「ザ・シェフ 悪魔のレシピ」ネタバレ解説考察|イギリス人が悪役な社会派ホラー | 映画の解説考察ブログ

「ザ・シェフ 悪魔のレシピ」ネタバレ解説考察|イギリス人が悪役な社会派ホラー

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ホラー

映画「ザ・シェフ 悪魔のレシピ」の解説・考察をしています!
「スウィーニー・トッドとの関係」「隠喩表現について」「マリクがサラールを裏切った理由」「ラスト考察」「サラールとサラ」などについて書いてます。

鑑賞済みの方のための考察記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。

原題:K-Shop
制作年:2016年
本編時間:120分
制作国:イギリス
監督・脚本:ダン・プリングル
原案:スウィーニー・トッド
主題歌:『Living For The Weekend』Hard-Fi

 

出演者・キャスト&キャラクター紹介

ザ・シェフ
©2015 WHITE LANTERN FILM (K-SHOP) LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
サラールジアド・アバザー
政治学専攻の大学生。
クルド人の移民で、シーンによって英語とトルコ語を使い分ける。
父親のケバブ店を手伝いながら大学に通っている。
父子家庭で、母親がいない理由は明かされていない。

※本当の名前は『SALAH(サラー)』のようですが、『SARAH(サラ)』という登場人物もいるため、区別がつきやすいように字幕版の『サラール』と記載します。

 

ザ・シェフ
©2015 WHITE LANTERN FILM (K-SHOP) LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
ジェイソン・ブラウンスコット・ウィリアムズ
ロンドンで話題の起業家。

サラールが暮らす街でナイトクラブをオープンして話題と人と金を集める。

 

ザシェフ
©2015 WHITE LANTERN FILM (K-SHOP) LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
マリクリース・ノイ
サラールに興味を持ちアルバイトに来たチンピラの若者。

 


©2015 WHITE LANTERN FILM (K-SHOP) LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
サラ・マロニークリスティン・アザートン
サラールが侵入したホテルの支配人。
同じ経営者としてサラールを理解してくれた人物。
ザキ(サラールの父)…ナエフ・ラーシド
女警察官…ルシンダ・ローズ・フラエティ
弁護士…エドモンド・デーン
スコット・ベイカー(最初の被害者)…サイラス・バーチ
テリー(店の客)…クリス・R・ライト
ナイジェル(テリーの同僚)…イーウェン・マッキントッシュ
シャンテル(被害者)…サマンサ・ライデン
ステイシー(シャンテルの友人)…ハンナ・ロケット
アヒル着ぐるみの男(被害者、麻薬売り)…ショーン・サーノー
スティーブ・チャップリン(態度の悪い男)…ダーレン・モーフィット
リッキー(マリクの友人)…ハリー・リード
クロエ(ブラウンが買った女)…ルシンダ・デイビッドソン
トレブ(ブラウンのボディガード)…ダンカン・メドーズ ほか

あらすじ紹介

あらすじ①:

ロンドン郊外、酒とセックスとドラッグが横行する治安最悪の街が舞台です。
主人公のサラールは大学4年生で、あとは卒業論文を出して卒業すれば国連への就職が決まっていました。

サラールの父ザキはケバブ店を経営していて、サラールも毎日のようにお店の手伝いをしています。

ある日の夜。ザキが酔っ払い男たちに絡まれ、突き飛ばされて倒れてしまいます。
男たちは転んだザキを笑いながら夜の街に消えました。
数分後、ザキの異変に気付いたサラールは慌てて救急車を呼びますが、ザキは打ち所が悪くそのまま亡くなってしまいました。

ザシェフ

倒れたザキを抱きしめるサラール ©2015 WHITE LANTERN FILM (K-SHOP) LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

サラールは弁護士に相談してザキを殺した男たちを特定しようとしますが、街には防犯カメラも設置されておらず、騒動の目撃者も現れません。
手がかりも無く弁護士からはサジを投げられ、サラールは泣き寝入り状態になりました。

その後、ザキは密かにサラールにケバブ店を継いで欲しがっていたことが判明します。
ザキはリニューアル用の売り店舗物件情報を集めたり、サラールに残すための特製レシピをノートに書き溜めていたのです。

サラールはザキのお店を引き継ぎ、卒論を書きながらケバブ店経営も始めました。

ある日サラールは、ザキが目を付けていた売り店舗のひとつをジェイソン・ブラウンという有名起業家が買い上げて『SLUSH(スラッシュ)』という名のナイトクラブになることを知りました。

SLUSHはあっという間に完成して街の活気は増えましたが、治安はさらに悪くなり、ケバブ店の売り上げも不調続きでした。
ついにサラールは精肉店に支払いを滞納してしまい今後の取引を拒絶され、深刻な経営難に陥ります。

 

あらすじ②:

ザ・シェフ

夢中でケバブを作るサラール ©2015 WHITE LANTERN FILM (K-SHOP) LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

そんなある夜。酔っ払いの若者スコット・ベイカーが閉店間際のケバブ店のキッチンに入り込んで勝手にポテトを揚げ始めました。
怒ったサラールとスコットはもみ合いになり、スコットがフライヤーの油に頭を突っ込んで大やけどを負いました。

サラールは慌てて手当てしますが、スコットは死んでしまいます。
サラールは警察を呼ぼうか悩みますが、この状況ではサラールが殺人犯にされかねません。
考えた末に、サラールはスコットをケバブにすることにしました。

解体する直前、サラールはスコットがまだ生きていることに気付きますが、今更中断できませんでした。
サラールは世間に対する怒りをぶつけるように解体作業に熱中します。

ザキのケバブは特製スパイスと自家製ミンチ肉が売りです。
スコットの可食部分をミンチマシンに投入し、残った骨や衣類等は海に捨てました。

その後、スコットの失踪事件にを捜査した警察は『酔った勢いで海に入って死亡。死体は見つからず』と事故処理し、サラールは完全犯罪を成し遂げました。

サラールは人肉ケバブを「普通の肉が足りなくなった時の非常用にしよう」と思い、常にキッチンに置いておくことにしました。

しかし、その夜来た2人の男性客が老人から金を騙し取るクズだと知ったサラールは、怒りに任せてその2人に人肉ケバブを提供しました。
人肉ケバブを食べた2人は「最高にうまい!」と褒めちぎってくれました。
バレなかったことで調子に乗ったサラールは、それから自分の嫌いな客には人肉ケバブを提供するようになります。

卒論の締め切り日の前日。
サラールがお店を回しながら卒論の仕上げに取り掛かっていると、閉店間際に女性客2人が店内で激しめの喧嘩を始めました。

サラールが喧嘩を止めようとすると女は逆ギレし、卒論が入っているノートPCを破壊しました。
さらに女は店の窓ガラスにもヒビを入れたので、サラールは激怒します。

友人は女の行動に呆れて立ち去りました。
サラールは女を店の地下に閉じ込めて「なぜこんなヒドイことをする?」と問い詰めますが、女は泣いて命乞いするだけで会話になりません。
サラールは諦めて、女をケバブにしました。

2人目のケバブを作った時、サラールから人殺しに対する罪悪感や背徳感が消えました。




あらすじ③:

卒論を提出できなかったサラールは大学を中退し、ケバブ店経営に本腰を入れます。
それからは、怒りを覚えた客は問答無用で殺してケバブにしていきました。

7年後。サラールのお店は人肉ケバブのおかげで『2008年度ファーストフード店ランキング1位』に選ばれ、売り上げは安定しました。

サラールは独身で恋人も友人も作らず、人肉ケバブ作りだけを生きがいにしています。
残った骨は海に捨てたり、時には肉片をエサにして釣りを楽しんだりしましたが、サラールの犯行は誰にも見つかりませんでした。

一方でナイトクラブSLUSHも相変わらずの盛況振りで、治安の悪さも変わらずです。
最近では、教会をスラッシュの経営者ブラウンが買収し、教会をナイトクラブ『HUSH(ハッシュ)』に変えるという斬新な計画も始まっていました。

ある日サラールは麻薬の売人を殺した時、ブラウンが裏で麻薬売買を斡旋していることを知ります。
それからサラールはこの街の治安が悪すぎるのはブラウンのせいではないかと思い始めました。

ある夜。サラールはマナーの悪い男性客を公園で殺そうとして失敗し、逃げられてしまいます。
サラールは諦めきれず、ホテルまで追いかけて男の部屋を探していると、そこでホテル支配人の女性サラと出会いました。
サラはサラールが抱える社会への不満を真剣に聞いてくれて「腹が立つこともあるけど、私たちは彼らから利益を得ていることを忘れてはいけない。他人を責めるのが一番簡単よ」と言いました。
サラールは落ち着きを取り戻し、その日は誰も殺さず帰りました。

翌朝。マリクという名の若者がサラールに「俺を雇ってほしい」と頼みに来ます。
マリクは昨夜あの公園にいて、サラールが男を殺し損ねた一部始終を目撃していました。
サラールはマリクを殺そうかと考えますが、マリクはどちらかというとサラールを英雄視しています。
ちょうど繁忙期が迫っていたこともあり、マリクを試しにクリスマスまで雇ってみることにしました。

翌日、サラールが店終いを始めた直後に酔っ払い男スティーブがお店に無理やり入ってきました。
仕方なくサラールがケバブを出すと、スティーブはケバブに文句を付けてクルド人への差別発言をし、さらにマリクにポテトを投げつけて暴れます。
無理やり追い出して鍵を閉めると、スティーブはお店に向かって立ち小便をしてどこかに行きました。

激怒したサラールはスティーブを追いかけて誘拐し、店の地下に監禁します。
サラールはいつも通りスティーブもケバブにしようとしますが、この時はなぜかサラや父親の言葉を思い出してしまい、結局殺せませんでした。

一方、マリクは帰るフリをしてお店の近くに隠れ、サラールがスティーブを地下に運び込む一部始終を目撃していました。

ザ・シェフ

スティーブを運ぶサラール 2015 WHITE LANTERN FILM (K-SHOP) LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

翌日。サラールが今まで海に捨ててきた人骨の一部が近所住民に発見され、警察が捜査を始めたとニュースで放送されました。
さらに、ジェイソン・ブラウンの活動でこの街に防犯カメラが取り付けられることになりました。
サラールは父が殺された7年前に、政府に防犯カメラをつけてほしいと訴えましたが、その時は金銭的な理由で断られたので、政府とブラウンの両方に改めて腹が立ちました。

サラールはブラウンを街から追い出そうと決意し、この間殺したブラウンの手下が着ていたアヒルの着ぐるみを着てブラウンの前に登場し、動画撮影をしたりHUSHのチラシを燃やしたりして脅します。
サラールはそのままケバブ店に戻りますが、着ぐるみを持っているところをマリクとその友人に見られていました。

結末と解説考察は次のページです!




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