あらすじ：結
その後、灰原からタンカーの進路の最新情報が届きました。
タンカーはコナンの読み通りマリーナベイサンズホテルに向かって一直線に進んでいます。
ホテルには蘭、園子、京極、小五郎がいるので、コナンとキッドは慌ててホテルに向かいました。
タンカーの進路 © 2019 青山剛昌／名探偵コナン製作委員会
海賊が操縦しているタンカーが港に突っ込むと街は大混乱になります。
海賊は街に向かってロケットランチャーを撃ちまくり破壊活動を始めました。
ホテルの外に居た蘭はいち早く危険を察知し、ホテル屋上にいる小五郎を助けるため走ります。
一方ホテルの部屋にいた園子はボディガードを呼び、京極は園子を部屋に１人残して先に出口に向かいました。
その頃、レオンはヘッズリと中富禮次郎と一緒に、海賊が街を破壊する様子をマリーナベイサンズホテルの屋上で眺めていました。
すぐ近くでは酔いつぶれた小五郎が眠っています。
レオンが持っているスーツケースには『紺青の拳』が入っていました。
レオンは海賊が街を破壊し終わったら、報酬として『紺青の拳』を渡すつもりです。
そこに突然リシが現れてレオンに銃を向けますが、コナンとキッドはリシを取り押さえて縛り上げました。
リシは「私は先生の暴走を止めに来ただけだ！」と叫びますが、コナンは本当の黒幕がリシであることに気付いていました。
５年前、海洋学者だったリシの父親は不慮の事故で亡くなったとされていましたが、実はその事故は裏でレオンが手を引いていました。
当時、リシの父もまた『紺青の拳』が眠る海賊船を探していて、レオンはリシの父から情報を奪って殺していたのです。
さらにレオンは中富禮次郎に恩を売るために、リシの父の殺害計画に中富を巻き込んでいました。
何も知らずにリシの父親を轢き殺してしまった中富はレオンの根回しによって助けてもらい、それからレオンは中富海運のタンカーを使い放題になりました。
リシは最初からレオンに近づくために弟子入りし、その後レオンの大きな計画を知り、ぶち壊して復讐しようと企んでいました。
キッドを犯人に仕立て上げようとしていたのも実はリシでした。
リシは「レオンへの復讐を手伝ってもらうためにキッドを利用した」と打ち明けます。
本性を表したリシ © 2019 青山剛昌／名探偵コナン製作委員会
この直後、小五郎を助けに来た蘭と海賊たちがに屋上に到着し、コナン、キッド、蘭、小五郎は海賊に銃を突き付けられます。
海賊はリシの拘束を解き、レオンから『紺青の拳』を受け取ると、リシに銃を渡します。
リシは海賊と『紺青の拳が海賊の手に入ったらレオンを殺しても良い』と約束していたようで、リシはレオンを殺させてもらう見返りに『園子が財閥令嬢であること』を海賊に教えていました。
海賊は次は園子を誘拐して、彼女の親から多額の身代金を奪おうと計画しているようです。
リシがレオンを撃とうとした時、キッドが煙玉を爆発させました。
その隙にコナン達は海賊の拘束から逃れ、蘭と小五郎は空手で海賊を倒しながら逃げます。
その頃、京極は急いで部屋に戻って園子を担いで逃げようとしていると、園子を狙う海賊たちに追われます。
京極はレオンにかけられた催眠術のせいで戦えず、逃げるばかりでした。
催眠術をかけられていることに気付いたキッドが京極のミサンガを切ると、無事に催眠術が解けて京極は海賊たちを全員倒しました。
この混乱に乗じて、キッドは海賊から『紺青の拳』が入ったスーツケースを盗んでチェックしていました。
騒動が収まった頃、キッドは「これも違った」と言ってレオンに宝石を返して夜の街に消えました。
安全な場所に着いた時、園子は京極の絆創膏がはがれかけていたので思い切ってはがしてみます。
すると、絆創膏の裏には園子と京極のプリクラが貼られていました。
京極は「男がすたると思って言えなかった」と頬を赤らめます。
絆創膏に貼られたプリクラと照れる京極 © 2019 青山剛昌／名探偵コナン製作委員会
その後、レオンとリシは逮捕され、コナンはキッドの協力で無事に日本に帰りました。
日本に着いた一行が空港に入ると、中森警部と大勢の部下がキッドの帰りを待っていました。
実は蘭はキッドが新一に化けていることに気付いていて、こっそり中森警部に連絡していたのです。
キッドを捕まえる蘭 © 2019 青山剛昌／名探偵コナン製作委員会
キッドはすかさず煙玉を使って逃亡しました。
コナンは騒ぎの間にスーツケースから出ると、博士に持ってきてもらった普段着に急いで着替え、何も知らないフリをして「お帰りなさい」と言いました。
解説・考察や感想など
コナンファンが喜びそうな胸キュンシーンやカッコイイ戦闘シーンが多くて楽しめましたが、その分事件のトリックの説明や真犯人が動機を語るシーンがかなり凝縮されていて、ちょっと理解に苦労した部分もありました。
以下、本作の気になった点をまとめていきます。
事件の流れを整理
事件の流れが複雑だったので自分なりに整理してみます。
まず、リシの父親がレオンに殺されていたのではないかと疑ったリシは、レオンに弟子入りして従順な青年を演じてレオンからの信頼を得つつ、証拠を集めてレオンが父親殺しの犯人だと確信し、復讐を決意します。
当時専属の弁護士だったシェリリン、秘書のレイチェルと仲良くなり、レオン本人や彼女たちを通じて、リシはレオンの予定などを詳しく知れる程になりました。
そこでレオンの大がかりな計画（紺青の拳を手に入れて街を破壊する）を知ったリシは、レオンの計画を邪魔した末に殺害しようともくろみます。
この時、紺青の拳はまだ海底にあり、レオンは海賊船に夢中でした。
リシはレオンの邪魔をするため、父親が遺した情報を実業家のジョンハン・チェンにリークします。
ジョンハンはすぐに海賊船を引き揚げて「紺青の拳」はジョンハンの物になりました。
つまり情報をリークしたのはシェリリンではなかったのです。
しかし、武道好きだったジョンハンは「紺青の拳」をトーナメントの賞品にしてしまい、レオンにとっては再びジュエルを手にするチャンスになります。
リシは再びレオンの邪魔をするため、この時既にレオンと仲違いしていたシェリリンに京極真の存在を教え、シェリリンが京極のスポンサーになりレオンの邪魔をするよう仕向けました。
レオンはヘッズリのライバル候補を消すためにも、スポンサーであるシェリリンをレイチェルの協力を得て殺します。
この頃からレイチェルはレオンが怖くなり、彼から解放される方法を考え始めます。
シェリリン死亡で京極はトーナメントに出場できなくなりましたが、鈴木財閥が新スポンサーになったので京極は再び出場権を得て、シェリリンを殺した意味がなくなりました。
シェリリンの死を知ったリシはキッドにレオンの邪魔を手伝ってもらおうと思いつき、現場にキッドのカードを置きました。
キッドは殺人容疑をかけられていることを知り、コナンを連れてシンガポールに行きます。
レイチェルは小五郎に助けを求めますが、レイチェルが小五郎に接触したことを知ったレオンは彼女も殺害し、全ての濡れ衣をキッドに着せようとします。
同時にレオンは京極に催眠をかけて戦意喪失させて、京極にトーナメントを棄権させます。
ちなみに園子を轢いたパトカーを運転していたのは、恐らくレオンの部下です。
こうしてヘッズリが無事に大会優勝し、ジュエルはレオンの手に渡りました。
リシはレオンが取引していた海賊に園子の存在を教え、海賊と取引します。
この時リシが海賊と交渉したのは、園子の存在を教える代わりにレオン殺しの罪を海賊にかぶってもらうためだったのではと解釈しています。
リシはレオンを殺して海賊に罪をかぶってもらって復讐は完全犯罪になる予定でしたが、コナンとキッドにバレてしまった、という流れだと思います。
レオンにはめられた中富
レオンはリシの父親を殺す罪をかぶってもらう人物に中富社長を選びました。
レオンはずっと前から街を破壊する計画を立てていたので、海運会社のお偉いさんに恩を売っておきたかったのです。
中富社長は嵌められて事故の加害者になり、レオンに助けられて無罪（不起訴だったかも）を勝ち取ります。
こうしてレオンに借りが出来た中富社長はレオンの頼みを断れなくなるのですが、そもそもリシの父を中富が轢いたこと自体が計画的だったことを中富は知らなかったから驚いていたのです。
コナンの偽名アーサー・ヒライの由来は？
作中で語られていましたが、『アーサー』はシャーロック・ホームズシリーズの作者であるアーサー・コナン・ドイルから。
『ヒライ』は、江戸川乱歩の本名である平井太郎から取った名前だそうです。
つまり「江戸川コナン」とほぼ一緒です（笑）
コナンが色黒になっていた理由は？
コナンはシンガポールにいる間だけ平次並みに色黒になっていたんですが、その理由は作中では明かされていません。
何故なんでしょう？スーツケースの中では日焼けできないですよね？すごく気になって作中で明かされるのをずっと待っていたんですが・・・。
これについては青山氏が明かしてくれるのを待つしかないのかもしれませんorz
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