「海よりもまだ深く」ネタバレ解説考察|町田の恩とは?主要人物のその後など! | 映画の解説考察ブログ

「海よりもまだ深く」ネタバレ解説考察|町田の恩とは?主要人物のその後など!

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ヒューマンドラマ

映画『海よりもまだ深く』の解説、考察をしています。
「町田が感じていた恩とは?」「硯は売ったのか」「伏線回収」「良多たちのその後を予想」など書いてます。

ネタバレありきの解説考察記事です。まだ見ていない方はご注意ください。

制作年:2016
本編時間:108分
制作国:日本
監督・脚本・原案:是枝裕和
主題歌:『深呼吸』ハナレグミ

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キャスト&キャラクター紹介


©2016「海よりもまだ深く」製作委員会
篠田良多阿部寛
売れない小説家。15年前に賞を受賞したが、小説は売れず新作も何年も書けていない。
生活のために興信所(探偵事務所)で働き犯罪まがいの方法で小金を稼いでいるが、ギャンブルにつぎ込んでしまうため常に金欠。
元妻の響子に未練があり、あわよくば復縁したいと考えている。

 


(引用:https://lwlies.com
白石響子真木よう子
良多の元妻、真吾の母親。
良多がちゃんと養育費を払わないことに不満を持つ。
彼氏の福住との再婚を検討中。

 

海よりもまだ深く
©2016「海よりもまだ深く」製作委員会
篠田淑子樹木希林
良多の母親。夫は半年前に他界している。
団地で気ままな暮らしを楽しむ一方で、1人暮らしの寂しさも抱える。
いつか分譲住宅に住みたいという叶わぬ夢がある。

 


©2016『海よりもまだ深く』製作委員会
中島千奈津小林聡美
良多の姉。和菓子屋でパートをしている。
良太を「お母さんや私を頼るな」と叱る一方で、自分はちゃっかり娘の習い事のお月謝を母に出してもらっている。

 


(引用:https://www.cinemashufu.com
白石真悟吉澤太陽
良多の息子。高校受験を控える中学生。
大好きな野球でのプレーは消極的だが、良多のお金のことを気に掛けたりできる優しい子。
父親(良多)のようには絶対になりたくない、似たくないと思っている。
祖母の淑子が大好き。
町田健斗(良多の同僚)…池松壮亮
山辺康一郎(興信所の社長)…リリー・フランキー
愛美(興信所の社員)…中村ゆり
福住(響子の彼氏)…小澤征悦
二村(質屋)…ミッキー・カーチス
二村の妻…松本じゅん
仁井田(クラシックの先生)…橋爪功
三好(出版社の社員)…古舘寛治
安藤(依頼人)…黒田大輔
安藤未来(安藤の妻)…松岡依都美
真田(高校生)…葉山奨之
夏実(良多の幼馴染み)…峯村リエ
正隆(千奈津の夫)…高橋和也
長岡(団地の住民、淑子の友人)…立石涼子
野口(犬探しの依頼人)…福井裕子
彩珠(千奈津の子)…蒔田彩珠
みのり(千奈津の子)…一栁みのり
ニュース番組アナウンサー…戸部洋子(フジテレビアナウンサー) ほか

 

あらすじ紹介

あらすじ起:


(響子、福住、真悟を監視する良多、付き添う町田 引用:https://www.cinemacafe.net

主人公の篠田良多(阿部寛)は、15年前に『無人の食卓』という小説で島尾敏雄文学賞を受賞しましたが、以後は鳴かず飛ばずの小説家です。
執筆活動だけでは生活できず探偵事務所で働いていて、周囲には「小説のためのリサーチ」と言い訳をしていますが、実際には執筆活動は全く捗っていません。

良多はギャンブル好きで常に金欠で家賃も滞納しているため、時には姉の千奈津(小林聡美)に金を無心をしたり、母の淑子(樹木希林)が不在の間に実家に忍び込み、半年前に他界した父親の遺品を漁っては勝手に質屋に持っていきます。

また、良多には数年前に離婚した妻の響子(真木よう子)と中学生の1人息子の真悟(吉澤太陽)がいます。
良多はギャンブル癖に呆れられて離婚されたわけですが、失ってから家族の大切さに気付いた良太は響子に未練たらたらでした。
良多の部下であり良き相棒の町田(池松壮亮)を連れて響子の近況をリサーチしては、響子が彼氏の福住(小澤征悦)といるのを目撃すると「はやく別れろ」と祈りました。

良多は響子と真悟に会える月に一度の面会交流を何よりも楽しみにしています。
今月は真悟の誕生日です。
良多は真悟にグローブをプレゼントするため、質屋に父の一眼レフカメラを売ったり、仕事の調査対象者から口止め料をふんだくってグローブ代を手に入れます。
しかし、良多は『この金を倍にして家賃も払おう』と考えてしまい、競輪で全部スって一文無しに戻ってしまいました。

 

あらすじ承:

数日後。良多は出版社に呼び出され、漫画の脚本作りをしないかと持ち掛けられました。
テーマは良多得意の『ギャンブル物』で報酬も良い美味しい話でしたが、良多は小説家としてのプライドが邪魔をして断ってしまいました。

その後、良多は町田と一緒に真悟の野球試合をこっそり見に行くと、真悟は福住からすでにグローブをもらっていたことがわかりました。
さらに、福住は推定年収1500万円以上の不動産会社社長であることも発覚し、良太は完全な敗北感を味わいました。

良多は考え直し、真悟にはスパイクをプレゼントすることにしました。

面会交流の日まであと数日しかありません。
困った良多は姉の千奈津に金を借りに行きますが、きっぱり断られてしまいました。
この時 良多は千奈津から『お母さんがへそくりをストッキングに入れて天袋に隠しているらしい』という情報を耳にしました。

その後、良多は再び探偵事務所の客の調査対象から口止め料10万円をもらい、さらに家庭教師と隠れて交際している男子高校生を脅して3万円を巻き上げました。
これで2か月分の養育費とスパイクを買うお金が出来てホッとした矢先、探偵事務所の社長・山辺(リリー・フランキー)に高校生へのカツアゲがバレてしまいました。
高校生の父親は偶然にも山辺の知人だったのです。

良多は山辺にこっぴどく叱られて13万円は全額没収されました。
落ち込んだ良多はパチンコに行き、町田に慰められて泣きそうになりました。

数日後、良多はスパイク代程度しか用意できないまま面会交流の日を迎えます。
響子は良多が養育費を持っていないと知ると面会交流を拒絶しようとしましたが、良多はとりあえず「養育費は帰り際に渡すから」と言って真悟と17時まで過ごします。

良多は靴屋で店員に値切りを試みながら、真悟にミズノのスパイクをプレゼントしました。


(ミズノのスパイクを真悟に勧める良多 引用:https://eiga.com

一緒にモスバーガーを食べた後、良多は残ったお金で「当たったら山分けな」と言いながら真悟に10枚入り3千円の宝くじもプレゼントしました。

その日は夕方から大型の台風が来る予報です。
良多は養育費の支払いをいかに遅らせるか考えた結果、真悟を連れて淑子のいる実家に行くことにして、響子にも実家まで来てもらいました。
淑子はその知らせを受けて『良多は響子とヨリを戻したくて、私に協力を求めている』と勝手に推測します。

良多が真悟を連れて実家に行くと千奈津一家も来ていたので、良太はうんざりしながら千奈津たちが帰るのを待ちました。




あらすじ転:

夕方になり雨風が強まってくると千奈津一家は帰り、ほぼ入れ替わりで響子が真悟を迎えに来ました。
響子は真悟を連れてすぐ帰ろうとしますが、淑子の強い希望で良多と響子と真悟はこのまま泊まることになりました。

淑子は部屋に布団を3つ敷くと「久しぶりなんだから、たまには良いじゃない」と空気の読めないフリをしました。

真悟がお風呂に入っている間、良太は響子に突然体を求めて響子をさらに呆れさせます。
響子は良多を振り払い、別の部屋に行ってしまいました。


(響子と良多 引用:https://style.nikkei.com

深夜。良多は淑子が寝てから、押入れの天袋を探ってへそくりを探しますが、出てきたのは「残念でした!姉より」と書かれたメモでした。
良多は悔しがりながら仏壇の周りを探っていると、父親が愛用していた硯を発見しました。

その後、淑子が起きてきて「失くしたものをいつまでも追いかけたり、叶わない夢を見ていたら毎日は楽しめない。幸せは何かを諦めないと手に入らない。
私は海より深く人を好きになったことなんてないけど、だからこそ、こんな毎日を楽しく生きていける」と語りました。

その後、良多は起きてきた真悟と一緒に台風の夜の公園に行ってみます。


(真悟を夜中の公園に誘う良多 引用:https://eigaland.com

その公園は良多が子どもの頃、今日みたいな台風の夜に父親と一緒に遊具の中に入って一緒にお菓子を食べた場所でした。

良多が真悟に「将来は何になる?」と聞くと、真悟は「公務員」と答えます。
それは良多が中学生の頃に抱いていた目標と同じでした。

真悟が「パパはなりたかった人になれた?」と聞くと、良多は「なれてないけど、大事なのは『なりたい自分』があるかどうかだ」と答えました。

同じ頃、響子と淑子も起きて久しぶりに2人きりで話をしていました。
淑子は響子にヨリを戻してやってほしいと言いますが、響子は「良多さんは家庭を持つのに向いてない」と断ります。
淑子は「父親に似たのね…」とつぶやいて少し泣きました。

その後、響子は公園まで真悟と良多を迎えに行きます。
自販機で飲み物を買って3人で飲んでいると、真悟がポケットに入れていた宝くじを落としていることに気付きました。
3人は暴風雨の中で宝くじを探し周り、10枚中7枚は見付かりました。

朝が来ると、台風は通過して晴れ間が見えていました。
良多は響子と真悟と一緒に実家を出て、父親の硯を質屋へ持っていきます。
養育費の当てにしていた淑子のへそくりが無かったので、硯を売ることにしたのです。

その硯は質屋で30万円の値が付きますが、質屋の店主は良多に、『無人の食卓』が受賞した当時、良多の父は初版本を買って近所中に配って回っていたと語ります。
その話を聞いた良多は硯を売るのをやめました。

良多は響子と次の面会日までに3か月分の養育費15万円を支払う約束をして別れました。

 

解説、考察や感想など

町田が言っていた『良多への恩』とは?


(寝ている良多を起こしに来た町田 引用:https://www.cinemashufu.com

町田が「篠田さんには借りがある」と言っていました。
良多には自覚がありませんが、町田は「わからないなら別に良い」というようなことを答えました。

具体的にどんな恩があるのかは語られませんでしたが、恐らく『良多の常日頃の行動や考え方、発言などが結果的に町田を救っていた』と考えられます。

町田は幼い頃に両親が離婚し、母子家庭で育ったことが明かされます。
なので町田は常日頃から、息子と離れて暮らす良多を自分の父親と重ねていました。
良多の「真悟に何か買ってやりたい」とか「養育費を稼がなきゃ」という息子のための発言や行動を見ることで、町田は良多を通して『俺の父親もこんな感じだったのかな、そうだったら嬉しいな』と思っていました。

だから町田は良多になつき、普通だったら付き合わないようなことにも協力してあげていたと思われます。
町田は良多が真悟を気に掛ける言動を見聞きできることが嬉しいからです。

町田が良多のアパートを訪ねた時の町田の表情は、父親と話す子どものような表情にも見えてきますし、良多が社長の山辺に養育費を没収されて落ち込む姿も町田にとっては嬉しいもので、優しく元気づけようとしていた理由がわかります。

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