ジブリ映画『思い出のマーニー』のあらすじ紹介、解説考察をしています!
誰も信じることが出来ず孤独感に苛まれる少女・杏奈が謎の美少女マーニーと出会い、成長する物語。
本編時間:103分
制作国:日本
監督:米林宏昌
脚本:丹羽圭子、安藤雅司、米林宏昌
原作小説:『思い出のマーニー』ジョーン・G・ロビンソン 著
主題歌:『Fine On The Outside』プリシラ・アーン
声優&キャラクター紹介

(引用:https://www.cinematoday.jp)
佐々木 杏奈…高月彩良
北海道札幌市に住む中学生の女の子。
幼い頃に家族を亡くし、親戚である頼子に育てられている。
内気な性格で学校に友人はあまりおらず、絵を描くことが好き。
(引用:https://movie.walkerplus.com)
マーニー…有村架純
晩年のマーニー…森山良子
杏奈が療養先の田舎町で出会った謎の美少女。
普段は人とのコミュニケーションが苦手な杏奈だが、彼女とはすぐに打ち解けることが出来た。
彼女と会っている時の杏奈は眠っていることが多いため、杏奈はマーニーの正体は幽霊ではないかと思っている。
美術の先生…森崎博之
杏奈の担当医…大泉洋
杏奈の同級生…白石晴香
大岩清正…寺島進
大岩セツ…根岸季衣
信子…頼経明子
十一(といち、無口な男)…安田顕
ばあや(マーニーの世話係)…吉行和子
マーニーの母親…甲斐田裕子
マーニーの父親…戸次重幸
杏奈を発見した町の人…音尾琢真
久子(絵描きの婦人)…黒木瞳
武(彩香の兄)…石井マーク
絵美里(マーニーの娘)…石山蓮華 ほか
あらすじ:起
札幌に住む中学生の佐々木杏奈(高月彩良)は幼い頃に両親を亡くし、親戚の頼子(松嶋菜々子)の養子として暮らしています。
杏奈は内気な性格で、学校でも友達を作れずいつもひとりぼっちです。
自分から他人との交流を遠ざける一方で、いつも淋しさを感じていました。
杏奈は幼い頃は元気爛漫な子でしたが、最近は笑顔が消えて友達もいないようなので、頼子は杏奈をとても心配していました。
以前の杏奈と頼子はとても仲良しでしたが、ある出来事がきっかけで杏奈は頼子にも心を開けなくなっていました。
杏奈は、血の繋がった家族が居ない淋しさから、心のどこかで死んだ両親を恨んでいました。
(喘息の発作を起こした杏奈 引用:https://bibi-star.jp)
孤独感がストレスとなり持病の喘息が悪化した杏奈は、担当医(大泉洋)から、空気が綺麗で静かな場所での療養を提案され、その年の夏休みは釧路の田舎町に住む親戚の大岩夫妻のところで過ごすことになりました。
夫の大岩清正(寺島進)は木工職人、妻のセツ(根岸季衣)は専業主婦で、明るく元気な夫婦です。
杏奈は夫妻に温かく迎えられました。
大岩家に着いた杏奈は荷ほどきを終えて外に行きます。
入り江を歩いていた杏奈は、川の中に建っている大きな古い洋風のお屋敷を見て、妙な既視感を感じました。
(湿っ地屋敷 引用:https://bibi-star.jp)
川が浅かったので、杏奈は歩いて川を渡って屋敷を近くで見てみました。
屋敷はとても古そうですが趣があり、杏奈は不思議と安心感を覚えます。
杏奈はしばらく中庭を散策し、疲れてその場で昼寝してしまいました。
数時間後。目が覚めると暗くなっていたので杏奈は慌てて帰ろうとしますが、歩いて渡れたはずの川が泳がなければいけない程深くなっていました。
呆然としていると、川に手漕ぎボートに乗った初老男性が現れて、杏奈を助けてくれました。
家に帰った杏奈が今日の出来事をセツと清正に報告すると、あの屋敷は『湿っ地屋敷(しめっちやしき)』と呼ばれていて、昔は裕福な外国人の別荘でしたが、現在は誰も住んでおらず心霊スポットになっていることや、杏奈を助けてくれた男は十一(といち、安田顕)という『十年に一度しか喋らない』と言われるほど寡黙な人物だと教えてくれました。
その日の夜。杏奈は湿っ地屋敷の2階の部屋に金髪の女の子がいる夢を見ました。
それから数日間、杏奈は毎日川辺に通います。
十一と会えた時はボートに乗せてもらい、十一は釣り、杏奈はスケッチをする日々が続きます。
ある日、杏奈はご近所に住む1つ年上の女の子・信子(頼経明子)と、明日の七夕のお祭りに一緒に行く約束をしました。
信子が苦手なタイプだったので杏奈は気が乗りませんでしたが、セツが杏奈に友達を作らせようとしているのがわかったので断れませんでした。
あらすじ:承
翌日。杏奈は信子と彼女の友人たちと一緒にお祭りに行きますが、誰とも上手く喋れません。
デリカシーの無い信子に苛立った杏奈は、信子に「太っちょブタ!」と暴言を吐いて逃走しました。
その後、杏奈は湿っ地屋敷が見える川辺で自己嫌悪で泣きました。
杏奈は家族を亡くした直後、親戚同士が杏奈を押し付け合って喧嘩しているのを目の当たりにし、最終的に養護施設に入れられた経験から『誰からも必要とされていない』という思いがトラウマになっていました。
泣き止んだ杏奈が帰ろうとすると、川辺に停められていたボートに火のついたろうそくが置かれていました。
誰がろうそくを置いたのか気になった杏奈はボートで湿っ地屋敷に行き、夢で何度か見た金髪の美少女(有村架純)に出会います。
ボートにろうそくを置いたのはこの少女でした。
少女に連れられて中庭に行くと、昼間は誰も居なかったはずの屋敷でパーティーが開かれていました。
杏奈は不思議がりますが、少女は「私はずっとここに居た」と言います。
(杏奈とマーニー 引用:https://bibi-star.jp)
翌日。杏奈は少女に会いたくて、満潮になる夕方5時に川辺に行きました。
すると少女がボートを漕いで来てくれて、入り江の奥にピクニックに行きました。
このとき、少女の名前はマーニーだとわかりました。
杏奈とマーニーは入江の奥でお菓子とジュースを広げると、お互いの気になることについて質問し合います。
マーニーは2歳の頃からメイド3人と一緒に湿っ地屋敷で暮らしていて、両親は普段忙しくて年に数回しか会えないと杏奈に教えます。
杏奈も持病の事や両親を亡くしたことを打ち明け、5歳の頃から養母の頼子と一緒に住んでいると教えます。
杏奈は始めて心許せる友達が出来たことに嬉しくなりました。
2人が山の中を散策していると、杏奈は急に意識が遠のく感覚に襲われ、次の瞬間、杏奈はボートに1人で座っていました。
マーニーは「急にいなくなるからビックリした!」と杏奈に抱き着きました。
屋敷に戻ると、マーニーはピンク色のドレスに着替え、杏奈は花の売り子に変装させてパーティーに参加します。
パーティーの最中、杏奈はマーニーが同年代の男の子と楽しそうにしているのを見て少し嫉妬しました。
杏奈の気持ちに気付いたマーニーは、杏奈を中庭に連れ出して2人きりで踊りました。
その後、杏奈は草むらの中で倒れていた(眠っていた)所を近所住民に発見され、大岩家に帰されました。
翌朝、杏奈はまた湿っ地屋敷に行ってみますが、屋敷はやはり空き家でホコリまみれだったので、杏奈は昨夜の出来事は全て夢だったに違いないと思いました。
あらすじ:転
その後の1週間、杏奈は1度もマーニーに会えませんでした。
ある日の昼間、杏奈は川辺で絵を描いている老夫人の久子(黒木瞳)と知り合いました。
久子は湿っ地屋敷が大好きで、よく屋敷の絵を描いていると語ります。
この時、杏奈は湿っ地屋敷に新しい持ち主が決まったことを知りました。
杏奈が再び屋敷の近くに行くと、新しい持ち主の子どもがいました。
その子は杏奈と同い年位の彩香(杉咲花)という少女で、彩香は杏奈を見るなり「あなた、マーニー!?」と問い詰めます。
杏奈は驚きつつ、彩香に誘われて湿っ地屋敷の2階の部屋に案内されました。
その部屋は、杏奈が何度か夢で見たマーニーの部屋だった場所です。
彩香はこの部屋でマーニーの日記を発見し、杏奈を『日記を取りに来たマーニー』だと勘違いしていたのです。
杏奈が日記を読ませてもらうと、マーニーがパーティーで花の売り子と踊ったことなど、杏奈がマーニーと遊んだ体験とそっくりな出来事が書かれていて驚きますが、日記に杏奈の名前は出てこず、その後のページが何枚か破り取られていて、それ以降は白紙でした。
杏奈は彩香に「マーニーは私のイマジナリーフレンドだと思ってた」と打ち明けました。
その日の夜。杏奈は夢の中でマーニーと再会し、屋敷近くの森でキノコ狩りをして遊びました。
屋敷に戻る途中、杏奈はマーニーに誰にも話せなかった秘密を打ち明けます。
それは杏奈が中学生になってすぐの頃、頼子が杏奈を養子にしたことで自治体から援助金をもらっていることを知り、それから杏奈は『頼子はお金のために私を養子にしたのかも』と疑いが頭から離れなくなっていることでした。
それから杏奈は頼子に嫌悪感を抱くようになり、そんな風に頼子を見てしまう自分も嫌いになったと言います。
杏奈の話が終わると、マーニーも誰にも話せなかった苦しみを杏奈に打ち明けました。
それは、彼女のメイド3人から地味な嫌がらせを受けたり、丘の上にあるサイロに無理やり連れて行かれて閉じ込められ、とても怖い思いをしたことなどでした。
杏奈はメイドの仕打ちに怒り、マーニーを抱きしめました。
杏奈は「今からサイロに行ってみよう!」と言い出し、マーニーと一緒にサイロに向かいます。
サイロに向かう途中、マーニーは自分の世界に入り込んだようになり、杏奈を幼馴染みの男の子・和彦と間違えだしたので、杏奈は戸惑って立ち止まりました。
マーニーは杏奈が止まったことも気付かず1人でサイロに行ってしまいます。
杏奈が遅れてサイロに着くと雨が降ってきました。
サイロの中はオバケが出ると噂が立つのがよくわかる位、古くて不気味でした。
サイロの中の階段の踊り場の隅で、男物の茶色いコートを羽織ったマーニーがしゃがんで震えていました。
杏奈が駆け寄ると、マーニーにはまだ杏奈を和彦と勘違いしています。
「私は杏奈よ!」と言うと、ようやくマーニーは杏奈に気が付きました。
杏奈は「もう帰ろう!」と言いますが、マーニーは不気味な風の音や大雨の音などを怖がって動けません。
杏奈とマーニーは雨が止むまで待つことにしました。
(マーニーを落ち着かせる杏奈 引用:https://bibi-star.jp)
やがて2人は眠ってしまい、杏奈はまた不思議な夢を見ます。
それは、サイロで震えるマーニーの元に和彦が駆けつけて、マーニーは和彦と2人でサイロから出ていくという夢でした。
杏奈が目覚めるとマーニーは居なくなっていたので、杏奈は泣きながら1人で帰りました。
その頃、彩香はマーニーの日記の破り取られていたページを読んでいました。
そこには主に和彦のことが書かれていた上に『和彦が私をサイロに連れていこうとしている。私は行きたくない』と書かれていました。
杏奈が心配になった彩香は、兄の武(石井マーク)と一緒にサイロに行ってみると、草の茂みに杏奈が倒れているのを発見します。
杏奈は「マーニー、置いていくなんてひどい…」とうめき、高熱を出していたので、急いで大岩家に運ばれました。
翌日の夜。杏奈は夢の中でもマーニーを探し続けていました。
湿っ地屋敷の前でマーニーの部屋を睨んでいると、部屋の窓からマーニーが顔を出します。
杏奈が「置いて行くなんてひどい!」と怒ると、マーニーは「ごめんなさい!でもあなたはあの時あそこに居なかった!」と答えました。
(マーニーに怒る杏奈 引用:https://bibi-star.jp)
意味が分からなかったので杏奈は聞き返しますが、マーニーは質問に答えず「私、もうすぐあなたと会えなくなる!だからその前に、許すって言ってちょうだい!」と懇願します。
杏奈が「もちろん許すわ!あなたを愛してるもの!」と答えると、今まで曇っていた空が急に晴れ渡り、温かい日差しに包まれました。
杏奈はマーニーの微笑みを見ていると、だんだん意識が遠ざかりました。
結末と考察は次のページです。
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