映画「大脱出」の疑問について解説・考察しています!
プロの『脱獄屋』レイ・ブレスリンに「テスト段階の非合法刑務所から脱獄してみてほしい」という怪しい依頼がCIAから来た。
ブレスリンは脱獄することができるのか。
シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーのダブル主演作で、シュワルツェネッガーにとっては初の脱獄物となる。
制作年:2013年
本編時間:116分
制作国:アメリカ
監督:ミカエル・ハフストローム
脚本:マイルズ・チャップマン、アーネル・ジェスコ
主要キャスト紹介
(引用:http://otokonoeiga.com)
レイ・ブレスリン…シルベスター・スタローン
いくつもの刑務所からの脱獄を実践して刑務所の弱点を指摘する民間のセキュリティ会社の社員で脱獄のプロ。
周囲を観察して規則性を見付けるのが得意。
彼の脱獄に関する著書は関係者から絶大な支持を得ている。
CIAからの依頼でテスト中の非合法刑務所の脱獄をすることになった。
(引用:https://www.1zoom.me)
エミル・ロットマイヤー…アーノルド・シュワルツェネッガー
レイが刑務所で出会った囚人。
刑務所運営のスポンサー達が捕えたがっている謎の犯罪者マンハイムを知る唯一の人物。
(引用:http://kisaraginotubo.blog.fc2.com)
ホブス所長…ジム・カヴィーゼル
刑務所の所長。冷徹で残酷で支配欲が強い。
蝶の標本作りが趣味で、仕草や行動がどこかオネエっぽい。
©2013, Artwork & Supplementary Materials ©2014 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
ジャベド…ファラン・タヒール
麻薬の売人だった囚人。
ブレスリンとロットマイヤーを目の敵にしている。
イスラム教信者で、朝晩のお祈りが欠かせない。
(引用:https://ameblo.jp)
カイリー医師…サム・ニール
どことなく人生諦めた感が漂う刑務所の医師。
・その他のキャスト
アビゲイル(ブレスリンの恋人?)…エイミー・ライアン
ハッシュ(ブレスリンの仲間の社員)…50セント(カーティス・ジャクソン)
レスター・クラーク(社長)…ヴィンセント・ドノフリオ
ジェシカ・マイヤー(CIAの弁護士)…カトリーナ・バルフ
最初の刑務所の所長…グレアム・ベッケル
ローグ(最初の刑務所の看守)…マット・ジェラルド
会社の受付の女性…リディア・ハル
ドレーク(刑務所看守)…ヴィニー・ジョーンズ
バブコック(看守)…クリスチャン・ストークス
ブレスリンに殴られた囚人…ブライアン・オアリー、ジェフ・チェイス、マイケル・パパジョン
ヘリのパイロット…アレック・レイム ほか
あらすじ紹介
ロサンゼルスにある特殊なセキュリティ会社で働いているレイ・ブレスリン(シルベスター・スタローン)は脱獄のプロ。
刑務局などから依頼を受け、指定された刑務所に実際に囚人として入り脱獄、刑務所の弱点を報告するのが仕事だった。
ある日ブレスリンは、CIAの弁護士ジェシカ・マイヤー(カトリーナ・バルフ)から『テスト運営段階の非合法の刑務所システム』での仕事を依頼された。
それはスポンサーを募って民間で運営しようとしている刑務所(牢獄)のようなもので、法律でさばけない極悪人を社会から排除するために作られたシステムで、一言で表すと『違法刑務所』だという。
現在はテスト段階で、脱獄不可能であることをスポンサーに示さなければいけない状態のため、ブレスリンに依頼が来たのだった。
ジェシカから『刑務所の場所は機密情報のため明かせない』と説明を受け、ブレスリンのサポート役のアビゲイル(エイミー・ライアン)とハッシュ(50セント)は危険を感じて反対したが、いつもの2倍の報酬に目が眩んだクラーク社長(ヴィンセント・ドノフリオ)が強引に依頼を受けることを決めてしまった。
ブレスリンは仕事をする際、脱獄不可能だとわかった時や、その他の非常事態の際は『協力者』に避難コードを伝えれば仕事は中止、すぐに刑務所から出してもらえるというサポート体制があった。
『協力者』とは、ブレスリンが入る刑務所で働く特定の人物に、事前に会社側がレイの本当の身分を知らせておいて、非常事態の時だけ動いてもらう人物のことだ。(脱獄を手伝ってもらうわけではない)
ブレスリンは『テロリストの一味アンソニー・ポルトス』という刑務所内で使う偽名と経歴を与えられ、『協力者』は刑務所のマーシュ署長であること、それと避難コードを覚え、ニューオーリンズで投獄される日を迎えた。
外に出て数分後、ブレスリンは黒服の男たちに拉致され、薬を打たれて気を失った。
気が付くと、ブレスリンはもう刑務所の個室の中にいた。
そこはガラス張りで外からも中からも丸見えな囚人用の個室がいくつも連なり、看守は全員覆面をしていて顔がわからない。
ブレスリンが今までに見たことのない収容施設だった。
ブレスリンはすぐにマーシュ所長とコンタクトを取ろうとしたが、ホブス所長(ジム・カヴィーゼル)からマーシュという人物が存在しないことを知らされた。
異常を感じたブレスリンはホブス署長に『避難コード』を伝えたが「そんなものは知らない」と受け付けられず、ブレスリンは脱獄以外の方法でここから出られないことを悟った。
(ブレスリンの行方を探すアビゲイルとハッシュ 引用:https://www.naoraou.com)
解説、考察や感想など
なぜスポンサーたちはマンハイムを捕まえたがっていたの?
(部下の頭をさわさわするホブス 引用:https://twitter.com)
マンハイムは富豪の者たちから金を盗んで貧困に苦しむ人々に分け与えることで有名な泥棒だったようです。
マンハイムは、クラーク社長が「銀行のシステムをダウンさせる」と発言していたように、富豪の財産をかなり大胆なやり方で根こそぎ奪ってしまうような泥棒だったようです。
つまり、富豪たちは絶対にマンハイムからの被害にあいたくない、まさに”墓場”に入れておきたい、穴があったら入れておきたいたい(使い方間違ってるかも)存在だったからです。
ところで、ホブス所長さん意外と良いキャラしてましたよね(笑)
潔癖なのかなーと思ったら部下の坊主頭をお触りしていたり、本をパラパラしてページの隙間に目にもとまらぬ速さで指を差し込んでいたりとちょっとツボでした(笑)
何気に小指が立っているシーンもあったのでゲイっぽいキャラだったのでしょうか。
なぜロットマイヤーは正体を隠していたの?

©2013, Artwork & Supplementary Materials ©2014 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
マンハイムは恐らく普段からロットマイヤーとして生活していたのではないかと思われます。
有名な大泥棒が身分を隠さずに生活するなんて、捕まえてくれと言ってるようなもんですからね。
普段から『マンハイムと近しい人物ロットマイヤー』として生活していて”墓場”の関係者に捕らえられたんだとしたら、わざわざ自分がマンハイム本人だと名乗り出るよりは『マンハイムの居場所をしる唯一の人物』だと思わせていた方が殺されたりする心配がないですし、自分の言動で周囲(特にホブス)が翻弄されているのを見るのが面白かったかもしれません。
ロットマイヤーはなぜブレスリンに近づいたのか
これは終盤にかなり急ぎ足で種明かしされますが、ロットマイヤーは元々『捕まったら、ポルトスという名の人物が現れるのを待つこと』を決めていました。
マンハイムが捕まったら、確実に助けてくれそうな人物を娘のジェシカが手配して送り込むことになっていたんです。
そしてマンハイムの救世主としてブレスリンが選ばれたというわけです。
カイリー医師が読んでいた『ヒポクラテスの誓い』
(引用:https://farm5.static.flickr.com)
ヒポクラテスの誓いとは、医者として持つべき倫理感や任務を神に誓った宣誓文です。
(詳しくはWikipediaをどうぞ)
「医者としてあるべき姿を思い出せ」とブレスリンに言われたカイリー医師は、ヒポクラテスの誓いを思い出して久しぶりに目を通し、医師として正しい行動を取ろうと決めたのだと思われます。
ブレスリンの著書に何が書いてあったのかは明かされませんが、もしかしたらブレスリンの行動理念や、なぜ脱獄屋をしているのかが描かれていたのかもしれません。
カイリー医師の「医者は良くわかっていない病気の治療のために、良くわかっていない薬を処方するものだ」という言葉が引用っぽくて調べたんですが出てきませんでした。
遠回しな言い方でよくわかりませんでしたが、カイリーは「医者としての任務(正義)をまっとうするためなら、時には職権乱用もいとわない」というようなことが言いたかったのでしょうか。
クラーク社長の行動は何だったのか
(クラーク社長 引用:https://twitter.com)
クラーク社長の意味深な行動についても最後のどたばたで明かされていますが、こちらでも改めて解説考察していきます。
まず、クラークは危険な仕事も報酬によっては迷わず請け負って部下を危険な目にさらすような人物であることは、ジュリアからの依頼を受けた時のクラークの態度でわかります。
ロットマイヤーの娘ジュリアからの依頼がきっかけで”墓場”の存在を知ったクラークは、ジュリアを飛び越えて”墓場”の本部(社名は出てきた気もしますが忘れました)に直接連絡してしまい、ここからクラークの暴走が始まります。
恐らくクラークは”墓場”が世界各国の富豪がスポンサーとなって金が集まりそうな施設だったことと、マンハイムに莫大な報酬金がかけられていることを知り、欲に目が眩んだのでしょう。
しかも、もし有名な脱獄屋のブレスリンが”墓場”から脱獄不可能だった場合、”墓場”はさらに価値が跳ね上がり、スポンサーはさらに増えるでしょう。
中盤で中国がスポンサーに名乗りを上げてきたのも、恐らく「ブレスリンが現在脱獄に挑戦中で、失敗しそうだ」と誰か(多分クラーク本人)が吹きこんだからだと思われます。
要は、クラークはブレスリンを踏み台にして”墓場”の所有者になろうと企んだんですね。
ぽっと出の人間がこんな風に突然社長候補にのし上がれるのは信じがたいですが、アメリカ映画ですし、クラークは相当交渉が上手だったのかもしれません。
・関連記事
コメントお待ちしてます