映画「イニシエーション・ラブ」ネタバレ解説|伏線回収と浮気の理由考察 | 映画の解説考察ブログ - Part 2

映画「イニシエーション・ラブ」ネタバレ解説|伏線回収と浮気の理由考察

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イニシエーションラブ ミステリー

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エアジョーダン

ユウキと繭子は付き合って初めてのクリスマスを一緒に過ごし、プレゼント交換します。
この時、繭子はユウキにナイキのスニーカー(エアジョーダン)をプレゼントしました。
繭子は「男の人にプレゼントするのは初めて」と言いますが、1年前のクリスマス、タツヤにも全く同じスニーカーをプレゼントして同じセリフを言っています。

クリスマスの食事の後もユウキはダイエット宣言し、その後、このスニーカーを履いてランニングしているスマートなタツヤに切り替わります。
このスニーカーを軸にすることで、全く体形が違う2人の男を見ても観客は「キャストが変わったけど、同一人物だ」と思ってしまう仕掛けです。

 

「東京の内定を蹴って静岡で就職した」

冒頭のユウキの合コンの場面で、ユウキが東京の大手企業に内定が決まっていることが話題になります。
後半、タツヤが「繭子のそばにいたくて東京の内定を蹴って静岡で就職した」と発言します。
これも、ユウキとタツヤが同一人物と思い込ませるための演出です。

1987年7月にタツヤと繭子は遠距離恋愛になります。
恐らく繭子はタツヤが東京へ引っ越す直前までずっとプロポーズを待っていたのでしょうが、思惑通りにはいきませんでした。
この頃(6月頃)から、繭子はタツヤから気持ちが離れかけていることがうかがえます。

そして、繭子はタツヤが東京に行った直後に合コンでユウキと出会います。
繭子はユウキが大手企業に内定が決まっている将来有望な男性と知り、明らかに自分に気があるユウキをキープする方向へ動き始めます。

 

タツヤが指輪をプレゼントする

イニシエーションラブ

繭子に指輪をプレゼントするタツヤ ©2015「イニシエーション・ラブ」製作委員会

繭子の誕生日、タツヤはルビーの指輪を繭子にプレゼントしています。
これはユウキが繭子と過ごした1987年のクリスマスに「ルビーの指輪を来年の誕生日にプレゼントする」と約束していた話と錯覚させられますが、真実は1987年7月に、タツヤが繭子の誕生日に贈ったもです。
これもまた、観客にユウキとタツヤが同一人物だと思わせるための演出です。




タツヤの昔の写真を見た海藤の言葉

タツヤと一緒に東京出向した同期の海藤が、荷物の整理をしていたタツヤの部屋で大学時代の写真を見付けます。
海藤は「細いね~!」と笑い、タツヤは恥ずかしそうにします。
この「細いね~!」も伏線で、違和感を感じた方も多かったと思います。
本当は「今も昔も痩せてるね」という意味ですが、話の流れでこのセリフを聞くと「大学時代は太ってたけど、今は痩せたんだね」という意味の発言と、脳内補正してしまいました。

 

タツヤがなぎ倒した本

タツヤは毎週末、繭子に会うために静岡から東京まで車で往復して、交通費とデート代で常に金欠でした。
そして一度も東京に来ようとせず、別の友人と遊んでいる繭子に「なんで俺だけ」というストレスと不満が溜まっていました。
そんな時、繭子の部屋にあった高そうなハードカバーの本を見て「俺はお前のためにいつも金欠なのに、こんな本買いやがって!」と本をなぎ倒します。
繭子は「もう買わない。ごめんなさい!」と自分の本のように発言していますが、実は繭子がユウキから借りていた本でした。

 

ユウキとタツヤの性格の違い

イニシエーション・ラブ

©2015「イニシエーション・ラブ」製作委員会

後半、タツヤが切れて物を蹴飛ばしたり、繭子に暴力をふるおうとする場面があります。
これは、ネタバレ前は『イメチェンしてモテるようになって性格まで変わったのか?』と解釈しがちですが、これもユウキとタツヤが別人であることの伏線です。
「暴力」が、繭子がユウキに乗り換えた理由のひとつでもあったのでしょう。

 

「彼の名前は鈴木タツヤよ」

美弥子は両親に鈴木の下の名前を聞かれて「タツヤよ」と答えます。
これが最後の伏線というか、ほぼネタバレです。
ここから最後の5分間のネタバレが始まっていきます。

伏線回収は以上です。
他にもあったかもしれませんが、私が気付いたのはこれで全部です。

 

その他感想や考察など

パッケージの言葉通り、伏線回収のために2回観てしまいました!(2回目は1.5倍速で)

率直に言うと、前田敦子の本気のぶりっ子に耐えられるかどうかの戦いでした。
ストーリーは面白かったんですが、あっちゃんのぶりっ子にイライラしてしまって・・・笑
これは私が女だからかもしれませんね。皆さんはどうでしたか?

しかし繭子というキャラクターは狡猾な『貪欲婚活女子』のかなりリアルな姿を描いていると思います。
今の彼氏と結婚できないとわかると素早く切り替えて、もう次の旦那候補を探し、将来有望な人物が見つかると、できるだけダメージ(時間的なことも含めて)を少なく次へ乗り換える。
2人とも『たっくん』と呼んでいたのも、浮気がうっかりばれないようにするため。。
男と女が浮気するときの違いも上手く表現されていたと思いました。

私はこのどんでん返しは結構楽しめました。
見ていて、森田甘路が松田翔太になるって変わりすぎでしょ!と思ったり、
本を見てタツヤが暴れるのを見て、あれ??なんか変??と思いましたが、深く考える間もなく話が進んでいき、最後のネタバレの5分間で「あの違和感はそういうことか!!」となりました。
そして、あっちゃんのぶりっ子が計算しつくされたぶりっ子だったということもなるほどでした。
これは あっちゃんの他の出演作品を観たことなかったのが良かったのかもしれません。
それにしても松田翔太の80年代ファッション似合いすぎでした。

ちなみに特別出演で片岡鶴太郎と手塚理美が出てきたのは、合コンメンバーで遊んでいるシーンなどが、この2人が出演された連続ドラマ『男女7人夏物語』のオマージュだったからです。
手塚理美は続編の『男女7人秋物語』に出演されています。

以上です。読んでいただきありがとうございました。
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