映画『新聞記者』ネタバレ解説|羊の意味、ラスト考察、自殺とスキャンダルの真相など | 映画の解説考察ブログ

映画『新聞記者』ネタバレ解説|羊の意味、ラスト考察、自殺とスキャンダルの真相など

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新聞記者 クライムドラマ
©2019「新聞記者」フィルムパートナーズ

映画「新聞記者」のあらすじ紹介、解説考察を書いてます!
考察内容は「スキャンダルの事実と裏事情」「羊の意味」「神崎が自殺した理由」「ラスト考察」「大学新設の本当の目的」などについて書いています。

鑑賞済みの方のための考察記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。

新聞記者

制作年:2019年
本編時間:110分
制作国:日本
監督:藤井道人
脚本:詩森ろば、高石明彦、藤井道人
原作小説:「新聞記者」望月衣塑子

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主要キャストとあらすじ

キャスト紹介

杉原松坂桃李
外務省から出向中の内閣情報調査室職員。
内閣関係者の情報操作ばかりの業務に疑問を抱き、自殺してしまった元上司神崎の本当の自殺の原因を探る。

吉岡 エリカシム・ウンギョン
東都新聞社のジャーナリスト。
会社に匿名で送られてきた内閣府認可の医療系大学新設について調べているうちに、内閣府職員で大学新設の担当者だった神崎にたどり着く。
杉原と協力して大学に隠された闇を暴こうとする。

多田(内調室長)…田中哲司
奈津美(杉崎の妻)…本田翼
陣野(吉岡の上司)…北村有起哉
吉岡の同僚…岡山天音
都築亮一(内閣府地方創生推進事務局)…高橋努
神崎俊尚(杉原の元上司、国家戦略特区職員)…高橋和也
神崎の妻…西田尚美
神崎の娘…宮野陽名
白岩(文部科学省大学教育局長)…金井良信
ジム(吉岡の知り合い)…イアン・ムーア
後藤さゆり(レイプ被害者)…東加奈子
内調職員…長田成哉、中村公隆
東都新聞社員…郭智宏 ほか
 

あらすじ紹介

国家公務員の杉原(松坂桃李)は国家体制を守るための部署とされる内閣情報調査室(内調)に勤務していますが、近頃は特定の人物の悪評を流すような仕事ばかりでモヤモヤする日々を過ごしています。

その頃、東都新聞社内に「新潟に新設予定の医療系大学院大学」の関係書類が匿名のファックスで送られてきました。

資料には目が真っ黒の羊のイラストが添えられています。
資料には「内閣府主導」とあり、大学を作るのは普通は文部科学省なので前代未聞です。
また「大学経営は民間企業に委託予定」となっていて、この資料だけでも「内閣関係者が友人の会社に経営資金として多額の賄賂を流そうとしている」と想像できます。
多額の賄賂の出処は国民から徴収した税金であることはほぼ確定です。

東都新聞記者の吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は、上司の陣野(北村有起哉)の指示でこの資料が本物かどうか調べることにしました。

 

解説・考察

スキャンダルの真相

不倫やレイプもみ消しなどのスキャンダルや神崎の自殺などの詳細を振り返ります。

白岩の不倫疑惑

最初のスキャンダルは文部科学省大学教育局の白岩の不倫スキャンダルでした。

大学を作るのは、普通なら白岩のいる局です。
内閣府は当初、通常通り文部科学省の大学教育局に「医療系大学」の新設を依頼して圧力もかけていたと思われますが、明らかに怪しかったため白岩は圧力に負けず断わりました。

その後の不倫スキャンダルなので、白岩は総理の意向に逆らった罰として不倫スキャンダルをでっち上げられ解任に追い込まれました。
白岩の事件は、内閣府(ひいては総理)の言うことを聞かない者は不要とみなされることを意味しています。
白岩の記事が全国的に全く同じ文面だったのも、政府高官が出版社に圧力をかけ、内閣側が用意した記事を新聞掲載させていることがわかります。

また、白岩の裏口入学に関する記事も正しいとしたら、白岩は以前 政府高官からの命令で官僚関係者の息子を裏口入学させ、それがバレた時に「官邸からの指示でやった」と発言して政府高官の誰かに睨まれていて、医療系大学の件を断ったことで見限られたことになります。

 

レイプ事件のもみ消し

辻本というジャーナリストとジャーナリスト志望だった女性 後藤さゆりのレイプ事件が話題になります。
容疑者である辻本は結局逮捕されませんでした。
辻本は総理お抱えの記者として出版関係者の間で有名なので「総理が官僚権力を使って辻本を守った(事件をもみ消した)のではないか」と囁かれます。

辻本の釈放後、後藤さゆりは実名と顔を晒してまで記者会見を開いて裏で官僚権力が動いたことを仄めかして抗議しますが、内調の多田(田中哲史)が上層部からの指示を受け、杉原に「後藤さゆりは野党が雇ったハニートラップだという記事とチャート図を作って記者に渡せ」と命じます。

杉原は疑問を抱きながらも指示通りにしますが、翌日には杉原が記者に渡した資料とともに「内調が後藤さゆりを貶める記事を掲載しろと記者に依頼した」と真実を暴露する記事が出ました。

内調がいつも使っていた記者が辻本であり、彼は仕事できない状態だったので他の記者に依頼した所、真実を掲載されてしまったのです。
掲載した記者は恐らく後藤さゆりが正しいと判断したのでしょう。

一方で吉岡も後藤さゆりの主張を記事にしますが、とても小さく目立たない記事に変更されてしまいます。
これは出版社に政府から圧力がかかったことを意味します。

真実が記事にされたことを怒った多田は、後藤さゆりが野党と繋がっているという情報を与党ネットワークサポーターに拡散しろと指示します。
ネットワークサポーターとは特定の組織の支持者で積極的にSNSなどで支持組織を応援してくれる集団のことです。
なので「与党ネットワークサポーター」は簡単に言えば「現総理大臣とその政権の熱狂的なファン」です。

後藤さゆりが野党の差し金だと与党ファンが聞けば、彼らは勝手にSNSで後藤さゆりの悪評を拡散してくれるので多田はそう命じたのです。
しかし「後藤さゆりが野党の差し金」という情報そのものが事実無根であるため杉原は抗議しますが、聞き入れられませんでした。

次のページに続きます!

2ページ目は「自殺の真相」「羊の意味」「ラスト考察」などです。




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