映画『神は見返りを求める』の解説・考察をしています!
「村上アレンについて」「ジェイコブを燃やせなかった理由」「ラスト、田母神はどうなる?」について書いています。
鑑賞済みの方のための記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。
本編時間:105分
制作国:日本
監督・脚本:吉田恵輔
主題歌、挿入歌:『サンクチュアリ』『かみさま』空白ごっこ
出演者:ムロツヨシ(田母神)、岸井ゆきの(優里)、若葉竜也(梅川)、柳俊太郎(村上アレン)、吉村界人(チョレイ)、淡梨(カビゴン)、下川恭平(ペーパーマリオ)、川崎帆々花 ほか
解説・考察・感想など
村上アレン(柳俊太郎)について

©2022『神は見返りを求める』製作委員会
優里が総合プロデュースを依頼したデザイナーの村上は、
確かな編集能力と企画力で優里を有名ユーチューバーに押し上げました。
村上は無名ユーチューバーなどの総合プロデュースをしてそれなりに実績もあげていたようですが、いつもどこか不機嫌で不満を抱えているような雰囲気でした。
しかもやっていることは総合プロデュースなのにデザイナーを名乗ることにも若干違和感があります。
私は業界人ではないので、総合プロデュースをデザイナーと呼ぶのも普通にあることだったらすみません。
もしデザイナーと名乗ることの違和感が間違いでなければ、
恐らく村上は本当はデザイナーとして活躍したい場所や分野があるものの、そっちでは活躍できず挫折して、
今の総合プロデュース業はやりたいこととは違うけど「得意分野」であるためこっちの仕事に落ち着いているのかもしれません。
そして「デザイナー」と自称するのは、本当にやりたい仕事に未練があることの表れだったような気がします。
夢をまだ諦めていないけど、過去の挫折をまた味わうのが怖くて行動出来ないジレンマを抱え、周囲にマウントを取ることで鬱屈した気持ちを発散していた感じなのでしょうか。
今の仕事で食べて行けるし実力も認められていて、多少傲慢でも誰も文句を言わないし、それなりに快適な環境だからこそ甘んじてしまうんですね。
これが自分の天職で居場所なのだと思えればストレスが減るのに、
村上を見ていると、人間はたとえ快適な環境にいても何かしら不満を持ち、手に入れられない何かを望んでしまう生き物なのだと言われているような気がします。
優里がジェイコブを燃やせなかった理由
優里はジェイコブが本格的に燃えると慌てたように火を消してしまいました。
優里がジェイコブを燃やせなかったのは、田母神の「俺はお前の立役者だとは思ってないけど、通過点だったんじゃねーの」「その時は無意味だと思ったことでも、あとで振り返ると全て意味があった」などの発言を思い出したからだと思われます。
優里が売れたのはチョレカビのトークショーに参加したのがきっかけですが、そもそも優里が有名ユーチューバーのトークショーに行こうと思ったのは田母神がアドバイスをくれたからでした。
ユリチャンネルのマスコットになっているカラフルなジェイコブがあるのも、田母神がくれた元祖ジェイコブがあってこそです。
それに、通過点を消すということは今の自分を否定していると言えなくもありません。
振り返っているうちに、優里はジェイコブが意味のあるものに思えたのです。
血を流しながら踊ったダンス動画の意味は?

©2022『神は見返りを求める』製作委員会
田母神が頭から血を流しながら撮影していたダンスは、優里と田母神が初めて動画撮影した時に踊ったダンスでした。
田母神は「もう見返りは良い 応援してる」という言葉が本心だとダンスで伝えていたのです。
簡単に言うと和解の意思を表しています。
このダンスの意味に気付いたのは優里本人だけでした。
ラスト、田母神はどうなる?
田母神はペーパーマリオに刺された後も
スマホの無い自撮り棒をかざしてダンスを踊ります。
田母神はペーパーマリオに身バレしているので、
やり返されることを覚悟した上で優里を助けたのかもしれません。
まさか刺されるとまでは予想していなかったとは思いますが。
田母神はあの様子だと自分で病院に行ったりし無さそうですし、
いつ倒れてもおかしくありません。
田母神死亡エンドは考えたくないのでハッピーエンドを予想すると、
異変に気付いた通行人などが救急車を呼んでくれて、
優里と同じ病院に入院して、さらに同じ病室になったら面白いですね。
そうなったら本当に仲直りできるかもしれません。
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