映画「イニシエーション・ラブ」ネタバレ解説|伏線回収しきれなかった方へ | 映画鑑賞中。

映画「イニシエーション・ラブ」ネタバレ解説|伏線回収しきれなかった方へ

イニシエーション・ラブ 恋愛

イニシエーション・ラブ2005年版の本格ミステリ・ベスト10で第6位にランクインした原作小説『イニシエーション・ラブ』を映画化。
監督はドラマ・映画『トリック』シリーズや、ドラマ・映画『SPEC』でおなじみの堤幸彦。
若い男女の恋愛の始まりと終わりを描いた伏線たっぷりの恋愛サスペンス。

制作年:2015年
本編時間:110分
制作国:日本
監督:堤幸彦
脚本:井上テテ
原作:小説/乾くるみ『イニシエーション・ラブ

出演者・キャスト&キャラクター紹介

 

f:id:capaaaan:20170116130145j:plain

(引用:http://capaaaan.hatenablog.com

(引用:https://bibi-star.jp

鈴木松田翔太森田甘路
静岡での大学時代に人数合わせで誘われた合コンで繭子と出会い、一目ぼれした。
ダイエット前の鈴木が森田甘路、ダイエット後が松田翔太で話は進む。

 

 

20イニシエーションラブ

(引用:http://claif.blog.fc2.com

成岡繭子前田敦子
鈴木が一目ぼれした女性。
静岡市で歯科助手として働いている。

 

「イニシエーションラブ 木村」の画像検索結果

(引用:https://blog.goo.ne.jp

石丸美弥子木村文乃
就職後、東京に転勤になった鈴木が職場で出会った同僚。
美人で気立ても良く、社内の男性陣から人気がある。

 

「イニシエーションラブ 三浦」の画像検索結果

(引用:https://cinemagene.com

海藤浩二三浦貴大
大学卒業後、就職した先の鈴木の同期。
一緒に東京に出向し、美弥子に一目ぼれする。

・その他のキャスト
望月大輔(鈴木の友人、合コンメンバー)…森岡龍
北原鉄平(合コンメンバー)…矢野聖人
大石肇(合コンメンバー)…藤原季節
松本優子(合コンメンバー)…吉谷彩子
青島ナツコ(合コンメンバー)…松浦雅
渡辺和美(合コンメンバー)…八重樫琴美(Chubbiness)
松島ジュンコ(美弥子の後輩)…大西礼芳
日比まどか(美弥子の後輩)…佐藤玲
桑島課長(東京での鈴木の上司)…山西惇
梵ちゃん(東京での鈴木の同僚)…前野朋哉
濱辺部長(静岡での鈴木の上司)…木梨憲武(友情出演)
石丸詩穂(美弥子の母)…手塚理美(特別出演)
石丸広輝…(美弥子の父)片岡鶴太郎(特別出演)
天童太郎(劇団の演出家・美弥子の元彼)…池上幸平
ホテル受付…村岡希美
カップル男…夛留見啓助
カップル女…三浦葵
洋服屋の店員…小松美咲
DJの声…山寺宏一 ほか
[adchord]

ネタバレあらすじ

(sideA)
1987年7月10日、静岡市。
静岡市に住む、地味で冴えずモテないぽっちゃり大学生の鈴木(森田甘路)は、友人の望月に誘われて行った合コンで歯科助手の成岡繭子(前田敦子)に出会い、一目で心を奪われた。
しかし、奥手な鈴木は繭子にアプローチすることもできず、合コンは特に何事もなく終わった。
数週間。繭子が忘れられなかった鈴木の元に、望月から「あの日のメンバーで海に行かないか」と誘われ、鈴木は繭子に会いたい一心でOKし、ついに繭子と再会した。
その日、鈴木は会話の流れで繭子の電話番号を知ることができた。
その後、勇気を振り絞って鈴木が繭子に電話をすると、繭子も実は合コンの時から鈴木のことが気になっていたと明かし、金曜日の繭子の仕事終わりに2人で食事へ行くことになった。

金曜日。繭子が鈴木に「もっとお洒落になって欲しい」と言ったことから、お洒落に無頓着だった鈴木は服装や身なりに気を使うようになり、大幅にイメージチェンジした。

8イニシエーションラブ

(繭子のために美容院に行く鈴木 引用:http://claif.blog.fc2.com

さらに「免許と車があれば色々行けるのに」と繭子に言われたことから教習所へも通い始めた。
繭子は行動が早い鈴木を褒めたたえ、それからは毎週金曜日に2人で食事へ行くのが定番になり””たっくん、まゆちゃん””とあだ名で呼び合う仲になった。
鈴木の下の名前は『夕樹(ゆうき)』だったが、繭子いわく「『夕』の字がカタカナの『タ』に見えるから」ということだった。

9月15日。再び合コンメンバーでテニスをすることになった。
この時、鈴木と繭子はペアになることができず、鈴木は繭子とペアになった北原と繭子が仲良さそうにしていたことに嫉妬してテニスどころではなかった。
さらに、帰りには北原の車に乗った繭子を見て、鈴木は気が狂いそうになっていた。
その日の夜。落ち込んでいた鈴木に繭子が電話をかけてきて
「私もたっくんとナツコ(テニスで鈴木とペアになった女子)を見て嫉妬してた」と明かし、テンションが上がった鈴木はそのまま繭子へ告白。
繭子は鈴木の告白に応じ、晴れて2人は付き合うことになった。
興奮した鈴木は繭子に言われるがまま繭子の部屋に行き、その日のうちに2人は男女の仲になった。
その夜は、鈴木にとって生まれて初めて彼女ができ、さらに初体験までできた感動的な夜となった。
繭子も「初めての相手がたっくんで嬉しい」と恥ずかしそうに語った。

それから2人はデートを重ね、幸せな時間が流れた。
11月になり、繭子が「クリスマスは2人でディナーして、そのままホテルに泊まれたら幸せだな~」とおねだりしたので、鈴木は奮発して高級レストランとホテルを予約した。
当時、クリスマスイブのカップルの定番デートが高給ホテルに泊まることで、半年以上前から予約をしないと部屋は取れない位だった。
鈴木がダメもとでホテルへ電話すると「たまたま1部屋キャンセルが出たばかり」と案内され、すんなり部屋をとることができた。

そしてクリスマスイブ当日。
街にいた見知らぬカップルに「釣り合わない」と言われたことをきっかけに、鈴木はダイエットを決意。
鈴木は繭子からのプレゼントでもらったナイキのエアジョーダンを履き、「まゆちゃんに似合う男になる!」と意気込んだ。

[adchord]

(sideB)
6月。社会人になった鈴木(松田翔太)は見事ダイエットに成功していた。
大学生当時、東京の大手企業に就職が決まっていたが、繭子のためにそちらを蹴り、静岡の会社に就職し、仕事も恋も順調に進んでいた。

ある日、鈴木は同期の海藤と一緒に最長3年間、東京の関連会社への出向を命じられた。
7月から鈴木は東京へ行き、繭子とは遠距離恋愛になった。
週一で会うというペースを崩したくなかった鈴木は毎週末、東京から静岡まで車を飛ばして繭子とデートを重ねた。

東京の会社では、同い年の石丸美弥子と出会った。
美弥子がまぶしいほどの美人だったので、鈴木は「これが東京か…」と驚きをかみしめた。
ある日、パソコンの打ち込みが苦手で残業していた美弥子を鈴木が手伝ったことから、2人は仲良くなり、2人で昼食を食べたり、勤務中に私語をするようになった。
鈴木と同い年の美弥子は性格が大人っぽく姉御肌で、繭子とは正反対だった。
鈴木は美弥子に惹かれてしまう自分をいましめながらも、自然と美弥子と繭子を比較するようになっていった。

8月のある週末。繭子がデート中に「生理が来ていない」と告白し、鈴木は動揺した。
「妊娠してたら結婚するか?」とプロポーズしてみたが、繭子は「妊娠したから結婚って、なんか違う気がする…」と嫌がった。
どうすれば良いかわからなくなった鈴木は「大丈夫、大丈夫!」と根拠もなく声をかけることしかできなかった。

関連画像

(繭子を慰める鈴木 引用:https://www.youtube.com

繭子はそれから妊娠のことについては何も報告してこなかった。
真相を聞くのが怖かった鈴木は、あえて自分からも何も聞かなかった。
2人の関係は明らかにぎこちなくなり、それからしばらくは週末会うこともなく、電話だけで連絡を取っていた。

そんなある日の平日。鈴木は美弥子から突然告白された。
鈴木は彼女がいること言わず、「今は考えられない」と断った。
それからも2人は普通に接してはいたものの、鈴木はだんだん美弥子のことを考える時間が増えていった。

一方、繭子とはあれから一度だけ会ったものの、妊娠の話にはお互い触れることなく、何となく気まずいまま鈴木は東京へ戻った。
帰りの車の中でも、鈴木はいつの間にか美弥子のことを考えていた。

8月下旬。鈴木と繭子は意を決して産婦人科へ行った。
そして、繭子は医師から妊娠3か月だと告げられた。
病院の前で告げられたものの、どうすれば良いかわからなかった鈴木は何も言わずに繭子の部屋に戻った。
鈴木が部屋に入ってすぐ、机の上にハードカバーの高そうな本が数冊置いてあるのを見つけると、鈴木に急に怒りがこみ上げた。
鈴木は繭子のための高速代だのデート代だので金を使っていつも金欠だったのに、繭子が贅沢しているように見えたからだ。
鈴木はカッとなって本をなぎ倒し、繭子を怒鳴りつけてそのまま東京へ帰ってしまった。
静岡から東京までの車の中で冷静に考えた鈴木は、東京の寮に戻るとすぐに繭子に電話をかけ「子どもは堕ろそう」と伝えた。
繭子は返事をせず、電話越しにすすり泣いていた。

9月。繭子は子どもを堕ろし、病院から出てきて泣く繭子を鈴木はそっと抱きしめた。
この時から、鈴木は繭子と2人で同じ罪を背負ったように感じていた。

数日後の夜。美弥子と2人でバーに飲みに行った鈴木は、そこで再び美弥子から告白を受けた。
この時 鈴木は「君はとても魅力的だと思うけど、俺、彼女いるから…」と気まずそうに答えた。
会話の中で、鈴木が今の彼女にあまり気持ちがないと感じ取った美弥子は
「本当に好きでもないのに『いい加減にしたくないから』って理由で付き合い続けてるんだとしたら、その子が可哀そう」とアドバイスした。
鈴木はこのとき、自分でもわからなかった今の繭子に対する気持ちを言い当てられたような気がした。

(バーで話す鈴木と美弥子 引用:https://vod-halloffame.com

美弥子は続けて「あなたと彼女の関係が””イニシエーションラブ””なら、私にもまだ希望はあるかなーと思ってる」と正直に打ち明けた。
””イニシエーション””とは””通過儀礼””という意味で、それは””子どもから大人へと成長するために「通り過ぎる」恋愛””という意味になる。
美弥子の言葉に、鈴木は自分にとっての繭子はまさにそうなのかもしれないと感じてしまった。
バーからの帰り。美弥子からラブホテルに誘われた鈴木は誘いに乗り、それから美弥子と関係を持つようになった。

美弥子は鈴木に「私は遊びで良いから」と言ってくれていた。
鈴木にとって美弥子は全てを許し、無条件で愛してもらえるような心地よい存在になっていた。
そして時間が経つにつれ、繭子と美弥子のどちらが本命なのかわからなくなっていた。
同時に、美弥子と浮気を始めてから、鈴木の繭子への態度はだんだんおざなりになっていった。
会うペースも月に2回が定番になり、毎週末を繭子と美弥子と交互に過ごすようになっていた。
やがて繭子に対してあからさまに疲れている素振りを見せたり、一緒にいてもだるそうだったり眠そうにした。
そんな鈴木の心境の変化に繭子は気付いていたものの、気付かないふりをして明るくふるまっていた。

しばらく二股生活が続き、10月末。
繭子の家に来ていた鈴木は間違えて繭子を「美弥子」と呼んでしまった。
追い詰められた鈴木は逆切れし、今まで抱えていた不満(遠距離になってから繭子が一度も東京に来ていないことなど)をぶつけると、何も答えない繭子に一方的に別れを告げて東京へ戻った。

2人はそのまま連絡を取ることなく、11月中旬には鈴木が以前 繭子にプレゼントしたルビーの指輪が郵送で送られてきた。
それから鈴木は正式に美弥子と付き合うようになり、繭子のことを考える時間は日に日に減っていった。

クリスマスが来週に迫った12月のある平日。
美弥子から「クリスマスは私の両親と会ってほしい」と打診があった。
鈴木は面倒がりながらも了承し、クリスマスは美弥子の実家へ行くことになった。
数日後。飲み会で酔って帰った鈴木は美弥子に電話しようとして、間違えて繭子の電話番号にかけてしまった。
電話口から繭子の声が聞こえた鈴木が驚いて固まっていると
「もしもし?…たっくん?」と繭子は言った。
その瞬間、鈴木は急いで電話を切った。
久しぶりに繭子の声を聞いてから、鈴木は繭子のことが頭から離れなくなった。

クリスマス当日。美弥子の実家で美弥子の両親と昼食を終え、美弥子の部屋に入った鈴木は、指輪を見て再び繭子を思い出した。
この前はかなり久しぶりに電話をかけたのに、繭子は「たっくん?」と一番に言った。
『別れたことをまだ繭子が理解していないんじゃないか』、『もしかしたらキャンセルしたホテルの前でずっと俺を待っているんじゃないか』
そう考えた鈴木は居ても立っても居られなくなり、気が付いたら美弥子の実家を飛び出して、繭子と過ごす予定だった静岡のホテルへ車を飛ばしていた。

夜になり、鈴木がホテルの前に行くと、繭子はそこに立っていた。
『やっぱり!』と鈴木は笑顔になった。
繭子の元へ駆け寄ろうとしたとき、鈴木は男とぶつかって転んだが、男に構わず繭子に声をかけようとしたとき。
繭子は「も~、たっくん!」と、倒れているもう一人の男の方へ駆け寄っていった。
繭子の行動を見た鈴木は状況が呑み込めず固まった。
やがて繭子が「大丈夫ですか?」と鈴木の方へ駆け寄り、鈴木の顔を見ると「たっくん…」とつぶやき、固まった。

鈴木とぶつかった男は『鈴木ゆうき』
東京から静岡へ繭子へ会いに来た男は『鈴木タツヤ』だった。
つまり、2人は全くの別人だったのだ。

タツヤは繭子の元カレ、ユウキが繭子の今の彼氏だった。
この物語はsideA、sideBと分かれていたが、時系列を正すとBから始まり、途中からAが始まって、Aの終わりとBの終わりで時系列が揃うことになる。

タツヤと繭子は、ユウキと繭子が出会うよりも前の1986年の4月に合コンで出会い、1987年の10月まで付き合っていた。
ユウキと繭子が出会ったのは1987年の7月で、付き合ったのは同じ年の9月からだ。
実は繭子も二股をかけていて、タツヤからユウキに乗り換えたのだ。
2人の男を「たっくん」と同じあだ名で呼ぶ繭子を見て、ユウキも色々と察して表情が変わった。
繭子はタツヤを見つめ、可愛げに首をかしげた。

・挿入歌
森川由加里『SHOW ME』
小椋佳『揺れるまなざし』
1986オメガトライブ『君は1000%』
オフコース『Yes-No』
C-C-B『Lucky Chanceをもう一度』
松崎しげる『愛のメモリー』
太田裕美『木綿のハンカチーフ』
浜田省吾『DANCE』
研ナオコ『夏をあきらめて』
中村雅俊『心の色』
寺尾聡『ルビーの指輪』
『Ack Varmeiland.Du Skona』

イニシエーション・ラブーあの頃カーステから流れていた80’S BEST HITS- [ 堤幸彦 ]

価格:2,559円
(2019/8/19 01:22時点)
感想(1件)

映画『イニシエーション・ラブ』関連商品(楽天)

[adchord]

解説、考察や感想など

張られていた伏線を気付けただけ拾っていきます。
時系列がバラバラになっていると思いますが、
出来るだけわかりやすく書いていこうと思います。

sideA、Bに分けられていた理由

物語はsideAというタイトルで始まり、中盤からのダイエットに成功した鈴木が松田翔太へ変わる際にsideBへと変わります。
なぜA、Bなどと分ける必要があるのか疑問でしたが、わかった後になるとこれも大きな伏線だったことがわかります。
鈴木が同一人物ではなかったから分かれていたのです。

ルビーの指輪

1イニシエーションラブ

(指輪をはめている繭子の手 引用:http://claif.blog.fc2.com

ユウキと繭子が初めて出会った合コンで、繭子は「自分で買った」と言ってルビーの指輪をしていました。
本当は、これはタツヤからプレゼントされたものです。
後に繭子は「指輪をなくした」とユウキに語りますが、タツヤと別れたときに指輪をタツヤに返しています。

繭子がデートをキャンセルした理由

繭子がユウキと付き合う前、一度デートの約束を「体調不良」でキャンセルします。
後にユウキには「ひどい便秘だった」と話していますが、本当はタツヤとの子どもを堕ろした直後で、まだ痛みがあったためです。

また、繭子が妊娠したかもしれないことをタツヤに打ち明けたとき、タツヤは喜んだりすることなく、ただ動揺していました。
この反応を見た繭子は完全にタツヤと結婚する気をなくしたのでしょう。
タツヤのプロポーズは断り、この数週間後に繭子はユウキと付き合い、二股を始めています。
タツヤとは自然に、もしくは向こうから別れ話が来るのを待っていたのだと思われます。

『アインシュタインの世界』

ユウキが繭子に電話で告白して「会いたい」と言うと、ユウキはスクーターを飛ばして繭子の部屋に行きます。
初めて繭子の部屋に入ったユウキは本棚を見て『アインシュタインの世界』という理系の本があるのを見て驚きます。
繭子は適当にごまかしていましたが、これはタツヤが繭子に勧めて借していた本です。

ユウキと繭子の初夜

ユウキと繭子は付き合うことを決めた直後にHしています。
事後、繭子は「初めての相手がたっくんで良かった!」とこぼしていますが、これも繭子のウソで、伏線です。
タツヤともまだ別れていないし、繭子はその時が初体験だったわけではありません。

カニ

繭子がカニを持ってユウキとはしゃぐシーンがあります。
このカニは元々タツヤと食べるために繭子が準備していたものですが、タツヤが食べずに帰ってしまったため、ユウキと食べています。

ホテルの予約

11月に「クリスマスは一緒にディナーしてそのままホテルに泊まりたい」と繭子がおねだりし、ユウキはダメ元でホテルに電話します。
するとホテルの係は「ついさっきキャンセルが出たばかりです」と告げ、あっさりホテルの予約をとることができます。
これは終盤にわかりやすく描かれますが、この部屋はタツヤが繭子とクリスマスを過ごすために予約していた部屋でした。
この頃タツヤと繭子は破局しており、タツヤはホテルの予約をキャンセルしました。
その直後にユウキが電話をしたので、部屋をとることができます。
部屋が取れたと聞いた繭子は「どこかに失恋したカップルがいたんだ~」と言います。
繭子は、タツヤが部屋をキャンセルしたタイミングまでは知らないので、繭子にとっては偶然出た言葉ですが””失恋したカップル””とは繭子自身のことを指しています。
[adchord]

エアジョーダン

ユウキと繭子は付き合って初めてのクリスマスを一緒に過ごし、お互いにプレゼント交換します。
この時、繭子はユウキにナイキのスニーカー(エアジョーダン)をプレゼントしました。
繭子は「男の人にプレゼントするのは初めて」と言いますが、1年前のクリスマスに、タツヤにも全く同じスニーカーをプレゼントして同じセリフを言っています。
食事の後、「釣り合わない」と通りかかったカップルに言われたユウキはダイエット宣言をし、その後、このスニーカーを履いてランニングしているスマートなタツヤに切り替わります。
このスニーカーを軸にすることで、全く体形が違う2人の男を見ても観客は「キャストが変わったけど、同一人物だ」と思い込むでしょう。

「東京の内定を蹴って静岡で就職した」

冒頭のユウキの合コンの場面で、ユウキが東京の大手企業に内定が決まっていることが話題になります。
後半、タツヤが「繭子のそばにいたくて東京の内定を蹴って静岡で就職した」と発言します。
これは、ユウキとタツヤが同一人物だと思い込ませるための演出です。
1987年7月にタツヤと繭子は遠距離恋愛になります。
恐らく繭子はタツヤが東京へ行く直前までプロポーズされるのをずっと待っていたのでしょうが、思惑通りにはいきませんでした。
この頃(6月頃)から、繭子はタツヤから気持ちが離れかけていることがうかがえます。
そして、繭子はタツヤが東京に行った直後に合コンでユウキと出会います。
繭子はユウキが大手企業に内定が決まっている将来有望な男性と知り、明らかに自分に気があるユウキをキープする方向へ動き始めます。

タツヤが指輪をプレゼントする

(繭子に指輪をプレゼントするタツヤ 引用:https://vod-halloffame.com

繭子の誕生日に、タツヤはホテルでルビーの指輪を繭子にプレゼントしています。
これはユウキが繭子と過ごした1987年のクリスマスに「ルビーの指輪を来年の誕生日にプレゼントする」と約束していた話とつながります。
ですが、真実は1986年のクリスマスに繭子がタツヤに指輪をおねだりし、翌年の7月の繭子の誕生日にタツヤから贈られたもので、時系列が異なります。
これもまた、観客にユウキとタツヤが同一人物だと思わせるための演出です。

タツヤの昔の写真を見た海藤の言葉

タツヤと一緒に東京出向した同期の海藤が、荷物の整理をしていたタツヤの部屋で大学時代の写真を見付けます。
海藤は「細いね~!」と笑い、タツヤは恥ずかしそうに海藤を怒ります。
この「細いね~!」も伏線で、違和感を感じた方も多かったと思います。
真実は「今も昔も痩せてるね」という意味の発言でしたが、物語の流れでこのセリフを聞くと「大学時代は太ってたけど、今は痩せたんだね」という意味の発言かな?と、脳内補正してしまうでしょう。

タツヤがなぎ倒した本

タツヤは毎週末繭子に会うために静岡から東京まで車で往復して、ガソリン代やら高速代やらデート代で常に金欠でした。
そして一度も東京に来ようとせず、別の友人と遊んでいる繭子に「なんで俺だけ」というストレスと不満が溜まっていました。
そんな時に繭子の部屋にあった高そうなハードカバーの本を見て「俺は金欠なのに、こんな本買いやがって!」と本をなぎ倒します。
繭子は「もう買わない。ごめんなさい!」と謝りますが、これはユウキと繭子がお互いの本を貸し合ったときのもので、ユウキの本です。

ユウキとタツヤの性格の違い

(暴力をふるわれる繭子 引用:https://vod-halloffame.com

後半、タツヤが切れて物を蹴飛ばしたり、繭子に暴力をふるおうとする場面があります。
これは、ネタバレ前は””イメチェンしてモテるようになって性格まで変わったのか?””
と想像で解釈しがちですが、これもユウキとタツヤが別人であることの伏線です。
ユウキは少なくとも、暴れたり人に暴力をふるうようなことはしないでしょう。
この辺の違いが繭子がユウキに乗り換えた理由の一つでもあるのでしょう。

「彼の名前は鈴木タツヤよ」

美弥子の両親に鈴木の下の名前を聞かれて、美弥子が「タツヤよ」と答えます。
これが最後の伏線というか、ほぼネタバレです。
ここからストーリー最後の5分間のネタバレが始まっていきます。

伏線回収は以上です。
他にもあったかもしれませんが、私が気付いたのはこれで全部です。
[adchord]

その他感想や考察など

パッケージの言葉通り、伏線回収のために2回観てしまいました!(2回目は1.5倍速で)
本作は、身体は大人になっても心はまだまだ未成熟な男女のお互い様な恋愛模様を描いたものです。

率直に言うと、前田敦子の本気のぶりっ子に耐えられるかどうかの戦いでした。
ストーリーは面白かったんですが、あっちゃんのぶりっ子が見ていてイライラしてしまって・・・笑
これは私が女だからかもしれませんね。。観られた皆さんはどうでしたか?笑

しかし、この繭子というキャラクターは、狡猾な””早く結婚したい系女子””のかなりリアルな姿を描いていると思います。
今の彼氏と結婚できないとわかると素早く切り替えて、もう次の旦那候補を探し、なんでも言うこと聞いてくれそうな、かつ将来有望な人物が見つかると、できるだけダメージ(時間的なことも含めて)を少なく次へ乗り換える。
2人とも””たっくん””と呼んでいたのも、浮気がうっかりばれないようにするため。。
男と女が浮気するときの違いも上手く表現されていたと思いました。

私はこのどんでん返しは結構楽しめました。
見ていて、森田甘路が松田翔太になるって変わりすぎでしょ!と思ったり、
本を見てタツヤが暴れるのを見て、あれ??なんか変??と思いましたが、深く考える間もなく話が進んでいき、最後のネタバレの5分間で「あの数々の違和感はそういうことか!!」となりました。
そして、あっちゃんのぶりっ子が計算しつくされたぶりっ子演技だったということもなるほどでした。
これは、あっちゃんの他の作品を観たことなかったのが良かったのかもしれません。
それにしても、松田翔太の80年代ファッション似合いすぎでした。

ちなみに、特別出演で片岡鶴太郎と手塚理美が出てきた理由は、合コンメンバーで遊んでいるシーンなどが、この2人が出演された連続ドラマ『男女7人夏物語』のオマージュだったからです。
手塚理美は続編の『男女7人秋物語』に出演されています。

映画『イニシエーション・ラブ』関連商品(楽天)

コメント

タイトルとURLをコピーしました