「崖の上のポニョ」ネタバレ解説|ポニョのその後、全員死亡説など考察 | 映画の解説考察ブログ

「崖の上のポニョ」ネタバレ解説|ポニョのその後、全員死亡説など考察

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ファンタジー

宮崎駿監督の長編11作目「崖の上のポニョ」の解説・考察をしています!
『宗介が両親を下の名前で呼ぶ理由』『嵐の後は死後の世界説』『フジモトの計画とは?』『ポニョのその後』などについて書いています。

鑑賞済みの方向けの記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。

制作年:2008年
本編時間:101分
制作国:日本
監督・脚本・原案:宮崎駿

 

声優・キャスト&キャラクター紹介


(引用:https://twitter.com
宗介(そうすけ)…土井洋輝
崖の上の家に住む5歳の男の子。
船乗りの父親の影響で船が大好き。
心優しい性格で、母親リサの職場の老人ホームにも友達がたくさんいる。

 


(引用:https://www.cinemacafe.net
ポニョ奈良柚莉愛
魔法使いのフジモトと海の神様グランマンマーレの娘で、好奇心旺盛な魚の女の子。
強い魔力を持ち、願望がある時は自然に魔法を使って願いを叶えている。
海底にあるサンゴの家に住んでいる。
ポニョという名前は宗介が付けた名前で、本名はブリュンヒルデ。

 


(引用:https://www.animeclick.it
リサ山口智子
宗介の母親、耕一の妻。
宗介が通う保育園の隣にある老人ホーム『ひまわりの家』の職員。
男勝りな性格で、車の運転が大胆。

 


(引用:https://www.aladin.co.kr
耕一(こういち)…長嶋一茂
宗介の父親。
貨物船の船乗りをしているため自宅にあまり帰って来れない。
自宅の近くを通りかかった際は宗介とモールス信号でやり取りする。

 


(引用:https://twitter.com
フジモト所ジョージ
ポニョの父親。元人間の魔法使い。
地球を破壊、汚染する自分勝手な人間が嫌いになり、海に住む魔法使いになった。
人間に興味を持ったポニョを抑え込もうとする。
魔法で人類の時代を終わらせて、地球をカンブリア紀(約5億4200万年前から約4億8830万年前まで)の頃のような海の世界にしようとしている。
彼自身の魔力は弱く、自作の魔法の液体を定期的に飲むことで力を得ている。

 


(引用:https://twitter.com
グランマンマーレ天海祐希
ポニョの母、フジモトの妻で海の女神様のような大きな存在。
ポニョは母について「お母さん大好き、けどすっごくこわい」と語っている。
普段は波の姿で海を漂っていて、彼女の波に触れた船は壊れていた箇所が直ったり人間も体調が良くなるので、船乗り達からは『観音様』と呼ばれている。

その他のキャスト
ポニョの妹達…矢野顕子
トキさん(ひまわりの家の老婦人)…吉行和子
ヨシエさん(ひまわりの家の老婦人)…奈良岡朋子
クミコさん(ひまわりの家の老婦人)…平岡映美
赤ちゃんを抱いていた婦人…柊瑠美
カヨ(宗介の同級生)…左時枝
カレン(宗介の同級生)…大橋のぞみ
水魚…所ジョージ
アナウンサー…羽鳥慎一 ほか

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あらすじ前半

崖の上のポニョ
(引用:https://comic-kingdom.jp

海に囲まれた小さな島に住む5歳の男の子宗介は、海で空き瓶にハマって動けなくなっていた金魚のような生き物を保護します。
すると、金魚は宗介が瓶で怪我した指を魔法で治してくれました。
魔法の金魚を『ポニョ』と名付けた宗介は、バケツに入れて幼稚園に持っていくことにしました。
ポニョも宗介が大好きになり、宗介がくれたハムも大好きになりました。

生き物を持って行くと怒られるので、宗介はポニョを幼稚園の隣にある老人ホーム『ひまわりの家』の庭に隠しますが、ポニョを見た老婦人トキさんが「人面魚を浜に上げると津波が起こる」と騒ぎました。

慌てた宗介がポニョと海の岩陰に隠れていると、ポニョが喋りだしたので宗介は喜びますが、その直後、海の中からポニョの父フジモトが現れて、ポニョを海に連れ戻してしまいました。

崖の上のポニョ
(引用:https://ohanagon.tistory.com

フジモトは元人間で、大嫌いな人間の時代を終わらせるために魔法使いになった男です。
海底の自宅に連れ戻されたポニョは「そうすけに会いたい、ハム食べたい!」と駄々をこねてフジモトを困らせました。

人間になりたいと思ったポニョがふんばると、魚だったポニョからカエルのような手足が生えました。
フジモトは驚いて、魔法でポニョを元の姿に戻して眠らせて、ポニョの部屋(水槽)に入れました。

数時間後。目を覚ましたポニョは、魔法で水槽に穴をあけて外に飛び出します。

この時ポニョは、フジモトが地下金庫にある特別な井戸に溜めていた『命の水』に触れたことで魔法の力が増大して人間の女の子になりました。
ポニョは大勢の妹たちと一緒に海上に飛び出すと、波の上を走って宗介を探します。

ポニョが起こした波は嵐になり、宗介の島を高波と暴風が襲います。
リサは「このままひまわりの家に泊まった方が良い」と言う周囲の意見を無視して、車に宗介を乗せて帰宅しました。

車から降りると、宗介を見つけたポニョが駆け寄ってきて抱き着きます。
女の子の容姿や声からその子がポニョだと気付いた宗介は、驚きつつ再会を喜びました。
リサは突然現れた女の子を不思議に思いながらも家に入れました。

ポニョは宗介の家にある、海には無い道具の数々に目を輝かせ、はちみつミルクやハム入りラーメンの味に感動した後、すぐに眠ってしまいます。
彼女が眠ると海の荒れも収まりました。

ひまわりの家の皆が気になったリサは、宗介とポニョを自宅に残して車で出かけました。

 

あらすじ後半※ネタバレ注意

目を覚ましたポニョと宗介は、自宅のすぐ外まで海面が上がっているのを見て驚きました。
宗介がリサを心配するので、ポニョはろうそくの火で動くおもちゃの船を魔法で大きくし、お菓子とランチと飲み物を持ってリサを探す旅に出ました。

海水の中には、デボン紀(約4億1600万年前から約3億5920万年前までの時期)に存在したという古代魚や生き物が泳ぎ回っています。
途中、船で海上に避難していた宗介の知り合いや救助隊などと遭遇して、無事を喜び合いながら、宗介とポニョはひまわりの家の近くに停めてあったリサの車を発見しました。

その直後、ポニョは力尽きたように眠ってしまい、大きくなっていた船は元のおもちゃに戻ってしまいます。
車の中にリサはいないので、宗介はひまわりの家に行ってみることにしました。

同じ頃。ひまわりの家は水没していましたが、ポニョの母グランマンマーレの魔法で全員無事だった上、魔法の影響で立てなかった老人たちが走り回れる程元気になっていました。
グランマンマーレとリサは相談して、宗介とポニョがいくつかの質問に正解したらポニョを完全な人間に変身させてあげることに決めました。

宗介がひまわりの家に着く頃には、ポニョは魚の姿に戻ってしまいました。
グランマンマーレは宗介に「ポニョは魚です。それでも愛することが出来ますか?」と質問すると、宗介は「魚のポニョも人間のポニョも大好き!」と答えました。

グランマンマーレはポニョに「人間になれば、あなたは魔法の力を失います。それでもいいですか?」と聞くと、ポニョは迷わず「うん!」と答えます。

2人の答えを聞いたグランマンマーレは「ポニョは宗介に愛されている間は人間でいられるが、宗介の愛が消えれば、ポニョは人魚姫のように海の泡になって消えます」と告げた後、ポニョに魔法をかけてバケツの中に入れました。
話が終わると、グランマンマーレはポニョの妹たちと一緒に海に帰って行きました。

やがて救助隊が現れて、皆が無事に救出されました。
フジモトは「どうかポニョをよろしく」と宗介に言うと、海に戻っていきました。

船に乗っていた宗介の父・耕一もリサと宗介の所に駆け付けて、3人はお互いの無事を喜びました。
すると、ポニョがバケツの中から飛び出して人間の女の子に変身しました。
これから宗介、リサ、耕一、ポニョ4人の新しい生活が始まります。

主題歌
崖の上のポニョ』藤岡藤巻と大橋のぞみ
『海のおかあさん』林正子




解説、考察や感想など

主題歌やポニョと宗介はすっごく可愛いのに、内容が結構ダークなので印象に残ってました。
無邪気に津波を起こすポニョが怖かったですが、食事シーンは安定して美味しそうでした。

以下、気になった点をまとめました!

宗介が両親を下の名前で呼ぶのはなぜ?

宗介が両親を『お父さん、お母さん』、『パパ、ママ』などでなく下の名前『リサ、コーイチ』と呼んでいたのが印象的でした。

最初、リサと耕一は再婚だったり宗介が養子だったりするのかなとも思いましたが、作中でどちらかもしくは両親ともに血の繋がりが無いことを示唆するような描写は一切見当たりませんでした。

そうなると、リサと耕一がそう呼ばせている可能性が高くなり、基本的に育児はリサ担当のようなので、彼女が宗介に親を下の名前で呼ぶように教えたと思われます。

心理的な方面で考えると、リサが『お母さん』と呼ばれるのを嫌がった可能性が挙げられます。
最近では実際に自分の子どもに下の名前やあだ名で呼ばせる家庭が一定数いるようで『【お母さん】だと老けた気がするから、あだ名や下の名前で呼ばせている』、『親子ではなく友達のような対等な関係でありたいから』などの理由があると何かで見聞きしたことがあります。
その根底には『親と子の絆』の希薄さだったり、親は早く子どもに自立して欲しい(依存はされたくない)と願っているような心理がある気がします。

もう1つ考えられるのは、もしも迷子になるなど親とはぐれるような事態が起きて警察などに保護された時、子供が親のフルネームをすぐ言えるように普段から名前で呼ばせている可能性です。
宗介とリサの住む島は人口が少なく島民全員顔見知り状態らしかったので、島で『もしも』が起こる可能性は無さそうですが、旅行などで島から出た時のことを考えていとしたら、これも可能性の1つとして挙げられます。

リサは正義感が強い一方、宗介を乗せていても車の運転が荒いような気性の激しさや、自由奔放な一面があるので、宗介にも早く一人前になって欲しいという思いも込められているのかもしれません。

 

リサが周囲の反対を無視して自宅に戻った理由

ポニョが嵐を起こした日、島には高波や強風が巻き起こってとても危険な状態になりますが、リサは警備員たちの「危険だからやめておけ、ひまわりの家にいた方が安全だ」という言葉を無視して危険を冒し、自宅に向かって車を飛ばします。

宗介とリサの家は崖の上に立っていて、海にいる船員にとって灯台のような役割を果たしていたらしく、リサは「こういう時こそ灯台の役割を果たさなければいけない」と考えた(そう発言していました)ので、無理をしてでも自宅に戻ったのだと思われます。
リサの夫である耕一も船で海に出たままでしたし、耕一のためとも言えますね。

また、この家は島で一番高い場所に建っていたし、災害対策もしっかりしていたので、津波などが来たときのことを考えても、多少の危険を冒してでも自宅に帰るのが一番安全と考えたのでしょう。

ちなみに、宮崎監督はインタビューでリサについて以下のように答えています。

親子というものを、自分がどう生きるのかも含めて、途上にいる人間にしたかったんです。また彼女は町が水没するような非常事態にもパニックにならない。
ポニョによって不思議なことが起こっているその状況は全て分からないけど、今を乗り切ろうとする。そんな母親に誰もがなって欲しいという願望が、リサには込められている。 (引用:Light in June

 

次のページに続きます!

2ページ目は『嵐の後=死後の世界説』、『フジモトの計画は?』、『巨大な月』、『ブリュンヒルデとポニョのその後』について書いています。




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