映画『ミラーズ』ネタバレ解説|ラスト考察、悪魔は何がしたかった?ベンはどうなった? | 映画の解説考察ブログ - Part 2

映画『ミラーズ』ネタバレ解説|ラスト考察、悪魔は何がしたかった?ベンはどうなった?

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ホラー

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あらすじ⑤:結末

アンナ・エシカーの実家は人里離れた林の中にありました。
ベンは医療関係者を装ってアンナの兄ロバートに話を聞きます。

アンナが幼かった当時、突然凶暴になってしまったアンナに困り果てた両親は地下室にアンナを隔離していました。
両親は医師だけでなく聖職者を呼んでお祓いも試しますが効果は無く、そんな時に聖マタイ病院のドクター・ケーンがやってきて「彼女は人格障害だ。治療のため預からせて欲しい」と申し出ました。
実験的治療をしたいので、治療費・入院費用は病院が全額負担するという条件も出され、金銭的にも困っていた両親は申し出に応じました。

アンナは入院から約1年後の10月4日に退院し、実家に戻った直後はすっかり良くなったようでしたが、やがて鏡を中心に異常が起き始めたので、両親は鏡の使用が禁止されている聖アウグスティヌス修道院に彼女を預けたそうです。

ベンは修道院に直行してアンナ・エシカー(メアリー・ベス・ペイル)に会わせてもらいました。
エシカーの話から、ケーン医師は当時、精神病者を鏡に映る自分と対峙させる『鏡治療』の研究をしていました。
当時エシカーが重度の統合失調症と診断したケーンは毎日彼女を鏡部屋に入れて治療を行いますが、本当はエシカーは統合失調症ではなく悪魔に憑依されていました。

鏡治療の結果、悪魔はエシカーから出て鏡に乗り移ったのでエシカー本人は助かりましたが、悪魔は鏡から出たがり、人を殺して魂を集めるようになったと語りました。
彼女の退院直後に起きた10月5日の殺し合い事件も鏡の悪魔の仕業でした。

ベンは多くの被害者が出ていることや、家族も悪魔に狙われていると訴えて「悪魔退治に協力してほしい」と頼みますが、エシカーは「私が行くと悪魔が鏡から出てきてしまう」と拒否しました。

ベンが困っていた矢先にエイミーから電話が入り、マイケルの様子がおかしくなり、家の中を水浸しにし始めたと連絡を受けました。
鏡の悪魔はベンとエイミーが見落としていた金属製のドアノブから家に侵入し、マイケルを魅了して家中の蛇口を全開にさせていました。
悪魔は水の反射を鏡代わりにしてマイケルとエイミーを殺そうとしているのです。
切羽詰まったベンは、エシカーを銃で脅して強制的に修道院から連れ出しました。

その頃、マイケルの妹デイジーが悪魔に襲われますが、間一髪の所で助かります。
エイミーはデイジーを鏡の無いクローゼットに入れて「ここから出てはいけない」と言いつけてマイケルを探します。
マイケルはペンキで塗りつぶした鏡からペンキをナイフで落とそうとしていました。


(鏡からペンキをはがすマイケル (C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX)

エイミーがやめるように言うと、マイケルは「鏡の中に友達がいる」と訴えます。
エイミーがナイフを置いて欲しいと言うと、マイケルはナイフを持ったまま逃げてしまいました。

その後、マイケルは水浸しになった子供部屋で水の中に落ちるように床下に落ちてしまいました。
エイミーは助けようとしますが、透明な壁に阻まれてマイケルに触れません。

同じ頃、メイフラワーに到着したベンは、エシカーを地下の鏡部屋の拘束椅子に座らせると、悪魔が鏡から飛び出してきてエシカーの体に乗り移りました。
すると同時に鏡部屋の鏡は全て割れ、自宅で水面鏡に閉じ込められていたマイケルは助かりました。

メイフラワーでは、エシカーは全身に鏡の破片が突き刺さり、すでにこの世のものではなくなっていました。
ベンはガスの配管を壊してエシカーを爆破に巻き込みますが、エシカーは焼けてボロボロになっても襲い掛かってきます。
エシカーにがれきが直撃すると動かなくなったので、ベンは必死で出口に向かいますが、ベンにもがれきが当たってしまい出口の手前で気を失いました。

外が明るくなった頃。ベンはがれきを押しのけてようやく地下から脱出しますが、周囲をよく見るとロレンゾの名札や警察、消防隊のロゴなどが全て鏡文字になっていました。
ベンは鏡の世界に閉じ込められてしまったのです。
ベンは町中の鏡の前に立ってみますが、そこにベンの姿は映りません。
ベンが鏡に手をつくと、ベンがメイフラワーで最初に見つけた手の痕とよく似た痕だけが現実世界の鏡に浮かび上がりました。




感想や解説・考察など

リメイク元の『into the mirror』は見ていません。

まず、メイフラワーに放火した男の「鏡を倒せるのは炎だけだ」みたいなヒント的発言は何だったのでしょうか。笑
放火したのに結局悪魔はピンピンしていたし、ベンが燃やしても悪魔は死ななかったし、そもそも火事の後の鏡はほぼダメージゼロだったのでよくわかりませんでした。

家族と自分を守るためにエシカーを悪魔に差し出すベンが残酷に思えてしまいましたが、エシカーの自己犠牲精神は素晴らしかったです。
全員で修道院に逃げていれば誰も死なずに済んだ気もするんですが、どうなんでしょう。

エシカーが悪魔に乗り移られた後、今まで悪魔が殺した人たちの顔に次々に変わっていくのが『ターミネーター2』のT1000が溶ける時みたいでそこは良かったです。

次作があると知ってあらすじだけ読んだんですが、本作と繋がりはないようなので残念です。
以下、気になった点を考察します。

ロレンゾが鏡に襲われなかったのはなぜ?

ベンの上司だったベテラン警備員のロレンゾ・サペッリはメイフラワー警備員の古株だったようですが、鏡の悪魔の被害は受けていませんでした。
ロレンゾは鏡への対処法(見つめたりしないことなど)を心得ていたし、精神的な強さもあったため、おそらく悪魔が付け入る隙や霊感が無かったと思われます。
悪魔も操りやすい人間を選ぶので、心を病んでいる人を標的にしていたのでしょう。

 

聖マタイ、アウグスティヌスとは

登場した『聖マタイ病院』や『聖アウグスティヌス修道院』はストーリーと関連があるのか気になって調べました。

『マタイ』はイエス・キリストの十二使徒の1人で収税人だった人物の名前ですが、本作との関連は特にピンときませんでした。
カラヴァッジョの有名な絵画に『聖マタイの召命』、『聖マタイの霊感』、『聖マタイの殉教』の三作があり、こちらはベンの運命と繋がるものがあるなと感じました。

次に『アウグスティヌス』はローマ時代の哲学者の名前です。
代表的な著書に『神の国』があり、その中で「二世界論」を述べています。
二世界論は、この世には『神の国』と『地の国』の2つの国が存在しているという思想で、『神の国』は精神世界を表し、『地の国』は普段私たちが生活している現実世界のことを指しています。
2つの世界という点で、現実世界と鏡の世界と繋がりを感じます。

 

ラストの解釈


(引用:https://donaldmowat.com

ラストでベンは鏡の世界の住人になってしまいましたが、どういうことなのか考えてみます。
ベンは気絶している間に悪魔に体を乗っ取られてしまい、ベンの魂は放り出されて鏡の世界に入ってしまったのではないかと推測しています。
目的は謎ですが『悪魔は魂を集めていた』とエシカーが発言していましたし、悪魔に関わって死んだ人の魂はみんな鏡の世界に閉じ込められていたようなので、ベンもまたそうなってしまったのかな?と思ってます。

悪魔がベンの体に乗り移ったと思う理由は、エシカーの体が使い物にならない位破損してしまったからです。
彼女は鏡が全割れした時点でおそらく死亡していましたし、悪魔が欲しいのは生身の体のはずなので、一番近くに居て、まだ息のあったベンに乗り移ったのではないでしょうか。
もしベンががれきで死んでいたとしたら、次に悪魔が狙うのは恐らくマイケルです。
むしろマイケルが本命かもしれません。

あとは今まで悪魔がエシカーに執着していた理由も結構謎ですが、一度憑代にした人間はその人が死ぬまで他の人には乗り移れないとか特殊な条件があったのでしょうか。
悪魔は他の人に乗り移るチャンスが沢山あったはずなのに、殺すだけで乗り移らなったので。

悪魔が魂を集めていた理由がわかればもう少し色々考えられそうですが、謎のままなのでちょっと残念です。
演出やCGは凝っていて面白かったので、残念味が増してしまいました。

以上です!読んで頂きありがとうございました。
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