映画『神は見返りを求める』の解説・考察をしています!
「優里が豹変したのはなぜ?」「田母神は何が”神”だった?」「梅川について」について書いています。
鑑賞済みの方のための記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。
本編時間:105分
制作国:日本
監督・脚本:吉田恵輔
主題歌、挿入歌:『サンクチュアリ』『かみさま』空白ごっこ
出演者:ムロツヨシ(田母神)、岸井ゆきの(優里)、若葉竜也(梅川)、柳俊太郎(村上アレン)、吉村界人(チョレイ)、淡梨(カビゴン)、下川恭平(ペーパーマリオ)、川崎帆々花 ほか
解説・考察・感想など
優里が豹変したのはなぜなのか

©2022『神は見返りを求める』製作委員会
優里の態度が豹変したのは、チョレカビや村上たちと関わって今まで公私混同していた部分を切り離して考えるようになったのもありますが、
なによりも田母神からお金を要求されたことで一気に「嫌い」に振り切ったからだと思います。
チョレカビと村上は優しさが欠如している合理主義タイプで、
田母神のような何だかパッとしない、仕事が出来ない人を見下す傾向がありました。
優里も元々優しさが欠如しているタイプだったのでしょうが、
周りに嫌われないために優しさを取り繕っていたように見えます。
優里がチョレカビと話した時が、優里の中で「ユーチューブはビジネスだ」と実感した瞬間であり、価値観が変わった瞬間だったのではないでしょうか。
そして田母神がお金に困って優里を頼った時、
優里からすれば「付き合えないなら次は金かよ てかきれいごと言っといて結局金かよ いい人だと思って悩んだのがアホらしい」と激しく思い、一気に『嫌い』になったのが豹変した理由ではないでしょうか。
そうは言っても優里が田母神に「借り」があるのは事実です。
優里はたとえ嫌いな相手でも後のトラブルを回避するために
今まで頑張ってもらった分いくらか返すなり、労ったりすることは人としてすべきだったと思います。
田母神はどんなところが神だった?

©2022『神は見返りを求める』製作委員会
一般的に『神様』は感謝されたり大切にしてもらったりすることで、大切にしてくれる人々が好きになり、お礼としてご利益をもたらしてくれます。
つまり神様が求めているのは人々の温かい気持ちです。
逆に、神様は大切にされていないと感じると怒って災いをもたらします。
神話や昔話でも、邪険に扱われて怒った神様から罰を受けたり、
逆に貧乏神のような幸福とは無縁そうな神様でも、大切にすると良いことが起こったりする話がたくさんあります。
優里が田母神への感謝を忘れずにいた間は、田母神は無条件で優里を守ってくれる存在でしたが、
優里が田母神に悪意を向けると激怒して、邪神のようになってしまいました。
優里にとって田母神はまさに神様そのものだったのです。
梅川(若葉竜也)について

©2022『神は見返りを求める』製作委員会
今まで結構 人の価値観とか、そういうのに影響与えてると思うな
元々心理学とか好きだし、常に人を見てるからね 趣味も人間観察だったり
梅川は童話『卑怯なこうもり』のまさにコウモリのような男で、誰とでも上手くやろうとし過ぎて失敗している悲惨なタイプでした。
たまにいる『イラッとする人』の特徴を凝縮したようなキャラクターで、ナチュラルなコミュニティクラッシャーだったのもまたリアルで面白かったです。
良い人と思われるために平気で嘘をついたり、自分の評価を上げるために他人を落とす言動を素でやってしまいます。
田母神と優里に「嫌い」と言われたことで梅川も何かが変われば良いなと思いますが、田母神に言われたことを自覚するところからなので先が長そうですね(笑)
③に続きます、
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