映画『ショーシャンクの空に』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!
冤罪で投獄された優秀な銀行員アンドリューが起こした数々の奇跡を描く感動作。
制作年:1994年
本編時間:143分
制作国:アメリカ
監督・脚本:フランク・ダラボン
原作小説:『恐怖の四季』より『刑務所のリタ・ヘイワース』スティーブン・キング著
主要キャスト紹介
(引用:http://lukephilpott-asmedia.blogspot.com)
アンドリュー・デュフレーン…ティム・ロビンス
妻と妻の不倫相手を殺した罪で終身刑を受けた元銀行員。
数ある刑務所の中でも特に劣悪とされるショーシャンク刑務所で数々の奇跡を起こす。
(引用:https://www.vudu.com)
エリス・ボイド・レディング(レッド)…モーガン・フリーマン
若い頃…アルフォンソ・フリーマン
アンドリューが入所した時点で収監20年目になる終身刑の服役囚。
罪を悔い改めて仮釈放からの社会復帰を夢見ているが、面接でなぜか毎回申請却下されている。
刑務所内では『配達屋』としての地位を築いており、頼まれたら大抵の物は外部から調達できる。
ハドリー(刑務官主任)…クランシー・ブラウン
トミー・ウィリアムズ(青年囚人)…ギル・ベローズ
ヘイウッド(囚人仲間)…ウィリアム・サドラー
ブルックス(〃、図書館係)…ジェームズ・ホイットモア
フロイド(〃)…ブライアン・リビー
スヌーズ(〃)…デヴィッド・プローバル
ボグズ(囚人)…マーク・ロルストン ほか
≪U-NEXT≫で『ショーシャンクの空に』が見られます! 31日間無料キャンペーン実施中。
※このページの情報は2022年5月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。
あらすじ紹介
あらすじ:起
1947年のメイン州。優秀な銀行員のアンドリュー・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、不倫していた妻と不倫相手の男を殺した殺人罪で終身刑の判決を受けてショーシャンク刑務所に収監されました。
確かな物的証拠はなく、アンドリューは無罪を主張していましたが、妻が不倫していた仲が険悪だった点などの状況証拠から陪審員達はアンドリューを有罪と判断したのです。
ショーシャンク刑務所は、入所初日からアンドリューと一緒に投獄された囚人が刑務官に撲殺されたり、アンドリュー自身も先輩囚人ボグズに体を狙われるなど非常に劣悪な環境の刑務所でした。
当初のアンドリューは物静かで誰とも話そうとしませんでしたが、1カ月ほど経つと、先輩囚人の『調達屋』レッド(モーガン・フリーマン)を中心に囚人たちと交流するようになります。
アンドリューが初めてレッドに調達を頼んだのは小さなツルハシで「石を彫るのが好きだから趣味を再開させる」と言いました。
しばらく経つと、アンドリューはリタ・ヘイワースのポスターも調達して独房の壁に飾りました。
それから2年後の1949年5月。
刑務主任のハドリー(クランシー・ブラウン)が相続税で悩んでいると知ると、アンドリューは銀行員時代の知識から解決方法を教え、必要書類も作成する代わりに、刑務作業中に仲間と一緒にビールが飲みたいと交渉しました。
普段ならハドリーは囚人と交渉しませんが、この時ばかりはアンドリューの要求に応じました。
アンドリューは禁酒したためビールを飲みませんが、ビール片手に屋上でくつろぐ看守仲間と囚人を嬉しそうに眺めていました。
その後、アンドリューはボグズとの攻防戦の末に半殺しにされて約1カ月の入院送りになってしまいます。
いつもなら看守は見てみぬフリですが、税金絡みでアンドリューを頼っていたハドリーが激怒してボグズを激しく折檻し、ボグズは一生流動食しか食べられない体になり、身体障碍者用の医療刑務所に移送されて一生会うことはなくなりました。
あらすじ:承
その後、アンドリューの噂を耳にした刑務所長のノートンは、アンドリューを刑務所内の図書室係に任命しました。
アンドリューは図書係というよりは刑務官たちのお金の悩みの相談役をさせられることになります。
本来なら会計士や弁護士に依頼するような書類もアンドリューが作れるので、とても重宝がられました。
また、アンドリューは刑務所内に本を充実させるために州議会に予算アップの嘆願書を書いて毎週欠かさず送りました。
時を同じくして、刑務所で50年以上を過ごしてきた先輩図書係のブルックスに仮釈放の許可が下りました。
ブルックスはペットにしていたカラスのジェイクに別れを告げ、国が用意したアパートに住みながらスーパーで働きますが、友人も知り合いもおらず『前科者の老人』として扱われる生活に耐えかねて、仮釈放から約5年後に自殺してしまいました。
ブルックスの遺書代わりの手紙がアンドリューとレッドの手元に届いた日、州議会から200ドルの小切手と古本や中古レコードが寄贈されました。
6年も手紙を書き続けたアンドリューの粘り勝ちでした。
アンドリューはその後も手紙を書き続けて追加支援をゲットしました。
あらすじ:転
それから4年後の1959年。
追加支援を元手にデッドスぺースを活用して拡大工事を行い、図書室はさらに充実しました。
1963年、ノートン所長は『囚人更生のための社会奉仕活動』として、公共施設の掃除などの雑務を破格で請け負う業務計画を世間に発表しました。
ノートンは慈善活動家として有名人になりますが、この事業には裏があり、彼の真の狙いは囚人を働かせて儲けた金をピンハネ(横領)することでした。
アンドリューはノートンの専属会計士にさせられて、隠蔽のために存在しない人間『ランドール・スティーブンス』の口座まで作らされて、ピンハネしたお金はスティーブンスの口座に蓄えられていきました。
1965年、刑務所に新しくトミー(ギル・ベローズ)という陽気な青年が窃盗罪で入所しました。
結婚して子供が生まれたばかりのトミーは本気で更生する気持ちがあり、出所までの2年の間に高卒認定の資格を取りたいとアンドリューに相談しました。
アンドリューは読み書きがまともに出来ないトミーに勉強を教え、1年かけて高卒認定試験受験の手伝いをしました。
1966年。アンドリューが投獄された事件を知ったトミーは、アンドリューとレッドにある打ち明け話をしました。
トミーは以前入所していた刑務所で出会ったエルモという囚人が「昔、プロゴルファーと女を強盗殺人したら、逮捕されたのは俺じゃなく殺した女の旦那だった」と笑い話にしていたという話でした。
アンドリューはノートン所長に再審請求を求めましたが、ノートンは「しても意味がない」と却下しました。
激怒したアンドリューは暴言を吐き、懲罰房行きになってしまいます。
2カ月後にアンドリューが懲罰房から出て来た頃には、トミーは『脱獄を計った』という理由で殺されていました。
アンドリューを手放したくなかったノートンがトミーを殺したのです。
絶望に打ちひしがれるアンドリューをレッドが慰めると、アンドリューは「もし仮釈放されたら、メキシコのバクストンにある牧場の大木の下にある物を埋めておく」と言いました。
あらすじ結
その後、アンドリューは囚人仲間のヘイウッドから縄を1本調達した翌日に刑務所からこつ然と消えました。
ノートン所長とハドリー刑務主任の調査の結果、アンドリューは独房の壁に穴を掘って逃げたことが判明します。
アンドリューは入所してから約19年かけて、レッドから買った小さなツルハシで少しずつ穴を掘り続け、そこを通り抜けてから下水道を這って逃げおおせたのです。
壁の穴を隠していたのは、アンドリューが壁に貼っていた人気女優のポスターでした。
刑務官や警察が刑務所周辺を探し回っている間、アンドリューは銀行を周って『ランドール・スティーブンス』名義の口座のお金約37万ドル(当時の為替相場で単純計算すると約1億3千万円相当)を引き出して逃亡資金にしました。
その後もアンドリューは警察に見つからず、見事に逃げ切りました。
残されたレッドと仲間たちは、アンドリューの逃亡劇を自分の事のように喜びました。
その後、レッドにもついに仮釈放の許可が出ました。
レッドにはブルックスが住んでいた部屋があてがわれ、同じスーパーで働く毎日を送ります。
そしてレッドもブルックスのように鬱状態になりかけた時、数年前にアンドリューと交わした約束を思い出しました。
レッドは仮釈放の規則を破って約束場所だったバクストンの牧場に行き、大木の根本で石に埋もれていた缶の箱を見つけます。
中に入っていた手紙には、アンドリューの居るジワタネホで一緒に仕事がしたいと書かれていて、交通費として現金も添えられていました。
レッドはその足でジワタネホに行き、美しい海辺でボートの修理をしていたアンドリューと笑顔で再会しました。
解説・考察や感想など
(引用:https://www.simplemost.com)
モーガン・フリーマンが好きになるきっかけになった映画です。
不条理な世の中でいかに希望を見出していくかというメッセージが込められていて、落ち込んだ時に見ると立ち向かう勇気がもらえます。
本作に込められたメッセージや明かされていない謎を考えていきます。
聖書
アンドリューは聖書のページをくり抜いてツルハシの隠し場所にしていました。
聖書はノートン所長が重んじている物でもあったので、中身を熟知していることから興味本位で本が開かれることはないだろうと踏んだのです。
アンドリューの「聖書の中に救いがある」という発言は、ノートンには(一般的には)『聖書を読むことで心が救われる』という意味に受け取れますが、アンドリューは聖書に隠したツルハシで脱獄用の穴を掘ることで精神状態を保っていたので、「ツルハシが心の救い」という裏の意味も込められていました。
フィガロの結婚を放送したのはなぜ?
アンドリューは州議会から送られてきた中古レコードを見て、看守を閉じ込めて部屋にカギをかけてから『フィガロの結婚』を館内に流しました。
懲罰房行きになるのは覚悟の上でしたことです。
『フィガロの結婚』はモーツァルトが作曲した世界的に有名なオペラのタイトルで、内容は『主人公フィガロが彼の婚約者を狙う上司を懲らしめる物語』です。
作中で流れたのは『手紙の二重唱』という歌で、フィガロの婚約者の女性がフィガロの上司をおびき出すために『松の木の下で会いましょう』と偽のラブレターをしたためる様子が歌われています。
アンドリューがバクストンの牧場の木の根元にレッド宛ての手紙を置くことにしたのは、この歌を聞いて思いついた約束だったのではと想像しています。
また、『フィガロの結婚』と本作の内容とを繋げると、『フィガロが上司を懲らしめる』=『アンドリューがノートンを懲らしめる』内容の伏線でもあったのではないかなと感じました。
また、この寄贈が届く直前、アンドリューはレッドと一緒に自殺してしまった図書係ブルックスからの最期の手紙を読んでいました。
訃報と寄贈がほぼ同時に届いたのはただの偶然でしょうが、アンドリューには中古本などの寄贈品がブルックスからのプレゼントのようにも感じられたのではないでしょうか。
なので、ブルックスの魂に贈った鎮魂歌だったようにも見えました。
殺人事件の犯人はアンドリューなのか
アンドリューは妻と妻の不倫相手を殺した罪で投獄されましたが、彼自身はずっと無罪を主張していました。
しかし、弁護士からは『アンドリューが犯人である可能性が高そうな状況』が挙げられて、アンドリュー自身も弁護士が語った事件の夜の行動は認めていました。
その後、事件から19年後に出会った青年トミーから「エルモという男が事件の真犯人かもしれない」という話が出ます。
アンドリューは再審請求を求めますが、事件の真相は探られることもなくノートンに抹消されてしまいました。
真相が明かされないのは恐らく『真犯人が誰か』は重要ではないからですが、私は事件の真犯人は少なくともアンドリューではなく、冤罪だったと思っています。
なぜなら、私はこの映画のテーマが『不条理・理不尽な状況にどう立ち向かうか』だと思うからで、アンドリューが理不尽な状況にある前提でないとテーマが成り立たないからです。
もしアンドリューが殺していたとしたら、最終的に脱獄したアンドリューは『罪を償うことから逃げた男』になってしまいますし、必死に再審請求する心理も『他人に罪をなすり付けて自分が自由になりたいから』になり、トミーが殺されて絶望した心理も『仲間が殺されて悲しい』の裏に『身代わりをたぐり寄せる材料(証人)を失った』という理由が隠れていることになってしまいます。
私にはアンドリューはそんな人間には見えなかったので全く見当はずれに思えますし、物語自体が美談でもなくなります。
なので、私はアンドリューは無罪だと信じています。
アンドリュー自身は、もし罪があるとしたら妻の心を繋ぎ止めておけなかったことだと語っていました。
もし妻が不倫しなければ殺されることもなかったのでアンドリューが苦しむのもわかりますが、それは結果論で誰にも予想できない事態なので、やはりアンドリューに罪は無かったのではないでしょうか。
次のページに続きます!
感想などお気軽に(^^)