映画「アメリカン・ビューティー」の解説・考察をしています!
「いつかわかるの意味」「タイトルの意味」「ジェーンがアンジェラと親友だった理由」「アンジェラの行動理由」「レスターがアンジェラを抱かなかった理由」「レスター殺しの犯人と動機」「キャロリンの銃」「その後の予想」など書いてます。
ネタバレありきの解説考察記事です。まだ見ていない方はご注意ください。
※再掲載記事です。
制作年:1999年
本編時間:117分
制作国:アメリカ
監督:サム・メンデス
脚本:アラン・ボール
主題歌:『Because』エリオット・スミス
映画『アメリカン・ビューティー』は≪U-NEXT≫で見られます!31日間無料キャンペーン実施中。
※この記事の情報は2024年7月のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。
キャスト&キャラクター紹介
(C)1999 DreamWorks LLC. All Rights Reserved.
レスター・バーナム…ケビン・スペイシー
広告代理店に勤める、どことなく変態臭漂う男。
職場でリストラ候補に挙がっていたり、家族とも上手くいかず日々不満しかないが、ただじっと我慢してやり過ごしている。
娘ジェーンの同級生アンジェラに恋をする。
(C)1999 DreamWorks LLC. All Rights Reserved.
キャロリン・バーナム…アネット・ベニング
不動産業を営むレスターの妻。
上昇志向が強く、毎日やる気のないレスターにうんざりしている。
夫婦仲は冷め切っているが、周囲には『家族仲良し』アピールを欠かさない。
(引用:https://www.digitalspy.com)
ジェーン・バーナム…ソーラ・バーチ
幼い頃…エリン・キャスリン・ストラブ
バーナム家の一人娘の高校生。
両親が世間体ばかり気にすることに呆れている。
愛情に飢えているが、両親に甘えることはもう諦めている。
(引用:https://cinespotting.wordpress.com)
リッキー・フィッツ…ウェス・ベントリー
バーナム家の隣に引っ越してきたフィッツ家の一人息子でジェーンの同級生。
気になる物や美しい物をビデオカメラで撮影する趣味がある。
数年前に麻薬所持で更生施設に入れられていたが、施設から出た現在も両親に隠れて麻薬売買している。
引っ越し直後からバーナム家に興味を持ち、ビデオカメラで撮影する。
(引用:http://spring-gl.co.jp/yukki)
アンジェラ・ヘイズ…ミーナ・スヴァーリ
ジェーンの同級生で友人の女の子。
金髪美人なことを鼻にかけていて、ジェーンに毎日のようにモテ自慢をする。
レスターの好意に気付き、弄ぶ。
(引用:https://villains.fandom.com)
フランク・フィッツ…クリス・クーパー
リッキーの父親。元海軍大佐。
規律を重んじ、自分にも他人にも厳しい部分がある。
怒るとすぐに手が出るため、リッキーがたまに被害にあう。
クリスティ・ケーン(バディの妻)…アンバー・スミス
バーバラ・フィッツ(リッキーの母親)…アリソン・ジャネイ
ジム・オルマイヤー(ゲイカップル、麻酔医)…スコット・バクラ
ジム・バークレー(ゲイカップル、税理士)…サム・ロバーズ
ブラッド(能率向上カウンセラー)…バリー・デル・シャーマン
ミスター・スマイリーの店員(レスターの上司)…マリッサ・ジャレット・ウィノカー
射撃場スタッフ…マシュー・キンブロウ ほか
あらすじ紹介
(アンジェラに一目惚れしたレスター 引用:https://www.independent.co.uk)
アメリカのとある街の一戸建てに暮らすバーナム一家は表向きは仲良し家族で通していますが、夫のレスター(ケビン・スペイシー)と妻のキャロリン(アネット・ベニング)の仲は険悪で、1人娘のジェーン(ソーラ・バーチ)は両親に興味を持ってもらえず淋しさを抱えています。
ある日、レスターはジェーンの部活の見学に行き、あろうことかジェーンの友達の金髪美少女アンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)にひと目惚れしました。
それから、レスターはジェーンの同級生で麻薬売買に手を染めるリッキー(ウェス・ベントリー)とも悪友になり、家族関係が徐々に変化していきます。
解説・考察や感想など
本作は主要人物それぞれが深い闇を抱え、闇の中でも『美しいもの』『価値ある何か』を見出しながら生きる意味を探すという真面目なテーマでしたが、コメディチックな演出のおかげで軽くなっていて見やすかったし、個人的にはかなり好きな作品でした。
初めて見たのは中学か高校生の頃だったと思いますが、深いことは全く考えずに見たので、「変わった映画」という印象と、Kスペイシーがお風呂でなんかしてるシーンしか記憶に残っていませんでした(笑)
ちゃんと観てみると、やっぱり面白いけど解釈が難しい映画だと思います。
その難しい部分について考えてみたいと思います。
ジェーンがアンジェラと友達だった理由
ジェーンはアンジェラといつも一緒にいましたが、本心はアンジェラの性格の悪さやモテ自慢にうんざりしていました。
ジェーンはアンジェラが苦手だったのにつるんでいたのは、学年一の美人と言われるアンジェラと親友であることが、自分に自信が持てないジェーンの唯一のステータスだったからです。
ジェーンはリッキーがアンジェラではなく自分を好きになってくれたことで自分に自信が持てました。
一方でアンジェラがリッキーを執拗にけなすのは、アンジェラに見向きもせずジェーンばかり見る男はリッキーが初めてだったので僻んでいたのです。
アンジェラがレスターに体を許したのはなぜ?
アンジェラはレスターに恋愛感情は全く抱いていなかったのに、なぜレスターに処女を捧げようとしたのでしょうか。
恐らくアンジェラのジェーンに対する対抗心からです。
それにアンジェラはジェーンに男自慢(特に性的な自慢)ばかりしていましたが、実際には誰とも交際したことがなくセックスをしたこともありません。
アンジェラはそれなりにモテてはいたものの、彼女のお眼鏡にかなうハイスペックな男とはご縁がなく、王子様を待ち続けていたのかもしれません。
そんな中、ジェーンに彼氏が出来たことでアンジェラは内心焦りました。
アンジェラは女として何もかもジェーンに勝っているつもりだったのに、ジェーンの方が彼氏が出来るのが早かったからです。
アンジェラはジェーンに対抗心を燃やし、マウントを取るためにジェーンの父親であるレスターとセックスしようとしたのです。
また、アンジェラ自身が早く処女を卒業したいと思っていたことも関係しているのでしょう。
レスターがアンジェラを抱かなかった理由
ジェーンの同級生アンジェラに恋をしたレスターは日々トレーニングに励み、良い男になろうと頑張りました。
その結果、レスターはアンジェラにセクシーと認められた上、彼女の心の隙間に入り込み、とうとうベッドを共にするビッグチャンスを得ました。
ところがレスターはアンジェラが処女だと知った途端、憑き物が取れたかのように落ち着きを取り戻し、アンジェラに毛布をかけて謝りました。
レスターはアンジェラが処女だと知った時、彼女の心臓の鼓動を聞いています。
清純さを演出するためのウソなのか、本当に処女なのかを確かめたのです。
心音を聞いたレスターはアンジェラが処女だと確信し、謝りながら毛布で包んで抱きしめました。
レスターにとってアンジェラは砂漠の中のオアシスであり、セックスシンボルであり、アバンチュールを具現化したような存在だったのでしょう。
彼女へののめり込み具合にはレスターの精神的な幼さや、現実逃避願望がよく現れています。
しかしフタを開けてみたらアンジェラは処女で、今までジェーンに散々話していたセックスに関する話は全部、彼女が精一杯大人ぶるための作り話だったことがわかります。
ちなみにアンジェラが処女であることのヒントは、彼女がレスターの二の腕を触った時です。
以前のレスターはアンジェラが近づくと、見とれていたり紳士ぶった態度をとるだけでしたが、あの時は獣のようなギラギラした目つきで「筋肉は好きかい?笑」と聞きました。
この時アンジェラはレスターの性欲丸出しな男っぽさに怖じ気づき、すぐにその場を離れます。
アンジェラが本当に経験豊富なビッチ系なら、逃げるのではなく慣れた様子であしらうか、レスターをさらに興奮させる言動をしていたはずです。
話を戻します。レスターはアンジェラが処女とわかった時に彼女もジェーンと変わらない16歳の少女(子ども)なのだと実感しました。
そしてその瞬間にレスターの中でアンジェラはセックスの対象から外れ、自分がいかに愚かだったか気付き、アンジェラの恥じらう姿(見栄がなくなったありのままの姿)に美しさを感じました。
だからレスターは父親のようにアンジェラに毛布を巻いてやり、抱きしめたのです。
次のページに続きます!
感想などお気軽に(^^)
最近こちらの映画を見たのですが
映画の本題をうまく整理して理解することが出来ず悩んでおりました。
こちらの記事を参考に整理することができました。
良い記事をありがとうございました。
匿名さん
作品理解のお手伝いができたようで嬉しいです(;∀;)
最近忙しく手が離れがちになっていましたが、やる気が出ました!
コメントありがとうございました(^^)