ポール・ハギス監督の映画『クラッシュ』の錠前屋ダニエルと店主ファハドのあらすじと感想を紹介しています!
制作年:2004年
制作年:2004年
本編時間:112分(ディレクターズカット版は114分)
制作国:アメリカ
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス、ロバート・モレスコ
制作:ポール・ハギス、ドン・チードル、ボビー・モレスコ、キャシー・シュルマン、ボブ・ヤーリ






キャスト&キャラクター紹介

(引用:http://www.tasteofcinema.com)
ダニエル…マイケル・ペーニャ
鍵前屋の社員、ヒスパニック系。
妻と5歳の娘と暮らしている。
温厚で真面目な性格だが見た目が強面なため、客から偏見の目で見られることも多い。

©2004 Apollo Pro Screen GmbH&Co.Filmproduction KG.All Rights Reserved.
リック…ブレンダン・フレイザー
ロサンゼルス地方検事、白人。
職業柄国民の目を常に意識し、好感度を上げるために有色人種を利用する。

(引用:https://www.independent.co.uk)
ジーン…サンドラ・ブロック
リックの妻、白人。
黒人2人組のアンソニーとピーターによる強盗被害銃にあってから、黒人に対して恐怖心や偏見を持つようになる。
ララ(ダニエルの娘)…アシュリン・サンチェス
ファハド…ショーン・トーブ
グラハムの母…ブレバリー・トッド
ポップ・ライアン(ライアンの父親)…ブルース・カービー
フラナガン刑事(白人)…ウィリアム・フィクナー
ディクソン警察署長(黒人)…キース・デイビッド
シャニクア(アフリカ系)…ロレッタ・デヴァイン
マリア(ジーン、リック夫妻宅の黒人メイド)…ヨミ・ペリー
ドリ(ファハドの娘、ペルシャ系)…バハー・スーメク
シェリーン(ファハドの妻、ペルシャ系)…マリーナ・サーティス
銃取扱店のオーナー(白人)…ジャック・マクビー
ルシアン(車屋、白人)…ダト・バフタゼーズ
フレッド(キャメロンの同僚)…トニー・ダンザ
チョイ(轢かれた中国人)…グレッグ・パイク
キム・リー(事故の中国人、チョイの妻)…アレクシス・リー
カレン(リックの秘書)…ノーナ・ゲイ
エリザベス(ダニエルの妻)…カリーナ・アロヤブ
ゴメス警察官(メキシコ系)…エディー・フェルナンデス
女性警官…アマンダ・モレスコ
ケン・ホー(保険屋の男、日系)…アート・チュダバラ
ヒル警察官…ビリー・ギャロ
ジョンソン刑事…キャスリーン・ヨーク
ストーン警察官…ポール・E・ショート
ブルース…ケン・ガリートー
コンクリン(麻薬捜査官、白人)…マーティン・ノースマン
シャニクアの会社の受付(白人)…ケイト・スーパー
銃屋の警備員(白人)…ジェイデン・ランド
救急救命士…アーラン・スティール
移民の1人…オクタビオ・ゴメス ほか
ヒスパニック系の修理屋ダニエルの話
©2004 Apollo Pro Screen GmbH&Co.Filmproduction KG.All Rights Reserved.
ヒスパニック系のダニエルは最近ロサンゼルスに越してきた鍵の修理屋です。
ダニエルはスキンヘッドにタトゥーもあって見た目は強面ですが、真面目で誠実で、5歳になる一人娘のララを大切にする良い父親でした。
その日の夜、ダニエルは会社からの指示で検事リック(ブレンダン・フレイザー)の自宅のカギの交換に行きました。
いつものように仕事していると、リックの妻ジーン(サンドラ・ブロック)がダニエルにも聞こえるような大声で「明日の朝またカギを変えて!あの男(ダニエルのこと)、仕事が終わったら我が家の合鍵をコソ泥に売るに決まってる!」と怒鳴りました。
ダニエルは気分を害しながらも素早く仕事を終え、黙ってジーンに合カギを渡して帰宅しました。
ダニエルが帰宅すると、ララは外から銃声が聞こえて怖くなりベッドに下に潜り込んでいました。
ダニエルは、子どもの頃に妖精からもらったという『銃弾も通さない透明マント』の作り話をララに聞かせます。
そして「このマントはもう俺には必要ないから、ララにあげる
ララが大人になって子どもが出来たら、次は君がその子にマントをあげるんだよ」と言い、透明マントを脱ぐ素振りをしてララに着せてあげました。
ララはダニエルの話を信じ、安心して眠りました。
その後、ダニエルはまた会社の指示で仕事に出かけます。
そこはペルシャ人のファハドと妻シェリーンの家族が経営する個人商店でした。
ファハドは「鍵が壊れてドアが閉まらないから鍵を直せ」と言いますが、
見てみるとドア自体が経年劣化で歪んでいてそもそもドアがちゃんと閉まりません。
ダニエルはファハドに「壊れているのは鍵ではなくドアだ」と言いますが、ファハドは「早く鍵を交換しろ」の一点張りです。
ファハドは罵声も浴びせてくるので、頭に来たダニエルは鍵を交換せず持ってきた誓約書をゴミ箱に投げ捨てて店を出ました。
その日の深夜。ファハドの店は強盗の被害に遭います。
店舗の保険に入っていたのでファハドは保険金をもらおうとしますが、保険屋の男は「あなたは修理工からドアを交換するように言われたのに無視してる。
そうなると、防犯対策しなかったあなたの落ち度になるので保険金は払えません」と告げて帰ってしまいました。
ショックを受けたファハドはダニエルを恨み、ダニエルが捨てていった書類からダニエルの住所を突き止めると、買ったばかりの銃を持ってダニエルを待ち伏せします。
夕方頃にダニエルが帰宅すると、ファハドは銃をだして「お前のせいで店が強盗にあい、保険金ももらえなかった!代わりにお前が弁償しろ!」と怒鳴り散らしました。
ダニエルが銃を向けられているのを見たララは「パパは透明マントを着てない!」と叫び、全速力でダニエルに抱き着きました。
その瞬間、驚いたファハドはララに向けて引き金を引いてしまいます。
ダニエルは驚いて叫び声をあげますが、よく見るとララはなぜか無傷でした。
ダニエルはララを抱いて急いで家に逃げ込みます。
ララは「このマント本物なんだね!」と笑顔です。
ファハドは少女が無傷で安心しながらも、何が起きたのかわからず呆然とするばかりでした。
その後、自宅に帰ったファハドは娘のドリに今日の出来事を打ち明けると、ドリは「きっと神様のご加護よ」とほほ笑みました。
実は、ファハドが銃を持つことに反対だったドリは、ファハドに内緒で空砲を買わせていました。
英語を読むのが苦手だったファハドは、空砲をドリが選んだことに気付かなかったのです。
ファハドは自分の行いを深く後悔しつつ『神の奇跡』に感謝しました。
感想☆
頑固じいさんだった個人商店の店主ファハドは、ガンショップで『オサマ』とからかわれていたことからイスラム系と間違えられて日常的に差別を受ける環境にいました。
イランとアラブはかなり近いですし顔の雰囲気も似ているので他国民から間違われるのも仕方ないのかもしれません。
ファハドは被差別者であることから見知らぬ人間を常に警戒していて、
ダニエルの「ドアを直せ」という助言も素直に受け取れず、暴言もひどいので結局は見放されてしまいました。
ファハドの秘めた怒り、口の悪さ、猜疑心、頑固さは長年差別を受けたことによって生まれたのかもしれません。
ファハドは差別によって性格がゆがんでしまった可哀想な人ではありますが、
保険金がもらえなかったからといって強盗した犯人ではなくダニエルに怒りが向いてしまう所も負け犬根性全開(犯人に復讐は怖くて無理だから、ダニエルに復讐しようとする思考回路)で悲しくなります。
しかも実弾が入っている(と思い込んでいた)銃で娘に向けて発砲するの本当に無理でした。
たまたま空砲だったからけが人が出ませんでしたが、普通に殺人未遂で逮捕案件です。
ダニエルが通報しなかったのは、ファハドの態度に怒って途中で仕事を投げ出してしまった罪悪感なのか、
通報して逮捕されたら余計に恨みを買って釈放された後に仕返しにきそうで怖かったからなのか、どちらなのでしょう。
ひとつ言えるのはダニエルもファハドも被差別者であり、社会に対して似たような生きづらさを感じていることだけはビシバシ伝わりました。
2人が生きやすい社会になるためにはどうすればいいのか、考えさせられる話でた。
以上です。読んでいただきありがとうございました。
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