映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ネタバレ解説考察|ユリスの薔薇、ギルベルトの心境など | 映画鑑賞中。

映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ネタバレ解説考察|ユリスの薔薇、ギルベルトの心境など

ヴァイオレット・エヴァーガーデン ヒューマンドラマ

劇場版『ヴァイオレットエヴァーガーデン』のあらすじ紹介と解説・考察をしています!
鑑賞済みの方向けの解説考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

制作年:2020年
本編時間:140分
制作国:日本
監督:石立太一
原作小説:『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』暁佳奈 著
主題歌:『未来のひとへ』TRUE

 

キャスト&キャラクター紹介

ヴァイオレット・エヴァーガーデン…CV石川由依
C.H郵便社でドール(自動手記人形)として働く女性。
大陸戦争中は兵士として活躍していたという特殊な過去を持ち、両腕は戦争で失ったため義手を着用している。
兵士として育てられてきたため、何事も合理的に考える傾向が強く、人間的な感情が乏しい。
恩師ギルベルト陸軍少佐に言われた「愛してる」の意味を探し求めている。

 

ギルベルト・ブーゲンビリア少佐…CV浪川大輔
軍属家系の貴族ブーゲンビリア家の次男。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの親代わりでもあり、兵士として育て上げた先生でもあり、愛を教えてくれた男。
数年前の大陸戦争で行方不明になり、そのまま現在も生死不明。
ブーゲンビリア家では戦死したとみなされお墓が建てられている。
クラウディア・ホッジンズ…子安武人
ディートフリード・ブーゲンビリア(ギルベルトの兄)…木内秀信
アイリス・カナリー…戸松遥
ベネディクト・ブルー…内山昂輝
カトレア・ボードレール…遠藤綾
エリカ・ブラウン…芽原実里
デイジー・マグノリア(クラーラのひ孫)…諸星すみれ
デイジーの父…宮本充
デイジーの母…篠原恵美
クラーラ・マグノリア(デイジーの祖母)…川澄綾子
ユリス…水橋かおり
リュカ(ユリスの親友)…佐藤利奈
ユリスの父…遠藤大智
ユリスの母…八十川真由野
シオン(ユリスの弟)…松元恵
ネリネ(郵便社受付)……齋藤綾
ブーゲンビリア氏(ギルベルトの父)…中田譲治
イルマ・フェリーチェ(海の女神)…佐久間元輝
市長…間宮康弘 他

はじめに:ヴァイオレット・エヴァーガーデンの過去

原作小説やアニメを見ていない方のために、主人公ヴァイオレット・エヴァーガーデンの過去を紹介します。(筆者も原作小説は未読です)

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは戦争孤児で、子どもの頃に軍人家系の貴族ブーゲンビリア家の長男ディートフリードに拾われました。
当時ヴァイオレットは話すこともままならず、自分の名前も覚えていませんでした。
ディートフリードは弟のギルベルト陸軍少佐にこの少女を押し付けて、戦争のための『武器』として育てるように命じます。

ギルベルトは少女にヴァイオレットと名付け、彼女に読み書きから戦闘術、サバイバル術など、戦地で生き残るすべを教えました。
ヴァイオレットは成長とともにギルベルトを慕うようになり、ギルベルトもまた彼女を1人の女性として意識し始めます。

やがてヴァイオレットも戦争に参加するようになると、戦士としての才能を開花させ『ライデンシャフトリヒの戦闘人形』と呼ばれ敵軍に恐れられます。
※ライデンシャフトリヒはヴァイオレットが所属する陸軍の名前です。

戦争が大詰めを迎えた頃、ヴァイオレットはギルベルトと一緒に敵地で死闘を繰り広げます。
この時、敵軍の攻撃でヴァイオレットは両腕を失い、ギルベルトも瀕死の重傷を負いました。
両腕を失ってもなおギルベルトを守ろうとするヴァイオレットに、ギルベルトは「生きるんだ。生きて自由になれ。心から愛してる。」と言い、逃げるよう命じましたが、その直後にヴァイオレットは意識を失いました。

ヴァイオレットは病院で目覚め、そのまま入院中に戦争は終わりました。
ギルベルトはその病院にもおらず、生死も不明です。
退院が近づいたヴァイオレットの前に、ギルベルトからの依頼で彼女の後見人を引き受けたというクラウディア・ホッジンズが現れます。
ヴァイオレットはホッジンズにもギルベルトの安否を聞きますが、ホッジンズも何も知りませんでした。

退院後、ヴァイオレットはギルベルトの親戚にあたるエヴァーガーデン家に引き取られますが、ヴァイオレットは「私は武器として育てられました。戦争が終わって私に価値が無くなったのなら殺してほしい」と言い出します。
困ったクラウディアは、彼が経営するC.H郵便社でヴァイオレットを働かせてみることにしました。

そこでヴァイオレットは、依頼人に代わって手紙の代筆を行う『自動手記人形(ドール)』という仕事に興味を持ち、ドールとして働きたいと申し出ます。
彼女がドールに興味を持ったのは、ギルベルトに言われた『愛してる』の意味が知りたいと思ったからです。

ヴァイオレットは『ドール育成学校』に通い手紙について一通り学んでからドールとして本格的に働き始めます。
同僚ドールたちとも良きライバルとなり、ヴァイオレットは多くの依頼人を通して『愛』とは何かを学びます。

予備知識:デイジー・マグノリアは誰?

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

ヴァイオレット・エヴァーガーデンを知る旅をするデイジー・マグノリアは、30分アニメ版の神回とも呼ばれる第10話に登場したアン・マグノリアの孫娘です。

アンの母クラーラは若くして病死してしまいますが、クラーラは生前、ヴァイオレットに依頼して彼女が亡くなってから50年、アンの誕生日に毎年お祝いの手紙が届くように手配していました。

デイジーはアンの死後にヴァイオレットが代筆した50年分の手紙を見つけます。

 

あらすじ紹介

あらすじ①:

有名ドールに成長したヴァイオレット・エヴァーガーデンは、ライデン市の港町で毎年開かれる海の感謝祭で賛歌を書く大役を任されました。
ヴァイオレットの詩は大好評で、市長からも絶賛されました。

ある日、ヴァイオレットはユリスという入院中の少年からの依頼で、両親と弟のシオンに遺書を書くことになりました。

ユリスは不治の病にかかっていて、まだ子どもなのに余命いくばくもない状態でした。
ヴァイオレットはユリスからのお願いで、哀れみや同情を抱かないように気を付けながら遺書作成に励みます。
ユリスとの交流で、ヴァイオレットは彼女自身もギルベルトを愛していることを自覚しました。

さらに、ユリスは入院してから会えていない親友のリュカにも遺書を残そうとしますが、体調を崩してしまい日を改めることになりました。

その後、ヴァイオレットはギルベルトの兄ディートフリードから、ギルベルトの私物をいくつか譲ってもらえることになりました。
この時、ヴァイオレットはディートフリードとギルベルトの生い立ちをすこしだけ知ることになります。

2人の父ブーゲンビリア氏は陸軍の高等士官で、ディートフリードもギルベルトも陸軍人になることを期待されていましたが、ディートフリードはそんな父にうんざりして、ギルベルトに父の期待を全て押し付けて海軍に入ってしまいました。
ギルベルトは父の意向通り陸軍に入り、ブーゲンビリア家の正式な跡継ぎになりました。
ディートフリードがヴァイオレットを拾ってきたのはその後です。

ヴァイオレットは兄弟関係のこじれの原因が家庭環境にもあったことを知り、当時のギルベルトに思いを馳せました。

 

あらすじ②:

ある日の夜、ホッジンズは宛先不明で返送予定の郵便物の中からギルベルトの筆跡の手紙を見つけ、ギルベルトが生きていることを知ります。
ホッジンズは悩んだ末にヴァイオレットにも状況を明かし、発送元の住所であるエカルテ島に行ってみることにしました。

エカルテ島はC.H郵便社のあるライデン市から電車や船を乗り継いで片道3日はかかる場所にある小さな島で、発送元の住所は小さな地元の学校でした。
ホッジンズはヴァイオレットを校門の前で待たせて、まずは1人で手紙の主がギルベルトかどうか確かめに行きます。

ホッジンズが学校の敷地内にある小屋を覗いてみると、そこにいたのは確かにギルベルト本人でした。
当時、ギルベルトはヴァイオレットと一緒に戦った敵地で被弾して倒れた時、右目と右腕を失ったものの病院に運ばれて奇跡的に助かっていました。
ギルベルトもヴァイオレットと同様に入院中に終戦を迎え、元気になると生きていることを知らせないまま放浪の旅に出て、今から約1年前にここエカルテ島に辿りつきました。
ギルベルトは村の畑仕事を手伝ったり子どもたちに勉強を教える内にすっかり馴染み、名前を『ジルベール』と名乗ってエカルテ島で暮らすことに決めたそうです。

ホッジンズはギルベルトが生きていたことを喜び「ヴァイオレットも来ているから会って欲しい」と言いますが、ギルベルトは「俺は彼女を不幸にした。二度と会わない方がお互いのためだ」と拒否しました。

ギルベルトの反応にヴァイオレットは傷つきますが、また明日訪ねてみることにして、今日はエカルテ島の民宿に泊まることにしました。

 

あらすじ③:

その日の夜、ユリスが危篤状態になったと電報が届きます。
ヴァイオレットはユリスとの契約『ユリスが亡くなったその日に両親とシオンに遺書を渡す』を果たすためにライデン市に戻ろうとしますが、今からだととても間に合わないため、代わりにアリスとベネディクトが病院に行ってくれることになりました。

2人は病院に着くとすぐにアリスがリュカへの手紙を代筆しようとしますが、ユリスは上手く言葉が出てきませんでした。
アリスは手紙よりも電話した方が早いと判断し、病院に頼んでリュカとユリスの病室を電話で繋いでもらいました。
リュカの声が聞こえると、ユリスはリュカのお見舞いを拒否したことを謝り、ずっと友達で居ようと約束しました。

リュカとの電話を終えた直後にユリスは息を引き取り、アリスとベネディクトは約束通り、ユリスの両親とシオンにユリスからの遺書を手渡して静かに病院を去りました。

ユリスの訃報を受けたヴァイオレットは、ギルベルトが生きていることがわかって声だけでも聞けたことで満足しようと決め、明日の朝の便でライデン市に帰ることに決めました。

 

あらすじ④:結末

翌日、ヴァイオレットはギルベルトに最後の手紙を残してライデンに戻る船に乗りました。
同じ頃、ギルベルトの元にディートフリードが現れて、ふたりの亡き母のお墓参りをギルベルトの代わりに毎月ヴァイオレットがしてくれていることや、ブーゲンビリア家はディートフリードが継ぐことを告げて去りました。

その直後、ギルベルトはヴァイオレットからの手紙を読み、会いたい気持ちを抑えきれず港に走ります。
ギルベルトの声が聞こえたヴァイオレットは船から飛び降りてエカルテ島に戻り、ギルベルトと抱き合いました。

ヴァイオレットとギルベルトが再会してから50年以上の月日が経ちました。
かつて、ヴァイオレットが代筆した手紙を受け取ったアン・マグノリアの孫娘のデイジーは、アンの死後、彼女が大切に保管していた手紙を読んでヴァイオレット・エヴァーガーデンというドールが居たことを知ります。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは伝説のドールとして切手のモデルにもなっていました。
ヴァイオレットが気になったデイジーはC.H郵便社のあった場所に行ってみると、郵便社は国営化されていて、そこは博物館になっていました。
デイジーは博物館の管理をしていたネリネと話をし、エカルテ島にも行ってみました。
エカルテ島の郵便局で局員に話を聞くと、ヴァイオレットはギルベルトと再会した後にC.H郵便社に戻り、残っていた業務を終わらせてから退職してエカルテ島に引っ越し、島の郵便局でも働いていましたが、その郵便局も今は別の場所に移動していました。

ヴァイオレットはエカルテ島でも沢山の手紙を代筆したらしく、エカルテ島は人口の少ない島ながら、今でも年間の手紙の発送数が国内で最も多いそうです。

デイジーは郵便局から出ると、先日喧嘩してしまった両親宛てに「愛してる」と手紙を書きました。

 

解説、考察や感想など

ギルベルトがヴァイオレットに会いたがらなかったのはなぜ?

クラウディア・ホッジンズが会いに行った時、ギルベルトはヴァイオレットに会うのを拒みました。

ギルベルトはヴァイオレットを大切にしていましたが、一方で彼女を戦士として育て、戦地に立たせたのもギルベルトです。
ギルベルトはヴァイオレットに「君は道具じゃない」と言いながら結果的には戦争の道具にしたり、その結果彼女が両腕を失ったことで自分を責めていました。

恐らくギルベルトはヴァイオレットと再会することで戦争中のことを思い出したり、彼女の義手を見て罪悪感を感じることを恐れて会えなかったと思われます。

 

ギルベルトはなぜヴァイオレットに会いたくなった?

幼かった彼女が もっと楽しい時間を過ごせるように
可愛らしいものを 慈しめるように
美しいものに 心躍らせるように
そんな時間を過ごさせてやりたかった

ギルベルトがヴァイオレットに会いたくなったのは、彼女からの手紙を読んで感動したことが最大の理由ですが、ギルベルトが気に病んでいた彼女を戦争に駆り出したことや、両腕を失ったことなど、ヴァイオレットは気にも留めていないこと、ヴァイオレットもまたギルベルトを愛していることを知ったからです。

そして、上に引用した『ギルベルトがヴァイオレットにしてあげたかったこと』は、これからしてあげれば良いのだとギルベルトが気付いたからではないでしょうか。

 

ユリスの病室のバラ

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

ユリスとヴァイオレットの初対面のシーン ©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

■薔薇の花言葉 本数別
1本 「一目ぼれ」「あなたしかいない」
2本 「この世界は二人だけ」
3本 「愛しています」「告白」
4本 「死ぬまで気持ちは変わりません」
5本 「あなたに出会えた事の心からの喜び」
6本 「あなたに夢中」「お互いに敬い、愛し、分かち合いましょう」
7本 「ひそかな愛」
8本 「あなたの思いやり、励ましに感謝します」
9本 「いつもあなたを想っています」「いつも一緒にいてください」
10本「あなたは全てが完璧」
11本「最愛」
12本「私と付き合ってください」
13本「永遠の友情」
14本「誇りに思う」

ユリスの病室にはバラが飾られています。
薔薇は贈答用の花として定着しているためか、非常に多くの花言葉が存在します。
本数ごとにも花言葉があるので、数えて意味を見て「ほうほう」となるのもこの映画の楽しみ方のひとつです。

例えば上にも貼ったヴァイオレットとユリスが初めて会うシーンではオレンジ色のバラが飾られています。
オレンジのバラには「無邪気」「魅惑」「絆」「信頼」という花言葉があり、まだ少年のユリスらしい花だと思いました。
さらに、2つの花瓶に5本と8本生けてありますが、合計13本、いずれの意味を見ても「なるほど」となる花言葉です。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

↑こちらはヴァイオレットとユリスが2回目に会った時で、2人で手紙を作成した時です。
白いバラになっていて、本数は微妙なところなんですが、私が数えた限りでは14本です。
白いバラの花言葉でユリスにマッチするのは「心からの尊敬」「清純」「無邪気」「尊敬」「素朴」「約束」などです。

以上です!ありがとうございました。
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