『マイティ・ソー』ネタバレ解説考察|ロキは何をした?ハンマーが戻ってきた理由など | 映画の解説考察ブログ

『マイティ・ソー』ネタバレ解説考察|ロキは何をした?ハンマーが戻ってきた理由など

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ファンタジー

映画『マイティ・ソー』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!

MCUシリーズ、フェーズ1の4作品目。
父オーディンから罰を受け、人間界に追放された神の王子ソーの成長物語。

原題:Thor
制作年:2011年
本編時間:115分
制作国:アメリカ
監督:ケネス・ブラナー
脚本:アシュリー・エドワード・ミラー、ザック・ステンツ、ドン・ペイン
原作コミック:『マイティ・ソー:アスガルドの伝説』スタン・リー 著

 

主要キャスト紹介

マイティ・ソー
© 2011 MARVEL
ソー・オーディンソンクリス・ヘムズワース
幼少時…
神の国アスガルドに住む全知全能の神オーディンの長男。
目立ちたがり屋で好戦的。
アスガルドの次期国王だったが、敵国ヨトゥンハイムとむやみに喧嘩をしてしまい、オーディンから罰を受けて人間界に落とされた。

 


© 2011 MARVEL
ロキ・オーディンソントム・ヒドルストン
ソーの弟。一見クールだが口が達者ないたずら好きで、喜怒哀楽が激しい一面を持つ。
父オーディンに認められるソーを常にライバル視する。
幻術で人の心を操るのが得意。

 


© 2011 MARVEL
ジェーン・フォスターナタリー・ポートマン
天文物理学者。
同じ場所で発生する特殊なオーロラの研究中に、追放されて人間界に落ちたソーと出会う。

 

マイティ・ソー
© 2011 MARVEL
オーディンアンソニー・ホプキンス
全知全能の神様でアスガルド国を始めとする9つの国を統治する王様。
片目は西暦965年のヨトゥンハイムとの戦いで失った。
休戦していた敵国ヨトゥンハイムとの戦争を復活させたソーに激怒し、神の力を奪って人間界に追放する。

 


© 2011 MARVEL
ラウフェイ…コルム・フィオール
氷の巨人の国ヨトゥンハイムの王。
常に『箱』を取り戻すチャンスを狙っている。

 

ヘイムダル(虹の橋の番人)…イドリス・エルバ
ヴォルスタッグ(ウォリアーズスリー)…レイ・スティーブンソン
ホーガン(〃)…浅野忠信
ファンドラル(〃)…ジョシュア・ダラス
シフ(幼馴染み)…ジェイミー・アレクサンダー
フリッガ(ソーの母)…レネ・ルッソ
エリック・セルヴィグ(大学教授)…ステラン・スカルスガルド
ダーシー・ルイス(ジェーンの助手)…カット・デニングス
コールソン(シールド)…クラーク・グレッグ
ホークアイ…ジェレミー・レナー
ムジョルニアを動かそうとする老人…スタン・リー ほか

重要な道具など


© 2011 MARVEL
ムジョルニア
死にゆく星の心臓でドワーフによって作られ、ソーに献上された武器。
全てを破壊する力を持ち、創造の道具にもなる。
オーディンがソーを人間界に追放した時にムジョルニアも一緒に落とす。

 


© 2011 MARVEL

アスガルドの武器庫に保管されていた強大な魔法の力を持つ箱。
ヨトゥンハイムのラウフェイが創造・所有していたが、西暦965年の戦いでオーディンが勝ち取っている。
ヨトゥンハイムの王ラウフェイはこの箱を取り返すチャンスを常にうかがっている。
この箱には、宇宙を制する6つの『インフィニティ・ストーン』のうちの1つ『テッセラクト』が入っている。

 


© 2011 MARVEL
デストロイヤー
オーディンが創造した無敵の戦闘ロボット。
世界樹ユグドラシルの根から採掘された『アンチメタル』という素材で作られ、ムジョルニアの素材である『ウル』よりも強い強度を持つ。
オーディンが創造した槍『グングニル』を持つ者のみがデストロイヤーを操作できる。

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あらすじ紹介

あらすじ①:人間界に追放された神の王子

神の国アスガルドに暮らすソー・オーディンソン(クリス・ヘムズワース)は9つの国を統治する現国王オーディン(アンソニー・ホプキンス)の第一王子で、近々王位を受け継ぐことが決まっています。

ソーの王位継承の儀式の日。
敵対国ヨトゥンハイムの兵士数名が宮殿に侵入し、ソーの継承儀式は中止になってしまいます。
ヨトゥンハイムの兵士は、アスガルドの武器庫に保管されていた『箱』を盗もうとしていました。

侵入者を全員殺して事なきを得ますが、儀式を壊されたことに怒ったソーは、オーディンの命令に背いて弟のロキ(トム・ヒドルストン)、幼馴染みのシフ(ジェイミー・アレクサンダー)、『ウォリアーズ・スリー』の3人を引き連れてヨトゥンハイムに突撃しました。
しかし、ソー達5人はヨトゥンハイムの大勢の兵士に追い詰められてしまいます。
ピンチに陥った時、オーディンが駆けつけて助けてくれました。

アスガルドに戻ったソーは、オーディンから「お前のせいで戦争になった。お前はまだ王の器じゃない」と怒られ、罰として神の力を奪われて人間界に追放されました。

 

あらすじ②:天文学者ジェーンと押収されたムジョルニア

ソーはニューメキシコ州の広大な更地に落下し、たまたまそこでオーロラの研究をしていた天文物理学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)達に助けられました。

オーディンはソー愛用の武器ムジョルニアも一緒にニューメキシコに落としていました。
ソーのいる場所から80km程離れた場所に『誰にも持ち上げられないハンマー』があると聞きつけたソーはそれがムジョルニアと確信し、ハンマーが落ちた場所へ向かいます。

ジェーンはソーがオーロラの秘密を知っているかもしれないと思い同行しようとしますが、ジェーンの同僚エリックはソーの発言が北欧神話の言い伝えと一致することに気付き「あいつは妄想にとりつかれてるだけ。関わりたくない」と強く反対したため、ソーは1人で行くことになりました。

ジェーンたちはソーと別れて研究再開しようとしますが、突然現れたシールド(S.H.I.E.L.D.)に、ムジョルニアとジェーンの今までの研究を押収されてしまいます。

『S.H.I.E.L.D.』とは
「国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.」通称シールドは、未知の脅威から人類を守ることを目的として作られた国家の秘密組織です。
この作品の後に結成される『アベンジャーズ』は、シールドの創設者ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)によって結成されました。

ヤケになったジェーンは、徒歩で移動しようとしていたソーに声をかけ、車で運んであげる代わりにオーロラやムジョルニアについて教えて欲しいと交渉しました。

ソーとジェーンは目的地に着きますが、ムジョルニアの周りにはシールドの簡易施設が作られて、分析が始まっていました。
ソーはジェーンに安全な場所に居るように言うと、ひとりで施設に突撃します。

ソーは護衛を振り切ってムジョルニアを奪取しようとしますが、ムジョルニアはソーが触れても反応せず、持ちあげることができませんでした。
ショックを受けたソーは、そのままシールドに捕まりました。

 

あらすじ③:アスガルドからの応援、ロキの裏切り

マイティ・ソー
ムジョルニアが持てないソー © 2011 MARVEL

ソーがシールドに捕まっている間、弟のロキが人目を忍んでソーに会いに来ました。
ロキは「お父様が兄さんのせいで死んだ。お母様が兄さんを永久追放しろと命じたので伝えに来た」と言います。
ショックを受けたソーは、永久追放に納得しました。

その後、ソーが捕まったとジェーンから聞いたエリックが現れて、シールドの長官コールソンに「ソーは俺の研究者仲間だ」と口をきいて助けてくれました。
ソーは施設から出る時、ジェーンが大切にしていた研究ノートを見つけてこっそり持ち去りました。

施設から出た後、エリックはソーを酒場に連れて行くと「私はジェーンの父とは親友だった。君を助けたのはジェーンが悲しんでいたからだ。でも私は君を信用してないから、ジェーンとはくっついてほしくない。だから、助けた代わりに君はもうジェーンに近づかないで欲しい」と言います。

ソーは同意しますが、その後エリックはお酒を飲み過ぎて酔いつぶれてしまいました。
ソーはエリックをジェーンの所に送り届けてお別れしようとしますが、宇宙の話をしている内にソーはジェーンへの恋心に気付き、離れたくなくなりました。

翌朝、ジェーン達と最後の朝食を食べようとしていたソーの前に、アスガルドから来たシフと『ウォリアーズ・スリー』のヴォルスタッグ(レイ・スティーブンソン)、ホーガン(浅野忠信)、ファンドラル(ジョシュア・ダラス)が現れます。

4人と話してオーディンが死んだというのがロキのウソだと知ったソーは、アスガルドに戻る決意をします。

オーディンがソーをアスガルドから追放するように仕組んだのはロキでした。
ロキの狙いはソーを怒らせ、暴走したソーにオーディンが愛想を尽かして「ロキに王位を譲ろう」と心変わりさせることでした。

しかしオーディンは心変わりせず、ロキがヨトゥンハイムのラウフェイの息子だったことが発覚します。
オーディンはラウフェイから『箱』を奪った時、置き去りにされていた赤ん坊のロキを保護し、息子として育てていたのです。

オーディンがロキを後継者に選ばないことを出自のせいだと思ったロキは、周囲を見返すためにアスガルドの王になる決意をしました。
ロキが王位を継ぐにはソーが邪魔だったため、ロキは嘘をついてソーをアスガルドから永久追放しようとしていたのです。

 

結末

マイティ・ソー
ソーとジェーン © 2011 MARVEL

その頃、オーディンは定期的に訪れる『長い眠り』に逆らえず、冬眠状態のようになっていました。

ロキは再びラウフェイに会いに行き「今オーディンは眠っている。今ならオーディンを楽に殺せて『箱』も取り戻せる」とアドバイスします。
ラウフェイはロキの話に乗ってアスガルドに侵入しますが、ロキはオーディンの寝室に入ったラウフェイを殺し、ソーに変わってアスガルドの王になろうとします。

オーディンの槍『グングニル』を手にしたロキは、人間界に通じる『虹の橋』の番人ヘイムダルを凍らせてソー達が簡単にアスガルドに戻れないようにすると、戦闘ロボットのデストロイヤーを人間界に放ち、ロキの命令に背いたソー達を皆殺しにしようとします。

デストロイヤーの戦闘力に敵わないとわかったソーは、「俺の命をやる。だから仲間も人間も殺すな」とロキと交渉しました。
その時、ムジョルニアが突然動き出してソーの所に駆けつけて、ソーは神の力を取り戻しました。

ソーのテレパシーでヘイムダルが復活すると、ソーはジェーンに「必ず戻ってくる」と約束して仲間達と共にアスガルドに戻ります。
ロキはオーディンに真の後継者に認めてもらうため、虹の橋のパワーを使って敵国ヨトゥンハイムを滅ぼそうとします。
ソーは「むやみに殺すな」と説得しようとしますが、ロキは言うことを聞きません。

すると、ソーは虹の橋そのものを壊して攻撃を止めようとしました。
ロキは「虹の橋を壊したら人間の女に二度と会えなくなるぞ」と言いますが、ソーは「仕方ない」と答えました。

やがて2人は壊れた虹の橋でバランスを崩し、宇宙に放り出されそうになります。
そこに、眠りから目覚めたオーディンが駆けつけてソーとロキを助けようとしました。
ロキは「ヨトゥンハイムを滅ぼせそうでした」と功績をアピールしますが、オーディンは「お前は命の大切さがわかっていない」と悲しげに答えます。

傷ついたロキは、そのまま自ら手を放して宇宙に消えました。

オーディンの課題をクリアして無事にアスガルドに戻ったソーは、王子としての元の暮らしに戻りました。
虹の橋は壊れてしまい、ソーはもう会えないジェーンが恋しくなります。
千里眼を持つ番人ヘイムダルが「人間の女があなたに会いたがっています」と教えると、ソーは心が繋がっていることを知り安心しました。

 

ポストクレジット

ジェーンの仲間の天文学者エリックは、シールドのニック・フューリーに呼ばれて無限の力を生み出すという謎の物体『コズミックキューブ』の調査を依頼されました。

「大変興味深い」と感想を述べるエリックですが、彼は人間界に身を隠していたロキに操られていました。




感想、解説、考察など

ロキは何をした?

マイティ・ソー
© 2011 MARVEL

今回の騒動の黒幕はロキでした。

ソーが王を継ぐことに嫉妬していたロキは、王位継承の儀式を壊してやろうと思いつき、事前にヨトゥンハイムのラウフェイと取引し、儀式の日にヨトゥンハイムの兵士が武器庫に侵入する手引きをしました。

その裏には、ソーを怒らせて暴走させ、オーディンがソーに愛想を尽かして「ロキに王位継承させる」と心変わりさせるという狙いがありました。

しかし、オーディンはソーを人間界に追放した後も課題を乗り越えてアスガルドに帰ってくるのを待っていて、ロキに王位継承させる気は無さそうです。
ヨトゥンハイムでの体験から自分の出自に疑問を感じたロキは、オーディンを問い詰めて、ロキがラウフェイの息子だと知りました。

この時、ロキには真の故郷ヨトゥンハイムに戻るかアスガルドに残るか選べましたが、ロキはアスガルドの国王になることを望みました。

 

ロキはなぜラウフェイを殺しヨトゥンハイムを滅ぼそうとした?

アスガルドの国王になるには、オーディンに認めてもらえるような大きな功績を作る必要があるとロキは考えました。
そのため、ロキは故郷でも敵国でもあるヨトゥンハイムを滅ぼすことでオーディンに認めてもらおうとしました。

しかし、ヨトゥンハイムを滅ぼそうとしたロキの行動をオーディンは認めません。

恐らくオーディンが望んでいたのはヨトゥンハイムとの和解であり、どちらかが滅びることではなかったのです。
ソーが学んだ『命を奪っても得る物はない』
ロキにはそこが理解できず、オーディンに認めてもらえなかったショックからアスガルドを出ました。

 

ムジョルニアはなぜソーの手に戻った?

マイティ・ソー
© 2011 MARVEL

ふさわしき者がハンマーのパワーを授かるであろう

ソー愛用の武器ムジョルニアは、人間界に追放されるまでソーが自由に使えていたので特に制約は無かったと思われます。

オーディンはソーを追放するとき、ムジョルニアに『ふさわしき者がハンマーのパワーを授かる』と魔法をかけてから人間界に落としました。
具体的には『人々を統治し、王になる素質を持つ人物』しかムジョルニアを使えないようにしたのです。

シールドに突撃した時にムジョルニアをソーが持てなかったのは、この時のソーにはまだ王としての素質が備わっていなかったからです。

その後、ソーはロキが放ったデストロイヤーとの戦いの時にムジョルニアはソーの元へ戻ってきました。
ムジョルニアが勝手に戻ってきたのは、ソーに王としての素質が備わったからです。

ソーが人間界で学び変わったのは、命の尊さを知り、自己犠牲の精神が芽生えたことです。
ジェーンへの愛と、ロキの命令に背いてでも助けに来てくれた仲間達が死にかけたことでソーの意識が変わりました。

後の他作品でも、アベンジャーズたちの間で「誰がハンマーを持てるか」で盛り上がったり、意外な人物がハンマーを持てて驚きがあったりします。

 

ポストクレジットと他作品との関わり

エンドロールの後に登場したコズミックキューブは、フェーズ1のラストを飾る映画『アベンジャーズ』(2012)において重要なアイテムです。

このシーンに登場した天文学者のエリックはロキに操られていて、映画『アベンジャーズ』でもロキがキューブを使って悪さを働きます。

以上です!お読みくださりありがとうございました。
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