『グランドフィナーレ』解説考察|妻のお見舞いに行けなかった理由、ミス・ユニバース、老夫婦など | 映画鑑賞中。

『グランドフィナーレ』解説考察|妻のお見舞いに行けなかった理由、ミス・ユニバース、老夫婦など

グランドフィナーレ ヒューマンドラマ

映画『グランドフィナーレ』の解説・考察をしています!
『フレッドがお見舞いに行けなかった理由』『会話のない老夫婦』『ミス・ユニバースが伝えたかったことは?』『自由のにおいとは?』『ミックが自殺した理由』について書いています。

スポンサーリンク

『グランドフィナーレ』概要紹介

原題:YOUTH
制作年:2015年
本編時間:119分
制作国:イタリア、フランス、イギリス、スイス
監督・脚本・原案:パオロ・ソレンティーノ

主要キャスト紹介

フレッド・バリンジャーマイケル・ケイン
『シンプル・ソング』で名声を得た天才音楽家。

ミック・ボイルハーヴェイ・カイテル
フレッドの親友。『女優を育てる名監督』と異名を持つ映画監督。

レナ・バリンジャーレイチェル・ワイズ
フレッドの娘。

ジミー・ツリーポール・ダノ
『ミスターQ』役で著名人の仲間入りした若手俳優。

 

あらすじ紹介

現役引退した音楽家のフレッドは、親友の映画監督ミックと一緒に健康診断を受けるためセレブ専用高級ホテルに滞在しています。

自然に囲まれた美しい環境の中、フレッド、ミック、フレッドの娘レナを始めとするセレブ達が抱える苦悩や葛藤、怒りがリアルに描かれます。

グランドフィナーレ 関連商品を楽天で検索する!

解説・考察など

フレッドはなぜお見舞いに行けなかった?

グランドフィナーレ
©2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHÉ PRODUCTION, FRANCE 2 CINÉMA, NUMBER 9 FILMS, C -FILMS, FILM4

フレッドの妻メラニーは10年前に精神疾患を患い入院していましたが、フレッドは妻のお見舞いに一度も行っておらず、娘レナからも非難されていました。

フレッドがお見舞いに行かないのはメラニーを愛していないからではありません。
音楽を最も愛するフレッドは、愛情表現も音楽を通してしかできませんでした。
それを示すのは、フレッドがメラニー以外の『シンプル・ソング』では指揮をしたがらなかった点です。
レナの発言からフレッドは過去に何度も浮気してメラニーを苦しめていたようですが、フレッドの貞操観念は肉体ではなく音楽に紐づいていたようです。
芸術家が性に奔放な傾向があるのはよく聞く話ですが、フレッドの価値観や意思の表現方法は一般的ではないので、理解してもらえず苦悩も多かったのではないでしょうか。

フレッドがメラニーを愛していたなら、お見舞いに行けなかった理由として考えられるのは、メラニーが病気になったのはフレッドのせいかもしれないとフレッド自身が思っているからかもしれません。
フレッドはメラニーに対して強い負い目があり、合わせる顔が無くてお見舞いに行けなかったのです。
レナとの会話のみから推測すると、メラニーは家庭を顧みないフレッドに耐える生活を続けた結果、心の病気になってしまったのかもしれません。
本当の原因は語られないのでわかりませんが、少なくともフレッドがそう考えていたとしたら、『病気の原因』がお見舞いしたとしてもメラニーの精神状態が悪化する可能性すらあります。

こういうことを考えているうちに時間だけが経ってしまい、お見舞いに行けないまま何年も経ってしまったのではないでしょうか。

会話のない老夫婦


(引用:https://www.fashion-press.net

フレッドとミックが賭けの材料にしていた会話の無い老夫婦は、突然妻が夫にビンタをかましたり、仲が悪いのかと思えば林の中で情熱的にセックスしてみたりとよくわからない夫婦でした。

カップルの在り方は様々で、その内情は当事者である2人だけにしか理解しえないものであり、第三者に理解できるものではないというのを伝えたかったのではないでしょうか。

カップルや夫婦に限らず、親兄弟や付き合いの長い友人など、ある程度深い関係には共通することのような気がします。

 

ミス・ユニバース


©2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHÉ PRODUCTION, FRANCE 2 CINÉMA, NUMBER 9 FILMS, C -FILMS, FILM4

ミス・ユニバースと名乗り、ジミー(ポール・ダノ)の大ファンだと言って現れた女性は何だったのでしょうか。

彼女の本当の名前は当然『ミス・ユニバース』ではありません。
彼女は恐らくジミーに顔を覚えてもらうために、あえて本名を名乗らず『ミス・ユニバースで優勝したという最も誇れる経歴』だけを前面に出していたと思われます。

もしかしたらジミーが『ジミー・ツリー』よりも『ミスターQ』と呼ばれることを知った上であえて『ミス・ユニバース』と名乗って同類アピールしていたのかもしれません。
しかし、ミス・ユニバースの期待とは裏腹に、ジミーはミスターQの名前が出ただけで苛立ち、彼女に辛辣な言葉を浴びせました。

すると、ミス・ユニバースは「私は『ミス・ユニバース』になれて幸せよ。あなたはどうなの?」と問いかけて立ち去りました。
ジミーは『ミスターQ』のおかげで知名度が上がり、現在の人気俳優の立場を手に入れています。
今ではジミーはミスターQを疎ましくすら思っていますが、話題になった当初はミスターQやその映画に感謝していたはずです。

ミス・ユニバースは、ジミーに初心を思い出してほしいと感じてこのような質問を投げかけたのだろうと解釈しています。

 

『自由のにおい』とは?

グランドフィナーレ
(引用:https://www.barks.jp

レナはミックにジュリアンの離婚騒動を謝られた時、「彼は自由のにおいを嗅ぎつけた」と答えました。

それは裏を返せばレナがミックを束縛まではいかないかもしれないですが、ジュリアンに多くを求めすぎて世間体や倫理観で縛り付けていたことを意味します。

ジュリアンはレナとの生活に堅苦しさや息苦しさを感じ、一緒にいて楽だったパロマに『自由』を見出してしまったということなのでしょう。

 

ミックはなぜ自殺した?

ミックの自殺は衝動的でした。
恐らく付き合いも長く信頼していた女優ブレンダ・モレルに出演を断られ、過去作を批判されたのが相当こたえたのではないでしょうか。
ミックはこの映画への熱意をブレンダにも恐らく伝えていたので、どういう理由でも出演を断られたことそのものが裏切りに思えてしまったのでしょう。

ブレンダは「友達だからあえて言うけど、映画作りはもうやめた方が良い」と言いましたが、ミックにとっては恐らく友達だからこそ、たとえ駄作になったとしても映画作りに付き合って欲しかったのです。

また、ブレンダが出演しないとスポンサーに支援してもらえなくなると語っていたので、ブレンダに出てもらえないならミックは映画を作れなくなります。
「遺作にしたい」とすら言っていたので、思い入れも相当強かったことがうかがえます。
作れないなら死んでしまおうと思えるほど、ミックにとって映画は人生そのものだったということです。

以上です!読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらハートマークを押してもらえると嬉しいです(^^)

関連記事

感想などお気軽に(^^)

タイトルとURLをコピーしました