「クラッシュ」(2004)ネタバレ解説|キャラ別にストーリーをまとめました | 映画鑑賞中。

「クラッシュ」(2004)ネタバレ解説|キャラ別にストーリーをまとめました

ヒューマンドラマ(クライム系)

ロサンゼルスで起きた殺人事件を軸に、登場人物たちの日常と彼らの人種差別との関わり方が描かれる群像劇。
映画『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)の脚本を手掛けたポール・ハギス監督作品。

原題:Crash
制作年:2004年
本編時間:112分(ディレクターズカット版は114分)
制作国:アメリカ
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス、ロバート・モレスコ
制作:ポール・ハギス、ドン・チードル、ボビー・モレスコ、キャシー・シュルマン、ボブ・ヤーリ

キャスト&キャラクター紹介

グラハムドン・チードル


(引用:http://kilostogo.blogspot.com

ロサンゼルス署の刑事、黒人。
離れて暮らす認知症の母親を心配しながら日々を送っている。
数年前に家出して行方不明になった弟がいる。
恋人のリアとは仕事上の相棒でもある。

 

ライアンマット・ディロン


(引用:https://www.hotflick.net

ロサンゼルス署勤続17年のベテラン警察官、白人。
人種差別主義者。
同居している父親の介護で悩んでいる。
シャニクアが経営する医療相談窓口の利用者。

 

トム・ハンソンライアン・フィリップ


(引用:http://www.teenidols4you.com/

ライアンの相棒の若手警察官、白人。
人種差別行為、発言を繰り返すライアンが嫌いになり署長に相棒のチェンジを申し出た。

 

リックブレンダン・フレイザー


(引用:https://www.hotflick.net

ロサンゼルス地方検事、白人。
職業柄国民からどう見られるかを常に意識していて、好感度を上げるために有色人種を利用する。
妻は白人のジーン。

 

ジーンサンドラ・ブロック


(引用:https://www.hotflick.net

リックの妻、白人。
黒人2人組のアンソニーとピーターに銃を突きつけられて車を奪われてから、黒人に対して恐怖心や偏見を持つようになる。

 

キャメロンテレンス・ハワード


(引用:https://www.hotflick.net

有名な黒人TVプロデューサー。
白人スタッフに上手く意見を合わせてきたからこそ今の『成功』があることは彼自身が一番よく理解している。
周囲から「あいつは黒人だ」と再認識されるような事態を何よりも避けたいと日々思っている。
リックと全く同じ車種・色の車を持っている。
妻はクリスティン。

 

クリスティンタンディ・ニュートン


(引用:http://blog.livedoor.jp

キャメロンの妻、黒人。
夫の授賞式の帰りに警官のライアンにつかまった際、反抗的な態度を取ったためライアンから酷いセクハラと脅しの被害を受ける。

 

アンソニークリス・リュダクリオ・ブリッジス(リュダクリオ)


(引用:https://www.filminquiry.com

黒人の半グレチンピラ青年。
チンピラ仲間のピーターと共謀してリック、ジーン夫婦から最新型の高級車を奪った。

 

ピーターラレンズ・テイト


(引用:https://www.hotflick.net

黒人の半グレチンピラ青年。
現在は悪い仲間たちとつるんでいるが、心のどこかでは犯罪から足を洗って真っ当に生きたいと考えている。
小さな聖クリストファー像のお守りをいつも持ち歩いている。

 

ダニエルマイケル・ペーニャ


(引用:http://www.tasteofcinema.com

鍵前屋の社員、ヒスパニック系。
妻と5歳の娘と暮らしている。
温厚で真面目な性格だが見た目が強面なため、客から偏見の目で見られることも多い。

・その他のキャスト

リア(グラハムの恋人、メキシコ系)…ジェニファー・エスポジート
ララ(ダニエルの娘)…アシュリン・サンチェス
ファハド…ショーン・トーブ
グラハムの母…ブレバリー・トッド
ポップ・ライアン(ライアンの父親)…ブルース・カービー
フラナガン刑事(白人)…ウィリアム・フィクナー
ディクソン警察署長(黒人)…キース・デイビッド
シャニクア(アフリカ系)…ロレッタ・デヴァイン
マリア(ジーン、リック夫妻宅の黒人メイド)…ヨミ・ペリー
ドリ(ファハドの娘、ペルシャ系)…バハー・スーメク
シェリーン(ファハドの妻、ペルシャ系)…マリーナ・サーティス
銃取扱店のオーナー(白人)…ジャック・マクビー
ルシアン(車屋、白人)…ダト・バフタゼーズ
フレッド(キャメロンの同僚)…トニー・ダンザ
チョイ(轢かれた中国人)…グレッグ・パイク
キム・リー(事故の中国人、チョイの妻)…アレクシス・リー
カレン(リックの秘書)…ノーナ・ゲイ
エリザベス(ダニエルの妻)…カリーナ・アロヤブ
ゴメス警察官(メキシコ系)…エディー・フェルナンデス
女性警官…アマンダ・モレスコ
ケン・ホー(保険屋の男、日系)…アート・チュダバラ
ヒル警察官…ビリー・ギャロ
ジョンソン刑事…キャスリーン・ヨーク
ストーン警察官…ポール・E・ショート
ブルース…ケン・ガリートー
コンクリン(麻薬捜査官、白人)…マーティン・ノースマン
シャニクアの会社の受付(白人)…ケイト・スーパー
銃屋の警備員(白人)…ジェイデン・ランド
救急救命士…アーラン・スティール
移民の1人…オクタビオ・ゴメス ほか

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あらすじ&解説・感想など ※ネタバレあり

面白かったんですが、人種差別の絡みもあり少々複雑で、状況がイマイチよくわからなかった・・・という方もいたのではないでしょうか。
かく言う私もその1人です。
というわけで登場人物それぞれの話をまとめてみたので、参考にしていただければ幸いです!

グラハム(ドン・チードル)のストーリー


(引用:https://www.moviestillsdb.com

本作に主人公はいませんが、一番主人公に近いと思われるグラハム刑事のストーリーから始めます。

ロサンゼルスの刑事グラハムは、仕事上の相棒で恋人でもあるメキシコ系刑事のリア(ジェニファー・エスポジート)と共にとある殺人事件の現場に来ていた。
現場の人物に話を聞くと、白人の麻薬捜査官コンクリン(マーティン・ノースマン)が黒人の刑事を撃ち殺した、つまり、警官が警官を殺したということだ。
コンクリンは「しつこく追い回して来たから撃ったら死んでしまった。刑事だとは知らなかった」と供述しているそうだ。
グラハムとリアが被害者の乗っていた車を調べると、車の持ち主は被害者本人ではないことはわかったが、その他に手がかりになりそうな物は見つからなかった。

その日の夜。自宅でリアとデートを楽しんでいたグラハムに母親(ブレバリー・トッド)から電話がかかってきた。
どうでもいい要件だったので、イライラしたグラハムは「今、白人とセックスしてるからもう切るよ」と言って電話を切った。
「私は白人じゃない」と怒るリアに、グラハムは「だって、メキシコ人よりも白人と言った方がインパクトあるだろ」と答えた。
全く悪気無さそうなグラハムに腹が立ったリアは「あなたって本当に誰にも心を開かないのね」と言うと家から出て行ってしまった。

翌日。グラハムが母親の家に行くと、母親は「弟は見つかった?
あの子に『怒ってないから帰ってきて』と伝えてね、お願いよ」と何度も言った。
グラハムには数年前に家出した弟がいて、そのまま帰ってきていないのだ。
母親が弟のことをグラハムに何度も言う理由の1つは彼女が初期の認知症を患っているのもあるが、何よりも、母親はいつも弟のことしか頭にないからだった。
グラハムはいつも「わかった」と答えるものの、実際には弟のことは放置していた。

翌朝。グラハムはスーパーで買いだした食料を母親に差し入れた後、内務捜査官から「昨日の事件の押収車(黒人警官が乗っていた車)のトランクから大量の札束が出てきた」と報告を受けた。
これは明らかに黒人警官が『複雑な何か』に関わっていたことを示すものだった。
本格的な捜査を始めようとした矢先、グラハムは白人のフラナガン刑事(ウィリアム・フィクナー)から呼び出しを受けた。
指定された部屋へ行くと、フラナガンは「もう捜査をやめて、すぐにフラナガン刑事をしょっ引くことにしてくれ。
もうすぐ主任捜査官のポストが空く。そこに君を推薦してやるから」とグラハムの昇進をエサに取引を持ち掛けてきた。
グラハムはこの時 刑事としての勘ではあるが、黒人警官が何かの犯罪に手を染めていて、白人警官は何か事情があったか、黒人警官の悪事を止めようとした結果なのではないかと考えていた。
グラハムが取引を断ろうとすると、次にフラナガンは「お前の弟は最近高級車の窃盗をしたらしいな。
3回目の窃盗は逮捕されれば恐らく死刑になるぞ。
車の窃盗で死刑なんてあんまりじゃないか。
弟の件をもみ消してやるから、俺の言う通りにしてくれないか」とさらに条件を増やしてきた。
グラハムはしばらく考え込み、フラナガンとの取引に応じた。

数時間後。銃で胸を撃たれた黒人の若者の死体が野原で発見されたと通報があり、グラハムとリアは現場へ向かった。
現場へ到着した直後、2人の車は中国人女性が運転する車に追突された。(冒頭シーンの事故)
事故の処理をリアに任せて先に現場に入ったグラハムは、殺された若者を見て沈黙した。
そこに横たわっていたのは彼の弟ピーター(ラレンズ・テイト)だった。
グラハムはピーターがいつも持ち歩いていた聖クリストファーのお守りが道路脇に落ちているのを見付け、握りしめた。

グラハムはピーターが遺体で見つかったことを母親に連絡した。
遺体安置所に駆けつけた母親はピーターの遺体を見てその場で泣き崩れ、グラハムは母親の背中を抱きしめた。
母親を落ち着かせてイスに座らせると、母親はグラハムに怒りをぶつけた。
「お前がちゃんと探さないからこんなことになったんだ!
お前は何とも思っちゃいないだろうが、私は最愛の息子を失ったんだ!
今朝だって私に食べ物を届けてくれた、本当に優しい子なのに・・・。
おまえはどうせもう仕事に戻るんだろう、さっさと行けばいい!
私はピーターと2人きりになりたい」と怒鳴った。
グラハムは無言でその場から立ち去った。

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トム・ハンソン(ライアン・フィリップ)のストーリー


(引用:http://www.tasteofcinema.com

トム(ライアン・フィリップ)はロサンゼルス警察署に勤務する二十代の若手警察官で、相棒のライアン(マット・ディロン)と一緒に毎日街の見回りを行っている。

ある冬の日の夜。この日も見回りに出ていたトムとライアンに無線で 黒人の若者2人組みにより黒の高級RV車が盗まれたという情報が入った。
この情報が流れた直後、停車していた2人のパトカーの前を全く同じ車種、色の車が通り過ぎる。
その車を運転していたのは中年黒人男性のキャメロンで、助手席にはキャメロンと同年代の妻のクリスティンが乗っていた。
車のナンバーも該当の盗難車とは別物なのに、ライアンはRV車をしつこく追いかけて路肩に停車させた。
トムは何度か止めるがライアンは無視し、キャメロンに執拗な職務質問を行った後、ライアンに暴言を吐いたクリスティンを車に押し付けて体を触るセクハラ行為をしながらキャメロンに「逮捕してもいいんだぞ」と脅した。
キャメロンが怯えながら丁寧な言葉づかいで謝罪したのでライアンは2人を解放したが、この一件を黙って見ているしかなかったトムは、差別的な職務質問を行ったライアンに心から嫌悪感を感じた。

警察署に戻った後。トムは署長(キース・デイビッド、黒人)に「相棒を変えるか、1人で巡回させて欲しい」と申し出ると、署長は答えた。
「ダメだ。ライアンは確かに人種差別主義者だが、勤続17年のベテランだ。
事実を上に報告すれば、彼を長年部下として使い続けてきた私にも被害が及ぶ。
最悪、私もライアンも職を失うことになる。
彼と組みたくないだけなら理由は自分自身にしろ、例えば『私はお腹が弱くておならが所かまわず出てしまって相棒に迷惑をかけるから、1人で巡回させて欲しい』とかだ。
どちらを選ぶべきかよく考えろ。」

翌日。問題を大事にしない決断をしたトムは自分自身を理由にすることを選び、無線で同僚たちに散々からかわれた。
その後、トムは巡回中に路上で喧嘩している黒人3名を発見。
仲間たちと共に現場に駆けつけると黒人1人は逃走し、2人は車に乗って逃走した。
トムたちは逃走車を追いかけて行き止まりに追い込むと、逃走車から降りてきたのは昨夜ライアンが悪質な職務質問をしたキャメロンだった。
数人の警察官がキャメロンに銃を向ける中、キャメロンは昨日の紳士的な態度とは全く違って攻撃的に警察官に歯向かい、いつ撃たれてもおかしくないような振る舞いを見せた。
トムはとっさに「こいつは俺の友人だ!」と叫ぶと銃を向ける警官たちとキャメロンの間に割って入り、警官たちに銃を下げさせた。
トムはキャメロンに「そんな態度だと本当に逮捕されちまうぞ!
今回は注意だけで済ませてやるから、奥さんのために大人しく帰れ!」と怒鳴った。
トムの言葉で我に返ったキャメロンは、車に乗り込むと大人しくその場を立ち去った。
これは、昨夜のライアンを止められなかったことのせめてもの罪滅ぼしに取った行動だった。

その日の夜。勤務を終えたライアンは街を車で走っていて、ヒッチハイクしていた1人の黒人の若者を乗せた。
その若者と世間話をしていると、若者はトムの車のダッシュボードに飾ってあった小さな聖クリストファー像のマスコットを見て急に大笑いし始めた。
訳が分からなかったトムは笑う理由を訊ねたが、若者は「何でもないよ」などとはぐらかして中々答えない。
信仰をバカにされていると判断したトムは怒り、周囲に何もない道のど真ん中で若者を車から降ろそうとした。
すると若者が慌ててポケットから何かを出そうとしたので、銃だと思ったトムはすぐに銃を取りだし、若者の胸を撃った。
若者が死んだ後、若者がポケットから出そうとしたものを確認すると、それはトムがダッシュボードに飾っていたものと全く同じ聖クリストファーのマスコットだった。
トムは動揺したものの、すぐに周囲を見渡して周りに目撃者がいないのを確認すると、若者の死体を車から引きずり出してそのまま野原に放置した。
その後、トムは人けの少ない原っぱで車にガソリンをかけて焼き払い、足早にその場を立ち去った。

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キャメロン(テレンス・ハワード)のストーリー


(引用:https://www.sporcle.com

キャメロンは活躍中のテレビプロデューサーで、妻のクリスティンとそこそこ贅沢な暮らしが出来る位の、いわゆる『成功者』だ。
その日の夜。キャメロンはクリスティンと共にある授賞式(恐らくドラマの)で賞を受賞した。
気分が盛り上がっていた2人は、家まで待てずに帰りの車内でオーラルセックスしながら自宅へ向かっていた。
そこに突然、背後から1台のパトカーが現れてキャメロンは路肩に停車させられた。
警察官のライアンはキャメロンに陰湿な取り調べを行い、クリスティンには悪質なセクハラ行為をして「運転中の性的な行為は危険運転で逮捕することも出来るんだぞ」と脅した。
妻が警察官からセクハラを受けているのを目の当たりにしたキャメロンは、何とか穏便に済ませるために、丁寧にライアンに謝罪して無事に解放された。
自宅に帰った後、クリスティンは「酷いことをされていたのに、あの警官に謝ったあなたが許せない!」と怒って喧嘩になった。
キャメロンは「逮捕されたり撃たれるかもしれなかったし、あの時は謝るしか思いつかなかった」と答えると、クリスティンは「あなたは周りから、あなたが『黒人』だって再認識されるのが嫌なだけよ!」と怒鳴った。
この言葉にキャメロンも怒り、2人の仲は険悪になった。

翌日。
キャメロンはその日も仕事で連続ドラマの撮影を行っていた。
そのシーンは満足できるものだったので、キャメロンは役者やスタッフにOKを出して休憩に入ろうとした時、白人スタッフのフレッド(トニー・ダンザ)が、黒人の男の子のセリフの言い回しが『黒人っぽくない』から撮りなおして欲しいと言いだした。
キャメロンは冗談半分に済ませようとしたがフレッドの目は本気だったので、仕方なく撮り直しの指示を出し、黒人の男の子にセリフの言い方について指導を行った。

撮り直しを終えて休憩に入った時、撮影現場にクリスティンが現れた。
クリスティンは「昨日言い過ぎたのは謝るわ。
だけど、あなたはただ私が酷いことをされているのを見ていただけだった、それが許せないのよ|
あなたは彼らにプライドを破壊されてしまったのよ!」と泣きながら訴えた。
クリスティンの言葉は当たっていたが、キャメロンが黒人としてのプライドを捨てて白人に迎合することで現在の成功があるのも事実だった。
まだ彼女の率直な指摘を受け入れることが出来なかったキャメロンは、一言「もう帰れ」とだけ言うと彼女の前から立ち去った。

数時間後。仕事を終えたキャメロンは道路わきに車を停め、クリスティンに言われたことについて考えていた。
その時、2人の黒人の若者(アンソニーとピーター)がキャメロンに銃を向けて車を奪おうとした。
キャメロンは2人に飛びかかり、アンソニーを捕まえて思いきり殴りかかった。
たまたま通りかかったパトカーに現場を見られ、パトカーが近づいてくるとピーターは逃走、キャメロンとアンソニーはキャメロンの車に乗り込んでしばらく警察から逃げ回った。
やがて行き止まりに追い込まれてしまい、3人の警察官に銃を向けられて「車から出てこい!」と命じられた。
意を決して車から出たキャメロンは「手を上げろ!」と叫ぶ警官たちを無視し、黒人訛りの口調で彼らに思いつく限りの罵詈雑言を浴びせた。
極度の緊張状態の中、現場に居た若い白人警官のトムがキャメロンをかばい、厳重注意のみで解放してくれた。
トムは昨夜、キャメロン夫妻に悪質な職質を行ったライアンと一緒に居た警察官だった。
解放されたキャメロンは車に乗ったままだったアンソニーと一緒にその場を離れた。

キャメロンは「お前たちのしている行為は俺だけじゃなく、お前自身も貶めてるんだぞ」と言い聞かせると、アンソニーを車から降ろした。

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ジーンのストーリー


(引用:https://www.hotflick.net

ジーンは検事のリック(ブレンダン・フレイザー)の妻で白人女性。
その日、ジーンとリックは外でディナーを楽しんだ帰りに、黒人の若者2人組(ピーターとアンソニー)に銃を突き付けられて車を盗まれた。
リックの車は黒の高級SUV、フォード社製のリンカーンナビゲーターだった。

警察に被害届を出して帰宅したジーンは、すぐに業者に連絡して自宅のカギを全て交換した。
車を盗まれた際、リックは黒人に自宅のカギなども一緒になっていたキーケースごと渡してしまったからだ。
ところが、ジーンは鍵交換に来た男が丸坊主で背中に入れ墨がある(ダニエル)のを見るとすぐにリックを呼び出して「明日の朝、カギを交換し直して!
あの業者の男、丸坊主に入れ墨なんて刑務所上がりにちがいないわ!
ここから出たら仲間に合鍵を売るに決まってる!」と喚き始めた。
リックがどんなになだめても、ジーンは「子ども扱いしないで!」と逆にヒートアップするばかりだった。
ジーンが寝室に入った後、リックは黒人に車を盗まれたことによる世間からの好感度低下を恐れ、誰でも良いから黒人に賞を与えるよう部下に指示を出した。

翌朝。目を覚ましたジーンはキッチンに行くと、洗い終えた食器がカゴの中に入れっぱなしなのを見つけた。
ジーンは彼女の子どもを学校に送って戻ってきたばかりの家政婦のマリア(ヨミ・ペリー)を呼び出すと「洗い物は洗い終えたらすぐに食器棚にしまってよね」と冷たく文句を言ってその場を離れた。

その日の夕方。ジーンはリックに電話すると「目が覚めたらイライラも治まってるはずと思ったけど、治まらなかった。
最近ずっとイライラしっぱなしなの」と愚痴をぶつけたが、リックは仕事が忙しそうだったので後で話し合うことにして電話を切った。
その直後、ジーンは階段の手前で足を滑らせて階段から転がり落ちた。

数時間後。ジーンは階段で転んで怪我をしたことをリックに電話で伝えた。
ジーンは階段から落ちて痛みで動けなくなり、助けてもらおうと友人に電話したけど「大丈夫?今からショッピングに行くからまた後でね」と電話を切られてしまった。
困り果てたジーンは、仕事を終えて帰った後のマリアに電話してみたところ、すぐに駆け付けて介抱してくれた。
ジーンは泣きながら「あなたは親友よ」と言ってマリアに抱き着いた。

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アンソニーとピーターのストーリー


(引用:https://www.hotflick.net

黒人のアンソニーとピーターは、タッグを組んで盗みを働きながら生活をしている、日本で言う半グレのような暮らしをしている若者だ。
アンソニーは、彼ら黒人を怖がったり敬遠して避けるような白人たちに日々イライラしたり、生活の不満を毎日愚痴って不満ばかり漏らしているタイプで、ピーターは盗人らしからぬピュアな心の持ち主だった。

その日、アンソニーとピーターは街中で検事のリックと妻ジーンの高級SUV車(フォード社製のリンカーンナビゲーター)を強盗した。
いつも盗難車を売っている車屋へ向かう途中、会話に集中し過ぎた2人は路駐していたバンのそばに立っていた中国人の中年男性チョイ(グレッグ・パイク)を轢いてしまった。
大けがをしているが、男はまだ生きていて車の下に挟まっている。
2人はどうしようか迷った末、男を引きずり出して最寄りの総合病院の前で降ろしてすぐに走り去った。

その後、2人は車屋に車を売ろうとしたが、店主のルシアン(ダト・バフタゼーズ)に「こんな血だらけの車、いくら高級車でも買えない」と言われ拒否されてしまった。

翌朝。ピーターは「もう盗人から足を洗って普通の生活がしたい」と語って盗難車ではなくバスで移動しようとしたが、アンソニーは「恥ずかしいからやめろ!
バスの窓が何であんなにデカく作られてるか知ってるか?
俺たち黒人を見世物にするためだ!」と怒鳴り聞く耳を持たなかった。

その後、ルシアンに「昨日と同じ車をまた盗んでこい」と命じられた2人は街へ繰り出し、道端に停車していたナビゲーターを強盗しようとした。
その車に乗っていたのは黒人の有名テレビディレクターのキャメロンで、キャメロンは2人が強盗だとわかると怒りに任せてアンソニーに襲い掛かってボコボコに殴りつけた。
もみ合っている所を警察に見つかり、ピーターは慌てて逃げ出し、キャメロンとアンソニーは車で逃走を図った。
逃走もむなしくやがて行き止まりに追い込まれ「大人しく出てこい!」と車の外から警察の怒鳴り声が聞こえた。
どうしようか考えていると、キャメロンがアンソニーの銃をポケットに入れて車から出ていった。
数分間。キャメロンは警察から厳重注意のみで解放され、キャメロンは息をひそめているアンソニーを助手席に乗せたままその場から離れた。
無言で運転を続け、車はバス停の前で停車した。
キャメロンはアンソニーに銃を返すと「お前の行為は俺たちだけでなく、お前自身も貶めてるんだぞ」と言い、車から降ろした。

アンソニーはバスに乗りながら昨日轢いた中国人、チョイがバンを持っていたことを思い出し、現場へ行ってみた。
バンは昨夜と同じようにそこにあり、車のカギは運転席側のドアに刺さったままになっていた。
アンソニーがバンに乗り運転を始めると、荷台の方から何やら物音が聞こえる。
車を停めて恐る恐るトランクを開けてみると、中には不法入国だろうと思われるアジア人十数人が乗っていた。
恐らくチョイは人身売買をしようとしていたのだろう。
アンソニーは一度はバンをアジア人たちごとルシアンの所に持っていって売ろうとしたが、考え直して売るのをやめた。
適当な場所にバンを停めるとトランクを開き、アジア人たちをロサンゼルスの街に解放した。
アンソニーは自分なりの『善い行い』に満足し、鼻歌交じりにバンを走らせた。

一方、警察に追われてからアンソニーとはぐれたピーターは、このまま犯罪から足を洗う決意をしてヒッチハイクをし、たまたま通りかかった仕事終わりの警察官トムに拾ってもらった。(ピーターはトムが警官であることを知らない)
トムと楽しく会話をしながらふとダッシュボードを見ると、そこにはピーターがいつも持ち歩いているものと全く同じ、聖クリストファーのお守りのマスコットが飾られていた。
ピーターはおかしくなってしばらく笑いが止まらなり、理由も明かさず笑い続けていると、トムは明らかに不機嫌になり、周囲に何もないような場所で車を停めて「もう降りろ」と言われてしまった。
誤解を解くために聖クリストファーのお守りをポケットから出そうとした時、銃を出すんだと勘違いしたトムに撃たれてピーターは死んでしまった。

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ライアンのストーリー


(引用:https://www.hotflick.net

ライアンはロサンゼルス警察署に17年勤務しているベテラン警察官だ。
彼は白人至上主義で、他色人種を差別的な目で見る傾向があった。
その日の夜。相棒のトムと見回りに出ていたライアンは、休憩中にかかりつけの保険会社に電話をかけていた。
ライアンは同居している高齢の父親(ブルース・カービー)がいるのだが、数か月前から具合が悪く、保険会社から紹介してもらった病院にかかっていた。
一か月前に尿道炎と診断されて処方された薬を飲み続けているものの、一向に症状が改善せず、一日中トイレで苦しんでいる父親の介護で疲れ果てていた。
ライアンは保険会社に電話して父親の状態を説明して早く診てもらおうとするが、何度も苦情のような電話をしているので担当のアフリカ系女性シャニクア(ケイト・スーパー)からは「ただの尿道炎で何度も来られても困ります」と断られていた。
頭に来たライアンはシャニクアに差別的な言葉を浴びせ、電話を切られてしまった。

仕事に戻ったライアンは、たまたま盗難車として情報が入った車と全く同じ車種に乗っていた裕福な黒人夫婦(キャメロンとクリスティン)がオーラルセックスの最中だとわかると、夫婦に悪質な職務質問を行ってストレスを発散させた。

その日の深夜。ライアンは、うまく排尿できず何時間も苦しんでいる父親が心配で、ライアン自身もろくに眠れず朝を迎えた。

翌朝。ライアンは保険会社を訪れて、シャニクアに昨日の発言を謝ってから父親の病院を変えて欲しいとお願いしたが、シャニクアはライアンの話を聞こうとしなかった。
ライアンは父親の半生を語って何とか動いてもらおうとしたが、シャニクアは「お父様ご本人がいらしていたら相談に乗りますが、あなたとお話することはありません」と許してくれなかった。

ライアンの父は若い頃に清掃会社を立ち上げてから、従業員を肌の色で差別することもなく平等に扱いながら30年以上も彼らと頑張っていたのに、数年前に定められた『マイノリティーに経営権を委譲する法律』のおかげで会社は倒産、妻(ライアンの母)とも離婚になったという過去があった。
父親はそのことについて愚痴ひとつこぼさないが、失意の中にいるのは明らかだった。
父親を人生のどん底に追い込んだ『マイノリティー』が、ライアンは大嫌いだった。

その後 出勤したライアンは、見回り時の相棒だったトムから相棒を解消されたことを知った。
ライアンの差別主義的な思考が原因であることはライアン自身にもわかっていた。
ライアンはトムに「お前はまだ若いから、わからないだけだ。」と言い残し、新しい相棒のゴメス(エディー・フェルナンデス)と見回りに出た。

数時間後。ライアンに交通事故の情報が入ったので現場に駆け付けると、道路に1台の車が転覆していて、中には黒人女性が1人閉じ込められていた。
ガソリンも漏れ出していて非常に危険な状態だ。
ライアンが女性を助け出そうと声をかけると、女性はライアンを見るなり「お前にだけは助けられたくない!触らないで!誰か助けて!」と暴れだした。
その女性は、昨夜ライアンが悪質な職質を行った夫婦の妻・クリスティンだった。
ライアンは驚きながらもクリスティンをなだめ、間一髪のところで彼女を車から救出した。
クリスティンはレスキュー隊員に誘導されて歩きながら、振り返ってライアンに感謝のまなざしを送った。

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ダニエルのストーリー


(引用:https://beyondstructure.com
ダニエルは最近ロサンゼルスに越してきた鍵の修理屋で、ヒスパニック系の男だ。
ダニエルはスキンヘッドで体には入れ墨があって見た目はかなり怖そうだが、真面目で誠実な性格で、5歳になる一人娘のララ(アシュリン・サンチェス)を何よりも大切にする良き父親だった。

その日の夜、ダニエルは会社からの指示で検事のリック(ブレンダン・フレイザー)と妻ジーン(サンドラ・ブロック)の自宅のカギの交換に行った。
いつものように仕事をしていると、ジーンがリックを呼び出してダニエルにも聞こえるような大きな声で
「明日の朝またカギを変えてちょうだい!
あの男(ダニエルのこと)、丸坊主に入れ墨だから刑務所上がりに違いないわ!
この後 合鍵をコソ泥に売りさばくに決まってる!」
と怒鳴りだした。
ダニエルは気分を害しながらも素早く仕事を終え、黙ってジーンに合カギを渡して帰宅した。

帰宅してララの様子を見ると、彼女はベッドに下に潜り込んでいた。
ダニエルが「どうしたの?」と聞くと、ララは「銃声が聞こえて怖かった」と答えた。
ダニエルは「おかしいな、安全な場所に引っ越してきたはずなのに」と言いながらベッドの横に横たわり、彼自身が幼かった頃に妖精から『銃弾も通さない透明マント』をもらった時の話をした。(作り話)
ダニエルはララをベッドの上に座らせると「このマントはもう俺には必要ないから、君に譲るよ。
その代わり、君に娘が出来てその子が5歳になったら、このマントをその子にあげるんだよ」と言い、透明マントを脱ぐ素振りをし、ララに着せてあげた。
ララはダニエルの話を信じ「ありがとう、大切にするわ」と喜び、安心した様子で眠りについた。

その後、また会社から出勤指示が入ったので、ダニエルは現場に向かった。
そこはペルシャ人のファハド(ショーン・トーブ)とその妻シェリーン(マリーナ・サーティス)一家が経営している個人商店だった。
鍵が壊れてドアが閉まらないと聞いていたが、見てみるとドア自体が歪んでたてつけが悪くなっていて、まずドアの交換をしなければ話にならない状態だった。
ダニエルはファハドにそのことを伝えたが、ファハドは「ドアは良いから早く鍵の交換をしろ」の一点張りだった。
ファハドがあまりにも聞く耳を持たず罵声も浴びせてくるため、頭に来たダニエルは持っていた書類を丸めてゴミ箱に投げ捨てて「ドアの交換をしないなら仕事は出来ない!」と声を荒げると、呼びとめるファハドを無視して店から出ていった。

翌朝。ファハドの店は強盗の被害に遭った。
店舗の保険に入っていたので保険金をもらおうとしたが、保険屋の男は「確認したところ、あなたは鍵屋にドアを交換するよう言われたのに無視したそうですね。
そうなると、あなたの落ち度になるので保険金は出ません。残念ですが…」と答えて帰っていった。
ショックを受けたファハドはダニエルを恨み、カギ交換を頼んだ会社(ダニエルの所属会社)に電話をかけて名前を聞き出そうとしたが(ファハドはダニエルの名前を知らなかったため)、どんなに怒鳴っても教えてもらえなかった。
その後、ファハドはダニエルが書類を丸めてゴミ箱に捨てていたことを思い出し、ゴミを漁って書類を見付けてダニエルの名前を知った。

ファハドは電話帳でダニエルの住所を突き止めると、買ったばかりの銃を持って自宅前でダニエルの帰りを待った。
夕方頃。ダニエルが帰宅すると、ファハドはダニエルに近づいて銃を取りだし「お前のせいで店が強盗にあった!保険屋の代わりにお前が弁償しろ!」と怒鳴り散らした。
家の中でダニエルとファハドの様子を見たララは、母親のエリザベス(カリーナ・アロヤブ)に「パパが危ない!パパは今透明マントを着てないの!」と叫ぶと玄関から飛び出してダニエルに抱き着いた。
その瞬間、驚いたファハドはララに向けて引き金を引き、銃声が町に響いた。
ダニエルはショックで叫び声をあげ、エリザベスは膝から地面に崩れ落ちた。
だが、よく見るとララはなぜか全くの無傷だった。
ダニエルはララを抱きしめて急いで家に入ってカギを締めた。
ララは「パパ、もう大丈夫よ。このマント、本当にすごいね」と笑顔で言った。
ファハドはなぜララが無傷だったのか訳がわからず、呆然とするばかりだった。

その後、自宅に帰ったファハドは娘のドリ(バハー・スーメク)に今日の出来事を打ち明けると、ドリは「きっと神様のご加護よ」とほほ笑んだ。
実は、ドリはファハドが銃を買う時に付き添っていて、銃を持つことに反対だったドリはファハドに内緒で空砲を入れていたのだった。(ファハドは英語が苦手なため気付かなかった)
ファハドは子どもを撃ってしまったことを深く後悔しつつ、『神の奇跡』に感謝した。

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轢かれた中国人が小切手を換金しようとした理由

アンソニーとピーターの運転する車に轢かれた中国人のチョイは、病院で手当てを受けた後、妻に小切手を渡して「換金してこい」と命じていました。
ちなみにこの妻は、冒頭でグラハムとリアの車と事故を起こしていた人物です。

チョイがなぜ妻に小切手を換金させようとしたのかというと、チョイの車には不法入国のアジア人が沢山乗車していたので、チョイは人身売買の売人だったということがわかります。
そしてチョイが持っていた小切手は、買い手から前払いでもらっていた小切手だったのだと思われます。
チョイは恐らくアジア人たちを買い手に引き渡しに行こうとしたタイミングで事故にあったため、まだ売買は成立していません。
しかも、チョイは車のカギをドアに挿しっぱなしなので、車とアジア人たちがどうなっているか、チョイには確認の仕様がありませんでした。
病室でこのことを思い出したチョイはとりあえずお金だけでも確保してしまおうと思い、妻に小切手の換金を頼んだのでしょう。
妻が小切手を見て驚いた顔をしていたのは、恐らく妻はチョイが人身売買していることを知らず、小切手の金額に驚いたのだと思われます。

ある面では被害者であっても、別の面では加害者であることが描かれているようなシーンです。

グラハムが持ちかけられた交渉は?

ドン・チードル演じる黒人刑事のグラハムは、ウィリアム・フィクナー演じる白人の刑事フラナガンから何か交渉を持ちかけられていました。
1度見ただけでは、私にはあの交渉の意味が良くわからなかったので解説してみます。

まず、グラハムは白人警官が黒人警官を射殺した事件の担当になっていましたが、状況や証拠を調べれば調べるほど不審な点が沢山出てきていました。
不審な点と言うのは、白人刑事は同業者を殺したのに落ち着いた様子だったことや、黒人刑事が乗っていた車の名義が本人ではなかったこと、さらにその車から大量のキャッシュが出てきたことなどです。
明らかに複雑な事情がありそうな状況でした。

グラハムがこれらのことを世間に公表して捜査を始めようとした時に現れたのがフラナガンです。
本編の会話は回りくどかったですが、要約するとフラナガンはグラハムに「出てきた怪しい証拠は全てなかったことにして、白人刑事を悪者にして刑務所送りにしろ」と訴えました。
つまりこの事件には何か裏があって真実が明るみになるとまずい、さらに刑事が口止めに動くということは、この事件にはどこぞの権力者も関わっているということになります。
フラナガンは最初は昇進をエサに口止め(捜査終了)を迫りましたがグラハムが拒否したので、グラハムの弟ピーターに発行されている逮捕状を破棄するという条件でグラハムに捜査を終了させました。

その後、ピーターが死んでしまったことがわかったので、恐らくグラハムは黒人刑事の件も、ピーターが誰に殺されたのかも捜査するのでしょう。

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