ジブリ映画「天空の城ラピュタ」の解説・考察をしています!
「ムスカが飛行石に触れなかった理由」「ラーマヤーナのインドラの矢」「シータはどうやってパズーに滅びの呪文を教えた?」「ラピュタはあの後どうなった?」など書いてます!
鑑賞済みの方のための解説記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。
主要キャストとあらすじ紹介
キャスト紹介
パズー…田中真弓
シータ…横沢啓子
ムスカ…寺田農
ドーラ(ママ)…初井言榮
ルイ(次男、ちょび髭)…安原義人
アンリ(三男、目が隠れてる)…亀山助清
親方(ダッフィー)…糸博
おかみさん(親方の妻)…鷲尾真知子
マッジ(親方の娘)…TARAKO
機関車の機関士…西村知道
ポムじいさん(石の声を聴く男)…常田富士男
軍隊の将軍…永井一郎
シータの祖母…鈴木れい子
老技師(じっちゃん、ドーラ一家の機関士)…槐柳二 ほか
あらすじ紹介
スラッグ渓谷の鉱山で見習い機械工として働く男の子パズーは、ある日の仕事中、空から気絶している女の子シータと光る石がゆっくりと降りてくるのを目撃しました。
仕事が終わってもシータが起きないので、パズーは彼女を自宅に連れ帰って寝かせました。
(空から降りてきたシータを見つめるパズー 引用:https://twitter.com)
翌朝。パズーが探している伝説の浮き島『ラピュタ』にシータが関わっていることや、彼女は軍隊と海賊から追われていることを知りました。
ふたりは海賊ドーラ一家と軍隊から逃げながら、飛行石の秘密を探って一緒にラピュタを探すことにします。
解説・考察など
ムスカが飛行石に触れなかった理由
ムスカが発光している飛行石に触れなかったのは、おそらくムスカがラピュタの王族ではなかったからです。
飛行石に触ることができるのは王族の人間だけだったのではないかと推測しています。
恐らくシータが王族直系で、ムスカは分家のような出身だったのかもしれません。
ムスカが飛行石の呪文を知らなかったのも、呪文が王族の人間だけに伝えられているものだったからなのでしょう。
飛行石の力を悪用されるのを防ぐために使える人間を限定していたと思われます。
ラーマヤーナのインドラの矢って?
(引用:Wikipedia)
ムスカがラピュタの武器の1つである雷のことを「旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした『天の火』だよ。ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね」と語っています。
まずソドムとゴモラとは、旧約聖書の『創世記』の19章に登場する都市で、ソドムとゴモラを滅ぼしたのが『天から降ってきた硫黄と火』でした。
そしてラーマヤーナというのは、古代インドの歴史や神話が記された叙事詩のことです。
ここに神様同士の戦争が描かれている箇所があり、様々な神様と兵器が登場します。
インドラはラーマヤーナに登場する神様の1人で、雷霆神、天候神という空の神様です。
ラーマヤーナにも都市が滅ぼされる場面があり、それがこのインドラが放った凄まじい破壊力を持つ雷の矢のせいだったとされています。
シータはパズーにどうやって呪文を教えたの?
(ムスカに3分間もらったパズーとシータ 引用:http://tkxr9e7xoz.seesaa.net)
ムスカにシータと話す時間をもらったパズーが、シータに「破滅の呪文を教えて。一緒に唱えよう」と言います。
そしてシータは呪文を教え、2人は一緒に「バルス」を唱えてラピュタは崩壊します。
シータはどうやってバルスを発動させることなくパズーに伝えたのでしょうか?
呪文は王族の人間が声にした時しか発動しないこと、シータのおばあちゃんがシータに呪文を口頭で教えた際は発動していないことなどから、ある一定の条件でしか発動しないようになっているのでしょう。
その条件は恐らく、王族の人間が飛行石に触れながら呪文を言うことだったのではないかと思っています。
飛行石に触れることが条件であれば、シータが呪文を教えたとき飛行石はパズー(王族ではない人間)が持っていたので、シータは普通にバルスと言って大丈夫です。
こう考えれば、パズーとシータが飛行石と一緒に手を繋いで呪文を唱えたことも『何となく手を繋いだ』以外の理由ができます。
調べていたときに見た意見に、「バとルとス」という風に分けて伝えたとか、文字で教えたとか、逆さまに言ったとか色々あって、なるほどwwと思いました。
工夫してシータがパズーに教えてるときはコントみたいになりそうなのでちょっと見てみたいですw
ラピュタはあの後どうなった?
まずは滅びの呪文を唱えたのにラピュタが全部壊れなかったのがなぜなのか考えます。
「バルス」を唱えると恐らく本来なら、飛行石はラピュタを飛び出して石だけが宇宙に飛んでいき、飛行石が無くなったことでラピュタは浮力を失い落下して全崩壊、飛行石はそのまま宇宙を永遠にさまようはずだったのではないでしょうか。
しかしあの巨大な樹の根が飛行石の邪魔をして、お城ごと宇宙まで上がってしまったのではないかと思われます。
お城と木と飛行石以外が崩壊した後は、軽くなったこともあり上空にどんどん上がっていきます。
このまま一気に宇宙のチリになって完全に破滅してしまうのかと思っていましたが、違っていたようです。
エンドロールで上空を飛んでいるラピュタと地球があります。
ラピュタはある一定の高さで止まったままになっていて、地上の天気が変わっていく様子が描かれているので、ラピュタは完全には壊れずにあのまま地球の近くを漂っているようです。
しかし、ここまでの高さに来てしまうと空気があるかどうかも怪しいので、ロボットはまだしも動物たちは全滅している可能性が高いです。
水もラピュタの下の方にはありましたが、崩壊後は水もなくなってしまうので、太陽とも近すぎますし、植物もいずれは枯れてしまうでしょう。
パズーとシータのその後
映画ではパズーとシータのその後は明かされていませんが、小説版には2人のその後が記されているようです。
2人はドーラ一家と別れた後、パズーの故郷であるスラッグ渓谷に戻り、しばらく一緒に生活します。
その後、親方の計らいでシータは無事にゴンドアに戻ることができて、2人は別々に暮らしながら文通で連絡を取り続けます。
その後、作中でパズーの家にあった製作途中だった飛行機が完成し、パズーが飛行機でシータに会いにゴンドアに行く、というラストが描かれています。
そこもアニメで見てみたかったです。
死を覚悟した上で、それでもラピュタを守るために破滅させることを決意したパズーとシータの覚悟が表情に表れています。
以上です!読んで頂きありがとうございました。
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