『ラストナイト・イン・ソーホー』ネタバレ解説|ラスト考察、エリーの夢と事実が違ったのはなぜ?など | 映画鑑賞中。

『ラストナイト・イン・ソーホー』ネタバレ解説|ラスト考察、エリーの夢と事実が違ったのはなぜ?など

ダークファンタジー

映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のあらすじ紹介、解説考察をしています!

60年代のファッションと音楽を愛する18歳の霊感少女エロイーズが、1960年代に殺された少女の夢に取り憑かれる。

鑑賞済みの方向けの解説考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください(__)

ラストナイト・イン・ソーホー

原題:Last Night In Soho
制作年:2021年
本編時間:116分
制作国:イギリス
監督:エドガー・ライト
脚本:クリスティ・ウィルソン=ケアンズ、エドガー・ライト
この映画はR-15+の年齢制限があります。
理由は刺激の強い殺傷・出血の描写がみられるためです。(映倫より一部抜粋)




主要キャスト

ラストナイト・イン・ソーホー
© 2020 Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
エロイーズ・ターナー(エリー)…トーマス・マッケンジー
60年代のロンドンファッションが大好きでファッションデザイナーを夢見る女の子。
父親はおらず、母はエリーが7歳の頃に自殺していて祖母に育てられた。
強い霊感があり、下宿先で元下宿人に関する不思議な夢を見るようになる。

 

ラストナイト・イン・ソーホー
© 2020 Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
サンディ…アニャ・テイラー=ジョイ
エリーの下宿先に昔住んでいた女の子。
歌手になる夢を叶えるために奮闘するが、若者の夢を食い物にする悪い大人たちに利用されてしまう。

 

ラストナイト・イン・ソーホー
© 2020 Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
ジャックマット・スミス
カフェ・ド・パリのスタッフマネージャー。
仕事を求めてカフェ・ド・パリに現れたサンディと恋に落ちる。

 

ミス・コリンズ…ダイアナ・リグ
謎の老人…テレンス・スタンプ
ジョン(クラスメイト)…マイケル・アジャオ
ジョカスタ(先輩ルームメイト)…シノーヴ・カールセン
ペギー(エリーの祖母)…リタ・トゥシンハム
キャロル(パブの店主)…ポーリン・マクリン
ララ(ジョカスタの友人)…ジェシー・メイ・リー
カミ(〃)…カシウス・ネルソン
アシュリー(〃)…レベッカ・ハロッド
ミス・トビン(教師)…エリザベス・ベリントン
タット・リンジー…サム・クラフリン
カフェ・ド・パリの従業員…ジェームズ・フェルプス、オリヴァー・フェルプス
シラ・ブラック(歌手)…ベス・シング
コビー(カフェ・ド・パリの客)…ポール・ブライトウェル
ミスター・ポインター(〃)アンドリュー・ビックネル
『Toucan』バーテンダー…アラン・マホン
酔った生徒…コナー・カーランド
カフェ・ド・パリのバーテンダー…ウィル・ロジャース
『リアルト』のオーナー…テレンス・フリッシュ
刑事…マイケル・ギブソン
タクシードライバー…コリン・メイス
エロイーズのママ…アミー・カッセッタリ ほか

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※このページの情報は2022年8月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

あらすじ紹介

あらすじ①:サンディの夢を見るエリー

ラストナイト・イン・ソーホー

© 2020 Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

60年代ファッション、音楽が大好きな田舎娘のエリー(トーマス・マッケンジー)は、ロンドン北部ソーホーにある芸術大学の服飾科に進学が決まり、大学寮で新生活を始めました。

わくわくしながら入寮しますが、エリーは初日からルームメイトのジョカスタシノーヴ・カールセン)と馬が合わず、彼女のグループに嫌われ孤立してしまいます。
エリーは学校の情報掲示板で女性専用の家具付き間借り物件の広告を見つけ、雰囲気が気に入りすぐに寮から出て一人暮らしを始めました。
その家はエリーの好きな1960年代に建てられた家で、家主のミス・コリンズ(ダイアナ・リグ)はちょうどエリーの祖母と同世代で、何となく安心したのです。

寮からミス・コリンズの部屋に引っ越した日の夜、エリーは実家から持ってきたレコードプレーヤーで祖母にもらったお気に入りのレコードをかけました。
すると、エリーはこの部屋に1965年頃に住んでいた女の子サンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)のとてもリアルな夢を見ます。
サンディは歌手志望で、当時ロンドンの人気店だった『カフェ・ド・パリ』という高級ナイトクラブに歌手の仕事を交渉しに行き、その店のマネージャー(ポン引き)のジャック(マット・スミス)と恋に落ちるという夢でした。

翌日、夢でジャックがサンディに付けたキスマークがエリー自身の首にもついていることに気付き、ただの夢ではないと確信します。

 

あらすじ②:

ラストナイト・イン・ソーホー

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エリーはサンディに憧れて、自分でデザインした服を制作する授業でサンディが着ていたピンクのシフォンドレスを再現しようとします。
そのデザインは先生にも褒められて、エリーは少し自分に自信が付きました。

エリーは髪をサンディと同じブロンドに染め、彼女が着ていた服と似た服をアンティークショップで買い漁る内に金欠になったので、近くのパブでバーテンダーのアルバイトを始めました。

エリーがサンディの真似をし始めた直後、パブの従業員が陰で『触り魔』と呼ぶ謎の老人(テレンス・スタンプ)がエリーにやたらと絡んでくるようになりました。
老人はエリーをサンディと間違えているかのような発言をするので、エリーは気味悪がって彼を避けていました。

部屋でレコードプレーヤーを使うと、エリーは必ずサンディのリアルな夢が見られます。
エリーはサンディに会えるのが何よりも楽しみになっていましたが、ある夜、サンディがカフェ・ド・パリで歌手ではなくエッチな踊り子として働かされているのを見て悲しくなりました。

しかも、ジャックはサンディを気に入った富裕層の男性客に売春行為をさせようとしました。
サンディは断固拒否していましたが、ジャックに「しばらく我慢すれば必ず歌わせてやる」「ここの歌手は全員同じ道を通ってきた」と言われ、他に行き場も無かったサンディは心を無にして男性客の相手をするようになります。

しかしサンディはいつまでも娼婦同然に扱われ歌わせてもらえず、ジャックには沢山の彼女がいることもわかり、次第に病んでいきました。

 

あらすじ③:

ラストナイト・イン・ソーホー

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エリーはサンディの夢を見るのがつらくなりレコードを使わずにいましたが、ある夜レコードが勝手に動いて強制的にサンディの辛い経験の夢を見させられました。

10月31日、エリーはクラスメイトの友人ジョン(マイケル・アジャオ)に誘われてハロウィンパーティーに行きました。
しかし、エリーはパーティー会場のダンスクラブで、サンディの夢に出てきた何人もの『体目当ての男たちの亡霊』を見たり、踊るサンディも見えてしまいパーティーに居られなくなりました。

どうしても1人で帰りたくなかったエリーは、ミス・コリンズとの約束『20時以降は男性入室禁止』を破ってジョンを深夜の部屋に招き入れました。

2人が良い感じになりベッドインした直後、レコードをかけていないのにサンディとナイフを持ったジャックが現れて、ジャックがサンディをめった刺しにして殺すリアルな幻覚が見えました。
エリーは恐ろしさのあまり悲鳴を上げてしまい、ジョンは起きてきたミス・コリンズに見つかって家から追い出されました。

翌日、エリーはミス・コリンズに謝罪して「この部屋をサンディという女の子が昔使っていなかったか」と聞きますが、ミス・コリンズは覚えていませんでした。

エリーは学校でも幻覚に見舞われ、耐えられなくなって警察に行きサンディの夢を洗いざらい喋りました。
男性刑事はエリーを病気と思い相手にしませんでしたが、女性刑事は真摯に対応してくれて「ちゃんと調べたいから、サンディのフルネームが知りたい」と言いました。

エリーはジョンと一緒に図書館でサンディの記事が無いか調べますが、その日は手がかりになりそうな情報は見つかりませんでした。
エリーは図書館でも男たちの幽霊を見てしまい、間違えてジョカスタをハサミで刺しかけました。

 

あらすじ④:結末

エリーは謎の老人の正体がジャックに違いないと思い、バイト先のパブに行って老人に会いました。(老人はエリーのバイト先のパブの常連客)
老人はサンディの死を「自業自得だ」と言うので、怒ったエリーが「殺したのはあなただ」と怒鳴ると、老人は「彼女を殺したのはアレクサンドラだ」とよくわからない発言をしました。
エリーは帰ろうとする老人に真相を問い詰めようとしますが、エリーが無理に引き留めたせいで老人は車に轢かれて倒れてしまいます。

老人が轢かれた直後、エリーは老人の正体がジャックではなくタット・リンジーという元警察官で長年風俗の取締りをしていたことを知りました。

エリーはペギーに電話して実家に帰る決意をし、ジョンに頼んで車で送ってもらえることになりました。
エリーは家主のミス・コリンズに事情を説明して「故郷に帰ることにしたから間借りの契約解消する。お金が必要になるから前金を返して欲しい」と頼みました。(家賃2か月分を前金で払っていた)

この時、エリーはミス・コリンズのフルネームが『アレクサンドラ・コリンズ』だと気づきます。
動揺するエリーに、ミス・コリンズは「サンディは男たちに殺されたもう1人の私だ」と打ち明け話を始めました。

サンディは自分を殺して売春を続けていましたが、ある日ジャックにナイフで脅された時にナイフを奪ってジャックを殺しました。
それからサンディは夢を諦め、アレクサンドラに名前を変えて男たちへの復讐に生きる道を選んでしまいます。

サンディは夢見る若い女性を食い物にする男たちを1人ずつ家に呼んでは殺し、家の床下や壁に埋めていた連続殺人犯になっていました。
男たちは全員誰にも行き先を告げずにサンディに会いに来ていたため、漏れなく失踪者扱いで処理されていました。

エリーはサンディが生きていたことに安心しますが、サンディはエリーを口封じのために殺すつもりでお茶に毒を入れていました。
エリーを心配したジョンが家に助けに来てくれますが、ジョンもサンディに刺されて倒れてしまいます。

エリーはジャックを守ろうとした時に灰皿を倒してしまい、数分後には火事になりました。
エリーは自室に駆け上がり電話で助けを呼ぼうとすると、床や壁から男たちの幽霊が出てきてエリーにまとわりつき「助けてくれ。彼女を殺せ」と訴えました。

サンディもエリーの部屋で男たちの幽霊を目撃し、ジャックの霊が「死ぬまで一緒だ」と吐き捨ててサンディにビンタしました。
サンディは我に返ったようになり「こんなはずじゃなかった。警察に捕まる位ならここで死ぬ」と言い自殺を図ろうとしたので、エリーはサンディからナイフを奪って「生きて欲しい」と抱きしめます。
しかしサンディは「お前に私は救えない。まずは自分と男の子を救いなさい」と言ってベッドに座ってしまいました。

エリーがジョンを助け起こそうとした時、消防隊が駆けつけて2人は助かりました。

数か月後。エリーは学校で才能を認められ、校内でファッションショーを開くことができました。
かつてはジョカスタに従ってエリーの悪口を言っていた女子達も、今ではエリーに尊敬のまなざしを向けています。

ショーが終わった後、エリーは鏡の中にサンディを見つけました。
サンディがキスを送ってきたので、エリーも鏡をノックして返事をしました。

解説・考察・感想など

ホラー映画なのが不思議な位、主演のトーマス・マッケンジーちゃんも60年代の音楽やファッションも全てが可愛い映画でした。

以下、気になった点など考察したり、調べた内容をまとめてます。

映画『007/サンダーボール作戦』

エリーがタイムスリップした年代を示す目印として、街の映画館で『007/サンダーボール作戦』が上映されているのが強調されました。

この映画はアメリカで1965年12月に公開した『007』シリーズの第1作目であり、日本でも知名度の高い映画です。

 

ハリポタのウィーズリー兄弟

ラストナイト・イン・ソーホー

© 2020 Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

この映画には、ハリポタシリーズでウィーズリー家の双子役を演じたことで有名なオリヴァー・フェルプス氏とジェームズ・フェルプス氏が出演されていました。

エキストラ的な登場だったので少々わかりにくくはありましたが、エリーが初めてサンディの夢を見て『カフェ・ド・パリ』に入った直後にコートを預かってくれた従業員がフェルプス兄弟です。

あまり自信無いですが、エリーの上着を預かったのが恐らくジェームズ、鏡の向こうに移るサンディのコートを預かったのがオリヴァーだと思われます。

 

エロイーズがジョカスタに嫌われたのはなぜ?

ラストナイト・イン・ソーホー

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エリーは入寮初日からルームメイトのジョカスタと馬が合わず、数時間後には嫌われてしまいました。

ジョカスタは何にでも優劣を付けたがり、見栄っ張りでプライドが高く自分がいつもトップでないと気が済まない性分で、どちらかというと筆者から見ても苦手なタイプの女性でしたが、ジョカスタがエリーのどんなところが気に食わなかったのか考えてみます。

エリーとジョカスタに最初に見つかった共通点は『母親を亡くしていること』でした。
ジョカスタは15歳で母を事故で亡くし、エリーは7歳の時に母が自殺しています。
本来なら家族の死に方やタイミングを比べるなんてナンセンスですが、ジョカスタは自分とエリーを『どちらがよりインパクトのある苦労人か』の観点で比較して自分が負けたと感じ、同時にエリーに不幸自慢された気分になりイラついたのです。

ジョカスタが「7歳の時に母を亡くす方が15歳で母を亡くすより楽かも」、「私の叔父も自殺した」などいちいちエリーに対抗するのは、勝手に自分の中で優劣をつけて勝手に負けたと感じて負け惜しみしているからです。(一人相撲)

また、ジョカスタのファッションは彼女の好きなブランド品で統一されていたのに対し、エリーは自作の服を着ていました。
これから服飾の勉強をするはずなのに、エリーは既に服作りの基礎が身についていることを意味します。

ジョカスタは「ダサい」と一蹴していましたが、内心では何歩も先を行かれているように感じて気にくわなかったのではないでしょうか。

 

「アレクサンドラがサンディを殺した」とは?

エリーが謎の老人リンジー(テレンス・スタンプ)を尋問した時、リンジーは「殺したのはアレクサンドラだ」と言いました。

風俗に関わる女性を何人も見てきたリンジーからすれば、恐らくサンディは行動次第で『夢追うサンディ』のまま夢に突き進むか、夢を諦めて『復讐者アレクサンドラ』になるか選べたはずで、彼女は復讐に生きる道を選び、夢(=サンディでいること)を諦めたと言う比喩的な意味での発言だったと思われます。

そうなるとリンジーはアレクサンドラがサンディだと知っていたことになり、言い回し的にも彼女が連続殺人犯だと気付いていた可能性が高いですが、捜査しようとしなかったのは「自業自得だ」と言いつつも、同情していたからなのかもしれません。




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