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ラスト考察:ネリのその後を予想
ネリは曼荼羅と林田の協力で警察の目を出し抜いて逃亡に成功します。
原作小説の橋岡は逃亡先の沖縄に現れた刑事を見て逮捕を覚悟した直後に事故死してしまいます。
映画のネリの逃亡先は海外で、小説の橋岡が入手に失敗していた高城の遺産もほぼ全額手にしているので、小説とは真逆になっているようです。
映画の橋岡は小説の橋岡とはキャラが違って根が優しいので応援したくなってしまいます。
矢代も曼荼羅も死んだ今、ネリにとっては日本自体が「BAD LANDS(不毛地帯)」なので、早く抜け出して力強く生きて欲しいです。
原作小説「勁草(けいそう)」との違い
この映画のあらすじは原作小説「勁草」をベースに作られていますが、特に人間関係は小説と映画では大きく違います。
ここに簡単にまとめるので、小説を未読で気になる方は目を通してみてください。
違い①:橋岡は男
原作小説の橋岡は大阪出身33歳の男性で、わかるのは家族は母親と兄がいて学歴は農業高校中退、高城の部下になる前は日雇い労働者だったこと位です。
違い②:橋岡と矢代が姉弟であり仲良し
橋岡と矢代は原作小説では全くの他人であり、仲は良くなく基本的に疑い合い探り合いです。
矢代が衝動的に高城とヤクザの徳山を殺してしまい、殺害現場に居合わせてしまった橋岡は高城の財産目当てに証拠隠滅を手伝い運命共同体になってしまいます。
違い③:矢代が殺した人物
映画で矢代が殺すのは高城と悪友のヒトシですが、小説で矢代が殺すのは高城とヤクザの徳山です。
徳山は映画ではリンチのみで生き残りました。
また、ヒトシは映画オリジナルのキャラクターで小説には登場しません。
違い④:胡屋賢人
ネリの元恋人として登場した胡屋賢人は映画オリジナルのキャラであり小説には存在しません。
胡屋はとても存在感があって魅力的な悪役だったので、個人的にはネリと再会するなどもう少し活躍して欲しかったです!
違い⑤:高城の犯罪歴
映画の高城は元医師であり病院ぐるみで多くの死者を出した派手な犯罪歴がありますが、小説の高城はもう少し控えめで、平成12年に大手企業退職者名簿を売り払って逮捕、平成16年に不正アクセス禁止法違反で逮捕された前科2犯の男です。
結末の違い:矢代は生き残り、橋岡は死ぬ
映画ではジョーは胡屋を殺した直後射殺されてしまい、ネリは逃走に成功しますが、小説では矢代(ジョー)は生き延びて逮捕され、橋岡(ネリ)は死んでしまいます。
小説のラストでは矢代はヤクザに捕まりリンチされ、その後警察に見つかって瀕死状態の所を助けられます。
橋岡はヤクザから逃げ切って沖縄に逃走しますが、橋岡を追って沖縄まで来た佐竹刑事と湯川刑事から隠れるために崖下に逃げ、そのまま海に落ちて死んでしまいます。
生き残った矢代は「高城と徳山を殺したのは橋岡で、自分は協力させられた」と供述して主犯は橋岡となり被疑者死亡で片付けられ、矢代は殺人共謀と死体遺棄で実刑判決を受けます。
佐竹と湯川は矢代と橋岡の性格分析結果から「矢代主犯説」を訴えますが聞き入れられず、橋岡を生きて捕まえられなかった責任を負わされそれぞれ田舎に左遷されます。
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バッドランズの解説ブログ、とても分かりやすかったです!