映画『ウエスト・サイド・ストーリー』(2022)のあらすじ紹介と解説、考察をしています!
スピルバーグ監督の初ミュージカル映画ということで期待して観てきました!
大雑把にダンス50%、ドラマ25%、歌25%位の配分で、個人的には新感覚のミュージカルでした。
ダンスがキレッキレでかっこ良かったし、たまにナイスバディなアニータ様のパンチラが拝めるのも良かったです(笑)
キャストは2〜3人以外は目新しい面々でフレッシュさ満点でした。
この記事では舞台背景や争いが起きた原因などについて書いていきます!
制作年:2021年
本編時間:157分
制作国:アメリカ
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
原作:ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』
主要人物紹介
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
トニー…アンセル・エルゴート
白人不良集団『ジェッツ』の元リーダー。
暴行の罪で逮捕されて1年前に出所したばかりで現在は仮釈放中。
ジェッツからは抜けている。
ダンスパーティーでマリアと出会い運命的な恋に落ちる。
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マリア…レイチェル・ゼグラー
プエルトリコ人集団『シャークス』のリーダー ベルナルドの妹。
都会に憧れて兄の居るニューヨークに引っ越して働き始めたばかり。
ベルナルドの恋人アニータと同居している。
ダンスパーティーで出会ったトニーと恋に落ちるが、ベルナルドに猛反対される。
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ベルナルド…デヴィッド・アルヴァレス
マリアの実兄で『シャークス』のリーダー。プロボクサー。
兄心からマリアを必死に守ろうとするが過保護すぎて裏目に出ている。
アメリカを捨てて故郷プエルトリコに戻ることを夢見ている。
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
アニータ…アリアナ・デボーズ
ダンス大好きなベルナルドの恋人。
自立心が強く、いつか自分の店を持つことを夢見ている。
ベルナルドとは対照的にアメリカで暮らすことに希望を持っている。
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リフ…マイク・ファイスト
トニーの親友で『ジェッツ』の現リーダー。
何かとトニーを頼り、ジェッツに連れ戻そうとする。
チノ(マリアの恋人候補)…ジョシュ・アンドレス
エニバディズ(ジェッツ団員)…アイリス・メナス
シュライク刑事…コリー・ストール
クラプキ巡査…ブライアン・ダーシー・ジェームズ
ジェット(ジェッツ団員)…カイル・アレン
ジョン(ネジピアス)…パトリック・ヒギンズ ほか
あらすじ前半
1950年代のニューヨークに住む青年トニーは、ダンスパーティーで出会ったプエルトリコ人の美少女マリアと運命的な恋に落ちました
しかし、マリアの兄ベルナルドはプエルトリコ人グループ『シャークス』のリーダーで、白人が大嫌いなため猛反対を受けてしまいます。
さらに、トニーの親友リフはシャークスと対立関係にあるポーランド系白人グループ『ジェッツ』のリーダーで、トニー自身もジェッツのリーダーだった過去がありました。
最悪なことに、ベルナルドがトニーに絡んだことをリフが怒り出し、明日の夜にジェッツとシャークスが決闘することになってしまいます。
トニーはマリアと明日の夜に駆け落ちする約束をした後、争いを止めようとリフを説得するも虚しく、決闘は始まってしまいます。
あらすじ後半※ネタバレ注意
決闘は塩の倉庫で行われました。
リフとベルナルドがもみ合いになり、ベルナルドがリフを刺し殺してしまい、激昂したトニーは我を忘れて、リフを殺したナイフでベルナルドを殺してしまいました。
やがてパトカーが駆け付けて解散になり、お互いのリーダーの死で決闘は相討ちに終わります。
この時、リフが落とした銃をベルナルドの弟分でマリアの恋人候補だったチノが拾いました。
トニーがマリアに自首すると報告すると、マリアは「あなたまで失ったら生きていけない」と言うので約束通り駆け落ちすることになり、準備をして数時間後に駅で落ち合う約束をしました。
準備をしていたマリアの所にシュライク刑事が事情聴取に来たので、マリアは「少し遅れることをトニーに伝えて欲しい」とベルナルドの恋人アニータに頼みました。
アニータがトニーの居るドラッグストアに行くと、店に居たジェッツのメンバー達は彼女を襲ってレイプしようとしました。
店主のバレンティナが気付いて止めたのでレイプは未遂に終わりますが、激怒したアニータはトニーに「マリアはチノに撃たれて死んだ」と嘘を伝えました。
絶望したトニーは外に出て「俺も殺せ!」と叫びながらチノを探します。
そこに、荷物の準備が出来たマリアが現れたので、トニーは彼女の無事を知りますが、同時にチノがリフの銃でトニーの胸を撃ちました。
マリアは泣きながらトニーにお別れのキスをして、トニーの遺体を運ぶジェッツのメンバーに付いていきます。
チノは銃声を聞いて駆けつけた警察に逮捕されました。
解説・考察
前半は鑑賞前に知っておきたい点を、後半はネタバレありきで考察します。
時代背景と『ジェッツ』と『シャークス』
1950年代のニューヨーク、ウェストサイドではスラム街を壊して高級住宅街に作り替える都市開発の準備が着々と進められています。
ウェストサイドのスラム街で生まれ育った不良の若者たちは徒党を組み、都市開発の邪魔をして彼らの縄張りを守ろうとしていました。
そんな不良達は大きく2つのグループに分かれていて、1つはポーランド系アメリカ人グループの『ジェッツ』、もう1つがカリブ海の小さな島プエルトリコからの移住グループ『シャークス』です。
ジェッツとシャークスはライバル関係にあり、縄張り争いが激化しつつありました。
シュライク刑事の話では、ジェッツの不良青年達の親は皆、スラム街から出たがらなかった社会不適合者の集まりだったようで、そんな親から生まれた彼らも社会不適合者です。
ジェッツの青年達が都市開発に反対なのは、スラム街にしか居場所を見いだせない彼らは他に行くアテもなく、追いやられることを恐れたからです。
予定通りに高級住宅が建ってしまうと、中・上流階級の人々が大勢引っ越してきます。
そうなると、社会の底辺に属する彼らは中・上流階級の人々から白い目で見られ、ジェッツの面々は彼ら自身が生まれ変わるか、出て行くかの選択を迫られることになります。
ジェッツはどちらも嫌だったから都市開発を未然に防ごうと、余計に悪を働く悪循環が起きていたのでしょう。
トニーはなぜジェッツを脱退した?
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
トニーがジェッツを抜けたのは、服役中に自分自身を見つめなおして理性を失くして暴力的になってしまう性格を矯正したいと強く思ったからです。
また、仮釈放の条件に悪友と付き合ってはいけない決まりがあったので、真面目になりたいという思いからその条件に従おうとしていました。
トニーはジェッツ時代の喧嘩で、我を忘れて敵を半殺しにしてしまったために逮捕されています。
服役中に自分自身の行動を見つめなおして「理性を失う自分が恐い」とリフに打ち明けますが、リフは縄張り争いに必死なあまり悩みをまともに聞いてやれませんでした。
トニーがダンスパーティーに行ったのはなぜか
トニーは断っていましたが、結局パーティーに現れてマリアと恋に落ちました。
トニーは『パーティーで何かが起こる』という強い予感がしたからパーティーに行ってしまったようです。
リフに断る時に仮釈放を取り消されてしまうリスクがあるとも言っていたので、衝動的に来てしまったのでしょう。
ジェッツとシャークスの決闘が決まった原因
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
リーダーのリフとベルナルドが対決を決めたのは、トニーとマリアの恋に気付いたベルナルドがトニーに絡んだのがきっかけでした。
パーティーで喧嘩すると逮捕されてしまうので、リフはベルナルドをトイレに呼び出して決闘を申し込み、丸腰で喧嘩すると一応約束していますが、お互い『奴らは武器を持ってくるだろう』と予測して結局ナイフなどの武器を用意します。
リフはトニーが決闘に参加しない心細さから銃を調達してしまい、それが悲劇の原因になってしまいます。
次のページに続きます!
後半は『マリアがトニーに惹かれた理由』、『マリアとアニータのその後』、『ポスターの問いかけの答え』などです!
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