映画『すずめの戸締まり』ネタバレ解説考察|白猫ダイジンの正体、目的、蝶々の意味など | 映画の解説考察ブログ

映画『すずめの戸締まり』ネタバレ解説考察|白猫ダイジンの正体、目的、蝶々の意味など

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すずめの戸締り ファンタジー

映画『すずめの戸締まり』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!

ダイジン、サダイジン、黄蝶の正体、後ろ戸が廃墟にあった理由は?などについて考察しています。
鑑賞済みの方向けの解説考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

すずめの戸締り

制作年:2022年
本編時間:120分
制作国:日本
監督・脚本・原案:新海誠
関連書籍:『すずめの戸締まり』新海誠 著
主題歌:『すずめ』十明

主要キャスト

岩戸 鈴芽(いわとすずめ)…原菜乃華
九州の田舎町に住む17歳の女の子。
2011年(鈴芽は当時6歳)に起きた災害で唯一の肉親だった母を亡くし、母の姉 環に育てられている。
謎の美青年 草太を追って不思議な扉と草太の家業に関わることになる。

宗像 草太(むなかたそうた)…松村北斗
先祖代々続く『閉じ師』を家業とする青年。
日本各地に点在する災いをもたらす扉『後ろ戸』を閉じるため、あちこち旅して周っている。

ダイジン山根あん
鈴芽と草太の前に突然現れた喋る白猫。
草太に呪いをかけて子供用の椅子に変えてしまう。

岩戸環(鈴芽の母の姉)…深津絵里
海部千果(愛媛の女子高生)…花瀬琴音
二ノ宮ルミ(神戸のスナックのママ)…伊藤沙莉
芹澤朋也(草太の友人)…神木隆之介
岡部稔(環の同僚)…染谷将太
宗像羊朗(草太の祖父)…松本白鸚
岩戸椿芽(鈴芽の母)…花澤香菜 ほか

 

あらすじ紹介

すずめの戸締り

廃墟の扉 ©2022『すずめの戸締まり』製作委員会

熊本県のとある田舎町に暮らす17歳の女子高生 岩戸鈴芽は、登校中に謎の美青年 宗像草太に出会います。
草太が廃墟を探していたので、鈴芽は近くの山中に廃墟があると教えました。

数分後、鈴芽は草太のことが気になり追いかけて廃墟に行くと、異世界と繋がっている不思議な扉を見つけました。
このとき鈴芽は床に変な石が刺さっているのを見つけて興味本位で引っこ抜くと、石は毛むくじゃらの生き物に変わって逃げてしまいました。
草太も見つからず、鈴芽は怖くなって逃げるように学校に行きました。

その後、鈴芽が引っこ抜いた石は扉を封印するための『要石(かなめいし)』と呼ばれるものだったことや、扉の封印が解けたために大きな自然災害がいつ起きてもおかしくない状態になってしまったこと、
草太は不思議な扉を閉じる『閉じ師』という仕事を先祖代々から家業にしていた人物であることなどがわかります。

そうこうしているうちに鈴芽と草太の前に白い猫ダイジンが現れます。
ダイジンは鈴芽が引っこ抜いた要石の役目をしていた神様でした。
ダイジンは草太に呪いをかけ、草太は鈴芽の部屋にあった子ども用の椅子に姿を変えられてしまいました。

椅子になってしまった草太はこのままでは閉じ師の仕事ができません。
鈴芽は全てを元に戻してもらうため、草太と一緒にダイジンを捕まえる旅に出ました。

 

解説・考察・感想など

ダイジンの正体は?

すずめの戸締り

©2022『すずめの戸締まり』製作委員会

ダイジンは後ろ戸を封印し守る神様です。
もう1人の黒猫の姿をした神様が『サダイジン(左大神)』と名乗ったので、ダイジンのちゃんとした名前は『ウダイジン(右大神)』だと思われます。

お雛様の歌に登場し、都の役職にもあった右大臣と左大臣も守衛さんでしたね。

サダイジンが東京、ダイジンが九州に要石として地面に刺さることで封印が完成していたようですが、鈴芽がたまたま要石を地面から引っこ抜いたことで封印が解け、ミミズが後ろ戸から出てきやすい状況になってしまいました。




ダイジンはなぜ逃げていた?痩せたり太ったりしたのはなぜ?

ダイジンはただ逃げていたわけではなく、次にミミズが出て来る後ろ戸に鈴芽を誘導していました。
ダイジンは鈴芽の手により封印を解かれ、優しくしてもらったことで鈴芽を気に入ったからです。

草太の発言の通り『神様の本質は気まぐれ』なので、ダイジンは鈴芽と一緒に居たくなってしまい、要石に戻りたくなくて草太に役目を押し付けようとしたのです。

ダイジンの容姿が鈴芽の対応によって健康的になったり病的になったりしたのは、神様も人間と同じで必要とされ気にかけてもらうことが重要で、嫌われたり無関心にされると神様自身の力が弱まってしまうことを表現していたのではないかと解釈しています。

ラストでダイジンがちゃんと要石に戻ったのも、草太を助ければ鈴芽が喜ぶとわかったからです。
要石は冷たく、草太も精神ごと凍ってしまっていたので寒くて孤独で辛い役目なのかもしれませんが、それは今まで要石が誰にも気にかけてもらえていなかったことと関係しているのかもしれません。
これからは鈴芽と草太がダイジンに感謝の気持ちを持つことで、ダイジンは孤独から解放されて凍ったりせず、サダイジンのように健康的になれるかもしれません。

一方でサダイジンが最初から健康的だったのは、恐らく草太の祖父の羊朗がサダイジン(東京の要石)を大切にし感謝の気持ちを持っていたからだと思われます。

そう考えるとダイジンはどことなく『千と千尋の神隠し』のカオナシに似ていたような気がしました。

 

地震の原因『ミミズ』とは?『要石』は実在する?

大昔、地震が起こる原因は地中深くに潜む巨大な鯰(なまず)が暴れているからだと信じられていました。
要石は、巨大ナマズが暴れないために作られた霊石で、日本神話では香取(現在の千葉県)と鹿島(現在の茨城県)の大神様が協力し、大ナマズの頭としっぽに要石を突き刺して押し鎮めたという伝説が残っています。

この巨大ナマズが、本作に登場する『ミミズ』のモチーフになっています。
草太が言っていた『理由も意思も目的もなくただ暴れ、地震を起こす』という特徴は脳のないミミズの方が魚よりもイメージに合っているし、巨大魚だと『主(ぬし)』などのイメージから少なからず神聖さが出てしまいますし、『地震』に神性を持たせるのを避けてそこに意思も感情も無いことを強調するために、あえて脳の無い原始的な生き物みみずに変えたのではないかと勝手に解釈しています。

また、『要石』は日本は実在する霊石で、茨城県の鹿島神宮、千葉県の香取神社、三重県の大村神社、宮城県の鹿島神社の4か所で奉鎮されています。

 

次のページに続きます!

2ページ目は「鈴芽と草太だけにミミズが見えた理由」「サダイジンはなぜ現れた?」「鈴芽が常世で見た女性は?」「後ろ戸が廃墟にあるのはなぜ?」「黄色いチョウチョ」について書いてます!




感想などお気軽に(^^)

  1. 匿名 より:

    非常に読み応えある考察でした。ただ、新海監督の名前は直した方が良いかなと

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