながら、弟子には『自然の摂理を侵すな』と教えるのはエンシェント・ワンが犯したミスを繰り返してしまうことになります。

ストレンジがカマー・タージを知るきっかけとなった元下半身不随者パングボーンは、魔術で脚を動かす方法を編み出すことに成功しました。
その後、彼は魔術に没頭することなく純粋に「歩けるようになる」という目標を達成したので魔術界を離れてアメリカで元の生活に戻りました。

なので、もしストレンジが手の治療を優先すれば魔術界に残らずパングボーンのように元の生活に戻るべきで、魔術界に残ることを優先すれば手の治療はすべきではないのです。
エンシェント・ワンが死の直前に言いたかったのも、恐らく「手の治療と魔術師で居続けることの両方を選ぶことはできない。選ぶのはあなただが、私はあなたには魔術師であって欲しい」ということだったのではないでしょうか。

 

マイティ・ソーとロキ

ドクター・ストレンジ
(引用:twitter.com

エンドロールの途中、次作に繋がる話としてマイティ・ソーが登場しました。
念のために説明するとソーは神様の1人で、普段はアスガルドという神の国に居ますが、人間として地球で暮らしたことのある神様です。

ソーは弟のロキを連れて地球にいるはずの父オーディンを探していると言いました。
補足しておくと『マイティ・ソー ダークワールド(2014)』でオーディンはロキがどこかに追いやってしまい、このシーンはオーディンが地球に居ることが判明するとともに『マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)』に繋がる予告編になっていました。

あと気になったのはストレンジがソーに提供したビールです。
ソーがビールを飲むと中身が自動的に継ぎ足されたのは、恐らくストレンジがアガモットの目を使いこなしているからです。
ビールグラスの時間を巻き戻して飲まれる前の状態に戻していたと思われます。

 

モルドがパングボーンから魔術を奪ったのはなぜ?

エンドロールの後、モルドがパングボーンの前に現れて魔術を奪い、元のような半身不随に戻してしまいました。
この時モルドは「自然の摂理に反する者は許さない」、「魔術師が多すぎる」と語っています。

パングボーンは体を治したい一心で魔術を会得して、健康な生活を送る以外に使っていたわけでもなく魔術界からも退いたので、修業する前の状態に戻してしまうのは可哀想でした。

モルドにとってはパングボーンは下半身不随者であるのが『あるべき姿』であって、魔術を利用して体を動かすこと自体が自然の摂理に反していると考えたのでしょう。

モルドはエンシェント・ワンに裏切られたショックから『自然の摂理』『あるべき姿』に囚われてしまったのかもしれません。




ドクター・ストレンジが登場する他の作品と概要

新作のヒントになるかもしれないので、本作以降のMCU作品でドクター・ストレンジが登場していた作品と活動をまとめます。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)

本作『ドクター・ストレンジ』のエンドクレジットに登場したマイティ・ソーとの続きの話です。
ストレンジは地球に現れたソーとロキの気配を素早く察知して、危険因子となるロキを異空間に隔離してソーをNYサンクタムにおびき寄せ、兄弟が地球に来た理由を知りました。
ストレンジは地球に追放されていたオーディンを見つけて北欧神話発祥の地ノルウェーに保護しました。

 

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018)

スーパーヴィランのサノスが『6つ全て集めると宇宙を掌握できる』とされるインフィニティ・ストーンを集めるのをアベンジャーズが阻止しようとする回です。
ストレンジが管理する『アガモットの目』もインフィニティ・ストーンの1つ『時の石』だと判明し、ストレンジもアベンジャーズと共にサノスに立ち向かいます。

ストレンジはサノスと戦う前にアガモットの目を使ってサノスとアベンジャーズの戦いを何万通りも見て検証し、数千万もの未来の中で「1度だけ勝っていた」と言うものの、サノスとの闘いでアイアンマン(トニー・スターク)が人質に取られてしまうと、ストレンジはサノスに石を渡してしまいました。
時の石がサノスが集めた5つ目の石でした。

サノスは最後の1つを求めて、ワンダの恋人であり石の所有者でもあるヴィジョンを襲います。
ヴィジョンは石が心臓の代わりでもあったため、石を取り除くと死んでしまいます。
ワンダはビジョンに頼まれて、世界を救うために泣く泣く石を破壊しますが、サノスは時の石の力を使ってヴィジョンの石が壊れる前まで時間を巻き戻してから石をビジョンから抜き取り、石を全て集めることに成功しました。

ワンダは世界を救うために愛する人を殺したのに、それすら意味が無くなって絶望します。

サノスは石を全て集めると地球の人口を半分に減らし、ストレンジは『減らす方』に振り分けられて消し炭になってしまいました。
「減らす人物はランダムに選ぶ」とサノスは語っていましたが、真偽は不明です。

 

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)

生き残ったアベンジャーズ達は量子力学を応用してタイムマシンを開発し、過去に戻ってサノスよりも先に6つの石を集めてから未来に戻って殺された人たちを生き返らせる計画を立てます。

計画は成功して殺された半分の人類は生き返りますが、タイムマシンを知った過去のサノスが未来に来てしまい、石をめぐって戦争が起こります。

生き返ったストレンジは、今この戦いこそがストレンジが見ていた『サノスに勝てる戦い』だとトニー・スタークに告げます。
そして、スタークが自らの命と引き換えに石の力を使ってサノスと悪の軍勢を滅ぼしました。

 

『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』(2021)

スパイダーマンの正体がピーター・パーカーだと世界中に知られてしまい、ピーターはストレンジに助けを求めます。
ストレンジは考えた末に『人々からスパイダーマンの正体に関する記憶を消去する方法』を思いつきますが、呪文を唱えている最中にピーターがストレンジの邪魔をしてしまったために魔術に失敗してマルチバース(多次元宇宙、パラレルワールド)と繋がってしまいました。

この会で初めてマルチバースが登場してMCUの世界がさらに複雑化していきます。

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