映画『楽園』で「原作小説の紡と広呂について」「洋子が『お前も豪士に助けられた』という意味は?」について解説考察しています!
ネタバレありきの記事なので、まだ見ていない方はご注意ください。
本編時間:129分
制作国:日本
監督・脚本:瀬々敬久
原作小説:『犯罪小説集

キャスト:綾野剛(中村豪士)、杉咲花(湯川紡)、佐藤浩市(田中善次郎)、村上虹郎(広呂)、柄本明(藤木五郎)、片岡礼子(久子)、黒沢あすか(中村洋子)、根岸季衣(藤木朝子)、モロ師岡(洋子の恋人)、嶋田久作(リサイクル店員)、品川徹(区長、久子の父)、吉村実子(久子の母)、石橋静河(田中紀子)、渡辺哲(町民)、田中要次(刑事)、三浦誠己(ヤクザ)、諏訪太郎(町民)、テイ龍進(刑事) ほか
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※本ページの情報は2025年8月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。
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原作小説の紡と広呂について

©2019映画『楽園』製作委員会
広呂(村上虹郎)は原作小説にはほとんど登場せず、高校生になった紡の恋人としてちらっと出てくる程度でした。
また、紡は小説の中で豪士と交流は全くなく、愛華ちゃんへの罪悪感と後悔を抱いていることが描かれています。
あの時に愛華ちゃんと一緒に家に行っていれば誘拐事件は起こらなかったのではという思いや、
広呂と付き合っていて幸せであることに対しても罪悪感を感じていることが綴られていました。
でも最悪、一緒に行った場合は2人ともが誘拐されていた可能性もあるのでここはなんとも言えません。
個人的な感想としては広呂の行動(自転車パンク、同じ職場に就職など)が若干ストーカーっぽく見えて、紡が危ない目にあったら嫌だなと冷や冷やしながら見ていたので、紡と広呂がくっついたことが逆に驚きました。
洋子の「お前も豪士に助けられた」はどういう意味?

©2019映画『楽園』製作委員会
紡が洋子(豪士の母)に話を聞きに行った時、洋子は「お前も豪士に助けられたんだ!」と怒鳴ります。
愛華ちゃんの祖父の五郎が豪士に助けられた1人です。
描かれていなかったですが、愛華ちゃんの両親も同じかもしれません。
五郎は豪士が犯人だと思い込むことで12年間抱えて来た憎しみ・怒りの気持ちを成仏させることができました。
そういう意味で、豪士は愛華ちゃん事件の罪を背負って自ら犠牲になったイエス・キリストのような存在です。
洋子は、紡もまた愛華ちゃんの遺族と一緒で豪士に救われたのだと主張しています。
紡は愛華ちゃん事件の後、友達のような関係が初めて築けたのが豪士だったことや、
豪士が残したメモ「つむぎさんが悪いのではない」という一言にも救われています。
豪士は紡が愛華ちゃんのことでずっと罪悪感を感じていることを察していたのです。
これは恐らく紡がずっと誰かから言って欲しかったけど誰にも言ってもらえなかった言葉なのでしょう。
洋子が紡あてのメモを財布から抜き取っていたのは、恐らく洋子としては一人息子を亡くした悲しみの中で、
豪士のメモで紡に救いを与える気になれなかったからではないかと思います。
洋子が紡の財布を豪士の部屋で見付けたタイミングも、恐らく豪士が亡くなったばかりの頃だと思うので。
洋子は豪士が紡にあてたメモを見て「こんなに優しい子が誘拐殺人なんてするわけない」と改めて信じたのではないでしょうか。
余談なのですが、豪士の部屋に入って家探ししたメンバーの中に紡の父もいたと思うのですが、
テーブルに置かれた紡の財布に父が気付かないところに親子関係の希薄さを感じました。
④に続きます。
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